入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「冬ごもり」 (5)

2016年11月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 家を出たときは曇り空だったのが、高遠辺りから日が射し始め、やがて天気はすっかり回復した。ちょうど1週間ぶりの入笠行だった。途中、芝平の第2堰堤までは雪道に先行者の轍があったが、頼りの轍はそこで消えていた。例年なら、この谷は猟師が多数入るから、その人たちの車の跡を追随すればよいのだが、仕方ないから何もない雪の上に新しい轍を付けながら車を走らせた。積雪は10センチぐらいで、さしたる困難もなくオオダオ(芝平峠)に着いた。その先のことを心配していたら、道路はすでに除雪されていて、その状態が牧場までずっと続いた。
 それにしても、1か月ぐらいは早い。年末ごろの気象とよく似ていた。雪道には動物の足跡がいたる所に散らかるようにしてあったが、彼らにしても思いがけない早い降雪に戸惑い、慌てふためいた様子が見て取れた。
 牧場北門の手前で車を止めてみた。中央アルプスの空木、駒、そこから山並みが切れて御嶽、乗鞍、そして北アルプスの穂高、槍と続くいつもの山々が目に入ってきて、おだやかな安堵感と、冬の山の寂寥感のようなものを同時に懐かしく感じた。
 一番気にかけていた管理棟の近くにある取水場は、まだ凍結していなかった。ほっとした。断熱材の入った蓋を雪の中から掘り出し、開けてみると、澄んだ水が本管から湧き出していた。ただ、水量が期待したほどではなく、気温がさらに下がればこの程度の水流では凍結してしまうかも知れなかった。もちろんそうなってはほしくないが、しかし今冬にはもう打つ手が残されていない。
 小屋の中と周囲を見回り、昼時だったのでマナスル山荘の本館に立ち寄り、人気のビーフシチューを食べて帰ってきた。同山荘では今夜、ボジョレー解禁でその試飲会が開かれるのだという。

 そんなわけで、雪用タイヤに四輪駆動の車(軽)だったが、伊那側からは問題なく通行することができた。余程の大雪にでもならない限り年内は大丈夫だと思うが、今後もまた情報を随時発信していきたい。

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