「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

沖縄県宮古島  ・ 平良綾道 ( ピサラアヤンツ ) 『 ドイツ皇帝博愛記念碑 』

2013-01-17 00:10:32 | 沖縄の文化財



「 ドイツ皇帝博愛記念碑 」


















平良は ( ピサラ ) と称し、人の住むにふさわしい地。
綾道 ( アヤンツ ) は 「 美しい道 」 の意味で、それぞれ宮古コトバである。
平良五箇 ( ピサラグカ ) は、旧藩時代の間切りで、
西里、下里、荷川取、東仲宗根、西仲宗根の五村のことである。
この平良五箇の歴史を探して綾道を歩いたので、
これから少しずつ紹介して行きたいと思っている。


明治6年 ( 1873年 ) 7月17日。
ドイツ商船ロベルトソン号は中国の福州からオーストラリアに向かう航路の途中、
台風に遭遇し、宮古島の南海岸・宮国村穴川の沖合いで座礁難破した。
これを発見した宮国村の人々は夜通しかがり火を焚いて、
遭難したその商船の乗組員8名を荒れ狂う海の中、救助した。
宮古島在番・蔵元は、乗組員8人を宮国村番所と野原村番所において、
34日間に渡り手厚く介護し、8月17日、役人は年貢運搬用の官船を仕立て、
この8名の乗組員を帰国させたのです。
後にこの事実を知った当時のドイツ皇帝ウィルヘルムⅠ世は、
自分たちの命も危うい状況で乗組員を救助してくれた宮古島の人々の
勇気と博愛の精神を讃え、
明治9年 ( 1876年 ) 3月、軍艦チクローブ号を宮古に派遣して、
上野村に記念碑を建てさせた。
チクローブ号は中国の上海で大理石の記念碑を積み、
長崎と横浜を経由して琉球藩庁を表敬し、3月16日の朝に宮古島の張水港に着いた。
蔵元近くの親越の坂が記念碑の建立の場所に選ばれ、
チクローブ号の水平たちにより作業が進められ、
3月22日に記念碑建立除幕式が盛大に執り行われた。
ちなみに記念碑のサイズは碑面約170cm×60cm。
碑文の表はドイツ語と漢文が、裏には漢文が記されていたという。


所在地 : 宮古島市平良 西里


佐賀県多久市   「 西渓 ( せいけい ) 公園 」

2013-01-17 00:08:54 |  滝 ・ 名所 ・ 神社仏閣



「 西渓公園 」 にある高取伊好の像





高取伊好は、1850年、佐賀藩多久領の武士、鶴田斌の三男として生まれる。
その後、9歳の時には姉の嫁ぎ先である高取家の養子となりその家督を継いだ。
また、多久家の世継ぎである多久乾一郎の御学友に選ばれており、
多久藩の郷校東原庠舎や佐賀藩校弘道館などで共に漢学と国学を学んでいる。

1871年、上京し箕作奎吾が開いていた英学塾「三叉塾」から「慶應義塾」へ進み、英学・鉱山学を学ぶ。
三叉塾では東郷平八郎や伊地知弘一などと机を並べた。
慶應義塾卒業後、官費学校の「鉱山寮」に入学。採炭技術を学んだ後、工部省に採用され高島炭鉱に赴任。
長崎・佐賀県の炭鉱開発をおこない、高島炭坑取締役、明治唐津鉱業組合長となる。

1885年、独立し多久市の柚ノ木原炭鉱などの開発を手がけるが三菱など大資本に押されたうえ、
大恐慌も重なり苦戦する。
1909年、杵島炭坑を買収し大規模開発に成功。従業員5千人を抱え、「肥前の炭鉱王」の異名をとる。
1919年、事業を長男九郎に譲り引退。
1927年の死去まで唐津の自宅と武雄・雲仙の別荘で漢詩の詩作に励んだ。享年78。






寒鶯亭 ( かんおうてい )







紅葉ごしに見える寒鶯亭








大宝聖林碑































西渓公園は、江戸時代、多久邑女山多久家 ( 家老職 ) の屋敷跡で、
大正9~13年にかけて多久出身の石炭王・高取伊好 ( たかとりこれよし ) が
私財を投じて建設した格調高い山水公園である。
高取伊好の号を 「 西渓 」 と称していたことから、この公園の名が付けられた。
春は桜、初夏はツツジ、秋は紅葉、そして冬は梅と、
四季折々の美しい自然が風情を醸し出している。

公園内には、国の登録有形文化財に指定された寒鶯亭 ( かんおうてい ) 。
旧石器時代からの出土品や多久聖廟に関する資料が収められている郷土資料館。
炭坑・農業の他、江戸時代から昭和までの民具が展示されている歴史民俗資料館などがある。
また、先覚者資料館が併設されており、
そこには日本の近代化や郷土に尽くした多くの人が紹介され、資料が収集、保管されている。
多久聖廟建設の設計や監督に携わった武富咸亮ゆかりの 「 大宝聖林碑 」 などがある。




沖縄県宮古島 「 長山水路第十号灯浮標 」

2013-01-17 00:07:23 | 宮古の灯台













灯台表番号 7177
ふりがな / ながやますいろだいじゅうごうとうふひょう
標識名称 / 長山水路第十号灯浮標
所在地 / 西浜埼 ( 沖縄県宮古島市 ) の北北西方約4.3km
北緯  / 24-48-22 
東経  / 125-14-56 
頭標 / 赤色円すい形頭標1個付
塗色 / 赤色
灯質 / 単閃赤光 毎4秒に1閃光
光度 / 実効光度 45カンデラ
光達距離 / 4.0海里
水面上~灯火の高さ / 4.7m
業務開始年月日 / 平成4年11月1日
光源 / LED(発光ダイオード)
電源 / 自然エネルギー(太陽電池)