■市民オンブズマン群馬では、昨日7月4日午後1時過ぎに、群馬工業高等専門学校(群馬高専)の総務課の桜井課長を通じて、今週の金曜日、来る7月8日(金)午後4時30分に群馬高専トップの西尾学校長との面談を申し入れました。面談の目的は、先日6月17日に同校を管理している国立高等専門学校機構(機構)あてに提出した寮生連続怪死事件に関する法人文書開示請求書の現在の取り扱い状況と、6月27日付で西尾学校長あてに提出した公開質問状の回答を直接ヒヤリングすることです。その関連で、本日7月5日に、同校同窓会長あてに、学校長との面談時に立ち合いをお願いするための緊急要請書を、同校の同窓会事務局に持参して直接窓口担当者に提出しました。さらに、その足で、県庁記者クラブである「刀水クラブ」を訪れて、幹事社を通じて、加盟マスコミ全社(18社)に対して、7月8日の学校長との面談時に取材を要請する声明文を届けました。
これまでの経緯を振り返ってみます。
2014年から一気に浮上した電子情報工学科の学科長(当時)による学生や教官に対するアカデミックハラスメント事件は、被害を受けた学生や教官らの問題提起に対して、同校のトップが情報統制を行っていました。思い余った学生の皆さんから当会に告発情報が寄せられたため、当会では、昨年4月に学校側の自浄作用を期待して情報開示請求を通じて、事件の真相究明、責任所在の明確化、再発防止対策の過程と内容を把握しようとしました。しかし、学校側の開示拒否に遭い、その後異議申立てを上級庁である内閣府情報公開・個人情報保護審査会に行い、不開示の取り消しという答申結果が出されたため、学校側の英断が期待されましたが、結局、群馬高専は、アカハラ関連の情報の存在だけは認めたものの、肝心のアカハラ関連文書の開示は、再度、プライバシー保護を理由に不開示決定を下しました。
この1年間の流れを時系列的にまとめてみると次のとおりです。
★2015年4月初め
群馬高専の関係者からパワハラ、セクハラを伴うアカデミックハラスメントの実態について当会に告発情報が寄せられ始める。
★2015年4月15日
学校長あてにアカハラ事件に関する公開質問状を提出。
★2015年4月17日
学校長名で、「プライバシー保護」理由に回答拒否の回答が届く。
★2015年6月17日
機構あてにアカハラ事件に関する法人情報開示請求書を提出。
★2015年7月23日
機構から、存否を明らかにしないうえで、不開示決定通知が届く。
★2015年8月31日
群馬高専を通じて、機構に異議申立書を提出。
★2015年10月6日
群馬高専から機構あてに、諮問案を提出。
★2015年10月30日
機構から、内閣府情報公開・個人情報保護審査会あてに正式に本件について諮問。(このことについて機構から当会に通知があったのは11月19日付)
★2015年11月10日
内閣府の審査会から、機構が提出した理由説明書の送付と、異議申立人からの意見書又は資料の提出通知が届く。
★2015年12月1日
内閣府の審査会に、当会の意見書と資料を直接持参して提出。
★2016年3月2日
内閣府の審査会から、機構に対して「別紙に掲げる文書1ないし文書3(以下「本件対象文書」という。)につき,その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定は,取り消すべきである」との諮問結果が答申され、答申書の写しが当会に送られる。
★2016年4月27日
機構から、内閣府の審査会の答申内容を踏まえて、当該情報の存否だけは明らかにしたものの、その他は全て不開示とする決定処分通知が当会に送られる。
■こうして、1年もの貴重な時間が無為に経過してしまいました。この間に、昨年の6月と今年の1月に、寮生の尊い命が失われるという悲しい事件が起きたことは、やはり内部告発情報で把握していました。
当会では真相を究明すべく、今年2月6日午後に開催された説明会に出席しようとしましたが、入り口で名簿チェックに引っかかり、西尾学校長から「これは保護者のみを対象とする説明会だから、その他は参加できない」として排除されました。
その後、新年度の4月に入って、新たな告発情報があり、実は一昨年の2014年1月にも寮生が自室で亡くなるという事件が発生していたことを知りました。
亡くなった3名の学生はいずれも寮生であったため、この異常事態について、アカハラ事件同様、きちんと学校側に説明責任を求める必要があると考えた当会では、6月17日付で、前述の通り機構に対して法人文書開示請求書を提出しました。
しかし、この回答を待っていたのでは、徒に時間だけが過ぎてしまうため、群馬高専側に、迅速な対処を促すために、6月27日付で寮生連続怪死事件にかかる公開質問状を提出し、7月8日を期限として文書による回答を求めていたものです。
