Photo by カント氏(既出)
昨夜も上に泊まった。そして予想通りの素晴らしい夜空の出現に興奮し、感動した。
まずは新月から間もない細身の月を見た。暗くならないうちから望遠鏡を眉月に向け、倍率を変えながら白い表面に浮き上がってくるクレーターや、その背後の暗い深淵を見た。「覗く」と言った方が正しいかも知れない。
暗くなるにつれて星の輝きは増し、頭上には光の煙のような天の川や、それに絡む夏の大三角形が現れ、次第に星の光で溢れてきた。いつのまにか、月は西の方に消えていた。
入笠山の上に、冬を代表する星座オリオン座が昇ってきたころには気温もかなり落ちて、近年すっかり寒さに弱くなった身では高所用の羽毛服を着ていてもかなり応えてきた。何とか耐えて、ぼうっと妖しく霞むM42(オリオン大星雲)を低倍率で眺め、さらに冬の大三角形の登場を待った。
JALNECの知性”知り過ぎてる男”W氏も帰らずに寒さと闘いながら一緒にいたが、望遠鏡の操作は星の狩人TBIさんに頼りっぱなしだった。そして冬の大三角形のうちオリオン座のベテルギウスと子犬座のプロキオンは確認したが、大犬座のシリウスの現れるのを前に、寒さ、睡魔、酔いの三重苦に敗れ、部屋に逃げ込んだ。そこまでだった。W氏も去った。
しかしTBIさんは、そこから本格的な観測を始めた。やはり年季が違う。
4時半に目覚めて凍てる夜空を眺めようと外に出てみたら、眼鏡をしてなかったため星々がみな大きく見えたせいもあったが、その荘厳な光の賑わいに息を呑んだ。中天よりやや西にオリオン座は移動していて、圧巻シリウスの存在も加え、神々しいまでの星の競演が続いていた。
そして今朝の天気。真っ青い空の下、北アルプスはもちろん、中央アルプスも空木岳まで紛う方なく冠雪していた。これからはこういう眺めが日常に入ってくる。
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