九月は雨の日が続いてなんとも往生した。というのも八月に入ってから、左足の親指の爪が死んで黒くなってそれが広がってついにポロリと剥がれてしまったのだ。(うぅ~痛そう) 東海道ウォークも一因であろうが、靴の左が合っていなかったかもしれない。しょうがないので左足の親指爪部分が靴に擦れないようなぶかぶかの靴を探してそれ以来履いているのだが、靴底がツルッパゲなのだ。雨に濡れた舗道でスッテンコロリン、後頭部強打してお陀仏になりそう . . . 本文を読む
宿賃的に、なかなかおいそれと来られないので館内をぶらぶらしてみた。一階売店奥の外側にこの宿の名前の由来があった。ただし、ガラス越しで上の方にあるのでよく見えない。千三百年前の奈良時代の窯跡が発見され県指定文化財になったことにより、窯跡にちなんで「古窯(こよう)」としたそうである。一階喫煙室もそれなりに広くて愛煙家には嬉しい限りだ。他に大理石張りのサロンのようなお洒落なトイレもあり、静かな音楽と個室には小型テレビも設置されていてトイレに長居する向きにはたまらないだろう。わたしがハマったのが万華鏡だ . . . 本文を読む
熱中症危険レベルの猛暑日の昼下がり、近くの図書館まで読み終わった本を返しにいったついでにコンビニで煙草とミネラルウォーター、それにパピコを買って家に戻った。車の運転中はもっぱら食べやすいクーリッシュを食べるのだが、あれは後ですこし喉が渇く。パピコは約四十年前に発売されたロングセラー商品で、赤城しぐれとかガリガリ君とかと同じく子どもから大人まで幅広く人気がある。チューブ型の二本の容器に封入された、どちらかというとアイスというよりシャーベットだ。味はチョココーヒー味のみが現在はレギュラーとなり、ホワイトサワー味とかスムージー味など二十種類くらいある他の商品は期間限定での販売だ。ノートパソコンの前に座りパピコを一本千切って食べ始めると、寝入っていたはずの海がいつのまにかそばにいる . . . 本文を読む
古窯に思いのほか早く着いてしまったので、前にある「菓子工房KOYO」で時間を潰すことにした。名物の壺プリンや窯カステラ、窯スフレケーキやらくやきが並んでいて、甘党にはたまらないだろう。喉が渇いていたので、柄にもなくりんごジュースを注文してしまう。山形県産の新鮮な林檎を使ったものである。途中、禁煙なので外に出て携帯している灰皿で煙草を吸う。目の前が今日の宿の「古窯」だ。(しかし、「古窯」がこんな大箱の宿とは思わなかった・・・)わたしは、予約した宿の位置は調べるがそれ以外の下調べはしない。人気の宿だがイメージ的に赤湯の「瀧波」の三十室クラス、いいところ五十室くらいかなと想像していたのである。どうみても古窯の客室は百室を超える。結婚式場もある、山形ではステータスのあるどちらかといえば一流旅館というより一流ホテルなのである . . . 本文を読む
東京駅ではカレーライスの「アルプス」とか坦々麺の「鳳鳴春(ほうめいしゅん)」とか旭川ラーメンの「番外地」、博多うどんなど些少のバリエーションがあるのに、横浜駅ではひとつだけというのも悲しい。そこでカレーライスを食べることにした。カレーライス好きの友人が連れのなかにいたとき、たまにつきあった店である。「カレーハウス リオ」は創業五十年を超す、横浜ではそれなりに知られている店だ。あのココイチよりもずっと古い。場所はジョイナスの地下二階、わかりにくければ市営地下鉄の切符売り場を目指せばそのすぐ脇にある . . . 本文を読む
(あららら、焼き豆腐にまで「古窯」の文字が・・・)ここは全国の旅館ランキングで常に毎年ベストファイブ以内に入る宿、「日本の宿古窯」である。弛まずブログを発信し続けてついに目標の百万アクセスを突破した。その自分への褒美なのである。なんという贅沢な宿をと思われるかもしれないが、なあにこの日のために貯めに貯めたポイントをつぎ込んで宿賃はわたしの通常最高限度の一万五千円以内に抑えてある。本当はステーキのプランが良かったのだが予算を超えるのでこの割安なすき焼きプランにしたのだ . . . 本文を読む
久しぶりの赤坂見附である。なにしろ十年近くここで働いていたのだ。昼飯時が終わりかけた時間なので、昼食をすませたサラリーマン達と遅い昼食をとろうとするひとたちとで駅近くの通りが賑わっていた。わたしも昼はまだである。先に「しろたえ」の混み具合をみておこうと、一ツ木通りに出て右に曲がる。今日の目当てはレアチーズケーキなのだ。店の前に行列はない。だが、油断はできない。扉をあけると、入ってすぐの左側のガラスケースにケーキが並んでおり、案の定、その狭いスペースに人が屯していた。でも思ったより少ない。行列ができているのだが持ち帰り客で、店内は案外空いているケースもたまにある。神戸の中華街の豚まんの有名店などは最たるものだ . . . 本文を読む
夕食のとき、わたしのそばでちょっとしたひと悶着があった。小さな学校の講堂なみに広い大食堂には、長テーブルがびっしり並び、料理の配膳もたぶん天ぷら一品を除いてほとんどすんでいる状態であった。高校の体育会系クラブの合宿も入って、どうやら泊り客は満員に近いようだ。料理の境界線も気をつけないと間違いそうである。飲物の注文を受けたり空いた皿を下げたりと、テーブルを飛び回る仲居さんのひとりをようやく捕まえて、わたしが酒を頼んだときだった。血相を変えた中年男性の泊り客が、浴衣がはだけるのも構わず大股で近づいてきた。「なんで勝手に持っていくんですか! まだ食べている途中でしょうが!」 . . . 本文を読む
この八月、後半こそ秋めいた日が続いていかにも梅雨寒が戻ったようだが、前半は、真夏日がそれはそれは厭になるほど連続した。ミンミンゼミが、いまにも木の葉が共鳴して揺れそうなほどの凄まじく通る声で夏の盛りを喚き散らしている。一本調子なアブラゼミの鳴き声も地鳴りのように轟いて、暑苦しさをますます助長する。適量ならそれなりに癒し効果もある蝉しぐれもあまりに大音量すぎて、日向を歩くものに猛暑を一段と思いしらせてくれた。ある日見知らぬ町を散策していて、あまりの暑さに頭がクラクラしてきてしまい、冷たいものでも飲もうと喫茶店を探したがこういう時に限って見つからない。しょうがなく眼についた食堂に飛び込んだ . . . 本文を読む