入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「夏」(8)

2023年06月09日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 本日管理者からの依頼により、千代田湖を過ぎた未舗装の林道との分岐にあった通行止めの道路標識を取り去り、通行注意に変えた。


   
 オオダオ(芝平峠)から入笠へ登ってくる途中の大雨による舗装路の損壊については、昨日は鉄板を置くことになっていたが、それを止めて、きょうグリを入れることにした。その方が有効だと、鉄板を運んできた業者の意見だった。それが終わったら、通行止めは解除される。
 梅雨が始まったばかりだし、また大雨になればこの取り敢えずの処置についてはまだ不安は残るが、とにかく通行できなければ道路ではない。最低のことはこれで何とかなると安堵した(以上は、現場へ行く前の呟き)。


   
 で、結果はこんなふうになった。

 テイ沢の橋については、どんな注意書きを出しても、通じない人には手の施しようがない。事故を起こしてほしくない、などと思うのは余計なお節介であると分かった。見苦しい案内板、注意書きも撤去する。
 15日には牛が上がってくるし、そうなれば忙しくなる。下から4番目の壊れた橋の残骸は片付けるつもりだが、橋の架け替えや倒木処理は当分の間見合わせることにした。
 どうやら入笠へ来る人たちの力量をみくびっていたようで、彼ら彼女らの実力評価を間違えていたようだ、考えを改める。

 もう何度も呟いてきたが、大したことはできないと重々承知の上で、少しでもここの自然を守ることに協力ができればと思ってきた。入笠の伊那側の自然は、主として牧場であると言ってもいいだろう。
 それを踏まえてだが、これまで牧場の経営、管理の主体が上伊那農業協同組合であったことは良かったと思う。もし民間であれば、当然ながら営利が先行する。そのために、今の自然には相応しくないような観光策が採られた可能性だってある。
 牧場はこのまま続いて行って欲しいが、今後ここの自然がどうなっていくかは、良くなるのも、悪くなるのも次の世代次第、お任せするしかない。

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 本日はこの辺で。

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     ’23年「夏」(7)

2023年06月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 目が覚めたら、すでに夜が明けていた。4時を少し回っていたようだ。もうひと眠りしようとして寝付けず、挙句に別なことを思い付き、それを打ち消そうとしたがそうならない。しばらく布団の中で思案を続けていたが、結局は起きることにした。
 生来、気は短い方だ。それに加え年齢のせいか、増々せっかちになってきている。昨日もいろいろと厄介なこと、不快なことがあり、そんなことをあれこれと思い出しているうちに眠気が去ってしまった。そして、もう一人の自分がそそのかすのだ、テイ沢へ行ってみないかと。
 普段はあまり信用してない天気予報も、それには一役買って背中を押した。

 先日の大雨で、10か所に架けてある丸太橋の中で、流失したのは2か所だと思っていた。ところがテイ沢から来た登山者によれば、上からなら一番目の橋、下からなら最後になる10番目になる橋も流されているという。しかも、最初の橋のあった沢の渡渉に「最も苦労した」というではないか。
 下から9番目の橋に使った丸太のうち、1本は腐りかけていた。しかし、それの代替になる丸太が最初の橋を渡ったばかりのところにあるのを知っていた。もう、気持ちは行くと決まっていたからそれを担いでいって、その後ついでに一番上流の橋のあった場所まで足を伸ばし、流失した橋を探してみることも朝まだ早き入渓の理由とした。

 沢は爽快この上なく、水量はすでに落ちて、快い水音を立てて流れていた。やはり来て良かったと思った。もしかしたら短いかもと案じた目当ての丸太も、4メートルそこそこはありそうで、思ったよりか軽くて運ぶのには助かった。
 9番目の流れた橋の丸太と同じ場所に担いできたのも置いて、さらに上流へ向かうことにした。この9番目と10番目の橋の間が一番長く、前回は大雨の前に倒木の処理で、最終の橋よりかもっと先まで来ている。
「三筋の滝」を巻いて少し行くと、沢の流れの中に1本の流木と一緒になって丸太橋らしきが流れに正対するような格好で目に入った。この橋もバラけてなかった。
 4本の丸太を結束していた番線を1本づつ切り、大水が出ても流失しない場所へそれぞれを移した。1本はもう使うのを止めた方がいいと思ったが、他の3本はまだまだしっかりしていた。

