Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

名門醸造所を買ったなら

2007-02-14 | ワイン
新たな2006産ワインを試飲した。ダイデスハイムの地所ライターパッドとキーセルベルクの二種のリースリングに、サマーワインと称する軽めのリースリングを試飲する。

同様のヘアゴットザッカーは既に二週間ほど前に試飲しているので、それとの比較となる。ライターパッドは、野暮ったさがあってその丸みと相反しているが、2006年の場合は六月の雹のせいか葡萄の仕上がりがやはり今一つの感じがある。ある一定の品質を保っているものの、8.5ユーロの価格からすると旨味がない。

キーセルベルクは、この醸造所の名物でもあるので出来は素晴らしいが、価格の9ユーロは大変厳しい。日常消費には高すぎて、楽しむワインとしてはもともとその土壌から濃くもないので物足りない。

サマーワインは、最も2006年の厳しさがでていて、軽みが、飛翔しない。澄明さがないのである。良いヴィンテージならばこの価格6.5ユーロで高級ワインが飲めるのであるが。

他にピノブランなどを試したが価格の割りに詰まらない。何よりも葡萄を買って醸造していると聞くとがっかりするのである。名門は昔の話である。長く付き合った上客さんは既に去ってしまっただろう。

これだけの醸造所をもし自分が買い取ったとすれば、やはり同じ事をするかもしれない。出来るならば、自己の他の事業に兼ね合わせて面白い商売へと色気が湧くであろう。

キャビネットクラスまでをガラス蓋にして、十ユーロも要求するワインとはどうしたものであろう。それだけの価格で二三年も熟成させないワインなどあまりにも情けない。理不尽である。

結局は、ヘアゴットザッカーとキーセルベルクを試しに持ち帰る。どちらも食事のワインとしては最高であるが、あまりに贅沢過ぎるのである。
コメント (4)
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