Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

失敗がつきものの判断

2005-12-13 | 歴史・時事
米国CIAによるドイツ国籍のアル・マズリ氏の誘拐とアフガニスタンでの拷問が問題となっている。一月の首脳会議を準備する為にシュタインマイヤー外相のワシントン訪問を受け、ベルリンを訪ねたライス女史は弁明に四苦八苦したようである。米国政府の落ち度として当然の事ながら認められ、「政治には失敗はつきもの」と言う実に情け無い弁明をしたようである。しかしその後、失敗を認めていないと外交筋は否定した。

しかし協調と引き換えに法の遵守を国内国際法の遵守をライス女史に誓約させた意味は大きい。ドイツ国内の左派党の意向だけでなくEUにおいても「テロリストとの戦い」の中味と各国政府の関与が点検される。拷問への調査と人権は環大西洋の重要な問題であり、EUは米国に一切譲歩出来ないであろう。

合衆国においての死刑執行状況が示すように、米国はトルコなどに比べても人権においては欧州スタンダードから程遠い。世界の執行数において、シナ・イラン・ベトナムに続いて第四位の執行数で、其の中でもテキサス州は飛ぶ抜けている。

それからしても米軍に依る水攻めや音攻めの拷問の許容は、特に驚かない。それどころか、多くの一般人を守る為に必要とする主張がある事自体が、現在の米政府の首尾一貫しない政策の不当性を示している。殺戮によって期待される社会は、フセインよりは少しマシなテロリスト国家なのだろうか。

ホワイトハウスの求心力低下の局面打開を狙って米国のイランへの攻撃が噂される一方、イラクからの米国協調グループの一掃とその他の国々で固めた国連平和維持部隊がイラクの復興を担うと言うどんでん返し案が専門家によって語られる様になって来た。なるほど、フランスが元々最もイラクオイルの利権に関わっている。

誘拐され拷問されたアル・マズリ氏がヴァージニアでCIA局長を告訴すると言うので、今後ともワシントンポスト紙などを初めとする米国のメディアも大忙しとなろう。
コメント (2)
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