入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’17年「冬」 (2)

2017年11月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

         Photo by Ume氏

 昨夜は面白い夢を見た。ここのキャンプ場に、そういう場所は実際にはないのだが、夢の中では以前にも出てきた〝懐かしい"幕営地で、幾人ものキャンパーがテントを張っていた。よく見るとさらに向こうの一段高い場所にも、テントがある。全部で10張りほどだが、どれも山用で、最近流行りの大型テントやタープ、テーブルや椅子などはない。周囲の景色も、山際の狭い棚田のような所だった。
 料金を貰いにいき「ひとり一泊1千円です」と言うと、皆が驚いた顔をしてこっちを見た。男も女もニッカーボッカをはいて、厚手の毛のカッターシャツを着ていた。どうやらそこは、どこかの山のテント場で、時間も現在ではないらしい、と合点する前に目が覚めた。
 
 最近、管理棟の裏で、壁板替わりにされていた古い「キャンプ場使用心得」という案内板を見付けた。昭和40年、西暦なら1965年で、今から50年以上前に掲示されていたものである。その白く塗ったトタン板の上に、手描きで黒く書かれた、当時のキャンプ場使用料金を見て泣けた。恐らく当時としても格安だったと思うが、一般1名20円で、さらに高校生以下は10円とある。
 押し入れには、その当時に作られたパンフレットが使われないまま、いまだに大量に残っている。当時は、まだ高遠町は伊那市と合併してない。キャンプ場やその後に建てられた小屋も含めて、高遠町や東部農協(現在はJA上伊那東部支所)が管理経営していたはずだ。
 今でこそ「時代遅れの山小屋」などと呼んでいるが、この小屋は昭和48年に建てられ、簡単な食事や飲み物などを提供するため、賄いの女性もいたらしい。風呂は管理棟前の物置場の中に五右衛門風呂があって入浴できたと、そのころを知っている古い利用者から聞いた。
 70年代当時の経済発展に押されて、こんな山の中でも新しい観光事業をそれなりに立ち上げようとしたのだろう。その期待や努力の跡が半世紀近く経ってもまだ残っている。「時代遅れの山小屋」はその代表であろう。

 本日、下からの要請もあり、大型の囲い罠を仕掛けた。目標・・・、内緒。

 11月から、冬季営業となります。カテゴリー別の「28年冬季営業の案内」を参考にしてください。料金を含め、営業内容は昨年と同じにしたいと思います。

 
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     ’17年「初冬」 (1)

2017年11月01日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏

 きょうもいい天気だ。翳りを見せ始めていた紅葉が、一線を引く老優のように、絢爛の最後を見せてくれている。室内にある2ヶ月表示のカレンダーは11月と12月になり、写真も変わった。
 昨日は、ここに書かなかったが不快なことがあり、その夜もその件をめぐって全く関係のない者とまで電話で口論となった。そのせいでか、今朝目が覚めたら9時半だった。こんなことは、この11年間で初めてのことで、「オジイ」と毒づかれるようになったのだから、年齢のせいで身にも、心にも知らないうちに疲労が溜まっていたのだろう。

 そろそろ冬支度を始めなければならないが、今週はまだ撮影の立ち合いや、その撮影隊の宿泊に加え、他にも宿泊予約があり、一番肝心な水回りは切り替えをしないでいる。
 昨年のように天秤棒を用意して、前後にもみ殻の入ったビニール袋を吊るし、足場の不安定な沢を水源まで行くことになるかも知れない。あまり人には見せたくない格好だが、とにかく冬季の来訪者のために、昨年と同じ場所で取水できるようにだけはしておきたい。ただ、こうしたこともいつかの年末のように、無駄に終わらないとも限らないが、それでも仕方ない。
 もう一つ大事な、電気牧柵の冬対策があるが、まだ何もしてない。枝打ちが一段落しなければと思っていたが、手間取った。雪の加減によっては、そのやり方もかなり違ってくるが、今冬はどうだろうか。

 外から帰ってくるとき眺めたら、夕日を斜めから浴びた鹿島、五竜は本格的な冬の白装束をまとい、常念の雪は融けたようでも穂高、槍も同じように銀嶺を薄青色の空に影のように見せていた。見飽きるほど見た風景だが、それでも感動が胸に沁みてくる眺めだ。哭ける。 

 さあ、この独白の題名もきょうから「初冬」にしました。昨年よりも少しでも多くの来訪者に、中級山岳の静かな冬の森の魅力を味わい、小屋の夜を楽しんでもらいたいと思います。
 NTMさん、手紙とPH、昨日落手しました。大変ありがとうございました。咲ちゃん、ありがとう。

 11月から、冬季営業となります。カテゴリー別の「28年冬季営業の案内」を参考にしてください。料金を含め、営業内容は昨年と同じにしたいと思います。
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