■2016年は雪が少なかったことに加えて、梅雨入り後の雨が少ないなどとして、国交省では6月には既に利根川の渇水が心配だと言い始めています。その利根川を挟んで、大崎緑地公園の対岸にも何やら公園らしき平地を発見したので、大同有害スラグ不法投棄特別調査チーム「リットン調査団」が暑さも手伝ってフラフラしながら徘徊調査に向かいました。
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↑大崎緑地公園というより、その南側に隣接している渋川市民ゴルフ場の、利根川を隔てた対岸にやって来ました。↑
場所はこちらです。↓↓
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↑坂道を下りてきたので、やはり計画高水位(HWL)よりも下方に位置しているようです。立看板にもあるように増水時には注意が必要です。↑
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↑川へ近づいて見ましょう。あれっ、砂利道が少し黒赤く見えませんか?↑
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↑ん?これらは、コンクリートを砕いた再生砕石でしょうか?↑
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↑いや、黒光石です。小さい石には赤くサビが浮いています。有害スラグに間違いありません。↑
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↑先に進んでみましょう。大崎緑地公園から見えた関越自動車道の橋が見えてきました。おっと、前方に大きな水たまりができています。有害スラグの毒が染み出していないか心配になります。↑
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↑高速道路に近づくと小さな橋が架かっています。おやっ、橋の手前が白く押し固まっていませんか?↑
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↑「うっ、スラグだ!」と興奮し息がつまる徘徊老人C。悪いが助けてあげられないよ、共倒れになるからね。ところで、これは生一本スラグか!?↑
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↑石灰分が押し固まった中に黒光り石、小さなサビも浮いています。100%有害スラグ生一本だ。↑
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↑こちらはもっと分りやすい、“黒光り+サビサビ”のスラグです。しかし、スラグは石灰分が多い物なのですね。ブラック佐藤建設工業が不法投棄したスラグ混合砕石は、「粒」ばかり気にしていましたが、「粉分」にも注意しなければなりませんね。↑
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↑有害スラグ100%生一本の上にある水たまり。有毒スラグに浸った水は利根川に流れている。↑
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↑水たまりに有害スラグ。心なしか赤く染まっているのは、サビの影響か。↑
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↑高速道路の下は、有害スラグ100%生一本が敷きこまれた地面が続いています。大崎緑地公園の100%スラグ生一本は黒く押し固まっていましたが、こちらは白く押し固まっています。水で洗われているからだろうか?それとも不法投棄の時期が新しいのだろうか?いずれにしても、不気味な光景です。↑
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↑利根川を隔てたこちら側の公園は、「渋川市利根川河川敷公園」という名称のようです。渋川市の「鉄鋼スラグを含む砕石の使用状況」には、この河川敷公園の名前は載っていませんでした。渋川市はいったい何を調査しているのでしょうか?やる気はあるのか?徘徊老人がフラフラ徘徊して見つけ出さないと重い腰を上げないのか!↑
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↑大崎緑地公園が利根川の向こうに見えてきました。この利根川は大崎緑地公園の有害スラグ100%生一本と渋川市利根川河川敷公園の有害スラグ100%生一本に挟まれています。雨が降ると両岸から有害物質が染み出し注ぎ込んでいるのです。↑
当会が入手した情報によると、この渋川市利根川河川敷公園の砂利道は全面有害スラグ100%生一本だったところ、水が低水位護岸を乗り越えて有害スラグを押し流してしまったため、後年穴を塞ぐようにコンクリートを砕いた再生砕石を敷きこんだという事でした。計画高水位まで大水があふれることが予定されている低水位護岸の河川敷に有害スラグを不法投棄するなんて、絶対に許せない行為です。なぜなら、大水が出たら、砕石が濁流に流されることは自明の理だからです。
なお、調査の終わりにあたり徘徊老人チームとして、水不足が速く解消するよう、祈念申し上げる次第です。
*****続く*****
■渋川市はホームページで鉄鋼スラグを含む砕石の使用状況を公表しています。「鉄鋼スラグを含む砕石の使用状況」はこちらをご覧ください。↓↓
http://www.city.shibukawa.lg.jp/kurashi/gomi/suragusaiseki/p001604.html
見た通り、この中に渋川市利根川河川敷公園の名前は見当たりません。
渋川市は自ら公園などを歩いて有害スラグを探し出す努力など、まったくやる気がない“ダメ”役所のようです。“ダメ”役所ぶりは徹底されていて、土壌汚染対策法に違反してでも、独自の市環境課環境分析室が有害スラグ調査を実施しています。調査結果には欄外に「参考値であり、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関による分析結果ではありません」と、いい加減な数値であることを自ら平然と表示している始末です。
参考にする程度ならまだしも、渋川市議会で田中建設部長が「土壌汚染対策法に基づき、~云々」と、何度も答弁するなど、厚顔無恥も甚だしいものがあります。「土壌汚染対策法に則り判断の資料として参考値を使った」ということになると、懲役刑も罰則として規定される違反行為を自ら認めた形になります。
■この利根川を管理している国土交通省は、計画高水位の中にある河川敷に有害スラグが100%の状態で不法投棄されている状況をなぜ黙認しているのでしょうか?時効だとか、環境基準が設定される前に不法投棄されていたかなど、住民にとってはどうでもよいことなのです。
住民の最大の関心事は、このように大量の有毒スラグを河原に放置しておいて、生活環境保全上、安全、安心なのかということです。現在の状況で判断すべきではないでしょうか?
