フォン・ジムメルン醸造所に顔を出す。試飲室が閉っているので倉庫の方で尋ねる。なんと、秋の試飲会で12時から始まるというではないか。本来なら10時には開いている筈だが、そこに車を置いて三十分ほど町を歩いて再び訪ねる事にする。
比較的町の中に車を停めれたお蔭で、車で通りがけに目をつけて措いた店で、明くる日のパンなどを物色する。あまりに頭の悪そうな店員があまり愛想もせずに店にいるが、置いてあるパンは自家製のようだ。
なかなかその周りの町並みも素晴らしく、その直ぐ先はライン河のプロムナードとなる。敢えて大きく円を描くようにして醸造所に戻ってくると丁度試飲会が始まるところで、早速試飲を始める。
先ずは、2005年産のシュペートレーゼ・バイケンなどのことを称えながら、リッター瓶リースリングから始める。酸がよく効いているがそれが突出していて価格ほどに良くはない。名前の分少し高価だ。次のハッテンハイムのオルツリースリングはアルコール度も低くミネラル成分の特徴があまり出ていないような気がする。そして、そこのヌスブルンネンの個性は清楚さがないのであまり好まない。さてお目当てのバイケンは先ずは2006年産のキャビネットである。実はそのヴィンテージを知らずに試飲して、当然ながら開き切っているのだが、その特別な香りや味覚に魅了される。梨系の味がとても面白い。さて2007年産のシュペートレーゼは透明感よりも内容を感じさせて二年前に試飲した2005年産の酸が感じられない。
そこで地所の話やヴィンテージについて尋ねると、2007年のワイン街道のように全てが三週間早い摘み取りとはならなかったようである。つまり通常通りの摘み取りとなったというのである。
その影響は、良くも悪くもエルステス・ゲヴェックスのマンベルクにも表れているようで、熟成を最後の段階まで待った為かプファルツの一部にある苦味が一切出ていないのである。その反面、期待していた酸の強さがあまり感じられないバイケンのシュペートレーゼとなったのであろう。
その後にハッテンハイマーのファインヘルプ、甘口ヌスブルネン・キャビネットを試すが、これは甘さが目立ち過ぎ、甘口マルコブルン・キャビネットの方は酸が少なすぎる。
更にシュペートレーゼへと進み2003年マンベルク、マルコブルン、マンベルクと試す。そして、いよいよ甘口の2003年アウスレーゼ・ヌスブルン、2003年と2007年のバイケン・アウスレーゼを試すと、やはり2003年バイケンが殆どシェリー酒のようになっていて見事である。
その後、ピノノワールのセッコで口を濯ぎ、玉葱ケーキを食べながらシュペートレーゼやヴァイスブルグンダー、シャドネーやロゼなどを愉しむが、「やはりヴァイスブルグンダーが一番合うから試してよ」と夫婦連れに注いでお奨めして、何時の間にかさくらになっているのである。
ご夫婦の満足そうなお顔を拝見しながら、11ユーロのシュペートブルグンダーの味もエチケットもなかなか良いなと思いながら、欲しい物だけを買って、今更ながら顧客名簿に書き加えて貰ってそそくさと店をあとにするのだった。
参照:
ラインの穏やかな中庭 [ 試飲百景 ] / 2006-09-11
良いワインには良い料理 [ 試飲百景 ] / 2006-09-10
仲秋の暖かい黄色い焼芋 [ 料理 ] / 2007-09-25
バイケンの猪の肝臓料理 [ 料理 ] / 2008-09-19
バイケンでぬかるむ [ ワイン ] / 2008-09-18
中庸に滴る高貴な雫 [ ワイン ] / 2008-09-18
比較的町の中に車を停めれたお蔭で、車で通りがけに目をつけて措いた店で、明くる日のパンなどを物色する。あまりに頭の悪そうな店員があまり愛想もせずに店にいるが、置いてあるパンは自家製のようだ。
なかなかその周りの町並みも素晴らしく、その直ぐ先はライン河のプロムナードとなる。敢えて大きく円を描くようにして醸造所に戻ってくると丁度試飲会が始まるところで、早速試飲を始める。
先ずは、2005年産のシュペートレーゼ・バイケンなどのことを称えながら、リッター瓶リースリングから始める。酸がよく効いているがそれが突出していて価格ほどに良くはない。名前の分少し高価だ。次のハッテンハイムのオルツリースリングはアルコール度も低くミネラル成分の特徴があまり出ていないような気がする。そして、そこのヌスブルンネンの個性は清楚さがないのであまり好まない。さてお目当てのバイケンは先ずは2006年産のキャビネットである。実はそのヴィンテージを知らずに試飲して、当然ながら開き切っているのだが、その特別な香りや味覚に魅了される。梨系の味がとても面白い。さて2007年産のシュペートレーゼは透明感よりも内容を感じさせて二年前に試飲した2005年産の酸が感じられない。
そこで地所の話やヴィンテージについて尋ねると、2007年のワイン街道のように全てが三週間早い摘み取りとはならなかったようである。つまり通常通りの摘み取りとなったというのである。
その影響は、良くも悪くもエルステス・ゲヴェックスのマンベルクにも表れているようで、熟成を最後の段階まで待った為かプファルツの一部にある苦味が一切出ていないのである。その反面、期待していた酸の強さがあまり感じられないバイケンのシュペートレーゼとなったのであろう。
その後にハッテンハイマーのファインヘルプ、甘口ヌスブルネン・キャビネットを試すが、これは甘さが目立ち過ぎ、甘口マルコブルン・キャビネットの方は酸が少なすぎる。
更にシュペートレーゼへと進み2003年マンベルク、マルコブルン、マンベルクと試す。そして、いよいよ甘口の2003年アウスレーゼ・ヌスブルン、2003年と2007年のバイケン・アウスレーゼを試すと、やはり2003年バイケンが殆どシェリー酒のようになっていて見事である。
その後、ピノノワールのセッコで口を濯ぎ、玉葱ケーキを食べながらシュペートレーゼやヴァイスブルグンダー、シャドネーやロゼなどを愉しむが、「やはりヴァイスブルグンダーが一番合うから試してよ」と夫婦連れに注いでお奨めして、何時の間にかさくらになっているのである。
ご夫婦の満足そうなお顔を拝見しながら、11ユーロのシュペートブルグンダーの味もエチケットもなかなか良いなと思いながら、欲しい物だけを買って、今更ながら顧客名簿に書き加えて貰ってそそくさと店をあとにするのだった。
参照:
ラインの穏やかな中庭 [ 試飲百景 ] / 2006-09-11
良いワインには良い料理 [ 試飲百景 ] / 2006-09-10
仲秋の暖かい黄色い焼芋 [ 料理 ] / 2007-09-25
バイケンの猪の肝臓料理 [ 料理 ] / 2008-09-19
バイケンでぬかるむ [ ワイン ] / 2008-09-18
中庸に滴る高貴な雫 [ ワイン ] / 2008-09-18