Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

塩浴のザルツブルク

2020-08-14 | アウトドーア・環境
涼しくなった。朝一番で急坂だけを走った。週末への準備である。この数日間は夜明け前でも摂氏20度を遥かに超えていたので20度そこそこでも気持ちよかった。上半身裸になっていたのが、パジャマの上着まで着て窓を閉めた。週末は20度を割って、日曜日が晴天になり気温上昇するだけだ。

気温が下がってくると食事の準備も可能となり、バルコンでも気持ちよく食事が出来るようになった。久しぶりにオーヴンも使った。一番暑い日は二リットルの水にコーヒーなども冷やして飲んでいたので胃も疲れていたが、これでお茶も一リットル作り置きで足りるようになる。

胃酸も薄まらずお腹も冷えないので、食欲が出てくると、食が進む。ワインもビールも美味い。胃が張っていたのも若干すっきりした感じがする。

夜分バルコンで食事をしたり寝椅子で涼んでいると下楷からの匂いが漂ってくる。直下には三件の窓、その下は三件、庭からもとなるとどれがどれという事はない。野外でのバーべキューは分かり易いが、意外にどれがどこからか分からないのは香水や化粧品類のそれだ。兎に角キッチンからではないのでそれほど邪魔になる事ではない。

しかし匂いは想像を掻き立てることが多く、結構その気になってしまうのである。その中で久方ぶりの雨で路面やら壁やらの匂いがし出した。それもそんなに埃っぽい匂いではなくて、塩っぽい匂いがした。それで思い出したのは、ザルツブルクだ。先日二十年ぶりで嗅いで来たものだ。私にとってはザルツブルクの想い出の全てに近い。それも暑い時に蒸気が立つような駐車場からのあの通路である。

今年は幸い気温も低く湿度も低かったので眼鏡が曇るようなことは一切なかった。その為か以前よりも通風が良くなった感もあった。そしてあの独自の塩気は殆ど海水浴のようなものだった。少なくとも今夏にそれを想い出して、改めて感覚に定着した。

ザルツブルクの街はそのバロック都市としてとても魅力的でまさしくホフマンスタールの描く世界である。その世界は得難く、様々な意味でヴュルツブルクは匹敵するかもしれないが、勿論それはバイロイトにはなく、勿論バーデンバーデンにもないものだ。

土曜日には8月1日「エレクトラ」初日が今度は3Satで放送されて、その前には8月2日「コシファンテュッテ」初日がラディオで放送される。特に後者はラディオで聞くとどのように聴こえるのかが愉しみで、より音楽のデテェールに亘ってもう一度吟味したい。

その土曜日の午前中にはザルツブルクの祝祭大劇場から生中継でムーティ指揮の第九が放送される。これも歌手陣の魅力だけでなくて、合唱をコロナ禍で最初に本格的に歌わせるとして話題性が高い。月曜日夕刻にはArteでも中継録画として放映される。



参照:
矛盾のザルツブルク音楽祭 2020-08-12 | マスメディア批評
ザルツブルクからの中継 2020-08-02 | マスメディア批評
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