ベルリン大学病院シャリティの一研究所長の論文が波紋を呼んだ。既に報じた通りだが、その書面による提案原文を確認した。まず現状認識に関して、一日に十万に一人ぐらいの新感染者数は取りに足らないと疫学研究所の所長らしからぬ発言をしている。七日分で所謂新感染指数で7である。五月以来のドイツ連邦共和国におけるロックダウンからのコンサート等の緩やかな開放が功を奏していると書いている。要するにヴィーナーフィルハーモニカーとは異なるという事を語っている。
しかし専門家の立場として、感染拡大からそこでいうドイツの医療システムの国際的に高度な能力を保ってというのもとても所謂結果論で楽観過ぎる。その一方間隔の制限等が到底正常化とは遠く、そうした催し物の団体に非経済性を齎したとして、特にクラシックの啓蒙された聴衆に対しても特別な配慮がされる必要があると説いている。
前提条件として、間接的な接触に拠っての感染は殆ど起こっていないという研究結果から、その感染経路を飛沫並びにエアロゾール感染としていて、特に閉鎖空間での空気感染が新たな感染となる危険性を評価している。
それ故にクラシックの聴衆が規律に富んで、催し物中に会話をしないという前提で、13項目の提言を箇条書きにしている。
既に概論から分かるように、重要なのは高度なフィルターの高能力の空調システムで、空気中にウイルスが長く浮遊して止まらないことが大切な様で、唐突にインサートされて偽造されたような第10項の違和感が甚だしい。そこだけ完訳する。
10.)コンサートホールやオペラ劇場では同様にサージカルマスクを正しくすることが義務とされる。その規約の元で会場を満員にすることは可能である(マスクが無い時は間隔を1m空けることが守られる)。
全くこれだけの新機軸を突然持ち出して、研究所本体の病院長に未合意の内容で危険な結果を生じることに無責任と非難された。同時にエアロゾールへの注意が顕著で、一体どのような科学的な根拠がそこにあるのかどうかも明らかにされていない。
宜しいそこに再度書いてあるように一通りの消毒をして、隣り合って座ってもひじ掛けなどからコロナがうつり難いとすれば、またサージカルマスクで言葉を交わさず飛沫が防げるとして、エアロゾール感染が最も危ないとしている。
個人的な経験からすれば、もし間接的接触による感染が無いとすれば、閉じられた空間での空気感染しか有り得なくなる。俄かに信じがたいが、それならばサージカルマスクは感染防御にはほとんど役に立たない。KN95やFFP3などの本格的なマスクでなければ危険で仕方がない。隣にコロナの陽性者が座っているとしたらその周辺の何人かには感染する。髪の毛が逆立つような場内換気システムなどは飛行機ぐらいにしか有り得ない。
やはりこの所長がまともの科学的な見識で以って今回の提言をしたとは到底思えない。そのポストを勤められるような正常な判断力を有しているかどうかとても疑問である。一方、シャリティ―と協調して、今後の活動への提言をしているベルリナーフィルハーモニカーは、会見の席上、九月始めのベルリン当局との話し合いに於いて、11月以降の次の一歩について提言することが伝えられた。それによると、現行の舞台上で管楽器2mの間隔を保護板を立てて1.5mと縮小して大管弦楽演奏を可能として、客席は現在の1.5mを1mへと縮小して現在の四分の一の収容から半分の収容へと拡大したいというのである。もし現行のままならば暮れまでに一千万ユーロの損失になるとした。
比較するまでもなく合理的な段階的な提言である。可能性としては、フィルハーモニーの大会場に千人以上を入れた場合のその中に陽性者が紛れ込む確率となるので、11月時点で新感染者指数がその危険性に見合うだけ小さくなっていることが求められる。要するにマスクをして隣り合わせに座るなどは論外で、健康なものまでが病院で感染病に罹るようなものである。
参照:
折り返し点での喧騒 2020-08-18 | 文化一般
ザルツブルクの勘違い 2020-08-10 | 文化一般
しかし専門家の立場として、感染拡大からそこでいうドイツの医療システムの国際的に高度な能力を保ってというのもとても所謂結果論で楽観過ぎる。その一方間隔の制限等が到底正常化とは遠く、そうした催し物の団体に非経済性を齎したとして、特にクラシックの啓蒙された聴衆に対しても特別な配慮がされる必要があると説いている。
前提条件として、間接的な接触に拠っての感染は殆ど起こっていないという研究結果から、その感染経路を飛沫並びにエアロゾール感染としていて、特に閉鎖空間での空気感染が新たな感染となる危険性を評価している。
それ故にクラシックの聴衆が規律に富んで、催し物中に会話をしないという前提で、13項目の提言を箇条書きにしている。
既に概論から分かるように、重要なのは高度なフィルターの高能力の空調システムで、空気中にウイルスが長く浮遊して止まらないことが大切な様で、唐突にインサートされて偽造されたような第10項の違和感が甚だしい。そこだけ完訳する。
10.)コンサートホールやオペラ劇場では同様にサージカルマスクを正しくすることが義務とされる。その規約の元で会場を満員にすることは可能である(マスクが無い時は間隔を1m空けることが守られる)。
全くこれだけの新機軸を突然持ち出して、研究所本体の病院長に未合意の内容で危険な結果を生じることに無責任と非難された。同時にエアロゾールへの注意が顕著で、一体どのような科学的な根拠がそこにあるのかどうかも明らかにされていない。
宜しいそこに再度書いてあるように一通りの消毒をして、隣り合って座ってもひじ掛けなどからコロナがうつり難いとすれば、またサージカルマスクで言葉を交わさず飛沫が防げるとして、エアロゾール感染が最も危ないとしている。
個人的な経験からすれば、もし間接的接触による感染が無いとすれば、閉じられた空間での空気感染しか有り得なくなる。俄かに信じがたいが、それならばサージカルマスクは感染防御にはほとんど役に立たない。KN95やFFP3などの本格的なマスクでなければ危険で仕方がない。隣にコロナの陽性者が座っているとしたらその周辺の何人かには感染する。髪の毛が逆立つような場内換気システムなどは飛行機ぐらいにしか有り得ない。
やはりこの所長がまともの科学的な見識で以って今回の提言をしたとは到底思えない。そのポストを勤められるような正常な判断力を有しているかどうかとても疑問である。一方、シャリティ―と協調して、今後の活動への提言をしているベルリナーフィルハーモニカーは、会見の席上、九月始めのベルリン当局との話し合いに於いて、11月以降の次の一歩について提言することが伝えられた。それによると、現行の舞台上で管楽器2mの間隔を保護板を立てて1.5mと縮小して大管弦楽演奏を可能として、客席は現在の1.5mを1mへと縮小して現在の四分の一の収容から半分の収容へと拡大したいというのである。もし現行のままならば暮れまでに一千万ユーロの損失になるとした。
比較するまでもなく合理的な段階的な提言である。可能性としては、フィルハーモニーの大会場に千人以上を入れた場合のその中に陽性者が紛れ込む確率となるので、11月時点で新感染者指数がその危険性に見合うだけ小さくなっていることが求められる。要するにマスクをして隣り合わせに座るなどは論外で、健康なものまでが病院で感染病に罹るようなものである。
参照:
折り返し点での喧騒 2020-08-18 | 文化一般
ザルツブルクの勘違い 2020-08-10 | 文化一般