温泉クンの旅日記

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

天草フェリー(1)

2019-05-26 | ぶらり・フォト・エッセイ
天草の牛深はとにかく遠かった。熊本市内の菊池温泉から牛深までは約百六十キロで、横浜から伊豆半島の突端にある石廊崎までと同じくらいの距離と疲れ具合である。所要時間は休まなければ三時間ちょっとだが、途中から海がまったく見えない下道なこともあって恐ろしく走り出がある。ずいぶん前に高橋治の牛深が舞台の小説「うず潮のひと」を読んで、今では阿波踊と佐渡おけさのほうが有名になってしまったが三、四十は派生民謡がある本家の「牛深ハイヤ節」と、女主人公が作る絶品の「塩うに」が妙に記憶に残っていて、一度は行ってみたいなとずっと思っていた . . . 本文を読む
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宮島口のあなごめし

2019-05-19 | 食べある記
宮島に渡ると、表参道商店街(清盛通り)に土産物屋や食事処が連なっていて、通りに漂う焼き牡蠣の旨そうな匂いに鼻孔を直撃され、同時に食欲中枢の六弦すべてをジミヘンばりに掻きならされる。とどのつまり、素通りできずに殻つきのやつを三、四個、はふはふいってパクついてしまう。残念ながらの酒なしでもだ。そしてさらに、生やら焼き立てやら揚げやらのもみじ饅頭もつい食べることにあいなって、名物といわれる<あなごめし>に辿り着くことはわたしには難しかった . . . 本文を読む
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湯田川温泉(3)山形・鶴岡

2019-05-12 | 温泉エッセイ
この宿の大浴場も最近多い男女交代制である。ただ、たいていのところで夜中近くが交代時間だが、八時と早い。となれば夕食時間があまりにも短かったため殺到しそうである。一刻も早くいきたいのを堪えて九時過ぎにいってみた。(やっぱり、女風呂だったこっちの石風呂のほうがメインの浴場だったんだ・・・)男風呂だった檜風呂のほうに比べて広いし、外には露天風呂もある。入れ違いに出ていった男性客も、質素な夕食で下がったテンションを幾分か回復できたようだった . . . 本文を読む
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湯田川温泉(2) 山形・鶴岡

2019-05-05 | 温泉エッセイ
照明を落した食事処には心地よいジャズが流れている。「うわっ、久しぶりに質素な夕食!」運ばれた昼食みたいな刺身や台の物のまったくない膳をみて思わず声に出してしまう。落胆しているのでは決してなく、質素な夕食はわたしの望むところである。たしか和気の鵜飼谷温泉以来だ . . . 本文を読む
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円覚寺の桜(1)

2019-05-01 | 鎌倉点描
思い立って(というほどでもないが)、鎌倉に平成最後の桜をみにいくことにした。今年の桜はめずらしく長持ちしているからまだ間に合うだろう。八幡宮あたりは間違いなく混むだろうし、一番手近の鎌倉の寺である円覚寺に決めた。北鎌倉駅で降り、ホーム先頭にある臨時改札口を使って外に出る。円覚寺の総門は目と鼻の先である . . . 本文を読む
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