 その後、橋のあった場所へ行ってみた。小さな子供2人を連れた親子、運動神経など脂肪に奪われてしまったような60代のご婦人も通っている。滑って手や足を擦りむくようなことはあるかも知れないが、しばらくはそのままでもいいと思いながら帰ってきた。

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     ’23年「夏」(6)

2023年06月07日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 用事があって里へ下り、1泊してきた。もちろん、通行止めになっている「オオダオ(芝平峠)」、「枯れ木の頭」、「千代田湖」を経由してである。
 家に帰っても上と同じで誰かがいるわけだはないし、今や仮寝の宿となってしまった所では自炊もままならず、風呂を沸かしてゆっくり湯につかるぐらいしかできなかった。と言うか、することがなかった。定量を守り酒1合、ビール500㏄1缶を飲んで、テレビでウクライナ情勢を見聞し、9時過ぎには寝てしまった。
 
 今朝は5時ごろに起きて朝風呂を浴びると、もうそこにいてもすることがない。そんな空虚感に襲われ、まるで自分はすでに死んでいて、幽霊にでもなってかつての我が家を訪れたような気分に陥り、妄念を噛みしめつつ草木の繁茂ほしいままの陋屋を後にした。
 いや、これは初めてのことではない。寂寞が、いつも帰りを待っていたHALの代わりにでもなったかのように、わが家のどこかに棲みついて待っている。他人の家とまでは思わないが、一冬の記憶がずっと遠い時間へ行ってしまった家ではある。

 昨日も、テイ沢の様子を見にいくと、あの大水の出た時と比べ大分穏やかさを取り戻していたが、下から4番目の痛んだ橋は手付かず、9番目の橋のあった場所には橋はなく渡渉するしかない。
 それでも、かなり年配の夫婦たちが、あの豪雨を知らなかったかのようにやって来ていた。ヒルデエラ(大阿原)の入り口には注意書を出しておいたが、遊歩道を利用した人には伝わらない。事故が起きずに良かったが、迂闊だった。
 また、いくら入渓するなと書いても、「落石注意」程度にしか受け取らない人には役に立たない。かく言う自分も今朝、通行止めを無視して上がってきた。
 危険度を考えればテイ沢と林道、自分ではテイ沢の方が余程危険だと思うが、一概には言えまい。また自らを省みずに下手に注意して、開き直られても困る。かなり年配で分別のありそうな夫婦だったが、そういう人もいた。
 これから今度は沢の入り口に注意書を出すためで出掛けるが、今度は「ご注意ください」に文言を改めた。

 今年は小屋もキャンプ場もなぜか暇。これで梅雨に突入すると、もっと暇になる。どうしたものか。
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     ’23年「夏」(5)

2023年06月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今年はいつまでも寒い。炬燵を片付けたのが早過ぎたかも知れないなどとぼやけば、驚く人もいるだろう。
 そんな中、コナシやミヤマザクラ、クリンソウの開花がほぼ見頃となり、そのうちにはレンゲツツジの花も咲き出すようだ。遅れていたダケカンバの葉の色も茶から緑に変わり、それだけでなく落葉松や白樺、牧草地の緑も最近になってまた一新したように見える。
 北アルプスの峰々はまだ大分雪を残しているが、中央や南の山などは先日の雨で大分白い物が消えた。長く鬱陶しい梅雨の時季が始り、それが終わるころには、どの山も山肌から残雪は失せているに違いない。

 下から昨日、伊那市役所管理課が荊口からオオダオ(芝平峠)、千代田湖から入笠までの道路を突然通行止めにしたという連絡が入った。心配して東部支所の元所長もメールを送ってくれた。
 確かにオオダオから入笠へ向かう途中にアスファルト舗装が2、3日の豪雨でかなり痛んでしまったのは現場に行って確認している。その際には、偶々ではあるが高遠の総合支所々長とも会って話している。
 そんなことを知ってか知らでか、通れるような対策を何もせずに、いきなり通行止めにしてしまうという安易、乱暴なやり方には合点がいかない。鉄板を敷くとかグリを入れるとかの当座の緊急処置が考えられなかったのだろうか。それに発信元が管理課というのも解せない。普通なら農林関係の部署が担当するはずだ。

