Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

対波蘭戦に忠誠を示すか

2006-06-15 | ワールドカップ06・10・14
ドイツチームはポーランド戦である。得点頭のミロスラフ・クローゼがドイツのために忠誠を尽くすか、さもなくばポーランドのために裏切るか、終日TVの話題であった。

オペル・カイザースラウテルン工場の外国人労働者の息子として北プファルツのクーゼルで育った、FCカイザースラウテルンで頭角を顕したドイツ有数の得点王であるが、同じような境遇の奥さんと家庭ではポーランド語で喋り、同僚のルカス・ポドルスキらともフィールド上でポーランド語でも喋る。

多くの同じような境遇にある典型的なドイツの一流運動選手である。ドイツで育っているだけ、他の多くのオリンピック選手のような緊急特例移民ではないが、ドイツ移民の実情を良く物語っている。それどころか最近は、プログラマーを中心とした知的労働者のグリーンカード制度も出来ている。嘗てのトルコ人労働者を含めて、手っ取り早く使えるものを使うドイツ連邦共和国は、決して移民国ではないが、これが実情なのである。

こうした視点を示し広く社会に問う事は大切である。ドイツでドイツ人として出生する限り、姓はその氏素性を顕すものとして伝えられるが、名はドイツ風の名前を付ける事が要求される。例えば金髪碧眼のポーランド人との同一化を進めたのがナチスの政策であったことを考えれば、統一化は人種主義を防ぐ重要な政策である。統一化と同一化とは似ても非なる政策なのである。

ミロスラフ・クローゼがドイツを裏切るとは誰も思わない。むしろポーランドがこうした素材を多数輸出しながらもワールドカップに参加している方が脅威である。そしてフィールド上で通じる言語がドイツ語以外に多くの母国言語集団があるのが事実なのであり、その差異を強調する事が必要なのである。

ブラジルとクロアチアの試合を見て分かるのが、クロアチアは欧州の強いチームであって、豪州程度の技術レヴェルのチームには負けないであろう事である。FIFAの世界ランキングでは欧州同士の対戦成績の偏差が加味されていないから、そのランキングは実力を映し出さないと言われる。母体集団が違うのである。同様に日本はこのレベルに至るには何代かの世代交代が必要と言うが、それでも世界有数の短足の民族的身体特徴が変わるわけではない。

こうした認識は、あくまでも集団母体の中での比率を言う特徴を示す把握でしかない。しかしこうした評価に対して人種主義と批判する者ほど、少数集団間の差異を認めずに民族を抱合しようと試みる民族主義者であることが多い。特に旧植民地統治の位牌をこうした同一化で塗りつぶそうとする政策は悪しき民族主義である。

現代の民族主義と言えば中華思想を思い出す。ニュースは大きく伝えている。揚子江ダムの補償問題に異議を唱えた中華人が裁判闘争の末、ドイツ第一放送のインタヴューに答え、裏切り者としてリンチを受けて重態にある。中共政府は、政府を相手取った法的社会闘争を認知していると言うが、中華人民は裏切り者を放って置かない。共産党役員の不正を隠匿するためにありとあらゆる手が打たれる。ベルリン政府が関心を強めており人権問題として新たな火種となっている。

少集団を大集団の中に同一化して不純な色を混ぜて塗りつぶしてしまう水準化はいけない。隔離政策とは一線を隔す統一化こそが重要なのである。世界一高いと言われるIQ値を誇る上海市民は、低いと言われるアフリカ人を人種差別しており、彼らをたんに怠け者の安い労働力と見做している。

能力の差異や小集団を尊重しない同一化こそが大問題なのである。これを人種主義的民族主義と言う。
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カイザースラウテンの暗影

2006-06-14 | ワールドカップ06・10・14
ネットで見たり聞いたりしていると、昨日のワールドカップ中継画像が話題となっている。ゴールに射す強い影のことの様である。現代のヴィデオカメラ技術で写しても殆ど黒潰れするほどの画像であって、家庭のTV画面を観ていても気がついた。

このような強い陰影は、ここ数日の日差しの強さを示していて、恐らくZDFのクルーの制作するTV中継はその事実を伝えていたに過ぎない。欧州の日差しは、その位置する緯度による照射角度の低さに係わらず、強く激しい。主な原因は、乾燥した大気と空の明瞭さによる。特に一昨日は「青い宇宙が見える」と予想されたように明瞭度が高かったようである。