なお、7月5日付で群馬高専同窓会の時任会長あてに、学校長との面談時に立ち合いをお願いするための「緊急要請書」を次の内容で同窓会事務局経由で提出しました。
*****緊急要請書*****PDF ⇒ 20160704qnv.pdf
平成28年7月5日
〒371-0845 群馬県前橋市鳥羽町580
群馬工業高等専門学校後援会
会長 時 任 康 夫 様
〒371-0801群馬県前橋市文京町一丁目15-10
市民オンブズマン群馬
代表 小 川 賢
事務局長 鈴木 庸
TEL:090-5302-8312(小川携帯)
TEL:027-224-8567(事務局)
FAX:027-224-6624(事務局)
緊急要請書
(7月8日午後4時30分から当会と群馬高専トップとの面談時の立会いのお願い)
拝啓 平素より群馬高専(以下「貴学」という)の同窓生間の親睦・懇親、母校・後輩への後援、支援にご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
さて、貴職もご存知の通り、貴学では、2014年度から電子情報工学科において雑賀学科長(当時)による学生、職員らへのアカデミックハラスメント問題が起こり、結果的に多数の学生及び一部の職員が被害に遭うという深刻な事態が発生しました。
そのため、貴学関係者らから当会に対して、アカハラ問題解決のための支援要請がありました。
当会としては、開かれたキャンパスの実現には、アカハラ問題について学校側が包み隠さず発生の実態を認め、責任の所在を明らかにしたうえで、しっかりとした再発防止策を講ずることが欠かせないと考えました。そこで、貴学に対してアカハラの実態とその対応状況がわかる一切の関連文書の情報開示を求めました。
しかし、貴学は、個人のプライバシー保護を理由に、一切の関連文書の存否をも認めずに、情報開示を拒否、すなわち「不開示処分」を出しました。そのため、全国高専機構の上級庁である内閣府の情報公開・個人情報保護審査会に異議申立てをした結果、今年の3月に答申が出され、不開示処分の取り消しが決まりました。
そのため、再度、貴学宛に情報公開請求をしましたが、存否についてのみ「アカハラにかかわる文書は存在する」と認めたものの、そのほかは、1回目と同じ理由であるプライバシー保護の観点から不開示とされてしまいました。
およそ1年以上にわたるこの期間内に、貴学では、電子情報工学科に所属する寮生の連続怪死事件が2件発生してしまいました。しかも最近になって、一昨年の1月にも物質工学か所属の学生が寮の自室で自死するという事件が発覚しました。
貴学では、2012年(平成24年)3月29日に、教育研究支援センターの技術職員によるアカハラ事件については、きちんと事実関係を公表し、再発防止策を誓う声明を発表しましたが、今回のアカハラ事件や寮生連続怪死事件については、まったく沈黙したままです。この原因としては、学校長が交代したことによる貴学の内部体質が変化したのが一つの要因だと考えております。
このほかにも当会の独自調査により、貴学の管理体制にいろいろと疑義のあることが判明しました。そこで、先日、寮生連続怪死事件に関する情報開示請求に加えて、公開質問状を貴学のトップ宛に提出しました。
その公開質問の回答を受けるべく、当会では次の予定で貴学を訪問し、学校長に面談すべく申し入れをおこないました。
<校長との面談の申入れについて>
日時:平成28年7月8日(金)午後4時30分から
場所:群馬高専総務課およびその近辺
つきましては、上記面談申入れ時に、貴殿の立会いをお願いしたく、本状をもって緊急要請とさせてください。
貴学をとりまく不可解な環境を1日も早く解消し、学生の皆さんが安心して勉学に励むことができ、保護者の皆さんも安心して子ども達を預けることのできるキャンパスにすることが当会の本件活動の目的です。
敬具
同封資料:
1.法人文書開示請求書(平成28年6月17日付)
2.公開質問状「寮生連続怪死事件(仮称)について」(2016年6月27日付)
**********
また、記者クラブにも本日、書面で通知しておきました。PDF ⇒ 20160705xrv.pdf
群馬高専のアカハラ事件では、マスコミはどこも取材をしていませんが、寮生連続怪死事件については、2件目が発覚した2015年7月ごろ、読売新聞と上毛新聞が同校の学生の皆さんに取材をした時期がありましたが、その後、この事件が記事になることはありませんでした。当会には東京新聞からも問い合わせがありましたが、その後、動きはありませんでした。
マスコミが初めて寮生連続怪死事件について、記事化したのは、上毛新聞による先日の6月17日朝刊の衝撃的な記事でした。この記事の掲載にあたり、群馬高専側から、掲載中止の要請があったようですが、上毛新聞は社会的な影響が大きいので報道する価値を優先して判断したものと考えられます。
