宿の客室は「離れ形式」というより、ここでは「和の貸別荘スタイル」というようで、洋のシングルの四室を除けば、和室と和洋室で二十室余りである。階段をあがった右側は三室の離れ、左側は泣く子も黙る激狭のシングルが四室。わたしみたいな格安のシングル宿泊でなければ無料で一回貸切風呂を利用できる。でも、あの程度の温泉ではわたしには貸切風呂は無用だ。(そういえば今日の昼メシは当たりだったなあ・・・) . . . 本文を読む
赤目温泉は近鉄「赤目口駅」から二キロちょっと、車で五分くらいのところにある、宿泊施設がたった二軒しかない鄙びた温泉である。バスは一日数本しかないし、歩けば三十分ほどかかる。赤目四十八滝に続く国道から左に折れて、薄暗い林のなかに伸びる道の奥にあるのがわたしの今宵の宿「湯元赤目 山水園」だ . . . 本文を読む
「昨日は観光地でお高いランチセットを奮発しちゃったので、今日は軽くラーメンですませるか」旅先では、こう思うことがままある。たいして大それた望みでもないのに、京都ではこれを果たすのが案外難しいラーメン屋はいっぱいあるのだが、ギトギト背脂チャッチャ系濃厚白濁スープの、コテコテな横浜家系似のラーメンがジツに多い。今は昔の血気盛んなあのころならばともかく、今の今食べたい、昔ながらの中華そばみたいなヤツを「軽く」食べられる店が容易にみつからないのだ . . . 本文を読む
「なんと、無人の『巽橋』とは珍しい!」(ひゃっほォーッ、寄ってみて大正解でねーの!)これが本心、なんとも嬉しい限りである。わたしと同じように観光客も朝のスタートは早い。きっと、目当ての最初の寺社に移動している頃合いだろう。であれば、市内の観光名所は“二の次”でもしかしたら祇園白川あたりは空いているのではないだろうか。どうせ“ダメ元”である。そう思い寄ってみたのだった . . . 本文を読む
京都旅は、手ごろな料金で予約がとりにくい宿泊代、馬鹿にならない寺社の拝観料、観光地値段の飲食費と、ジツに金がかかる。(やや、朝にはン万円あったのに一枚少ないぞ!)寺社によって境内は無料というところでも、たいてい方丈やら庭園やらでは必ずとられるのだ . . . 本文を読む