入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「冬ごもり」 (1)

2016年11月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 小屋の裏にある隣家と接する柿の木に椋鳥が来ている。捥ぎ残しの夥しい数になる柿の実が目当てなのだが、まだ熟し切っていないため渋くて、しばらくは無駄に通うだけだろう。鳥の正しい名前を知らないまま、小さいころから「ギャーギャー」と呼んでいたのは、その品のない喧しい鳴き声のせいだろう。カラスと同じように、人に好かれる鳥ではなかった。今のうちは鋭い嘴で突っついては諦めて飛び去っていくだけだが、そのうち熟した柿の奪い合いになると本領を発揮して、名前を裏切らない騒ぎを始めるのは間違いない。
 留守の間に友人知人やその友人などが干し柿にしたいからと捥ぎに来たはずなのに、まだこんなに残っている。このままにしておいては柿の木の折角の努力を無駄にするようだが、かといって干し柿を作ろうなどという気はサラサラないのだから、ギャーギャーと万有引力に任せるしかない。

 昨日はまだ雑用があって外出したが、きょうはそんな用事もない。目覚めてからも、眠気と疲労を残らず絞り出すつもりで遅くまで床の中にいたし、すでに朝風呂にも入った。朝酒と言ってもさすがに燗酒は自重して、ビールを飲んだ。それでまだ10時を少し過ぎただけだというのに、きょう一日中何もすることがない。と、書いて思わず笑った。
 やることがないのではなくて、やりたくないと言うのが正しい。半年の間放たらかしのままになっている家や、その周囲の片付けでもということになれば、いくらでもある。しかし、まだそんなことはしない。冬ごもりの生活に落ち着くまでには時間がかかる。退屈という澱のようなものがしっかりと堆積されるまでは、目下の倦怠などは酔いのようなもので、炬燵に囚われて呆然としているだけでも時は過ぎていく。

 赤羽さん、そちらも懐かしい行ってみたい街です。そういう場所が幾つかあって、実際に訪れなくても今は、あれこれと思い出しているだけで足りています。初冬の山には行きましたか。

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コメント
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