今現在も、何らかの有害物質が染み出ているとしたら、この利根川の水を飲料水としている住民はたまったものではありません。大量の川の水で有毒物質が薄まっていればそれでよいのでしょうか?
もしこの河川敷に有害スラグを投棄することが許されるのなら、いっそのことブラック佐藤建設工業が群馬県中に不法投棄した大同有害スラグを掘削して集め、この川の堤防をスーパー堤防に作り替えたらいかがでしょうか?どうせ有害物質が染み出しても、大量の川の水が薄めてくれるでしょう。これはブラックジョークですが、そんな嫌味を言いたくなる惨状が利根川の河川敷に放置されたままになっているのです。
国、県、渋川市の行政関係者の皆さま、力を合わせて直ちに利根川の河川敷から有毒スラグを撤去していただけないでしょうか?
もちろん、撤去の際には六価クロムやフッ素が基準値を超えて含まれている恐れがあるので、特別管理産業廃棄物として遮断型最終処分場に埋設処分しなければならないのは、言うまでもありません。
【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
※参考資料1
**********
■有害スラグは監督官庁の群馬県により「鉱さい」という分類の廃棄物に認定されました。
「鉱さい」には、廃棄物処理基準が定められています。
廃棄物処理法施行令第2条の4(特別管理産業廃棄物)
第5項
ホ 第二条第八号に掲げる廃棄物(事業活動に伴つて生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)
と規定され、鉱さい=スラグの特別管理産業廃棄物の判断基準について環境省令が示されています。
この環境省令として次の二つが挙げられます
・環境庁告示第46号.
( 改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.)⇒末尾資料1参照
・環境省告示第105号(平成十八年七月二十七日)⇒末尾資料2参照
このどちらも環境省令も
ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること。
となっています。
特に平成18年の環境省告示第105号は鉱さいの安定型処分場の埋め立てに関する基準ですので、基準値を超過して有害物質が含まれている場合には「特別管理産業廃棄物」として遮断型最終処分場に埋設処分しなければならない、と個別具体的に定め、明確にしたと考えることができます。
今回リットン調査団が訪れた渋川河川敷公園は有害スラグ100%生一本の状態でしたので、フッ素の値が環境基準を超過している恐れがあります、しかし公園の施工が古く平成18年よりも前であるため、「平成18年の環境省告示第105号には抵触しない」、とする考えをもつ不作為がお得意のお役人様もいることでしょう。
しかし有害物質は現在でも雨水により利根川に微量ですが流れ続けていると考えることができます、フッ素汚染等は現在進行形なのです。当会では今現在、この渋川河川敷公園の有害スラグにどのような有害物質が含まれているのかを問題にしています、今現在有害物質が含まれているならば当然 「平成18年の環境省告示第105号」に抵触すると考えます。
**********
※参考資料2
平成27年9月群馬県環境部局は、大同特殊鋼由来のスラグを廃棄物と認定しました、その理由の中で次のように述べています。
http://www.gunma-sanpai.jp/gp26/003.htm
********
(7) ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。
********
上記の通り、「土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり」とハッキリ明示しています。
直接接触していなくても、水は高い所から低い所に流れますので、土壌の上に有害スラグがあれば土壌汚染の可能性があります。
**********
平成3年8月23日
環境庁告示第46号.
改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.
