「お~ほほほ、うちの子はかしこいざますのよ。」
得意げなジェンツー親。
石に化けたジェンツーひな2羽、お昼寝中です。もう親のハラの下には頭しか入りませんが、こうしていれば安心できるのでしょう。
それにしても、うまく化けたものです。
彼らの野生生息地にあるのは小石ばかりでしょうが、ヒナちゃんの色は、なんとも石っぽい。
AWSのペンギン王国、毎年ヒナが巣立っています。この写真には、あとジェンツーのヒナが2羽と、イワトビのヒナが1羽、写っています。見つかりましたか?
今回は、見る者を和ませるタイプのヒナ寝相でした。
「エライこっちゃ、飼育員さん呼んでこんと!」
と、見る者をあせらせる無頓着ジェンツーのお騒がせ寝相。
何も、溝に頭突っ込んで寝んかて。どう見たかて行き倒れやん。
だけど、彼らは人間からどう見えているかは、ぜんぜん考えてないです、たぶん。
「ゆ、雪・・・。」 がっくり・・・。
行き倒れか?雪まであと少しのところに来て気の毒に。
そう見えてもしかたのないAWSジェンツー。ただの爆睡です、ご安心を。
可憐お嬢様ルックスのジェンツーですが、寝相は悪い。というか、無防備無頓着。
でも、これはまだマシな方だと思います。
お立ち台にどっしりと立って、越前のジェンツーお嬢様お昼寝中。
クチバシを脇の下に挟んで保温しつつ眠る姿はキングでおなじみですが、ジェンツーもやります。
ただ、キングほど首が長くないので、ぎりぎり届いてる感じがしますね。
ところで、彼らのこんなポーズを見ていると、個体によって「右派」「左派」があるのかないのか、気になります。
人間の場合、考えないで両手の指を組んだとき、上に来る親指が右か左か、たいてい決まっているそうです。腕組みも、多少その傾向があると思います。
そんなふうに、ペンギンでも、いつも左側にクチバシをはさむとか、ないのでしょうか?
毎月キング見ててまだわからんか~?って、現場ではペンギン様のお顔を拝見することに夢中になってしまい、寝姿の研究をしている余裕がございませんのですよ。使えないおばさんだ・・・。
まあとにかく、この写真のような寝方は、「ああ居眠っとるねんな」と安心感をもたらす安定した姿勢と申せましょう。
もふもふの塊が2ヶ。キングのヒナちゃんが2羽そろってお昼寝中です。
アドベンチャーワールドのペンギン王国1Fには、公開バックヤードという感じの部屋があります。人工育雛個体などが見られる可能性大です。
このキングヒナの幼綿羽は、とっても長い。たとえば人差し指を伸ばしてヒナちゃんの肌に触ろうとすると、指が埋まってしまうくらいだそうです。
フェザーなしのダウン100パーセントがびっしりですから、それはもう、暖かい。
100年ほど前、キングなど亜南極ペンギンは脂の原料として大量に殺されました。その頃キングヒナのダウンを積極的に利用しようという方向にならなかったのは、不幸中の幸いだったと思います。
「くか~っ、すう~~っ」と、熟睡のようです。
王様、きゅうくつではございませんか?
アドベンチャーワールド白浜のペンギン王国、ガラスにもたれて、むぎゅ~っと胸がガラスに当たってぺっちゃんこ。その下は、枠に押しつけたハラが3段に・・・。
キングの首は自由自在に曲がるので、苦しいことはないはずですが。どうしてわざわざ?
ところで、ペンギンって、いびきをかくことはあるのでしょうか。
うちにいた柴犬は、たまに「ぐーすかぴゅ~」ってやってましたけど。鳥類は、どうなんでしょう。
「安心いたせ。余は苦しうない。」
はは~っ、かき氷のひんやり感、何よりでございます。
寝そべっていたら氷に埋もれて身動き取れなくなった!みたいに見える、海遊館王様のおくつろぎ姿。昼寝で眠っているのかどうかはわかりませんが。
このかき氷ポイントは、とても人気があります。ですが、誰かが独占していても、奪い合いは見たことがありません。順番を待っています。
アデリーのグループが同じように氷漬けになっていることもあれば、キングひなちゃんが親に連れてきてもらって『氷滝修行』したりすることも。
なお、このかき氷の山は、時々飼育員さんが雪かきシャベルであたりに配分しますので、どんどん高くなってペンギン登って楽しいな~、なんてことにはなりません。
「すーすー。余は昼寝中である。すーすー。」
越前松島のゴバン王、鏡前でお昼寝タイムです。キングの寝姿の典型的な型を見せております。
居眠っているようでも、時々薄目を開けて周囲を確認しています。首を伸ばしてぐるりと回し、またクチバシを脇の下に入れ直して眠っちゃうことも。
鳥類は小刻み睡眠をとるのだと聞きました。
人間に遭遇するまで、陸上でペンギンを襲う野生生物は長い間なかったはずですが、それでも油断なく眠る鳥類スタイルは維持されているのでした。
奧にいるのはロク君。
キングはお昼寝のシンクロ率が高いので、観察者はそのスキに他を見て回ったりお食事に行ったり、すればいいのに、「わたしがおらんうちに何かオモロイことするんちゃうか」という猜疑心に取り付かれて、動きの全くないペンギン前でひたすら立ち続ける・・・。なんてこと、大アリですかも。
「来よったで!」 「えらいこっちゃ!」
警戒警報発令中!な豊橋の王様方。
へへ~んという顔でスタスタと立ち去るフリーの1羽とは違い、彼らは自由に動けません。大切なタマゴを抱えているからです。
エンペラーペンギンのオスは、極寒の南極でタマゴを足の上にのせてあたためつつ、暖をとるために大集団で渦巻きハドリングをします。つまり、じりじりと動き回っています。
動きはじりじりでも、時間が長いので、かなりの移動距離になるでしょう。
生息環境がもう少しマイルドなキングはその必要がないので、抱卵中はジッとしている、ようですが、そう見えて案外移動することができます。向きを変えることくらい、何でもありません。
ですが、このシーンでは、たとえエンペラーでも逃れられない敵が!
