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市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【続・続報】大同有毒スラグを斬る!・・・安中のメガソーラーで基準値超えの偽装再生砕石が捨てられている!

2016-07-02 23:30:00 | スラグ不法投棄問題
■再生可能エネルギーの象徴の一つである太陽光発電システムですが、その大規模施設に、スラグ混合“再生”砕石が大量に使用されていた事件が、これまで取りざたされていた榛東村や中之条町ばかりでなく、初めて西毛地区の安中市でも発覚しました。安中市は東邦亜鉛安中製錬所によるカドミウム公害で長年、苦しめられており、東電福島原発による放射能汚染で山間部の放射線レベルは依然として高レベルにありますが、更に今度は、原発にかわって炭酸ガス削減の切り札となるはずの再生可能エネルギーを巡る分野でも、環境汚染問題に直面させられてしまいました。本日の毎日新聞でも、この問題を報じていますので、見てみましょう。

************2016年7月2日毎日新聞群馬版
PDF ⇒ 2016n0702vrbn3.pdf


太陽光発電所
敷地でスラグ使用 撤去を検討 安中 /群馬

 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題で、安中市小俣の大規模太陽光発電所(メガソーラー)の敷地で、このスラグが使われていたことが分かった。事業会社は撤去を検討している。西毛地域の工事でスラグ使用が発覚したのは初めて。
 この施設は、電気事業会社「クリーンエネルギー研究所」(東京)が運営する「ビッククリーンエネルギー安中発電所」(2013年4月稼働)。事業会社によると、敷地内の太陽光パネル周辺の作業車両が通る道路で、スラグを含む混合砕石が使われていた。検査した7カ所中6カ所でフッ素の溶出量が環境基準を超え、最大6・5倍だった。
 表面に敷かれた砕石は厚さ50センチほどあるが、全量撤去する方針で、費用負担や地下水調査について大同と協議する。
 地元の業者が佐藤建設工業(渋川市)から再生砕石を仕入れ、工事に使用したという。
 この問題を巡っては、県警が4月、大同や佐藤建設工業を廃棄物処理法違反の疑いで前橋地検に書類送検している。【尾崎修二】
**********


ビッククリーンエネルギー安中発電所入り口。

■連日続く安中市の有害スラグ報道です。朝日新聞に続き、毎日新聞が大きくこの問題を取り上げました。この報道のポイントをまとめてみましょう。

1.西毛地域の工事でスラグ使用が発覚したのは初めてで、フッ素の溶出量が環境基準を超え、最大6・5倍だったこと

2.全量撤去する方針で、費用負担や地下水調査について大同と協議すること

3.地元の業者が佐藤建設工業(渋川市)から再生砕石を仕入れ、工事に使用したという、事業会社は撤去を検討していること


 以上の項目が挙げられます。


現場の入口に立つ「関係者以外立ち入り禁止」の看板。フッ素の溶出量が環境基準を超え、最大6・5倍だったそうなので、看板の宛先を事業者に替えて、看板の内容を「関係有害物質流れ出し禁止」とする必要があります。近隣住民は迷惑しています。この事業者はまず、近隣住民に謝罪の言葉を口にすべきです。

●ポイント1について

 毎日新聞では「西毛地域の工事でスラグ使用が発覚したのは初めて」としています。これから更に西毛地域の使用実態が明らかになっていくのでしょうか?
 地元の建設業者とブラック佐藤建設工業の関係が明るみ出た以上、安中周辺には、有害スラグ不法投棄場所が、他にもあると見るべきでしょう。

●ポイント2について

「全量撤去する方針で、費用負担や地下水調査について大同と協議する。」と報道されています。
国、群馬県、渋川市の鉄鋼スラグ連絡会議に続いて、またしても「大同と協議する」となっています。
 このソーラー発電所は「この施設は、電気事業会社「クリーンエネルギー研究所」(東京)が運営する」と報道されていますので、電気事業会社が「「全量撤去する方針」であり「大同と協議する」と話していることと読み取れますが、“協議”という言葉にやはり違和感を抱いてしまうのは当会だけでしょうか?
 また大同は地下水調査だけで済ますつもりなのでしょうか?
 “きれいな安中ちゃん”を守るためやらなければならない対策は、まず不法投棄された有害スラグを撤去すること、撤去した有害スラグを特別管理産業廃棄物として遮断型最終処分場に埋設処分にすること、その上で直下の土壌が汚染されているか分析調査を行うこと、土壌が汚染されている場合には、当該土壌の撤去、または土壌と地下水脈を遮断する措置をとり、地下水を調査すること、こうした措置が講られなければなりません。
 地下水を調査することは重要ですが、それだけでは対策は不十分なのです。この電気事業会社様におかれましては、大同と協議する前に群馬県環境部局に相談することをお勧めいたします。群馬県環境部局の皆様も相談に備えて正しく勉強しなおしていただきたいのです。