公害対策基本法(昭和42年法律第132号)第9条の規定に基づく土壌の汚染に係る環境基準について次のとおり告示する。
環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(以下「環境基準」という。)並びにその達成期間等は、次のとおりとする。
第1 環境基準
1 環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、同表の環境上の条件の欄に掲げるとおりとする。
2 1の環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、当該項目に係る土壌の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、同表の測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合における測定値によるものとする。
3 1の環境基準は、汚染がもっぱら自然的原因によることが明らかであると認められる場所及び原材料の堆積場、廃棄物の埋立地その他の別表の項目の欄に掲げる項目に係る物質の利用又は処分を目的として現にこれらを集積している施設に係る土壌については、適用しない。
土壌環境基準 別表
ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること。
規格34.1若しくは34.4に定める方法又は規格34.1c)(注(6)第3文を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しない場合にあっては、これを省略することができる。)及び昭和46年12月環境庁告示第59号付表6に掲げる方法
**********
※参考資料3
石綿含有産業廃棄物を溶融したことにより生じた産業廃棄物(鉱さい)の安定型産業廃棄物の環境基準が示されています。石綿含有産業廃棄物由来の鉱さいについての環境基準ですが、大同特殊鋼渋川工場から排出される「鉱さい」にも適用されるのは明らかです。
http://www.env.go.jp/hourei/add/k023.pdf
この環境省令以後の、大同特殊鋼渋川工場から排出され、道路や学校に埋設処分されたスラグは遮断型最終処分場以外の場所に投棄した、不法投棄に当たるという事ができます。群馬県中に広く有害スラグをばら撒いた佐藤建設工業は不法投棄の実行犯となることでしょう。
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型 産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物
(平成十八年七月二十七日環境省告示第百五号)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号)第六条第一項第三号イ(6)の規定に基づき、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物を次のように定め、平成十八年十月一日から適用する。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。以下「令」という。)第六条第一項第三号イ(6)に規定する環境大臣が指定する産業廃棄物は、次に掲げる産業廃棄物(鉱さいであるものに限る。)であって、当該産業廃棄物に含まれる別表の第一欄に掲げる物質ごとに同表の第二欄に掲げる基準に適合するものとする。
―省略―
別表 第一欄 第二欄 第三欄
六価クロム 規格六十五・二に定める方法
合物 〇・〇五ミリグラム以下であること。
ふっ素又はその化合物
検液一リットルにつきふっ素〇・八ミ リグラム以下であること。
―後省略―
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↑大崎緑地公園というより、その南側に隣接している渋川市民ゴルフ場の、利根川を隔てた対岸にやって来ました。↑
場所はこちらです。↓↓
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↑坂道を下りてきたので、やはり計画高水位(HWL)よりも下方に位置しているようです。立看板にもあるように増水時には注意が必要です。↑
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↑川へ近づいて見ましょう。あれっ、砂利道が少し黒赤く見えませんか?↑
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↑ん?これらは、コンクリートを砕いた再生砕石でしょうか?↑
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↑いや、黒光石です。小さい石には赤くサビが浮いています。有害スラグに間違いありません。↑
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↑先に進んでみましょう。大崎緑地公園から見えた関越自動車道の橋が見えてきました。おっと、前方に大きな水たまりができています。有害スラグの毒が染み出していないか心配になります。↑
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↑高速道路に近づくと小さな橋が架かっています。おやっ、橋の手前が白く押し固まっていませんか?↑
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↑「うっ、スラグだ!」と興奮し息がつまる徘徊老人C。悪いが助けてあげられないよ、共倒れになるからね。ところで、これは生一本スラグか!?↑
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↑石灰分が押し固まった中に黒光り石、小さなサビも浮いています。100%有害スラグ生一本だ。↑
