大雨がざんざん降って夏を洗い清めた。 いよいよ秋だ。
”西日本猛暑”という時、怖い物見たさに退院後一年経過の息子を岡山に訪ねた。
いつもせわしなく動き回る癖が、さすがに暑くて二日間はソファーに横たわってグータラした。
引っ越し手伝う名目が何の役にもたたず、思いがけない休養となる。
転んで打って全滅した息子の前頭葉はそのままらしいが、本人は毎日コンビニバイトに
精を出していた。顔つきや声の調子、言葉の使い方などを瞬時にチェックして一応安心。
「このひと、な~~んにもお金かからない。食べるもの以外」とけい子さんが言うだけあって
良く食べる。噛まずに食べる。コーヒーの砂糖は無しになっていたが安い煙草を吸っていた。
≪少食。よく噛む。スナック菓子食うな。煙草なんぞもってのほか。≫と一喝したいがグッとこらえる。
「健太郎がどんな状態になっても共に生きていく」と決心して結婚してくれたけい子さんが
一番心配しつつ毎日を過ごしているだろうし、もう母の出番はない。見守るだけ。。。。
だが、幸せ太りでぶくぶくしてオッサン化した息子を見ていると、時折口から炎が噴き出し、ジリジリ脂肪をあぶりだす。
「腹の出た男は好かん」「ケイタイでゲームするな、脳腐るぞ」「妻の話しは面倒がらずにきちんと聞け。逃げるな」
「よく噛め、噛めば大食い改まる」「○●△◆。。。。。」 結局言いたいことは全部言う。。はははのはー
しかし、どんなに辛口吐こうが、のほ~~~~んとして聞いてない。 ったく!親の顔が見たい!とチチオヤのせいにする。
「はいはーい、鏡ここでーす」と嫁。にくらしい。今まで姑にしてきたことがそっくり自分に返ってきた。