「大国に翻弄される小さな島国」という標題から、日本のことかと思いました。
南太平洋のマーシャル諸島でした。地球温暖化で海面が上昇し、埋葬されていた「日本兵とみられる遺骨」が流出の危機にあるとのこと。マーシャル諸島にはビキニ環礁があり、アメリカの水爆実験で第5福竜丸が被曝したところです。どうして日本の方々の遺骨が埋葬されていたのでしょうか?日本から4600キロも離れています。
新聞記事には、この諸島が「第1次大戦後は日本の委任統治領」になり「先の大戦では日本の軍人や軍属7千人以上戦死」。戦後は「アメリカの信託統治領になり、1946年から13年間、ビキニ環礁などで核実験が繰り返され」、「被曝による健康上の不安を抱える島民はいまなおいる」そうです。そして現在、「大国」の経済発展で温暖化・海面上昇が進み、島そのもののが存亡の危機に瀕しています。まさに「大国に翻弄され」続ける歴史です。日本とも関連する歴史です。(2014年6月26日朝日新聞・編集委員石井徹「eコラム」より)
日本としての対策が注目されるところです。
*:アメリカの核実験については『第5福竜丸展示館』(東京江東区夢の島公園)に詳しい。
「ビキニ環礁」は2010年の第34回世界遺産委員会で世界文化遺産に登録されました。登録にあたってはその遺産の世界的、人類史的意義や価値について様々な角度から論議されています。世界遺産に登録されることによって記録され語り継がれ、次世代教育に生かされてゆきます。世界各国の注視の内容も問われます。