年越しに選んだ焼酎は、29日に平戸に行った時に買って帰った 「 かぴたん 」 。
南蛮渡来の秘蔵酎 「 かぴたん 」 の原酒を5年貯蔵した逸品で、
本来は蒸留後に40度前後あったアルコール分が、
樫樽で貯蔵されている間に熟成を重ねた結果、
35度の濃厚でありながら丸味の増した凝縮感のある麦焼酎になったものである。
熟成酒だけが生み出すキャラメル香と、樫樽の香りが一体となり、
原酒ながらもストレートでいける程のまろやかさは秀逸である。
35度だけど旨くて飲みやすい焼酎である。
そんな焼酎の名前になったカピタン ( 甲比丹、甲必丹、加比旦 ) とは、
江戸時代、東インド会社が日本に置いた商館の最高責任者 「 商館長 」 のことで、
元はポルトガル語で 「 仲間の長 」 という意味があり、
日本は初めにポルトガルとの貿易 ( 南蛮貿易 ) を開始した為、
西洋の商館長をポルトガル語のCapitão ( カピタン ) で呼ぶようになった。
その後ポルトガルに代わりオランダが貿易の主役になったが、この呼び名は変わらなかった。
本来オランダでは商館長のことをOpperhoofden ( オッペルホーフト ) と呼ぶが、
日本では使われなかった。
天文19年 ( 1550年 ) に九州の平戸にポルトガル商船が来航し、
永禄4年 ( 1561年 ) からは平戸での貿易 ( 南蛮貿易 ) を許可され、
平戸ポルトガル商館が建設されるようになった。
また元亀2年 ( 1570年 ) にはポルトガルの要請を受けて長崎を開港、
長崎にも長崎ポルトガル商館が建つようになった。
また、日本で布教活動をしていたイエズス会が長崎の一部に領地を得るなど、
貿易港長崎はかつてない発展を遂げた。
天正12年 ( 1584年 ) には平戸にイスパニア商船が来航し、平戸イスパニア商館が建設された。
ちなみに「 かぴたん 」 は、平戸市志々伎1475の福田酒造さんの焼酎である。