下呂駅に到着したが、まっすぐ宿へ行くにはちょいと早い。ぶらつくことにした。旅先でぶらぶら歩くのは、旅の思い出を刻むのに一番安上がりだが確実である。下呂温泉は、外湯に一、二度立ち寄り湯をしたことがあるだけであった。そのころまだ温泉初心者だったわたしが、下呂温泉は温泉を集中管理して配湯していると知り、ぜひとも泊まってみたい気持ちが失せたのだった . . . 本文を読む
園の広さだが、具体的に比較すると、日比谷花壇のある日比谷公園の面積は16ヘクタール(48,400坪)、大船フラワーセンターは63,900平方メートル(19,300坪)なので、約5分の2の広さである。空いていれば「おっ、けっこう広いな」と思い、混んでいれば「なんだ、思ったより狭いな」と感じる面積といえるだろう . . . 本文を読む
「梅は香りに桜は花」というが、どちらも可愛くて美しくて、素晴らしい。どちらも愛でられる今日は、俗にいう「両手に花」の状態だ。まあ果報者といえるが、真に残念なことに両手に美人のオネーチャンではない . . . 本文を読む
「いらっしゃい。おだんごね、何本?」「んーと、・・・二本、ください」ちょっと待ってね。保温ジャーのようなところからだんごを二本取り出し、焼き台に載せた。三本でも良かったかな。鮨屋で供される熱くて濃いお茶でもだしてくれるなら、五、六本くらい頼みたいところだが、店先を占拠して営業妨害になってもまずいので控えめにした . . . 本文を読む
隣の駅である大船に「フラワーセンター」があるのは知っていて、いずれ行ってみようと思いながらも人混みが嫌いなわたしはなかなか足が向かないでいた。桜にはまだ早い今が狙い目、と重い腰をあげたのだった。下見といったところである。運よく梅の花に間に合ったようだ。早咲きの桜も咲いている。梅には少し遅く桜にはまだ早いかな、と思ったが両方とも観賞できるようである。
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走り始めて都会を抜けたころ、車窓の曇りを拭って外をみると一面の雪景色だった。富山に宿泊したまさにその日に、この冬初めての強烈な寒波が凶暴で莫迦でかい雪空を引きつれて北陸に舞い降りたのだ。大雪は苛烈で容赦なくいっさいのものに降りそそぎ、絶え間なく空間を満たし、いっさいの音を呑みこみ静寂(しじま)に塗りつぶす . . . 本文を読む