帰宅したのは午前一時前だった。アウトバーンから降りて峠を下って帰ってきた。時間的には不利かも知れないが、残り燃料が少ない時には少しだけ上って長く下るので効率がいい。距離的には近い。それでも街に下りてくる最後の辺りは可成り意識が薄れていた。アルコールが一滴も入っていなくても疲れがあった。それだけ途上での空いた時間も準備をして真剣に聞いたからだ。これほど実りがあるとは思っていなかった。
先ずは最短・最速経路でシャルツホーフベルクのあるヴィルティンゲンに向かった。ファン・フォルクセム醸造所に2017年物を取りに行くためだ。距離にして150㎞で二時間少し要す。つまり200㎞のルクセムブルクと時間的に15分ほどしか変わらない。今回のもう一つの目的はノイズキャンセルリングイヤフォーンのテストだった。無事にシャツを洗濯屋で回収して、峠手前の駐車場で着替え、徐にケースから取り出し、タブレットでラトル指揮のシューマンを鳴らす。
先ずブルーテュースをセットして、ノイズキャンセリングにするとエンジンを掛かっているのかどうかも分らなくて、もう一度キーを回してしまった。V型エンジンであるから振動はもともと少ないが、20年近くも乗っていると流石にエンジン音が聞こえるようになる。だから錯覚が重なって、運転するのが怖かったぐらいだが、走り始めると、視界に集中する分落ち着いた。その走行感はマイバッハかロールスロイスに近く、私の知っている限りではジャグウアーのV12に近い。振動面でも、古い車は足回りもがたが来ているのだが、そのようにしか表現が仕様がないほどの走行感である。もともと車として静かな方だと思ったが、これを使えばどんな襤褸車でも高級感が味わえるのだろうか?そして聴覚からの疲労感は少なくなると感じた。
アウトバーンで感じたのは、自身では気が付いていなかったが、やはり走行音がスピードへの抵抗になっていて速度感が得られていることだった。音が聞こえないぐらいでついつい30㎞ほど余計にスピードが出ていて、一般道でもラムぺのカーヴで突っ込みそうになった。要するに知らず知らずに飛ばしてしまう。目的は燃料節約であるから抑えるつもりでも、一般道に下りてからもスピード感が分からずに違反が怖い。兎に角気持ち良かったのだが、アウトバーンでフンツリュックの高原地を上り下りするうちに耳に違和感を感じた。気圧調整をしなければいけなかったようだ。大した高低ではなくそのスピードも限られているのだが、飛行ならばとても重要な機能だと分かった。これで耳栓の大きさなどを調整すれば可成りな威力である。フィルハーモニーについてからも地下駐車場で、最後にシューマンの四番を楽譜を見乍ら聞いたが、とても落ち着いて集中して聞けた。まあ、これだけでもこの価値はあるかとも思った。
13時半にはヴィルティンゲンの上部のシャルツホ-フベルクに着いたので、フォルクセム醸造所には14時過ぎに立ち寄るつもりで、反対斜面の木陰に車を停めピクニックとした。先ずは一合で三個作った握り飯だ。梅干し入りの三角握りである。朝早く炊いて作ったのだ。これを二個と果物などで腹ごしらえをした。残りの一個は帰路でバナナと一緒に消費して何とか帰宅可能となった。
ファン・フルクセム醸造所に行くと、まだ瓶詰したところで、試飲も出来ないが、新たに建造した醸造所にあるという事でそこに向かう。大きな建造物という事でそれらしきに向かったが工事中で看板も出ていないので、近所で再び聞いた。爺さんは、「あれもフォン・フォルクセムで、ビットブルガーも彼のものだよ」とか、ご近所さんの気持ちが良く出ていた。結局行き違いもあったが、グーツヴァインの「ザールリースリング」を持って来て貰った。その下の斜面ではヘリコプターで散布作業がされていた。巨大な建造物で投資額も2ミリオンでは足りないだろうなと思った。今では品質共々ドイツの最高の醸造所の一つであるから自己資金でなくても貸し付けは全く問題ないだろうなと思った。
ヴィルティンゲンからルクセムブルクまで、ザールの河口であるコンツを通って、国境のグレーフェンマァヒャーまでモーゼルの右岸の地道を走った。50㎞で50分ほどの行程であるからそれほど変わりないのだが、ここでも簡単に走り抜けて、疲れず燃料を温存するのが狙いだった。ルクセムブルク市内は前回の日曜日とは異なって、大学やEUの施設付近は人が多かったが、二度目なので問題なくフィルハーモニーに到着した。問題の駐車場はやはり今回も側道に入り損なって、リエントリーしなければいけなかった。二時間前に駐車して、四時間半若しくは午前一時までは3ユーロはとてもお得だ。公的な援助なのだろう。入場料とも有り難い。
