ジョギングはシャンパンの味

ジョギング、写真、革クラフト、木工、パンつくり、日本の古代史などを趣味にして楽しんでいます。

企業内の研究開発の難しさ

2012年02月05日 09時41分11秒 | 経済

・・・最近、イーストマンコダック社が倒産した。
  倒産に関して、コダック社の企業内活動で上手くいかなかった事についての論調がマスコミをにぎわしている。

  特に、世界のカメラ業界で圧倒的にシェアーの大きかったコダック社が何故、倒産に追い込まれたか。
  その要因の一つにはデジカメの研究開発をし、試作品まで作っていたが、デジカメをコダックの製品として、世の中に出すことが、できなかったことが、しばしば新聞などで取り上げられている。

  コダック社はカメラ用フィルムのメーカーとしては、圧倒的に、技術、マーケットシェアーを押さえていたので、経営者は冒険しなくても、その職務を、全うできたのである。
  そのため、リスクの大きい、デジカメ分野への積極投資が遅れて、結果として、デジカメ市場では存在が無かった。
  しかし、コダック社でなくても、成熟した優良企業においては、研究試作開発したものの、その商品化にまで進める困難は、その実務を経験したものでないと、なかなか実感がわかない。

  企業内で新製品の研究・試作・開発を進めることはある規模の会社であれば、どの会社でも行っている。
  しかし、その最終段階の新製品生産段階に伴う投資はその金額が開発費に比べ大きいので、その額が会社として、少額か、製品がかなりの角度で、売れる見込みのあるものであれば、投資は実行されるが、その新製品の投資がリスクの大きいものであれば、まず、ほとんどの場合は、経営者は躊躇し、結果的に投資が許可されることはない。
  その企業が経営的に上手くいっている場合はなおさら、経営者は投資リスクを負おうとはしないと思う。
  なぜならば、一般的に、経営者は技術に興味がく、確実に利益をもたらすコストダウン投資、増産投資に経営資源を投入する。

  こんな話があった。
  「この製品は市場で最先端を行く新製品だから、私の製品企画によると有利な投資だから投資許可がほしい」と開発者が開発会議でプレゼンしたら、社長が発言した内容は、「その製品は必ず売れるか、売れると誰が保証するのか、計画通りに販売が進むと営業が云っているか」と開発技術者に云って営業部門に責任を問うた。
  今の日本のほとんどの会社の開発では、関係者全員売れると意見一致した場合しか、投資にGOを出さない、こんなサラリーマン経営が普通です。
  本当は投資リスクは経営者が考え、決断するものですが。

  どんな会社が新製品開発で、成果を上げてきたのか、考えてみると、経営最高責任者が優れた研究開発技術者である場合が多い。
  アメリカのアップル社、グーグル社、日本の過ってのソニー、創業時の松下電器などなど。
  すべて、コアの技術に優れた才能を持った人が起業し、それを育て上げていった。
  リスクであることが、技術がよく見えることによって、その人たちにとって、リスクとはならないからだと思う。
  研究開発を長く携わって、技術に自信ができると、製品開発の先が見えなくても技術課題解決の自信が見えてくるようになります。
  だから、技術者でない経営者であっても、新製品開発をしている人の技術者としてのキャリアーや人柄を見れば投資の決断ができます。

    

コメント
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