わたしも駅やホーム、電車をけっこう撮るのが好きだから鉄道ファンのいわゆる軽い「撮り鉄」のひとりなのかもしれない、な。「たしか下関駅の近くに海のものを扱っている市場がありませんでしたっけ?」駅の一角に観光案内所をみつけると、迷わず入って訊いた。「ああ、唐戸市場ですね」「あっ、そうです。その唐戸市場!」本屋をみつけて自分で調べるより訊いたほうが断然早い。その市場でふぐの、寿司とか唐揚げを軽く食したい。「歩くとけっこう遠いので、駅からだとバスになりますね」駐車場があるというので、地図が載ったパンフレットをもらい礼を言って案内所をでると、自分の車で向かうことにした . . . 本文を読む
下関港周辺は、昔は「赤間関(あかまがせき)」と呼ばれ、これを「赤馬関」とも書いた。これを略した「馬関(ばかん)」という別名も広く用いられた。前に書いた「五足のくつ」の、与謝野鉄幹の面々も七月下旬に東京を夜行列車で発って、翌々日には、ここ「赤間関」を見学して下関に泊まっている。下関駅・・・・・・本州の最西端である下関市の中心駅だ。山陽本線、山陰本線の基点となっており、JR西日本の普通列車は原則としてすべてこの駅を始発駅および終着駅としている。ホームに、最近なぜかおなじみになってしまった童謡詩人金子みすゞの「大漁」という題の詩があった . . . 本文を読む
天草に旅したときに「五足のくつ」という言葉の意味を初めて知った。そのときにわたしが書いた雑文「一足のくつ」に次のような文章を書いた。『ところで、天草で近頃めっぽう人気のある宿に「五足のくつ」というところがある。ぜひ一度泊まってみたいものだが、このわたしなどにはちと料金が高い。それにしても、なんか妙に面白いネーミングだなあ、とかねがね思っていた。それもここの宿に掛けられていた額を読んで、はからずもその訳がわかった。明治40年に与謝野鉄幹、北原白秋、吉井勇、木下杢太郎、平野万里らの五人連れの、後に日本文学を変革した詩人・作家が九州を旅した。新聞に発表したその九州旅行の紀行文「五足の靴」に由来しているのだ . . . 本文を読む
わたしは日本三名園にも、栗林公園にも行っているが、それに比べてとにかく恐ろしく広い。広さを帰って調べてみたそれぞれのだいたいの広さを紹介しておくと、金沢の「兼六園」は三万坪(10ヘクタール)、水戸の「偕楽園」と岡山「後楽園」はだいたい同じで四万坪(13ヘクタール)である。「広かったなあ・・・あそこは・・・」と思いだす、高松の栗林公園で、二十三万坪(75ヘクタール)。さてこの昭和記念公園、五十四万坪(180ヘクタール)というのだから、やっぱり桁が違うはずだ。ダントツ、ブッちぎり . . . 本文を読む
立川駅で中央線から青梅線に乗り換えて一つ目の駅、西立川駅で降りると昭和記念公園が一番近い。この公園は、昭和天皇の在位五十年を記念して立川基地跡の一部に開設された。桜の季節に一度来てみたかったのだが、五月もポピーが綺麗に咲いているというのでやってきた。なにしろ横浜から立川まではかなりの所要時間がかかる。閉園時間も早いので、早めに起きた天気がいい日でなければ、おいそれとは出かけられないのだ。メインの花は、三月から四月上旬が桜、四月が菜の花とムラサキハナナとチューリップ、五月がポピーとなる . . . 本文を読む
二月のWEBサライのブロガーイベントで、抽選して五名にガラパゴスの本体が無償でもらえるという募集があった。旅が趣味になってから読書量が減ったが、いまでも月に七冊くらいは読む。眼はいいほうで、いまでも裸眼である。それでも活字の小さい文庫本はだんだん辛くなってきた。書斎としている電車の照明が節電で暗いせいもある。ガラパゴスは字の大きさを自在に変えられ、周囲が暗くても読めるという。(それはいいじゃないか・・・)ダメもとで応募したら、運よく当ったのだ。嬉しい . . . 本文を読む
呼子から約五キロ離れたところに名護屋城跡はある。車で十分ほどの所要時間だから近い。(ここに、秀吉は全国から武将を呼び寄せたのか・・・・・・)名護屋城は波戸岬の丘陵を中心に築かれた平山城だ。ここにはもともと松浦党の一族である名護屋氏の居城である垣添城があったが、小田原の北条を落とした翌年(1591年)、秀吉は大陸進攻の前線基地として九州の大名に建設を命じた。文禄元年(1592年)から慶長三年(1598年)までの約六年間、明と朝鮮の征服を目指す豊臣秀吉の遠征軍は朝鮮半島を戦場と化した。秀吉が死去した慶長三年に日本軍が撤収するまで、この地を出発して壱岐、対馬を経て朝鮮に渡っていったのである . . . 本文を読む
水澤観音に向かう道沿いには、満開を過ぎたばかりの桜並木がずらりと並んでいて吃驚する。車を止めて見物しているひともいた。たいした高地でもないと思うのだが、やはり所変われば春の訪れる足並が違うのだろう。坂東(関東八カ国)三十三番札所の第十六番目の札所、天台宗「水澤観世音」である。由緒があり古より参詣客が多い。この観音様は江戸へ三十六里、日光へ三十六里、善光寺へ三十六里、というなんともありがたいロケーションだ . . . 本文を読む
いよいよ4月30日からゴールディンウィークに突入した。今年、わたしは諸般の事情があって長い旅ができない。旅キチで温泉狂のわたしが、まるで出かけないのもつらい。そこで一泊だけ、草津への旅をして来た。GWというのに、二食付きでなんと七千円以下の宿をみつけたのだ。たった一泊だけの湯治である。4月初旬に頸椎の傷みが再発して、いつもの医院に通うのも忙しくてままならず、なかなか治らない。貼り薬はもう百枚は使っているだろう。関東地方で頸椎にも効きそうな温泉といえば草津がまずベストだ . . . 本文を読む