Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

引きちぎられる携帯電話

2008-01-23 | 歴史・時事
ベルリンの連邦政府内での亀裂と成果がよく聞かれる。外務省がフランスに負けずにシリアとの親交を深めている一方、首相府はそれを批判する。ダブルスタンダードの二股外交は、ダライラマや対中国外交だけではない。しかし総じて連合政府は巧く運んで居ると言うのだが、なんとも不思議である。実際、中国との外相会議も近々開かれて関係修復に進んでいる。

先日発表されたノキア社のボッフム工場の閉鎖は、予想以上に携帯電話の汎用技術全般に関する職場を奪うらしい。昨年はフレンツブルクのモトローラの工場が、その前はジーメンス工場が台湾のベンキューに身売りされてから閉鎖されたので、ドイツにはその汎用技術を活かせる工場は無くなることになるからだ。所詮汎用技術のエンジニアーリング自体が、今後は発展途上国にこそ必要になるので、技術者の求人も次から次へと新興国に移る。開発部門は工業先進国に残るかどうかも、IT部門同様に大変微妙な問題となってくるだろう。市場に近い技術やサーヴィスは、移植性が少ないのかもしれないが、こうした汎用技術に関してはなんとも言い難い。

しかし少なくとも、SPD代表ベックやCDUの消費者大臣ゼーホファーがノキア製品のボイコットを訴えるポピュリズム政治は、輸出大国ドイツの基本政策に矛盾している。なるほどフランスの大統領とは違い、ドイツ首相は健康への害を心配してか、二代続いて携帯電話をあまり使用しないなど、ドイツでは携帯電話は外回りの商売を除けばそれほど重要ではない。そして最も携帯電話を利用しているのは回線を保持していない出稼ぎの外国人不法労働者である。

携帯電話などはなくても構わないかもしれないが、こうした政治が全く効を奏さないとは断定的に言い切れるのである。また独テレコムの人員整理が進むと聞いたが、I-Phoneもこのような社会ではその売り上げにあまり期待出来ないように思われる。
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