Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

チーズの付け合わせ葡萄

2008-09-05 | ワイン
今年の夏は茹だるような暑さは続かなかった。春から四五回ぐらい何日か暑い日が繰り返しただけであった。だから、暑くて仕方ない時にと思って清涼感を求めて購入していたソーヴィニオン・ブランに手が伸びなかった。旬を過ぎてしまうので暑い日を目指して先日初めて自宅で試した。

西洋スグリのような香りも未だに健在で、昨年のものから比べるとしっかりした酒躯に十分な量感の酸が昨年以上に高級にしている。それどころか緑家さんは、有名なニュージーランドなどのものより良いと太鼓判を押す。しかし、同じ2007年産のリースリングを飲みつけていると、やはり別世界というか、とても対抗できるものではない。今年の夏に関してはリースリングが喉について、美味しくない夜は一日たりとも無く、毎日それを愉しめる気候であったのだ。そして、そのリースリング自体が十分に清涼感に満ち満ちていた証拠でもあるだろう。

所詮、白ワインでリースリング種の深みや繊細さに及ぶものは世界中何処にもない。つまり、ドイツのリースリングは、世界で最も高貴な白ワインである事は当然なのだが、残念ながら衆目の一致する所とはなっていない。何故なのだろう?

そのような夏であったが、mosel2002さんの報告によると、決して葡萄にとって悪い夏でなかった事は数字上も表れているようだ。そして、去年は既にトロッケンベーレンアウスレーゼと呼ばれる貴腐ワインが収穫されていた今の時期、葡萄園では一寸した作業が方々で進められている。

昨日今日と雨がぱらついて心配だが、案の定場所によっては、風が通り易いように夏に延びた蔓や葉がもしくは葡萄が落とされている。こうして風を通すことで、今後の雨にも腐らないような配慮がされている。あまり手がつけられていない地所もあるが、毎年腐りがおき易い場所は流石に早く手がつけられて、まだまだ十分ではない成熟の時へと質の向上が計られ、被害を避けている。

素人見には、十分な収穫量が期待できそうであり、このまま十分に健康な状態が続きながら、今後も十分な陽があたれば、決して昨年とも劣らないような、質と量を期待出来そうな気がする。

何時も歩き回っているお蔭で、チーズのつけ合わせになる切り落とされた葡萄を二房ほど見つけた。本当は、丁度作業しているビュルックリン・ヴォルフ醸造所やバッサーマンヨルダン醸造所のウンゲホイヤーのそれが欲しかったのだが、流石に無理には拾えなかった。



参照:
塩味の効いたソーヴィニョン・ブラン
モスバッハのソーヴィニョン・ブラン (新・緑家のリースリング日記)
西洋酸塊の棘にやられる [ 試飲百景 ] / 2008-02-27
時を隔てた趣向の方向 [ 試飲百景 ] / 2007-08-21
棘ある酸塊味の葡萄酒 [ 試飲百景 ] / 2007-04-09
コメント (16)
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