Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

鮨に食い尽くされた鮪

2006-08-27 | アウトドーア・環境
寿司が悪いと言っている。アカマグロが地中海から枯渇するとして、グリーンピースは行動に出た。このままの漁を続けると十年後には滅亡すると言う研究結果が出ている。商業的な漁は、あと数年も続かないという。

現在は、量規制されているのであるが、フランスを中心とした欧州の漁師以外に陸揚げすることのないトルコやリビヤ船籍のまた遠洋漁師がやってきて違法捕獲しているので、規制量を四割ほど超えているとされている。探知機や小型飛行機に、底引き網が掛けられて、イルカや亀など他の動物に被害が出ているのも知られている。

フランスの漁師はマルセーユで陸揚げするので良く管理されているようだが、昨今の原油の値上がりから経済条件は悪く、11月に開かれるICCATでフランス政府は現実的な対応を迫られている。

体長四メートル、体重820キログラムの成長したアカマグロは、一匹あたり十七万五百ダラーで買い取られ、殆ど百パーセント日本の家庭の食卓に上る。

マグロの養殖となると、一キロ辺りに二十五キロもの小魚が栄養となるので、このまま続けると漁業が壊滅状態に至るとして即刻の停止を訴えている。反面、アカマグロ漁業に多くを投資している漁師は経済的にこれに依存しており、禁止は破綻をきたすとしている。

マグロは、たんぱく源としてだけでなく、水銀を代表とする重金属類の体内汚染の含有量が多いので、米国などでは妊婦がこれを食するのを禁止している。

個人的には、先週人のアカマグロを味見させてもらったが、月に二つも食べるかどうかのツナ缶詰(黒マグロ?)が安いので口に入るだけで高価になれば食べる必要は無い。どちらでも良い。

しかし、フランスの漁師や日本の食生活には大きな影響を与えそうで、グリーンピースが行ったマルセーユの海上封鎖やアピールがどういった影響を会議に与えるだろうか。

2002年に決まった流し網漁の全面禁止がまだ徹底しなくて、地中海で予想するに400隻ほどはまだ違法漁をしていると言う。トロや鉄火巻きが寿司のメニューから消えることはなくとも高価になって通常では食せないようにもなるかもしれない。

もともと需要者自体の近海で採れなくなった歴史があるのだから先は見えている。本来ならばフランスの漁師による乱獲など起こりえなかったのだろうが、こうして今回グローバリズムの荒波をまともに受けることになる。
コメント (10)
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