 6月15日には牛が上がってくる。その前の10日には「伊那市総合型地域スポーツクラブ」とかいう団体が来ることになっている。他にも撮影などに関連する幾つかの予定が入っているが、これらは中止するしかないのか。牧場管理人は下に行くこともできなくなる。
 伊那側には迂回路がないため、通行止めとなるとその影響は大きいと行政は分かっているはずだが、そうしたことを承知し、配慮した上での決めたことだとは思えない。

 道路工事に関しては、富士見側でも沢入りより上で、長年止まっていた林道の一部の工事がいよいよ夏ごろから始まるという。きょうは山彦荘でその工事説明を兼ねた集まりがあり、牧場にも影響するため、畜産課長も呼んで参加することになっている。
 この間の大雨で、各地に起きた大被害を思えば、この辺りはまだ軽微で済んだと言ってもいいかも知れない。が、だから我慢しろではなく、実態をよく知った上で適切な処置を取ってもらわなければ、梅雨はこれからだ。狂った天気は終わらない。

 テイ沢の下から9番目の橋は解体し、安全な場所へ移した。4番目は手付かず。

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     ’23年「夏」(4)

2023年06月05日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日の日曜日、囲いの罠に入った鹿の処分をしていたら、林道のゲートを越えて男女2名がやってきた。テイ沢からかと聞けばそうだという。驚いて沢の状況を聞いてみたが要領を得ない。
 それからしばらくして、弁天様の下の三叉路近くでまた同じように一組の男女がやってくるのとすれ違い、これまたテイ沢から来たことが分かった。かなりきつく注意したら、相手は何故そんなことを見知らぬ者に一方的に言われるのかと不満そうな顔をした。
 まあ、それも分かる。しかし、前日のあの沢の出水状況からすれば、とても彼ら、彼女らが何の苦も無く、安全に来ることができたとは思えなかった。
 
 1日経過すれば、水量も減ったかも知れないと期待して沢に行ってみた。確かに谷に入ると、前日と比べれば水の量は落ちていて、かろうじて1本のロープで流失を免れていた下から3番目の橋などは、すっかり水の曳いた川床に何事もなかったかのように見えていた。
 前日引き返した4番目の橋は水嵩が減ってもまだ危険な状態ではあったが、敢えてそこを渡り、さらに上流へと向かった。幸い、5,6,7,8と丸太橋は流失していなかった。ただ、あまり出来の良くない6番目の橋は、そこを多量の水が流れたことを物語る流木が、貧弱な橋をさらに危うく見せていた。

 途中、散乱している木やゴミを片付けながら9番目の橋まで行った。そして、愕然とした。橋がすっかり消えていたのだ。一番被害の大きかった橋は「夫婦が淵」に架かる4番目の橋だと思って、その対策を練りながら登っていったら、ここには橋の残骸すらない。呆れて周囲を見ても、見事なくらいきれいさっぱりとしたもので、ただただ呆気にとられるしかなかった。
 考えてみれば、あの橋は架け替える前は一番痛みがひどく、その後で架け替えた時も気掛かりな点がなかったわけではなく、あった。それにしても、また5本か6本の丸太を伐って、皮を剝き、ここまで担いでくるのかと思ったら、気が萎えてきた。

 どうしてこうも二転三転するのか知らないが、気落ちして最後の10番目の橋へ行くのを止めて帰ってきたら、またしても新たな展開。それほど下らないうちに岩の上に丸太橋が引っ掛かるような状態で残っていたのだ。しかも、4本の丸太は1本も欠けずに結束されたままだった。
 再び流されないうちに4本をバラして、当座安全な場所に置いておけば、そのうち架け替えることもできるし、下から担いでくる丸太にしても1本か2本で済むだろうと思った。少しやる気が出てきた。

 かんとさん、I原君、ありがとう。

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