金星の太陽前面横断

2012-06-06 21:27:22 | 国内旅行と山歩き
 太陽の前面を金星が通過する天文イベントを目にしようと、今朝は5時から行動を開始しました。 関東地方は厚い雲に覆われた曇天が広がり、今日は関東地方では太陽の姿を拝めそうにありません。 それで僕たちは関越鶴ヶ島IC近くの友人宅から車で新潟県へと向かい、世紀の天文ショウを見物して来たのです。

 やはり国境のトンネル効果は凄いですね「トンネルを抜けると・・・ 」そこには雪国ならぬ 日差しがありました。 急いでトンネルを出て直ぐの土樽PAに車を滑り込ませ、あたふたと三脚を立て、屈折望遠鏡を載せて太陽を狙います。  金星は薄雲の中の太陽に丁度喰い込みつつある所でした。 お互いの口から出る言葉は「ラッキー!」、「出かけて来て良かったね!」の喜びの言葉です。 しかし、喜んだのも束の間、土樽PAでは10分も経たないうちに太陽は雲に隠されてしまったのです。

 北の方角をみると空の色が随分明るく見えます。 直ちに望遠鏡を撤収し、更に北方に関越道をひた走り、 長岡JCTからは北陸道に入り西に進路をとりました。 米山の山頂は見えていますが陽の光は見えません。 けれども富山県方面は雲が切れている情報もあるので、兎に角西進です。 米山を過ぎ柿崎も過ぎた頃、狭い雲の切れ間から太陽の日差しが車内に差し込んで来ました。 しかし高速道路上で車を停める訳には行きません。 車の進行に伴って陽射は直ぐに消えてしまいました。

 しかし北側の日本海上空には青空が広がっています。 それが南下あるいは東進して我々の上空に広がることを期待して上越JCTの手前、大潟パーキングエリアに陣取る事にしました。


 そのPAの芝生には既に望遠鏡をセットして待ち構えている人が居ます。 その人の装備はなかなかの物で太陽観察に使われる Coronado(コロナド)社の Hα太陽望遠鏡です、車載のバッテリーやDC-ACインバータも置いてあります。

 望遠鏡に組み込まれたフィルターは金環日食の時にバカ売れした太陽グラスに使われていた様な単なる全波長領域を減衰させる物とは一味違い、赤色を主に通すHαフィルターが組み込まれていて太陽のプロミネンスの撮影も出来る代物。 だから太陽を綺麗な紅い色に撮影出来ます。 僕もお願いして望遠鏡に正規に取り付けてあるカメラを外してもらい、 僕のデジカメを接眼レンズに手持ちで押し当てる形で撮影させて貰いました。 それがTopの写真(撮影時刻は10時13分)です。 この写真はカメラを手持ちで撮影しましたから方位等はいい加減です。

 我が友人の口径8cm屈折望遠鏡も太陽面の金星を捉えました。 こちらは取り付けたフィルターは単純な減光フィルターなので、ご覧の様に白黒写真の様になってます。



 しかし、何遍もカメラの露出やピントを変化させて撮影させて貰いましたので、小さな黒点も写りました。

 天文少年だった我が友人は「金星が太陽面を脱出するまでの経過を、この場所で見ていたい」そう主張したのですが... 11:30を過ぎた頃、彼の奥さんと僕は「レストランのあるサービスエリアだって太陽は見えるかもしれない」と主張して移動を提案。 「2対1じゃ負けるしか無い」そうボヤキつつ友人は上越JCTから妙高方面に車を向けてくれました。 移動の結果は無残、 それ以降は太陽の姿は見えなくなってしまいました。 友人には心の中で謝りつつ小布施PA、道の駅のレストランで昼食を摂って、そのまま帰宅の途に着きました。 
コメント