■当日は、当会代表と事務局長の2名で午後4時30分からの西尾学校長との面談のアポイントに間に合うように、群馬高専に午後4時15分に到着し、総務課を午後4時25分ごろ訪れることにしています。
面談の模様は追って詳しくお伝えします。
【市民オンブズマン群馬事務局からの連絡】
これまでの経緯を振り返ってみます。
2014年から一気に浮上した電子情報工学科の学科長(当時)による学生や教官に対するアカデミックハラスメント事件は、被害を受けた学生や教官らの問題提起に対して、同校のトップが情報統制を行っていました。思い余った学生の皆さんから当会に告発情報が寄せられたため、当会では、昨年4月に学校側の自浄作用を期待して情報開示請求を通じて、事件の真相究明、責任所在の明確化、再発防止対策の過程と内容を把握しようとしました。しかし、学校側の開示拒否に遭い、その後異議申立てを上級庁である内閣府情報公開・個人情報保護審査会に行い、不開示の取り消しという答申結果が出されたため、学校側の英断が期待されましたが、結局、群馬高専は、アカハラ関連の情報の存在だけは認めたものの、肝心のアカハラ関連文書の開示は、再度、プライバシー保護を理由に不開示決定を下しました。
この1年間の流れを時系列的にまとめてみると次のとおりです。
★2015年4月初め
群馬高専の関係者からパワハラ、セクハラを伴うアカデミックハラスメントの実態について当会に告発情報が寄せられ始める。
★2015年4月15日
学校長あてにアカハラ事件に関する公開質問状を提出。
★2015年4月17日
学校長名で、「プライバシー保護」理由に回答拒否の回答が届く。
★2015年6月17日
機構あてにアカハラ事件に関する法人情報開示請求書を提出。
★2015年7月23日
機構から、存否を明らかにしないうえで、不開示決定通知が届く。
★2015年8月31日
群馬高専を通じて、機構に異議申立書を提出。
★2015年10月6日
群馬高専から機構あてに、諮問案を提出。
★2015年10月30日
機構から、内閣府情報公開・個人情報保護審査会あてに正式に本件について諮問。(このことについて機構から当会に通知があったのは11月19日付)
★2015年11月10日
内閣府の審査会から、機構が提出した理由説明書の送付と、異議申立人からの意見書又は資料の提出通知が届く。
★2015年12月1日
内閣府の審査会に、当会の意見書と資料を直接持参して提出。
★2016年3月2日
内閣府の審査会から、機構に対して「別紙に掲げる文書1ないし文書3(以下「本件対象文書」という。)につき,その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定は,取り消すべきである」との諮問結果が答申され、答申書の写しが当会に送られる。
★2016年4月27日
機構から、内閣府の審査会の答申内容を踏まえて、当該情報の存否だけは明らかにしたものの、その他は全て不開示とする決定処分通知が当会に送られる。
■こうして、1年もの貴重な時間が無為に経過してしまいました。この間に、昨年の6月と今年の1月に、寮生の尊い命が失われるという悲しい事件が起きたことは、やはり内部告発情報で把握していました。
当会では真相を究明すべく、今年2月6日午後に開催された説明会に出席しようとしましたが、入り口で名簿チェックに引っかかり、西尾学校長から「これは保護者のみを対象とする説明会だから、その他は参加できない」として排除されました。
その後、新年度の4月に入って、新たな告発情報があり、実は一昨年の2014年1月にも寮生が自室で亡くなるという事件が発生していたことを知りました。
亡くなった3名の学生はいずれも寮生であったため、この異常事態について、アカハラ事件同様、きちんと学校側に説明責任を求める必要があると考えた当会では、6月17日付で、前述の通り機構に対して法人文書開示請求書を提出しました。
しかし、この回答を待っていたのでは、徒に時間だけが過ぎてしまうため、群馬高専側に、迅速な対処を促すために、6月27日付で寮生連続怪死事件にかかる公開質問状を提出し、7月8日を期限として文書による回答を求めていたものです。
なお、7月5日付で群馬高専同窓会の時任会長あてに、学校長との面談時に立ち合いをお願いするための「緊急要請書」を次の内容で同窓会事務局経由で提出しました。
*****緊急要請書*****PDF ⇒ 20160704qnv.pdf
平成28年7月5日
〒371-0845 群馬県前橋市鳥羽町580
群馬工業高等専門学校後援会
会長 時 任 康 夫 様
〒371-0801群馬県前橋市文京町一丁目15-10
市民オンブズマン群馬
代表 小 川 賢
事務局長 鈴木 庸
TEL:090-5302-8312(小川携帯)
TEL:027-224-8567(事務局)
FAX:027-224-6624(事務局)
緊急要請書
(7月8日午後4時30分から当会と群馬高専トップとの面談時の立会いのお願い)
拝啓 平素より群馬高専(以下「貴学」という)の同窓生間の親睦・懇親、母校・後輩への後援、支援にご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
さて、貴職もご存知の通り、貴学では、2014年度から電子情報工学科において雑賀学科長(当時)による学生、職員らへのアカデミックハラスメント問題が起こり、結果的に多数の学生及び一部の職員が被害に遭うという深刻な事態が発生しました。
そのため、貴学関係者らから当会に対して、アカハラ問題解決のための支援要請がありました。
当会としては、開かれたキャンパスの実現には、アカハラ問題について学校側が包み隠さず発生の実態を認め、責任の所在を明らかにしたうえで、しっかりとした再発防止策を講ずることが欠かせないと考えました。そこで、貴学に対してアカハラの実態とその対応状況がわかる一切の関連文書の情報開示を求めました。
しかし、貴学は、個人のプライバシー保護を理由に、一切の関連文書の存否をも認めずに、情報開示を拒否、すなわち「不開示処分」を出しました。そのため、全国高専機構の上級庁である内閣府の情報公開・個人情報保護審査会に異議申立てをした結果、今年の3月に答申が出され、不開示処分の取り消しが決まりました。
そのため、再度、貴学宛に情報公開請求をしましたが、存否についてのみ「アカハラにかかわる文書は存在する」と認めたものの、そのほかは、1回目と同じ理由であるプライバシー保護の観点から不開示とされてしまいました。
およそ1年以上にわたるこの期間内に、貴学では、電子情報工学科に所属する寮生の連続怪死事件が2件発生してしまいました。しかも最近になって、一昨年の1月にも物質工学か所属の学生が寮の自室で自死するという事件が発覚しました。
貴学では、2012年(平成24年)3月29日に、教育研究支援センターの技術職員によるアカハラ事件については、きちんと事実関係を公表し、再発防止策を誓う声明を発表しましたが、今回のアカハラ事件や寮生連続怪死事件については、まったく沈黙したままです。この原因としては、学校長が交代したことによる貴学の内部体質が変化したのが一つの要因だと考えております。
このほかにも当会の独自調査により、貴学の管理体制にいろいろと疑義のあることが判明しました。そこで、先日、寮生連続怪死事件に関する情報開示請求に加えて、公開質問状を貴学のトップ宛に提出しました。
その公開質問の回答を受けるべく、当会では次の予定で貴学を訪問し、学校長に面談すべく申し入れをおこないました。
<校長との面談の申入れについて>
日時:平成28年7月8日(金)午後4時30分から
場所:群馬高専総務課およびその近辺
つきましては、上記面談申入れ時に、貴殿の立会いをお願いしたく、本状をもって緊急要請とさせてください。
貴学をとりまく不可解な環境を1日も早く解消し、学生の皆さんが安心して勉学に励むことができ、保護者の皆さんも安心して子ども達を預けることのできるキャンパスにすることが当会の本件活動の目的です。
敬具
同封資料:
1.法人文書開示請求書(平成28年6月17日付)
2.公開質問状「寮生連続怪死事件(仮称)について」(2016年6月27日付)
**********
また、記者クラブにも本日、書面で通知しておきました。PDF ⇒ 20160705xrv.pdf
群馬高専のアカハラ事件では、マスコミはどこも取材をしていませんが、寮生連続怪死事件については、2件目が発覚した2015年7月ごろ、読売新聞と上毛新聞が同校の学生の皆さんに取材をした時期がありましたが、その後、この事件が記事になることはありませんでした。当会には東京新聞からも問い合わせがありましたが、その後、動きはありませんでした。
マスコミが初めて寮生連続怪死事件について、記事化したのは、上毛新聞による先日の6月17日朝刊の衝撃的な記事でした。この記事の掲載にあたり、群馬高専側から、掲載中止の要請があったようですが、上毛新聞は社会的な影響が大きいので報道する価値を優先して判断したものと考えられます。
■当日は、当会代表と事務局長の2名で午後4時30分からの西尾学校長との面談のアポイントに間に合うように、群馬高専に午後4時15分に到着し、総務課を午後4時25分ごろ訪れることにしています。
面談の模様は追って詳しくお伝えします。
【市民オンブズマン群馬事務局からの連絡】