あらゆる神社仏閣の境内には結界が張られている。境内は、つまり聖域なのである。その結界を包み込む「凛とした<気>」というものを、肌が感じとって、たとえ信心深くなくて性格ひん曲がっているわたしのような者でも背筋がしゃんとしてしまうのだ . . . 本文を読む
淡いピンクの桜と真っ黄っ黄の菜の花の繚乱を横目でチラリと愛でながら坂道をのぼっていく。茨城側からの路は、復路に決められている栃木側の路よりは比較的広いので走りやすい。目指しているのは、栃木と茨城をまたぐ標高四百七十メートルの鷲子山の山上にある「福と幸運のパワースポット」として知られる神社だ。ところで山名の<鷲子山>だが「わしこやま」でも「わしこさん」でもなく、「とりのこさん」と読む。むむぅ、乱読ゆえ漢字に滅法強いと自負するわたしにもコイツは読めなかったぜよ。しかもコイツが読めないと神社名も読めぬときたもんだ . . . 本文を読む
「すみませんねー、こんな遠くの駐車場をお願いして。今日はなぜか一番混むお盆なみのトクビ(特日)みたいで、もうてんてこ舞いですよ」離れた駐車場から宿へ向かうマイクロバスのなかで年配の運転手がいった。いかにも申し訳なさそうな口調だが、商売繁盛でどこか嬉しげでもある . . . 本文を読む
(久しぶり・・・だ)土曜日、木場の蕎麦屋「花村」である。『(温かいつゆなら、揚げ玉と油揚げがゆるりとほどけてもっと旨そうだぞ。ふふふ。この次はぜひとも「特盛のつゆあつ」を頼むとしよう・・・)』「強記の蕎麦屋」の記事で冷たいつゆの“志の田”を食べたあと、そう書いたのを忘れてはいない . . . 本文を読む