このような気象条件から、特に秋には車の運転にもサングラスが必要となって、夏場は小学生などにもサングラスの着用が勧められるようである。欧州の冬を過ごせば過ごすほど、光に敏感になってきて何時しか目の色が青くなると書いたことがあった気がするが、虹彩の働きが変わるのは事実であろう。

日差しの強さはそのもの紫外線の強さであって、身体に与える影響も無視出来ない。週末に野外の岩棚で日光浴をする羽目となったが、そこが更に空気の薄いアルプスで無くとも、その間30番のサンクリームを体に塗りこんでなんとか被害を避ける事が出来た。汗を掻くような蒸し暑さとは違うだけ、水分の喪失量は計り知れない。汗腺が開いて旨く発汗出来ている可能性もあるが、体が気候に慣れるには最低一年以上の期間が必要であろう。

こうした生物学的な順応を含めて言うのが、「郷に入れば郷に従え」の諺である:

Bei Wölfen und Eulen
Lernt man heulen

(狼や梟に、吼え方を学ぶ)

若しくは

Wer mit den Wölfen essen will, muss mit den Wölfen heulen

(狼達と衣食を共にしたいならば、狼と吼えろ)

ドイツ語やフランス語のこれは、英語では次のようになる。

ローマに入ればローマ人に倣え。
When in (o. at) Rome, do as the Romans do



追記:フランクフルトでのトーゴ対韓国の試合のように、ドームの屋根を閉めた方が涼しい。パンツを摺り上げてシュート。
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ライヴカメラを覗いてみる

2006-06-13 | ワールドカップ06・10・14
日本豪州

守備妨害の一点が認められてその後のファールのFKが取られなかったことで、相殺されたと言うが、先にハンディーを背負った豪州が勝利。試合前の予想は、1:1若しくは3:1で日本の勝利。結果は、同点の内容と言うが如何だろうか?

この乾いて快適な天候下では、ヴァイツェンビーアを簡単に3リットルほど簡単に飲める体格(基礎体力)が必要である。ビールの量でも、豪州の勝ちであろう。残念ながらこれで日本代表は帰りの旅支度。

試合とは関係ないが、アルファベットと漢字とカタカナのロゴを生で使うような企業があるとは驚く。ロゴやタイプグラフなどに全く興味の無い会社が、何を販売しているのだろう。

試合前の高原直泰のドイツ語のインタヴューは意外で好かった。英語の中田英寿は相変わらず評判が悪い。ベンチにいる時間が長いほど外国語が上手くなるとは言うまいが。実力不相応の高額所得に、日本人サポーターのドイツ旅行中の太っ腹の支払いとは違って、罪 悪 でしかない独特な日本の経済感覚をみるのである。中村俊介がマークされていたとしても、この二人の中で中田英寿が絡むと精度が落ちると罵られる。それも今回で引退と言うことなのであまり愉快でもない中田批判を聞くのも残る二試合となった。


ビールの量では、米国もチェコと互角に戦うと予想される?




カイザースラウテルンからのライヴカム


スタジアム遠景
住宅街
日本庭園
フリッツ・ヴァルタースタジアム南(休止中)
フリッツ・ヴァルタースタジアム西(休止中)

スタジアムなど

市内1(休止中)
市内2(休止中)
パノラマ-スタジアム遠景(ライヴ)

スタジアムについてHTML


マンハイムからのライヴカム

マリティムホテルの屋上から
マリティムホテル・噴水・市街地・ハイデルベルク方面など四方

街中から水槽塔方面



参照:
なんと言う一日だろう?[ 生活 ] / 2006-06-11  
蹴球愛国主義と文化水準 [ 雑感 ] / 2006-06-12
ブルコギ鍋のおじや [ 料理 ] / 2005-12-16
破壊された偶像 [ 文学・思想 ] / 2005-07-05
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蹴球愛国主義と文化水準