これです。
「たまごどろぼ~!!」
最大の武器であるクチバシを封じられた王様、ハラの皮にグッと力を入れ、タマゴを渡すまいと必死。
ですが、2人組タマゴドロボ~は、まんまとタマゴを手に入れて立ち去るのでした。
検卵か、孵卵器に収容するためです。特に後者の場合、あらかじめ「ペンギン肌」にあたためておいたニセタマゴとすり替えることになっています。
「余は抱卵中ぢゃ。」
海遊館の王様、ひたすらタマゴをあたため中です。お妃様はただいま骨休みにお出かけのようですね。
キングペンギンは疑似抱卵がよくあります。タマゴないのに、タマゴ抱いてる気分。
オスどうしの真剣ペアも冗談ペアも、そしてなぜか単独でも、この姿勢で固まっているのをあちこちで目にします。
本物抱卵との違いは、まず足の上にかぶせたハラ皮のボリューム。
そして、単独の疑似抱卵個体だと、ちょっと中断してサカナをもらいにスタスタ歩いて行っちゃうことも。で、食べ終わるとまた元の位置で続行。
タマゴをあたためている気分は、もしかしたら、とっても充実できるのかもしれませんね。
「へへ~ん、なんでっしゃろな~。」 「な~。」
とぼけてもムダだ! ちゃんと通報入ってるんだぞ。素直に見せたらどうだ。
と、かなりしばらく待ったけど、見せてくれなかったハラの下のヒナ。何してるの?って、海遊館アデリー育雛中の図でした。
ちっちゃなヒナは、寝ているか食べさせてもらっているか、ほぼそのどちらか。うまく給餌シーンに当たらなければ、ヒナの姿を見ることはできません。
しかも、もしヒナが顔を出したとしても、周囲の小石とそっくりの色。よほど注意しないと、見分けがつきません。保護色って、効くんですね。
あれ?じゃあ、いろんな色の小石を置いておいたら、彼らはヒナ色の小石を選ぶのでしょうか?どこかで実験してくれないかな~。
アデリーのいる施設は国内に確か4ヶ所しかありませんけど。
「警戒中でんがな。」
フンボルトペンギン属のなかでも神経質っぽいようなケープですが、登別のケープは念が入っています。
人間をしっかりと警戒します。飼育員さんとて例外ではありません。(ってか、飼育場で人間は飼育員さんだけ。)
なので餌はバケツ入りのセルフサービスです。でも巣籠もり中のペアなど、食べに来ない個体には、巣の入り口にサカナを置き去りデリバリー。
で、この個体は、デリバリーされたサカナを奧に運び込み、もう敵は去ったかと外を警戒しているのです。
ですが、彼らのマイホームは背面でパカッと上フタや扉が開くようになっており、逃げも隠れもできないんですけどね、結局。
「何かしらこれ?」
旭山のジェンツー嬢(ホントはオス)。フカフカの雪に埋もれながら、柵のつららが気になってます。
ジェンツーの顔って、アゴ側から見てもちゃんと顔に見えるので、不思議な感じ。
「点検。」
って、キングは点検がお好き? 志摩マリンランドの赤色ちゃんです。
サカナはバケツから出てくる。それをよ~くご存じで、サカナバケツの秘密をさぐろうと好奇心全開中。
スイッチを押すとサカナが1匹出てくるような給餌装置を作ったら、ゼッタイに覚えて利用すると思いますけど。
「むぐぐぐ・・・!」 「まてまて~!」 「待たんかいコラ~!」
懸命に逃げております。そのフンボルトをよくご覧ください。フリッパーを岩山の段にそわせて細道から落っこちないよう気をつけていますが、その口元。頭のなくなったアジをくわえています。
さっさと飲み込めばいいのに、というわけにはいかないのです。彼がくわえているのはアジのシッポ側。
ご覧の皆さんご存じのように、ペンギンは、頭側からでないとサカナ丸呑みしづらいので、いったんくわえ直して向きを変えます。
そのときに、横取りされる危険性が非常に大でして。
そして、そのチャンスをしつこく狙う個体も多いのでして。
それで、南知多ビーチランドではこうしたペンギンチェイスシーンがよく見られるのでした。
なお、一度だけエンペラー様に給仕(給餌というよりも)させていただく機会がありましたが、サカナのサイズが比較的小さかったためか、どんな向きでも「苦しうない」と飲み込んでおられました。