トラウマを持って生きる

2011-05-28 07:01:36 | 地震の周辺
 悲しい出来事に遭遇すると、その後に当時の事を思い出して、精神的に不安定になったりすると言う。 それは人間ばかりじゃありません犬にだって、それは起こるのです。  4月10日のブログの集合写真ではお母さんに抱っこされて、マッタリしたスタイルで写っている白いワンちゃん、 津波の時には怖い想いをして救出されたのです。

 地震のあった日の避難の際は飼い主によって軽トラックに乗せられた。 飼い主さんは浜辺の家から山側に逃げるべく急いでエンジン始動、 少し山側に走った後で海の様子でも見るためだったか、車から外に出て、白いワンちゃんは車の中に残した。 そんな所に津波が急追。飼い主さん達は山の斜面を這い登って津波を避けたが、車に残った犬は車ごと津波に運ばれてしまったそうだ。

 津波のあった当日は寒くて暗い山中で暖を採るために焚き火などして一夜を過ごし、飼い主さん達は、翌日は津波に住宅全てを流された自分たちの浜の様子を確認した後、数km離れた隣の地区まで歩いて移動。 そこにある地域センターの建物での避難生活が始まった。

 何日か経過して自衛隊などによる救援活動や遺体の捜索活動も始まりました。 そして津波発生から9日目の事。そんな捜索活動をしていた人により、山側の竹やぶに突っ込む形で止まっていた車の中から白いワンちゃんは救出されたのです。 そして避難していた飼い主と再会出来たのです。 車の中では飲まず食わずだったはずだけれど、 あまり衰弱はしていなかったとか。 寒い時期だったから良かったのかな? 暑い時期に車の中で水を飲めなかったら、衰弱どころか・・・ ですからね。

 で、この白いワンちゃん、 今は飼い主さんと一緒に石巻市内で仮住まいを始めているのだが、車にのせられて買い物などに出かけた時、駐車場の車に残されると大騒ぎする様になってしまっているそうです。 そりゃ判るよな! 車に残されて、津波に攫われ、飲まず食わずの9日間を体験をしちゃった後だもの。
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