2006-06-12 | ワールドカップ06・10・14
カイザースラウテルンで鯉のぼりが揚げられたのは先日伝えられていた。その時は気がつかなかったのだが、この町には昔から漁師町でもないのに幾つもの魚の伝説が伝わっている。特に鯉は、グリム兄弟が1815年にカッセルで纏めた独逸伝説集に載っている。バルバロッサとして有名なフリードリッヒ皇帝に纏わる伝説である。それによると、トルコ人による収監から解放されたバルバロッサはカイザースラウテルンに宮殿を作り庭を拵えた。もともと濠でもあったところに作った池の鯉を捕らえた皇帝は、それを記念して自らの金の指輪を鯉の耳に付けたというのである。そしてその鯉は末代まで捕らえられることはなかったが、何時ごろか二匹の鯉がのど元を金の鎖で結ばれて見つかったと言うようなものである。

もう一つの魚はカマスである。1497年の11月6日に見つかったという6メートル近いカマスが吊り上げられて、胸元の金のプレートにギリシャ語で「カイザー皇帝によって1230年のワイン五ヶ月目の六日(10月6日)に放たれた魚であるぞよ。」と書かれていたと言う。この魚は、当時の首都であったハイデルベルクのプァルツ選定候フィリップの食卓に上って、プレートはお宝として保存されたと言う。こうした伝説から今でもカイザースラウテルンの市章には魚が描かれている。

ワールドカップサッカーの期間を向かえて各地の住宅の窓や車など至る所に国旗が掲げられているのを見る事が出来る。これを、スポーツによる代替戦争のパトリオティズムと見てしまえばそれで終わりだが、上の例のように地方や民族の歴史や伝説を示してアイデンテティーを護る行いに違いないのである。イングランドの赤十字も然りである。こうしたものを、少なくとも過去の忌まわしい歴史から敢然と決別している限りにおいて、誰も否定する理由は無い。

ミュンヘンにおける開会試合前に、ドイツ連邦共和国歌の斉唱を注意深く聞いていたが、以前と比べて「独逸は世界一」と言う戦前や旧東独逸の国歌のフレーズを口ずさむ人は断然少なくなっているような気がする。旋律はオーストリアの皇帝フランツ二世の誕生日にハイドンが作曲したものに基づいていて、18世紀の遺物である国歌の歴史にも対応しているが、今日国歌がなんらかの意味を持つためには教育の正しさと明確な国家理想像を示しているべきではないだろうか。ヴァイツゼッカー大統領時代の1991年になって始めて歌詞が正式に認知された国歌は素晴らしいものであり、世界中で歌われるべき内容で、法制化の意味することがこうして今実感出来るのである。伝説の追想やIDの強化を意味するような歌詞の国歌とは随分と違い、これは近代国家として文化的発展のレヴェルを示しているのだろう。


情報:オランダ戦は民放の放送であった。民放は媚びた放送のような感じで良くない。日本チームは近郊に宿泊しているとなっているがマンハイムのマルティムホテルと情報を得た。カイザースラウテルンには国際一級のホテルが無いと言うことの証明なのであろう。勿論その中間にあるワイン街道のバッド・デュルクハイムにも無いのである。キッチンをホテルと分けて使うのだろうか?



参照:
お宝は流れ流れて [ 文学・思想 ] / 2005-03-15
ドイツ鯉に説教すると [ 文学・思想 ] / 2005-03-14
言葉の意味と響きの束縛 [ 音 ] / 2006-04-15
IDの危機と確立の好機 [ 文学・思想 ] / 2005-04-20
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なんと言う一日だろう?

2006-06-11 | 生活
今晩は昨日よりもマトモなものを書けるように思わない。急激に摂氏三十度近くとなった気候と、かんかん照の中でのロッククライミングと、晴天下のワインフェストと、ワールドカップのサッカーの盛り上がりは、興奮の坩堝である。

豚のステーキを4.50ユーロで持ち帰り芥子をタップリつけて、マヨネーズを付けたたっぷりの生野菜に、ワインを飲んで何を言おうか。

シャワーを浴びた体には、直後に飲んだクリスタルヴァイツェンビーアの一リッターでは事足りずに、ワインが砂に水を放つかのように体に沁み込む。

アルゼンチンと象牙海岸共和国は、その昔は地理的にくっついていたと言うインフォメーションは良いのだが、彼らの試合はまたまたそれなりに楽しませてくれた。

昨日カイザースラウテンへ仕事で行ったと言う山の仲間に言わせると、町中がワールドカップムードに沸いているらしい。

明日も夏日らしい。これから人ごみに出かけて、悪酔いするための酒でも飲んでこようかと思う。しかし、このような一日は何年に一度もあるものではない。書きたいことの多くは二日酔いが覚めてからになるだろう。

