<読んだ本 2020年3月>
(久しぶり・・・だ)
土曜日、木場の蕎麦屋「花村」である。
『(温かいつゆなら、揚げ玉と油揚げがゆるりとほどけてもっと旨そうだぞ。ふふふ。この次はぜひとも「特盛のつゆあつ」を頼むとしよう・・・)』
「強記の蕎麦屋」の記事で冷たいつゆの“志の田”を食べたあと、そう書いたのを忘れてはいない。
「常温のお酒を二本と、とく・・・いや大盛りの“志の田”をつゆ熱で」
志の田そばの量は普通盛り、大盛り、特盛り、特特盛りとわかれているのである。
酒が運ばれてくる。大徳利でなく一合徳利二本とは、ちょっと格好悪いな。
演歌の歌詞に、
「♪ 長生きしたけりゃよー、酒と、女は、二合まで~」
これ、けだし名言である。深い。
志の田そばもホント期待通りの味で大満足。
特盛りを躊躇して、大盛りにダウンしたのはこのまま帰るつもりがないからだった。禁煙なので、店を出るとひと気のない川のそばで一服して、ひとつ先の門前仲町まで歩く。
ほろ酔い状態では本当は不遜で申し訳ないのだが、せっかくなので深川不動を参拝する。
帰り際に懐かしい参道の角打ちで軽く〆ることにした。
さて3月に読んだ本ですが、少なくめの6冊、年間累計で20冊。
1. ○京都 至福のひと皿 柏井壽 JTBパブリッシング
2. ○鼠草紙 新・酔いどれ小籐次十三 佐伯泰英 文春文庫
3. ◎スティール・キス ジェフリー・ディーヴァ― 文芸春秋
4. ◎あきない世傳 金と銀六 本流篇 高田郁 ハルキ文庫
5. ○限界点 上 ジェフリー・ディーヴァ― 文春文庫
6. ◎限界点 下 ジェフリー・ディーヴァ― 文春文庫
今月は半分以上の本が面白かった。
「盲人の国では片目の者が王だ」
いやあ、あいかわらずハラハラドキドキさせてくれるリンカーン・ライムシリーズであった。
リンカーン・ライムの恋人アメリア・サックスの母、ローズ・サックスは喜怒哀楽が激しい人間で矛盾の塊である。サックスは父から心とユーモアを、母ローズから鋼を与えられた。
『彼女は人生におけるあらゆる意思決定を、正当性とロジックという不変のルールに照らし合わせて
行うが、その法則は他人に理解しがたいものであることも少なくない。それでも、その鋼のような
芯の強さには感嘆するしかないだろう。』
海外ミステリーで面白いのをと訊かれたら、迷わず、リンカーン・ライムのシリーズを勧めるなあ。
「あきない世傅 金と銀」第六巻、江戸店を出すことになっていよいよ面白くなってきた。
大坂天満の呉服商「五鈴屋」は六代目が急逝し、女房幸(さち)が三年の期限付きで七代目を継ぎ、江戸進出を目指す。
『買うての幸い、売っての幸せ。
自分たちが扱う品に対し、「売りたい」と思う気持ちはとても大切だ。しかし、それがお客の
「買いたい」品であるかどうか、見定めることはより重要だろう。お客の「買って良かった」
という気持ちがあってこその「売って良かった」だ。
まずは店前で「買いたい」と思ってもらうこと。そのためにはどうすれば良いのか。
五鈴屋の商いを江戸に根付かせるには、それこそが最も大事に違いない。
必ず道を見つけてみせる、と七代目は密かに誓った。』
これって呉服屋の商売に限ったことじゃないと思うナ。
気にいってた手作り弁当屋があり、450円、500円、550円の三種類あったのを、突然「オール600円」になってしまって、足が遠のいた。「オール」を付けるのだったら500円くらいにするだろう。
蛇足になるが、忘れてしまいそうなので、もうひとつ書いておきたい。
そこらのナントカベーカリーやら焼き立てパン屋では、平気で250円だの300円で売っちゃうカレーパン。
安い、袋のカレーパンでも美味しいのがある。
木村屋總本店インドカレーパン。もう一年以上食べていますが、スパイシーで、完成度は高い。
因みにマイバスケットでは税抜きで八十八円、税込でも九十五円。
→「強記の蕎麦屋」の記事はこちら
→「読んだ本 2020年2月」の記事はこちら
(久しぶり・・・だ)
土曜日、木場の蕎麦屋「花村」である。
『(温かいつゆなら、揚げ玉と油揚げがゆるりとほどけてもっと旨そうだぞ。ふふふ。この次はぜひとも「特盛のつゆあつ」を頼むとしよう・・・)』
「強記の蕎麦屋」の記事で冷たいつゆの“志の田”を食べたあと、そう書いたのを忘れてはいない。
