入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「夏」(3)

2023年06月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日、牧場の見まわりのついでに、狂った雨の中ヒルデエラの様子も見にいってきた。思った通り湿原は水浸しで、幾筋もの水の流れが下流に向かっていた。あの多量の水がテイ沢に流れ込むのだとしたら、10箇所にある丸太橋は無事だろうかと思いながら眺めた。
 
 今架かっている丸太橋のことではないが、過去にも大水で橋は2度流され、両方とも丸太橋の大半が流された。そうなれば、結わえていた番線を全て切って丸太をバラし、それから1本いっぽんを元の場所まで担ぎ上げなければならない。
 その上で、また最初から丸太橋を作り直さなければいけないが、もしそうなった場合、今度もまた同じことができるだろうかという懸念をずっと持っている。
 
 それで今朝、心配のテイ沢へ行ってみた。沢は予想を超える大量の水が、もの凄い音を立て激流となって流れていた。流木もあれば、大きな岩も流されていて、いつもの幽玄な沢の面影は一変していた。
 1番目の橋は本流から離れた支流に架かっているから問題なかった。一番心配していたのは2番目の橋で、苦心して積み上げた石積みが流されていないかと心配していた。幸いなことに、少し手を加える必要はあるが、まず無事と言ってよかった。
 下から3番目の橋は水面から一番近い所に架かっていて、流される可能性が最も高かった。ただ、あの場所は大水が出ても流れが拡がるから、流れ止めのロープさえ切れなければ大丈夫だろうと思っていた。そしたら案の定、橋の半分は流されていても、ロープが期待に応えてくれていた。
 やれやれこの程度の被害で済めば何とかなるぞと思いながら、夫婦が淵に架かる4番目の橋まで行って、それまでの楽観が吹っ飛んだ。橋は完全に渡ることができなくなっていただけでなく、無い知恵を絞って架けた手前の渡りや支柱までも激流にやられていた。無残。
 渡渉など問題外で、仕方なくそこから引き返すしかなかった。





 取り敢えず、ヒルデエラの入り口に、テイ沢へは入渓しないようにと注意書きを立てた。

 本年度の営業案内については下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。明日は沈黙します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

     ’23年「夏」(2)

2023年06月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

     Photo by Ume氏

 昨夜からずっと雨。コナシの花も気になるが、テイ沢の増水はもっと気になる。信州南部はかなりの大雨が予想され、警告も出ているようだ。これで牛が来ていれば、濡れそぼつ姿を見回るだけのことしかできないが、それだけに気を揉む。
 
 予定していたピアノコンサートも早めに延期して正解だっただろう。強行した場合、きょうのような天気では予約者は行くべきかどうかの難しい判断を迫られるし、それに何よりも、仮に明日が良い天気になったとしても、これだけの雨が降った翌日では会場の状況が開催を許してはくれないだろう。
 7月29日に延期になったために、来られなくなった人もいる。電話をくれたある年配者は、別の場所ですでに平澤真希氏のコンサートを聞いて感動した経験を持つだけに、延期によって行けなくなるかも知れないと、非常に案じている様子が電話から伝わってきた。
 親しくしている富士見の建設会社ご一行5名も、延期により参加できなくなった。29日は祭りが行われる日で、仕事も絡みこれは何とも致し方ない。しかし大いに残念がっていた。救いは、予定が変更になったことで、逆に参加できる人もいるということだ。

 この雨では、久しぶりの農休みを決めるしかない。小屋の部屋の片付けをするいい機会だが、1週間ばかり前、炬燵を仕舞い込む時にすでにやっておいた。
 昨年は1年中、炬燵はわが部屋に居座っていた。一昨年もそうだったかも知れない。別段それで支障がないと言えばないが、やはり窮屈だし、ホコリの原因にもなっている。持ち込んだ本も増えた。
 それでも一番の理由は、1枚の炬燵敷だ。新品だったがずっと昔しからあった物で、これが化繊で、少しづつ擦れてゴミとなり埃となり、毎朝大いに閉口しながら掃除をして来た。しかし愈々我慢の限界に達し、いっそのこと炬燵も片して、ついでだから大掃除も敢行しようということになった次第。
 因みに、里の家の炬燵は、今年はそのままになっている。里で暮らすころには、それがまた必要になるはずだという理由だが、たまに帰った暑い時にこれを見たらぞっとするだろう。

 こんな天気でも、例の下見が午前と午後2件ある。本当に来るのだろうか。

 本年度の営業案内については下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。
 
 

 

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

     ’23年「夏」(1)

2023年06月01日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうから6月、わが列島の一部の地域には5月が終わらないうちに、すでに梅雨入りが報じられて驚かされた。速度の上がらない大型台風の接近もあり、今月の3日に予定していた当牧場での平澤真希氏のピアノコンサートも、思案の末、7月29日に延期することが決まった。
 そういう人々の心配や不安を嗤うかのように、きょうもよく晴れて、小鳥の声が絶えない気持ちの良い朝だ。カッコウ、ホトトギス、シジュウカラ、まだ他の野鳥の声も聞こえてくるが、歌声の主の名前は分からない。

 先日、テイ沢の倒木処理の続きをしていて、本体である倒木を伐り終えた瞬間、運び出すのに都合が良かろうと敢えて切り落とさずにしておいた枝に胸を痛打された。その枝は腕の太さくらいはあっただろう。
 
 わが胸は肉体的にも、精神的にも幾度かこういう不運、不幸を経験していて、かなり弱っている。今でも精神的な胸の疼きは一人の山の暮らしの中では時々襲ってくるが、良寛和尚が詠ずるように、その痛みが孤独を紛らわしてもくれている。だから甘受している。
 もう一方の肉体的痛みは、無理して支柱を抜こうとして痛めたこともあれば、もっと遠いころには登攀中に負った傷もある。スキーで転倒して、その痛みを抱えて温泉に浸かり、さらに悪化させたこともある。
 
 テイ沢で痛めた胸は、その日のうちに癒えたと思っていた。ところが、多分バズーカを使って支柱打ちをしたせいだろう、2,3日してまた痛みがぶり返してきた。特に布団の中で寝返りを打ったときや、咳をすると激しく痛んだ。
 最近、嚥下する力が衰えてきたのか、食べた後にせき込むことが多くなって、好物の皮つきの南京豆を食べた後などこの咳込みが襲ってくることがあり、その時は肋骨にテイ沢で味わったと同じ痛みが再現され生きた心地がしなかった。
 で、南京豆も、そして激しい運動を伴う支柱打ちも控えることにして幾日かが過ぎた。

 幸い、昨日くらいから痛みが和らぎ、草刈り機を振り回すこともできるようになった。前述のように精神的な痛みはあっても、幸いなことに肉体的な痛みはあまり縁なく暮らしてきた。身体にメスを入れたのは10代のころに畜脳の手術ぐらいしか記憶がないから、肉体的苦痛に対する鍛錬は、友人の中にはかなりの高段者もいるが、恐らく初段にもなっていないだろう。
 日頃に鍛錬を重ねて少しづつ段を上げていくのがいいのか、それとも一挙に呻きを上げて学ぶのがいいのか、朝から詮もないことをまた呟いてしまった。
 
 本年度の営業案内については下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする