市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除のまま本格稼働に向けて試運転を続ける関電工の鉄面皮

2017-12-14 23:20:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東電グループの関電工による亡国事業=前橋バイオマス発電は、群馬県の忖度により本来実施しなければならない環境アセスメントの手続を経ないまま、年明けの商業運転開始に向けて連日、試運転を繰り返しています。そのため、近隣の住民の皆さんから当会にその実状を憂えるレポートが連日寄せられております。それらの一部をここに報告します。

「前橋バイオマス発電所」の完成イメージ(関電工ニュースリリースから引用)

 補助金として4億8000万円もの多額の公金が燃料チップ工場に投じられ、我々消費者に電気代として上乗せされるFIT制度により東電グループの関電工が東電に売電することで、関電工やトーセンにとっては、安定した利益を上げられるのでしょう。しかし、この事業に伴い、放射能汚染木材の脱水と焼却により、排水や排ガス、そして焼却灰や粉じんとして周辺に放射能二次汚染のリスクがまき散らされるのです。さらに、工場の稼働により騒音、振動、地下水汚染なども懸念されます。

■はじめに騒音についてですが、隣接する住宅地では、連夜、発電施設から運転音が聞こえてきます。このため、近隣住民が自宅の屋上で深夜計測したところ、40デシベルを超えることが分かりました。
YouTube ⇒ https://youtu.be/1rpgpP-VKbQ

 このため、施設境界では、環境基準(夜間)の45デシベルを超える可能性もあり、住民の皆さんが関電工に電話をして「夜間に試験稼働するなら防音壁を完成してからやってくれ」と申し入れをしました。ところが、関電工は「基準値以内だ。騒音測定して、45デシベル以下を確認している」と主張しています。果たして本当なのでしょうか。


騒音についての関電工の自主基準値表。関電工の環境配慮計画より。

遮音壁の配置図。

 ところで騒音対策の重要な手段である防音壁ですが、未だに完成していません。にも拘らず、関電工は試運転を続行しています。

 次の写真は12月10日現在のチップ工場の近くの防音壁です。枠の高さは5m、壁の高さは4m弱です。現在、チップ加工用のチッパーは、場所は特定できませんが、県内のどこかで早くも稼働しているとの情報があり、どうやら施設から県内の間伐材集積所(いわゆる「土場」(どば))で使用中のようです。チッパーは夜間は使用しないことになっていますが、実際に使用した場合には、一体どの程度の騒音が発生するのか、いまだに未知数です。


12月10日現在の防音壁工事の様子。


遮音壁道路使用許可掲示板。

■一方、周辺の地下水の動向について、心配な現象が発生しています。住宅地の保安林の一角にある池への水の流入がやたらに多くなったことです。湧水量が最近増加したことと、水温が湧水にしては高いことなど、気がかりな現象です。




湧水状況。

 今までは、隣の湧水と、雨が多かった時に、一筋流れ込むだけでしたが、今や常時、大雨が降った後のように、流れ込んでいます。付近の住民の話では、「当初、今年の夏、雨が多かったからかと思っていたが、雨があまり降らなくなってからも、どんどん流れ込んでいる」とのことです。

 もしかして、バイオマス発電所からの排水のせいではないか、と心配する声が上がっています。あるいは、北側が整地され、雨水が浸透し難くなったのかもしれません。まさか、地滑りの兆候ではないか、という不安もよぎります。

■さらに、隣接の住宅地には、発電所の試運転のためか、異臭が漂ってくるようになりました。これが連日続くようになり、住民の皆さんは「気持ちが悪い」と口を揃えて訴えています。そこで、思い余った住民のかたから12月11日に前橋市市政発信課に「今後こういうことが二度と起こらないように、業者の指導をお願いいたします。異臭の出所は、前橋バイオマス発電の方からの様です」と通報をしました。

 これに対して、前橋市からは12月11日の夕方に次の回答がありました。

**********
 お世話になっております。こちらは前橋市役所市政発信課です。日頃より市政へのご理解とご協力をいただきありがとうございます。
 本日、こちら市政発信課宛に異臭に関するメールをお送りいただきましたが、こちらにつきましては、市長への手紙としてお受けさせていただきます。できる限り、早い回答ができるよう努力させていただきますが、回答までもうしばらくお待ちいただきますようお願いいたします
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〒371-8601
群馬県前橋市大手町二丁目12-1
前橋市役所 政策部 市政発信課 市民提案推進室
TEL:027-224-1111(代表) 内 3644
    027-898-6644(直通)
FAX:027-224-1288
メール: shiseihasshin@city.maebashi.gunma.jp
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■このほか、貯木場にフレコンバッグがひとつ、放置されているのが発見されました。住民の皆さんは、この中にいったいどんなものが入っているのではと、不安に駆られています。


貯木場に放置されたフレコンバッグ。


一体何が中に入っているのだろうか。

 中身を確認しようと思っても開けられません。トーセンがチッパーで製造した木質チップなのでしょうか。それとも、何かの焼却灰なのでしょうか。いずれにしても放射能のおそれを感じてしまいます。

■以上のように、前橋バイオマス発電所の試運転により、既にいろいろな異変が周辺の生活環境に影響を及ぼしています。このため、地元住民の皆さんは、近日中に前橋市役所に直訴して、実情を訴えたいとしています。

【12月15日追記】近隣の民家を襲う放射能煙!

地元住民が自宅から撮影した前橋バイオマス発電所の主煙突から空高く立ち上る大量の白煙。右側の白煙状のものは雲かもしれないが、そもそも、今では白煙防止装置を取り付け等して、白煙さえも消し去るように、しかるべき対策が施されていなければならないはず。
YouTube ⇒ https://youtu.be/ZBCwaEY8kxo
今朝、地元住民のかたが赤城神社方面から降りてくる際に、関電工の前橋バイオマス発電所から立ち上る夥しい白煙を目撃! アセスメントも実施していないのに、これほど酷い白煙を平然と吐き散らせるのはおよそまともな事業者ではない。


悪魔の白煙は、遠方からもはっきりと識別できる。地元説明会であれほど、排ガスは必ず水の中をくぐらせて(Gas Scrubbing)、塵やセシウムを徹底除去するように強く要請したのに、関電工は全く無視をしてしまった!

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
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