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興奮の開会の一日

2006-06-10 | ワールドカップ06・10・14
ドイツの大勝は予想通りである。それにしてもミュンヘンのスタジオの雰囲気は大変良さそうであった。ドイツチームの先行きはあまり明るくないけれど。

TVスポットを観ていると、オリヴァー・カーンがベンチに座って特大のハンバーガーを持って「ベンチでもビック」と語るハンバーガーチェーンのCMがあった。自虐CMは結構多く受けるのだろう。他には世界から集まるサポ-ターを空港で向かえるドイツナショナルチームの客引きのようなスポットもあった。送迎の立て札に日本語で「歓迎される」とか云う変なのがあった。日本語の出来るドイツ人が「ウェルカム」を訳した新日本語だったようである。

ワールドカップに合わせるかのように、急に暑くなって車の外気温計は摂氏27度を指していた。明日は更に温度が上がるらしい。カウチポテトの用意を整えにスーパーへ行くと、それらしき買い物客が多く、スナック類やら小旗までがレジの前のベルトに所狭しと並べられていた。それから床屋に行って、先日火曜日の祭りのせり売りの値段が「昨年より安い3100ユーロであった」とまた「今年はそれほど暑くはならないだろう」と世間話をする。サマーカットで流石に頭が涼しくなる。

南ワイン街道産の「薩摩」と云う日本のミカンを八百屋で見かけ、まだ本格的ではないスイカをさし措いて、季節外れのこれを試す。ミカンと云えばプロ野球の日本シリーズの季節だななどと思いながら、冷蔵庫で冷やしてこれを食すると、その昔駅のキオスクで凍らしたミカンなどを売っていたなどとつまらない事を思い出す。

ワインを取りに行くと英国人のトムは、今晩は飲み屋で英国のトリコロールを着てPV開会式と云う話であった。今日は、他の個人的な「密かな試み」もあって朝から少し興奮気味の一日で、夕方には地元のワインフェストも開会した。生音楽の爆音に負けないかようにTVの歓声が響き渡っている。

写真は、パン屋で先週から売り出していた半サッカーボール型のもの。
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目を覚ましながら

2006-06-09 | 文学・思想
「せめて今晩だけは、言葉を詰まられせないでいましょう。」、女流作家*インゲボルク・バッハマンが友人の詩人パウル・ツェランに送った電報である。

そのユダヤ系の詩人が、アウシュヴィッツ以後に、ドイツ語で書いた詩に盗作騒動が持ち上がり、その美学に疑問が投げかけられていた。それにも拘らずまたもや花に関する詩集「ヴォルフス・ボーネ」を十月二十一日に書いた、1959年の秋のことである。

写真のアーモンドは、青くなっている。何色のが咲いていたのか?ローズなのか、白なのか。

トーマス・マンの小説「ヴェニスに死す」の冒頭の朗読は、落ち着かない、堰を切ったような調子で、主人公の胸騒ぎを表現している。そしていつの間にか速度を落として、背景説明へと落ち着いて行く。文学CDの朗読が、部屋に流れている。

白く枝を垂らした開花の不連続な残像は、記憶に残るばかりである。硬い殻の中に、それをひっそりとしまいながら。

*PDF-FILE



参照:
水車小屋の娘の陽気な鱒 [ 生活 ] / 2005-03-18
アーモンドの咲くところ [ 生活 ] / 2006-04-19
活字文化の東方見聞録 [ 文学・思想 ] / 2006-05-12
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エレヴェーターに乗るな

2006-06-08 | SNS・BLOG研究
シンドラーというスイスの有名なエレベーター(AUFZUG)が東京で事故を起こしたようである。回転ドアの件も何時か話題になったが、東京は問題が起こりやすいらしい。シンドラー社のエレヴェーターはマーケットシェアーが高いので頻繁に利用する。スイスで最後に乗った時に思い出すのは、ボタンの反応速度が大変遅く調整してあったことで、速度を早くすると事故が起こりやすい構造になっているのであろう。二重三重の安全装置が入っていないのには驚くが、大抵の使用者は安全装置を働かす事態などはあまり考えていない。