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↑こちらはもっと分りやすい、“黒光り+サビサビ”のスラグです。しかし、スラグは石灰分が多い物なのですね。ブラック佐藤建設工業が不法投棄したスラグ混合砕石は、「粒」ばかり気にしていましたが、「粉分」にも注意しなければなりませんね。↑
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↑有害スラグ100%生一本の上にある水たまり。有毒スラグに浸った水は利根川に流れている。↑
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↑水たまりに有害スラグ。心なしか赤く染まっているのは、サビの影響か。↑
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↑高速道路の下は、有害スラグ100%生一本が敷きこまれた地面が続いています。大崎緑地公園の100%スラグ生一本は黒く押し固まっていましたが、こちらは白く押し固まっています。水で洗われているからだろうか?それとも不法投棄の時期が新しいのだろうか?いずれにしても、不気味な光景です。↑
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↑利根川を隔てたこちら側の公園は、「渋川市利根川河川敷公園」という名称のようです。渋川市の「鉄鋼スラグを含む砕石の使用状況」には、この河川敷公園の名前は載っていませんでした。渋川市はいったい何を調査しているのでしょうか?やる気はあるのか?徘徊老人がフラフラ徘徊して見つけ出さないと重い腰を上げないのか!↑
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↑大崎緑地公園が利根川の向こうに見えてきました。この利根川は大崎緑地公園の有害スラグ100%生一本と渋川市利根川河川敷公園の有害スラグ100%生一本に挟まれています。雨が降ると両岸から有害物質が染み出し注ぎ込んでいるのです。↑
当会が入手した情報によると、この渋川市利根川河川敷公園の砂利道は全面有害スラグ100%生一本だったところ、水が低水位護岸を乗り越えて有害スラグを押し流してしまったため、後年穴を塞ぐようにコンクリートを砕いた再生砕石を敷きこんだという事でした。計画高水位まで大水があふれることが予定されている低水位護岸の河川敷に有害スラグを不法投棄するなんて、絶対に許せない行為です。なぜなら、大水が出たら、砕石が濁流に流されることは自明の理だからです。
なお、調査の終わりにあたり徘徊老人チームとして、水不足が速く解消するよう、祈念申し上げる次第です。
*****続く*****
■渋川市はホームページで鉄鋼スラグを含む砕石の使用状況を公表しています。「鉄鋼スラグを含む砕石の使用状況」はこちらをご覧ください。↓↓
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見た通り、この中に渋川市利根川河川敷公園の名前は見当たりません。
渋川市は自ら公園などを歩いて有害スラグを探し出す努力など、まったくやる気がない“ダメ”役所のようです。“ダメ”役所ぶりは徹底されていて、土壌汚染対策法に違反してでも、独自の市環境課環境分析室が有害スラグ調査を実施しています。調査結果には欄外に「参考値であり、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関による分析結果ではありません」と、いい加減な数値であることを自ら平然と表示している始末です。
参考にする程度ならまだしも、渋川市議会で田中建設部長が「土壌汚染対策法に基づき、~云々」と、何度も答弁するなど、厚顔無恥も甚だしいものがあります。「土壌汚染対策法に則り判断の資料として参考値を使った」ということになると、懲役刑も罰則として規定される違反行為を自ら認めた形になります。
■この利根川を管理している国土交通省は、計画高水位の中にある河川敷に有害スラグが100%の状態で不法投棄されている状況をなぜ黙認しているのでしょうか?時効だとか、環境基準が設定される前に不法投棄されていたかなど、住民にとってはどうでもよいことなのです。
住民の最大の関心事は、このように大量の有毒スラグを河原に放置しておいて、生活環境保全上、安全、安心なのかということです。現在の状況で判断すべきではないでしょうか?
今現在も、何らかの有害物質が染み出ているとしたら、この利根川の水を飲料水としている住民はたまったものではありません。大量の川の水で有毒物質が薄まっていればそれでよいのでしょうか?
もしこの河川敷に有害スラグを投棄することが許されるのなら、いっそのことブラック佐藤建設工業が群馬県中に不法投棄した大同有害スラグを掘削して集め、この川の堤防をスーパー堤防に作り替えたらいかがでしょうか?どうせ有害物質が染み出しても、大量の川の水が薄めてくれるでしょう。これはブラックジョークですが、そんな嫌味を言いたくなる惨状が利根川の河川敷に放置されたままになっているのです。
国、県、渋川市の行政関係者の皆さま、力を合わせて直ちに利根川の河川敷から有毒スラグを撤去していただけないでしょうか?
もちろん、撤去の際には六価クロムやフッ素が基準値を超えて含まれている恐れがあるので、特別管理産業廃棄物として遮断型最終処分場に埋設処分しなければならないのは、言うまでもありません。
【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
※参考資料1
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■有害スラグは監督官庁の群馬県により「鉱さい」という分類の廃棄物に認定されました。
「鉱さい」には、廃棄物処理基準が定められています。
廃棄物処理法施行令第2条の4(特別管理産業廃棄物)
第5項
ホ 第二条第八号に掲げる廃棄物(事業活動に伴つて生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)
と規定され、鉱さい=スラグの特別管理産業廃棄物の判断基準について環境省令が示されています。
この環境省令として次の二つが挙げられます
・環境庁告示第46号.
