雨に濡れた紅葉が再生したかのように鮮やかな色彩を見せ、その中でも落葉松の金色に染まった葉がひと際目立ち、美しい。記憶にある樹木とその名前を数えながら登ってきたら10種以上になった。クヌギ、ミズナラ、柏、ブナ、落葉松、桜、白樺、ダケカンバ、このあたりは間違いない。トチ、ホウ、ヒメンシャラ・・・、こうなると怪しくなる。
きょうの写真のイチョウは昨日撮った。こうして見れば黄色く色付いているようだが、前夜の雪で散るのを早めてしまったのだろう、本格的な黄色に染まるまでにはあと一息だった。惜しまれる。
昨日の天秤棒を使った籾殻運びの顛末が上の写真。2往復目、いつの間にか担いでいた後ろの袋が破れて、中身がこぼれていた。1回目がうまくいったせいで2回目は注意力が不足したのか、折角の籾殻を大分無駄にしてしまった。歩いてきたばかりの雪の上に籾殻が下流から黄色の帯になってずっと続いていたのを目にしたとき、「愚か者奴!」と籾殻に怒られているような気がした。天秤棒を操るのも容易ではないのだ。その上、歩きながら足許がいやに窮屈だと思っていたら、いつの間に長靴の中にまでもびっしりと籾殻が入り込んでいた。誰も見ていない初冬の森の中で、ひとり笑った。
ともかくも4往復で3箇所、水道管が地表に露出している部分の養生は、用意した籾殻で充分に足りた。これでもし、この冬も水道管が凍結してしまったら、これまでの苦労は徒労となるが、さて。
ちょっと整備すれば、この沢もいい遊歩道になる。今は牧場内のため無断で立ち入ることはできないが、放牧以外にも牧場内や、付近の美しい自然環境を有効に生かす手立てはたくさんある。ただ、安っぽい観光地にするくらいなら、今の静穏な環境のままにしておきたい。
地方の活性化の名のもとに各地で観光投資が行われ、今も続いているし、今後も続くだろう。しかしそれらが目先のことや、経済効果ばかりを求めたものならば、自然環境は簡単に荒廃してしまう。その不安は、野放図に利便性ばかりを追求して止まないわれわれの文明に抱く懸念とも似る。
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