ビッククリーンエネルギー安中発電所入り口の全景です。高台にソーラーパネルが設置されている様子がご覧いただけます。その周りが有害スラグだらけなのでしょうか?パネルの下はどうなのでしょう?さらに詳しい調査が必要です。事業者の承諾をいただければ、当会のリットン調査団による現場調査を実施する用意があります。

●ポイント3について
 「地元の業者が佐藤建設工業(渋川市)から再生砕石を仕入れ、工事に使用したという」と報道されています。
 毎日新聞では「佐藤建設工業(渋川市)」と実名で報道しています。佐藤建設工業は有害スラグ不法投棄実行犯であるので当然のことだと思われます。ここまで、これほどまでに、群馬県中に情け容赦なく有害物質を捨てた超ブラック企業です。今まで多数の住民ら関係者を泣かし、経済・社会に多大な迷惑をかけ私腹を肥やしてきたのです。
 「佐藤建設工業から再生砕石を仕入れ工事に使用した」と報道されていますが、再生砕石の定義をもう一度おさらいしておきましょう。

■群馬県内の建設工事のバイブルたる群馬県建設工事必携に“再生砕石”の定義があります

<再生砕石>
建設工事に伴い生じたセメントコンクリート塊及びアスファルトコンクリート塊等を再利用する目的をもって加工生産した再生骨材


となっています。⇒末尾資料1をご覧ください

 佐藤建設工業は大同特殊鋼の有害スラグを天然石と混ぜ再生砕石として製造・販売していました。大同の有害スラグは建設工事に伴い生じたコンクリート等ではありません。それどころか、特殊鋼を作る過程で生じたとても有害な廃棄物なのです。このような有害廃棄物を混ぜた天然石を“再生砕石”として偽って販売することは、他人を騙して、金品を奪ったり損害を与えたりする詐欺(さぎ)行為そのものではないでしょうか?

■この観点から、もう一度、毎日新聞の記事を見てみましょう。記事の後段に次の一文があります。

「地元の業者が佐藤建設工業(渋川市)から再生砕石を仕入れ、工事に使用したという」

 ここに言う「地元の業者」とは、佐藤建設工業とつながりのある地元建設業者であることでしょう。この地元建設業者は安中市から遠く離れた渋川市から持ち込まれる佐藤の再生砕石の素性を知っていたのではないでしょうか?値段も、逆有償取引を利用して格安であったことでしょう。

 この地元建設業者が、「不法投棄の共犯者でない」ことを証明するためには、「佐藤建設工業から詐欺を受けた」と被害届を提出するしかないと思われます。

 そうでなくとも、この民間工事の施工会社としての責任があるわけですから、この地元建設会社は責任をもって有害スラグを全て撤去し、スラグを持ち込んだ佐藤建設工業に損害賠償を求めなければなりません。

 当会は、渦中のこの地元建設会社を必ずや探し出し、その動向を注目していきたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料1
<「再生材」の定義>
群馬建設工事必携
10.再生資源の利用に関する実施要領
http://www.dobokunews.pref.gunma.jp/cgi-bin/cbdb/db.exe?page=DBDownload&did=420&rid=22&fid=96&ct=1&fileext=.pdf
建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書
第 2 条 用語の定義 用語の意義は次の当該各号に定めるところによる。
(1)建設副産物 建設工事に伴い生じたセメントコンクリート塊及びアスファルトコンクリート塊等をいう。
(2)再生材 建設副産物を再利用する目的をもって加工生産した再生骨材、再生加熱アスファルト混合物をいう。

※参考資料2
土壌環境基準を超えるフッ素がふくまれている鉱さいは特別管理産業廃棄物です。遮断型最終処分場に埋設処分しなければ適正な処分ではありません。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
(特別管理産業廃棄物)
第二条の四
五 特定有害産業廃棄物(次に掲げる廃棄物をいう。以下同じ。)
ホ 第二条第八号 に掲げる廃棄物(事業活動に伴つて生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)

環境政令・環境庁告示第46号.
http://www.env.go.jp/kijun/dojou.html
http://www.env.go.jp/kijun/dt1.html
**********
                             平成3年8月23日
                             環境庁告示第46号.

 改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.

 公害対策基本法(昭和42年法律第132号)第9条の規定に基づく土壌の汚染に係る環境基準について次のとおり告示する。

 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(以下「環境基準」という。)並びにその達成期間等は、次のとおりとする。

第1 環境基準

1 環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、同表の環境上の条件の欄に掲げるとおりとする。
2 1の環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、当該項目に係る土壌の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、同表の測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合における測定値によるものとする。
3 1の環境基準は、汚染がもっぱら自然的原因によることが明らかであると認められる場所及び原材料の堆積場、廃棄物の埋立地その他の別表の項目の欄に掲げる項目に係る物質の利用又は処分を目的として現にこれらを集積している施設に係る土壌については、適用しない。

土壌環境基準 別表

ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること

規格34.1若しくは34.4に定める方法又は規格34.1c)(注(6)第3文を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しない場合にあっては、これを省略することができる。)及び昭和46年12月環境庁告示第59号付表6に掲げる方法
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