「なんだかサビシイな・・」 夫がつぶやいた。
いつの間にかピタリとネズミの気配が立ち消えて静かな倉庫内なのだ。
秋から冬にかけてはドタバタ・チューチュー・キイキイとやかましく活動していたネズミ族。
収獲して貯蔵したばかりの芋や南瓜や大根をチョコチョコ齧るので、あちこちにネズミ捕り
を仕掛けるのが秋口の日々の仕事の一つだった。
そして毎年、ネズミに宛てて新しい貼紙を書き変えてきた。
最初は「倉庫を立ち退くように」というタカピシャな態度で相手を威圧していたが
「売り物を齧らないで・・」になり「食べる分は此処におきます・・」とか「静かにしてくれる
だけでいいから・・」としだいにその貼紙の効果を実感して、共存姿勢となってきた。
犬猫と暮している人が言葉を持たない彼らと目やしぐさなどで当たり前に会話しているが、それと同じだ。きっと。
もちろん植物もそうだから、メンドリにしてもやっぱりそうなのだ。どんな生命体も各々意思表示し合っている。
ヒト族が聞く耳を持ちさえすれば、すべての生命との対話が実現すると確信する。きっと。
で、なぜか、今年はネズミの気配が消えた。 去年の春、食べ過ぎて太って動けない一匹を発見し
「食べ過ぎに注意しましょう」と書いた貼紙をしたが、それがすすけたまま壁に貼ってある。
大雪と寒さで絶滅したのか。。はたまた倉庫下にシェルターが完成し、そこに運んだ備蓄芋で快適生活か。。。
「ネズミ戻って来いって貼り紙出すかい?」 寂しそうな夫をニヤニヤとからかった。
「いや、それは止めよう」 夫は自分自身に言い聞かせるように言った。
ねずみの動向にこれだけ敏感に反応する割りに、妻の発する言葉にはとんと無頓着だ。耳にドアがあるのか。
いつの間にかピタリとネズミの気配が立ち消えて静かな倉庫内なのだ。
秋から冬にかけてはドタバタ・チューチュー・キイキイとやかましく活動していたネズミ族。
収獲して貯蔵したばかりの芋や南瓜や大根をチョコチョコ齧るので、あちこちにネズミ捕り
を仕掛けるのが秋口の日々の仕事の一つだった。
そして毎年、ネズミに宛てて新しい貼紙を書き変えてきた。
最初は「倉庫を立ち退くように」というタカピシャな態度で相手を威圧していたが
「売り物を齧らないで・・」になり「食べる分は此処におきます・・」とか「静かにしてくれる
だけでいいから・・」としだいにその貼紙の効果を実感して、共存姿勢となってきた。
犬猫と暮している人が言葉を持たない彼らと目やしぐさなどで当たり前に会話しているが、それと同じだ。きっと。
もちろん植物もそうだから、メンドリにしてもやっぱりそうなのだ。どんな生命体も各々意思表示し合っている。
ヒト族が聞く耳を持ちさえすれば、すべての生命との対話が実現すると確信する。きっと。
で、なぜか、今年はネズミの気配が消えた。 去年の春、食べ過ぎて太って動けない一匹を発見し
「食べ過ぎに注意しましょう」と書いた貼紙をしたが、それがすすけたまま壁に貼ってある。
大雪と寒さで絶滅したのか。。はたまた倉庫下にシェルターが完成し、そこに運んだ備蓄芋で快適生活か。。。
「ネズミ戻って来いって貼り紙出すかい?」 寂しそうな夫をニヤニヤとからかった。
「いや、それは止めよう」 夫は自分自身に言い聞かせるように言った。
ねずみの動向にこれだけ敏感に反応する割りに、妻の発する言葉にはとんと無頓着だ。耳にドアがあるのか。