双頭形式の石門が欧州の古城を思わせる
裏側は凹凸が無い壁になっている
中央に桜の花びらがあしらわれた鉄製門扉
鉄製門扉の横にも小さな扉が付いている
石造と鉄のコントラストが重厚さを醸し出す
中央上部にあるバラ窓 ( ローズ・ウインドウ )
出所もしくは面会人の通用口であろうか?
多面形の塔の上部はまさにシャトーである
まるで巨大彫刻のように鹿児島アリーナの施設と上手く溶け込んでいる
■ 所在地 / 鹿児島市永吉町13・鹿児島アリーナ入り口
■ 竣工 / 明治41年 ( 1908年 )
■ 設計者 / 山下啓次郎
■ 登録有形文化財
この石門は、旧鹿児島刑務所の正門として
明治41年に司法省大臣官房営繕課直営で施工されたもので、
設計に当たったのは当時課長であった鹿児島市西田町出身の山下啓次郎である。
石造建造物として重要文化財である尚古集成館と同様に、
鹿児島の石造文化の伝統が脈々と息づいている貴重な建造物である。
その堂々とした風貌は、ヨーロッパ中世における古城の城門を思わせ、
中央上部のローズ・ウインドウ ( バラ窓 ) や
中央部に桜の花をあしらった鉄製門扉の優美にして華麗な文様は、まるで美術作品のようである。
ただ、その門の横には小さな通用扉が付いており、その部分がもの哀しさを漂わせていた。
鹿児島市では、昭和61年に鹿児島刑務所が移転する中で、市民からの要望もあり、
この石門を保存することとなった。
そして鹿児島アリーナのシンボルゾーンである前庭噴水池の中に
この石門をアリーナの修景として取り入れたものである。
旧・鹿児島刑務所正門へのアクセス
旧・鹿児島刑務所正門へは、鹿児島中央駅から国道3号線を北に約1.5キロほど行った
中草牟田交差点を左折して200mほどの場所になる。
ナビで鹿児島アリーナで設定すれば迷わずに行ける。
駐車は、鹿児島アリーナの地下駐車場(300円)を利用することになる。