( 改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.)⇒末尾資料1参照
・環境省告示第105号(平成十八年七月二十七日)⇒末尾資料2参照
このどちらも環境省令も
ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること。
となっています。
特に平成18年の環境省告示第105号は鉱さいの安定型処分場の埋め立てに関する基準ですので、基準値を超過して有害物質が含まれている場合には「特別管理産業廃棄物」として遮断型最終処分場に埋設処分しなければならない、と個別具体的に定め、明確にしたと考えることができます。
今回リットン調査団が訪れた渋川河川敷公園は有害スラグ100%生一本の状態でしたので、フッ素の値が環境基準を超過している恐れがあります、しかし公園の施工が古く平成18年よりも前であるため、「平成18年の環境省告示第105号には抵触しない」、とする考えをもつ不作為がお得意のお役人様もいることでしょう。
しかし有害物質は現在でも雨水により利根川に微量ですが流れ続けていると考えることができます、フッ素汚染等は現在進行形なのです。当会では今現在、この渋川河川敷公園の有害スラグにどのような有害物質が含まれているのかを問題にしています、今現在有害物質が含まれているならば当然 「平成18年の環境省告示第105号」に抵触すると考えます。
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※参考資料2
平成27年9月群馬県環境部局は、大同特殊鋼由来のスラグを廃棄物と認定しました、その理由の中で次のように述べています。
http://www.gunma-sanpai.jp/gp26/003.htm
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(7) ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。
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上記の通り、「土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり」とハッキリ明示しています。
直接接触していなくても、水は高い所から低い所に流れますので、土壌の上に有害スラグがあれば土壌汚染の可能性があります。
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平成3年8月23日
環境庁告示第46号.
改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.
公害対策基本法(昭和42年法律第132号)第9条の規定に基づく土壌の汚染に係る環境基準について次のとおり告示する。
環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(以下「環境基準」という。)並びにその達成期間等は、次のとおりとする。
第1 環境基準
1 環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、同表の環境上の条件の欄に掲げるとおりとする。
2 1の環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、当該項目に係る土壌の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、同表の測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合における測定値によるものとする。
3 1の環境基準は、汚染がもっぱら自然的原因によることが明らかであると認められる場所及び原材料の堆積場、廃棄物の埋立地その他の別表の項目の欄に掲げる項目に係る物質の利用又は処分を目的として現にこれらを集積している施設に係る土壌については、適用しない。
土壌環境基準 別表
ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること。
規格34.1若しくは34.4に定める方法又は規格34.1c)(注(6)第3文を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しない場合にあっては、これを省略することができる。)及び昭和46年12月環境庁告示第59号付表6に掲げる方法
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※参考資料3
石綿含有産業廃棄物を溶融したことにより生じた産業廃棄物(鉱さい)の安定型産業廃棄物の環境基準が示されています。石綿含有産業廃棄物由来の鉱さいについての環境基準ですが、大同特殊鋼渋川工場から排出される「鉱さい」にも適用されるのは明らかです。
http://www.env.go.jp/hourei/add/k023.pdf
この環境省令以後の、大同特殊鋼渋川工場から排出され、道路や学校に埋設処分されたスラグは遮断型最終処分場以外の場所に投棄した、不法投棄に当たるという事ができます。群馬県中に広く有害スラグをばら撒いた佐藤建設工業は不法投棄の実行犯となることでしょう。
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型 産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物
(平成十八年七月二十七日環境省告示第百五号)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号)第六条第一項第三号イ(6)の規定に基づき、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物を次のように定め、平成十八年十月一日から適用する。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。以下「令」という。)第六条第一項第三号イ(6)に規定する環境大臣が指定する産業廃棄物は、次に掲げる産業廃棄物(鉱さいであるものに限る。)であって、当該産業廃棄物に含まれる別表の第一欄に掲げる物質ごとに同表の第二欄に掲げる基準に適合するものとする。
―省略―
別表 第一欄 第二欄 第三欄
六価クロム 規格六十五・二に定める方法
合物 〇・〇五ミリグラム以下であること。
ふっ素又はその化合物
検液一リットルにつきふっ素〇・八ミ リグラム以下であること。
―後省略―