参照:
ふらふらする冬時間始まり 2017-10-29 | 暦
2015年産のお見事な出来 2017-05-20 | 試飲百景
日本の製品は田舎臭い 2018-05-25 | 雑感
先ずは最短・最速経路でシャルツホーフベルクのあるヴィルティンゲンに向かった。ファン・フォルクセム醸造所に2017年物を取りに行くためだ。距離にして150㎞で二時間少し要す。つまり200㎞のルクセムブルクと時間的に15分ほどしか変わらない。今回のもう一つの目的はノイズキャンセルリングイヤフォーンのテストだった。無事にシャツを洗濯屋で回収して、峠手前の駐車場で着替え、徐にケースから取り出し、タブレットでラトル指揮のシューマンを鳴らす。
先ずブルーテュースをセットして、ノイズキャンセリングにするとエンジンを掛かっているのかどうかも分らなくて、もう一度キーを回してしまった。V型エンジンであるから振動はもともと少ないが、20年近くも乗っていると流石にエンジン音が聞こえるようになる。だから錯覚が重なって、運転するのが怖かったぐらいだが、走り始めると、視界に集中する分落ち着いた。その走行感はマイバッハかロールスロイスに近く、私の知っている限りではジャグウアーのV12に近い。振動面でも、古い車は足回りもがたが来ているのだが、そのようにしか表現が仕様がないほどの走行感である。もともと車として静かな方だと思ったが、これを使えばどんな襤褸車でも高級感が味わえるのだろうか?そして聴覚からの疲労感は少なくなると感じた。
アウトバーンで感じたのは、自身では気が付いていなかったが、やはり走行音がスピードへの抵抗になっていて速度感が得られていることだった。音が聞こえないぐらいでついつい30㎞ほど余計にスピードが出ていて、一般道でもラムぺのカーヴで突っ込みそうになった。要するに知らず知らずに飛ばしてしまう。目的は燃料節約であるから抑えるつもりでも、一般道に下りてからもスピード感が分からずに違反が怖い。兎に角気持ち良かったのだが、アウトバーンでフンツリュックの高原地を上り下りするうちに耳に違和感を感じた。気圧調整をしなければいけなかったようだ。大した高低ではなくそのスピードも限られているのだが、飛行ならばとても重要な機能だと分かった。これで耳栓の大きさなどを調整すれば可成りな威力である。フィルハーモニーについてからも地下駐車場で、最後にシューマンの四番を楽譜を見乍ら聞いたが、とても落ち着いて集中して聞けた。まあ、これだけでもこの価値はあるかとも思った。
13時半にはヴィルティンゲンの上部のシャルツホ-フベルクに着いたので、フォルクセム醸造所には14時過ぎに立ち寄るつもりで、反対斜面の木陰に車を停めピクニックとした。先ずは一合で三個作った握り飯だ。梅干し入りの三角握りである。朝早く炊いて作ったのだ。これを二個と果物などで腹ごしらえをした。残りの一個は帰路でバナナと一緒に消費して何とか帰宅可能となった。
ファン・フルクセム醸造所に行くと、まだ瓶詰したところで、試飲も出来ないが、新たに建造した醸造所にあるという事でそこに向かう。大きな建造物という事でそれらしきに向かったが工事中で看板も出ていないので、近所で再び聞いた。爺さんは、「あれもフォン・フォルクセムで、ビットブルガーも彼のものだよ」とか、ご近所さんの気持ちが良く出ていた。結局行き違いもあったが、グーツヴァインの「ザールリースリング」を持って来て貰った。その下の斜面ではヘリコプターで散布作業がされていた。巨大な建造物で投資額も2ミリオンでは足りないだろうなと思った。今では品質共々ドイツの最高の醸造所の一つであるから自己資金でなくても貸し付けは全く問題ないだろうなと思った。
ヴィルティンゲンからルクセムブルクまで、ザールの河口であるコンツを通って、国境のグレーフェンマァヒャーまでモーゼルの右岸の地道を走った。50㎞で50分ほどの行程であるからそれほど変わりないのだが、ここでも簡単に走り抜けて、疲れず燃料を温存するのが狙いだった。ルクセムブルク市内は前回の日曜日とは異なって、大学やEUの施設付近は人が多かったが、二度目なので問題なくフィルハーモニーに到着した。問題の駐車場はやはり今回も側道に入り損なって、リエントリーしなければいけなかった。二時間前に駐車して、四時間半若しくは午前一時までは3ユーロはとてもお得だ。公的な援助なのだろう。入場料とも有り難い。
参照:
ふらふらする冬時間始まり 2017-10-29 | 暦
2015年産のお見事な出来 2017-05-20 | 試飲百景
日本の製品は田舎臭い 2018-05-25 | 雑感