温泉クンの旅日記

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鷲子山上神社(2) 栃木・茨城 両県境

2020-04-26 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <鷲子山上神社(2) 栃木・茨城 両県境>

 あらゆる神社仏閣の境内には結界が張られている。
 境内は、つまり聖域なのである。
 その結界を包み込む「凛とした<気>」というものを、肌が感じとって、たとえ信心深くなくて性格ひん曲がっているわたしのような者でも背筋がしゃんとしてしまうのだ。

 
 
 同じ石工衆というか彫刻家たちの手によるものなのか、あるいは石像の完成予想図のデッサンを描いている人が同一人物たちなのだろうか。

 

 いくつもの石像をみたが、母子に受けそうな、どれもほのぼの系のデフォルメしたものばかりだ。幾星霜経て数多の風雨にさらされても、とても土門拳がカメラを思わず構えてしまいそうな野仏には変化しなそうである。

 

(しかし、この神社がこれほど『フクロウ』推しとは思わなかった・・・)
 鷲子山上神社の境内は鷲子山一帯である。ほのぼのとしたフクロウ像に、その聖域とも結界ともいうべき神社の境内にあるべき厳粛な空気が希釈されてしまうようだ。
 なんだ。こんどは、劇画調のフクロウじゃんか。

 

 三体の木彫りの「お願いフクロウ像」だが、中央は主祭神のお使い、右が大己貴命のお使い(大黒様)、左が小彦名命のお使い(恵美寿様)だそうだ。

 では「本宮」とやらにいってみるか。

 

(おいおい、『トリ』の真打登場かよ!)

 

 階段の下からも大きなフクロウ像が見える。
 日本最大級とかで、通称「フクロウ大仏」とか「フクロウだるま」と呼ばれているそうだ。ご利益ガッポリいただけそうなありがたみよりも、まずは、ゆるキャラの「さのまる」みたいな親しみが感じられてしまう。

 

 

 地上七メートルの大フクロウが載る台座だが、五本の柱で支えている。
 中心の不苦労御柱は叩いて、苦労や悩みをたたき出し、頭上の大フクロウに運び去ってもらい、金運福徳・開運幸福を運んできてもらうとか。

 青龍(せいりゅう)・白虎(びゃっこ)・朱雀(すじゃく)・玄武(げんぶ)の四神の御柱は、手を押しあてて、願いをこめる。たとえば肝臓が悪いなら「青龍」の柱、肺なら「白虎」、心臓なら「朱雀」、腎臓なら「玄武」といった具合である。

 門前茶屋前にあった売店で鯛焼きならぬ「ふくろう焼」をみつけると、あまりにものふくろう猛プッシュ連続攻撃でゆるい脱力感が蓄積したせいか小腹が空いた。

 

 ふくろう焼の皮の部分がホットケーキ粉を使ったような甘い味がしたが、幸い買ったのが一個だけなので美味しく食べられた。仕上がりがパリッとした生地のたい焼きも絶品だが、ふっくらふかふかもなかなかである。

 

 山上神社から栃木に通じる下りの復路は、寸又峡への路とか四国の祖谷渓を思わせるほど狭かった。
 指定されている復路だが、ジツは法規上の一方通行道路ではないので用心が必要だ。
 ヘアピンカーブで突然対向車が来たときに間一髪すり抜けられたのは、きっといままであちこちの狭い路を走った経験が幸いしたのだろう。



  →「鷲子山上神社(1) 栃木・茨城 両県境」の記事はこちら
  →「寸又峡温泉(1)」の記事はこちら
  →「祖谷温泉」の記事はこちら
  →「かずら橋と蓬莱橋」の記事はこちら


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