温泉好きの朝は滅法早い。どうせ朝風呂を堪能してから、戻ってグースカとちゃっかり至福の二度寝をするのだろう、との深読みはスルドイがちょいと惜しい。おごと温泉にはそれほど強烈なパワーも、炸裂するパンチ力もかなり弱いのである . . . 本文を読む
大浴場までは、いつも砦に戻る下っぱ忍者のように走るけど、裸になって浴場に入ったら、落ち着いた渋めの紳士に豹変する。(自分で思ってるだけ) 温泉成分はまあだいたいが“滑りやすい”としたもので、温泉の湯に浸かって「ごくらく、極楽」と言う前に、浴場の床でバナナ踏んだみたいに派手に滑って頭カチ割り昇天するのだけは避けたいからだ . . . 本文を読む
2008年、雄琴駅は訳あって平仮名表記の「おごと温泉駅」に改名した。改名以来今日まで、温泉街は努力に努力を重ね尽くして客をとり戻した。しかして雌伏二十数年、漸くわたしみたいな男独り旅の温泉好きも、変装する必要もなく山ほどの後ろ指さされずに“おごと温泉”を楽しめるようになったのである . . . 本文を読む
夏場にだが、一度か二度くらいところてんを無性に口にしたくなる。「飲食」は、どちらかというと「飲」のほうが好きなので、飲みだすと、とたんに「食」が細くなる。しかも少量で美味しいものしか食べない猫喰いで、口に合わない料理だと箸がピタリと止まってしまうとんでもない“バチ当たり”で、てんでよそ行きにならぬ . . . 本文を読む