「常温のお酒を二本と、とく・・・いや大盛りの“志の田”をつゆ熱で」
志の田そばの量は普通盛り、大盛り、特盛り、特特盛りとわかれているのである。
酒が運ばれてくる。大徳利でなく一合徳利二本とは、ちょっと格好悪いな。
演歌の歌詞に、
「♪ 長生きしたけりゃよー、酒と、女は、二合まで~」
これ、けだし名言である。深い。
志の田そばもホント期待通りの味で大満足。
特盛りを躊躇して、大盛りにダウンしたのはこのまま帰るつもりがないからだった。禁煙なので、店を出るとひと気のない川のそばで一服して、ひとつ先の門前仲町まで歩く。
ほろ酔い状態では本当は不遜で申し訳ないのだが、せっかくなので深川不動を参拝する。
帰り際に懐かしい参道の角打ちで軽く〆ることにした。
さて3月に読んだ本ですが、少なくめの6冊、年間累計で20冊。
1. ○京都 至福のひと皿 柏井壽 JTBパブリッシング
2. ○鼠草紙 新・酔いどれ小籐次十三 佐伯泰英 文春文庫
3. ◎スティール・キス ジェフリー・ディーヴァ― 文芸春秋
4. ◎あきない世傳 金と銀六 本流篇 高田郁 ハルキ文庫
5. ○限界点 上 ジェフリー・ディーヴァ― 文春文庫
6. ◎限界点 下 ジェフリー・ディーヴァ― 文春文庫
今月は半分以上の本が面白かった。
「盲人の国では片目の者が王だ」
いやあ、あいかわらずハラハラドキドキさせてくれるリンカーン・ライムシリーズであった。
リンカーン・ライムの恋人アメリア・サックスの母、ローズ・サックスは喜怒哀楽が激しい人間で矛盾の塊である。サックスは父から心とユーモアを、母ローズから鋼を与えられた。
『彼女は人生におけるあらゆる意思決定を、正当性とロジックという不変のルールに照らし合わせて
行うが、その法則は他人に理解しがたいものであることも少なくない。それでも、その鋼のような
芯の強さには感嘆するしかないだろう。』
海外ミステリーで面白いのをと訊かれたら、迷わず、リンカーン・ライムのシリーズを勧めるなあ。
「あきない世傅 金と銀」第六巻、江戸店を出すことになっていよいよ面白くなってきた。
大坂天満の呉服商「五鈴屋」は六代目が急逝し、女房幸(さち)が三年の期限付きで七代目を継ぎ、江戸進出を目指す。
『買うての幸い、売っての幸せ。
自分たちが扱う品に対し、「売りたい」と思う気持ちはとても大切だ。しかし、それがお客の
「買いたい」品であるかどうか、見定めることはより重要だろう。お客の「買って良かった」
という気持ちがあってこその「売って良かった」だ。
まずは店前で「買いたい」と思ってもらうこと。そのためにはどうすれば良いのか。
五鈴屋の商いを江戸に根付かせるには、それこそが最も大事に違いない。
必ず道を見つけてみせる、と七代目は密かに誓った。』
これって呉服屋の商売に限ったことじゃないと思うナ。
気にいってた手作り弁当屋があり、450円、500円、550円の三種類あったのを、突然「オール600円」になってしまって、足が遠のいた。「オール」を付けるのだったら500円くらいにするだろう。
蛇足になるが、忘れてしまいそうなので、もうひとつ書いておきたい。
そこらのナントカベーカリーやら焼き立てパン屋では、平気で250円だの300円で売っちゃうカレーパン。
安い、袋のカレーパンでも美味しいのがある。
木村屋總本店インドカレーパン。もう一年以上食べていますが、スパイシーで、完成度は高い。
因みにマイバスケットでは税抜きで八十八円、税込でも九十五円。
→「強記の蕎麦屋」の記事はこちら
→「読んだ本 2020年2月」の記事はこちら
この騒動が収まったら、是非とも「トクトク、つゆ冷え」を、一緒にいかがですか?
騒動が終わった暁の会食の件、頭の片隅に入れておきます。
コロナウィルスの感染拡大の影響で、愛知蒲郡温泉、兵庫・湯村温泉、岐阜・奥飛騨温泉など、各地の老舗旅館が廃業に追い込まれています。
弁当で有名な木挽町の「弁松総本店」、ついこの前泊まった北海道・道東・川湯温泉「名湯の森ホテルきたふくろう」など、残念なニュースばかり。
「媽媽(まーまー)」なきいま、「花村」にはぜひとも頑張って持ちこたえてほしいと祈るばかりです。
にゃあ様も、くれぐれもご自愛ください。