グスク下にある按司の泉 ( アズヌガー )
高腰グスクは、比嘉集落の北方の丘陵に築かれたグスクである。
グスクの築かれた一帯は宮古島の中でも最も高い位置にあり、
城跡に立つと北に大神島、西に伊良部島、南に野原岳が眺望できる。
また、城跡の北東部には
城主の高腰按司が使用したと伝わる按司ノ泉(アズヌガー=湧泉)があり、
南方には高腰按司を祀ったといわれる高腰神社がある。
グスクの北側から南西部にかけては険しい崖をなしており、
特に東から南側にかけて緩やかな斜面に沿った所では二重の石垣をめぐらしている。
城門は東南の方に向けて開かれている。
石垣は隅を丸くしたような長方形に積まれ、
その中に一つの細長い郭と二つの小さな郭が石積みで仕切って造られている。
石積みはすべて自然石を利用した野面積みになっているというが、
写真を見ての通り、今では雑草に覆われており、
まったくその姿を確認することが出来なかった。
高腰按司が高腰グスクに拠っていたところ、
平良の東側の森加川一帯に勢力を伸ばしていた佐多大人を中心とする一族がいた。
一族は与那覇原軍と呼ばれており、破竹の進撃を続けていた。
いくら難攻不落を誇る高腰グスクでも単独で
与那覇原軍に立ち向かうことは無理なことであった。
そこで喜屋慶村の内立按司と同盟を結ぶことにしたが、
欲深い内立按司は与那覇原軍の佐多大人の口車に乗り、
高腰按司と結んだ同盟の約束を反故にし、与那覇原軍に協力してしまう。
佐多大人は高腰按司を招き盛大に宴を催し、その隙に高腰グスクを攻め落としてしまう。
宴たけなわで高腰按司が見たものは、炎に包まれた居城・高腰グスクであった。
命運に尽きた高腰按司は自害してしまう。
高腰グスクへのアクセス
高腰グスクへは、県道83号線(保良~西里線)の比嘉ロードパークの展望台から
農業用大型貯水タンクに向かって入って行き、
タンクを過ぎた十字路を右に曲がった次の脇道を
左に200mほど入って行った右側に石碑が建っている。