その速度といい使い勝手といい高層建築以外ではエレヴェーターをあまり使おうとは思わない。六階建てぐらいが分岐点だろうか。エレヴェーターは、歴史的に見ても柵ぐらいしかついていなくて危険な乗り物であることぐらいは知っておくべきだろう。致命的な滑落の危険性は、ロッククライミングの時ほど高いのではないか。

火災時(IM BRANDFALL)の利用(BENUTZUNG)を禁止するのが、AUFZUG IM BRANDFALL NICHT BENUTZEN(火災時にエレヴェーターを利用するな)の標識である。大抵のホテルの廊下に見られる。それならばどうしたらよいかは、避難経路図を確認して書いてある通りに移動するべきである。

不幸にもそうした火災(FEUER)が発生して消火活動に当たる消防隊(FEUERWEHR)のために場所を確保しておかなければいけない。救急車や医師のための駐停車標識もある。これらの場所に不法に駐車すると通常の違反ではないことは確かであろう。(ピクトグラフィックな旅行ドイツ語V-ワールドカップドイツ大会2006年協賛)

参照:寿司ボンバーの二丁 [ 暦 ] / 2006-05-31
接頭語等:AUF 上へ、FALL 場合、NICHT 打ち消し、IN の時に、NUR 限る、FÜR ために
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ビール消費と癌予防効果

2006-06-07 | その他アルコール
ビールの売り上げが落ちているようだ。外気温摂氏25度が分岐点と言う。今年は寒いので前年比同期間の売り上げは、2.2%落ちている。

それは何も今年に限った傾向ではなく、EU内のビール消費はここ十年で四分の三と落ち込んでいる。更に長期的には1970年には一人辺り141リッターであった消費が近年は115リッターに及ばない。

最大のビール生産国はドイツに変わらないが、その後に英国などが続く。そのドイツでも2001年から2002年に掛けて一人辺りの消費量が、ミネラルウォーターに追い抜かれる現象が起きている。後者の場合は一年半ほどでピークを向かえて現在は減少傾向にある。2003年の極暑の消費が影響しているのだろう。

我が家では、ビールを買うことは殆ど無い反面、以前は炭酸入りの水を 態 々 購入していたが、ここ一年以上水を買うことはなくなった。理由は、持ち運びが重く、水道のハーブティーの方が旨く安いからである。同様な2003年消費の反動がドイツ内の消費状況に見られるようだ。

リフレッシュ飲料が伸びる傾向にある。所謂ボンボン・ビーアと言う甘味などを加えたビール飲料もEUの新法規の中で伸びているようである。若い特に女性層の消費によるようだ。このビール飲料の市場占有率は、61%のピルツナー、12.4%のエクスポート・スペツィアル、8.5%のヴァイツェンに続いて、バイエルンのヘレスとならび4.5%に至っている。

こうした落ち込みが、地方色の薄くなった合併吸収の大量生産ビールの不味さから来るのかどうかは判らないが、大手のビールグループは生き残りをかけて海外への輸出攻勢へと出ている。特に中国辺りは一人頭14リッターと今後の伸びが期待されているらしい。

現在北欧で開かれている会合では、酒税の導入が模索されているが、消費税以上の付加には反対が多い。

何よりもビールの消費の落ち込みには、その盛んな宣伝に関わらず、消費者層の変動が影響しているとする意見に興味を引く。つまり、若い消費層が少なくなると消費量が落ちるのではないか。自身の経験でも、嘗ては二リットルほどは、ワインなどとは別に、外食にビールを飲んだ。しかし最近は駆けつけ一杯と酔い覚ましの一杯と、それ以上はあまり飲まなくなった。その代わりワインが一杯増えるかその水割りを飲むようになったからである。

ドイツにおいてビールは、ミネラルウォーターよりも安く手ごろな飲み物であったが、ユーロになって比較的高くなり大量生産で不味くなった。その点ワインは、たとえ水で割っても、ワイン産地では店が変わればその都度違うものを飲める少量生産品である。こうした楽しみがビールには無くなってきたから割高に感じるようになったのである。

さらに、若者ほど新陳代謝が高く、加齢する毎に水気の無駄な摂取量は低下する。それほどのどが渇かなければ冷えたワインの水割りの方が清涼感がある場合が少なくない。こうした状況から、混ぜ物の一切入っていない自然食品であるヴァインとビールは、健康飲料の双璧であるので、EUのアルコール摂取への考え方を改めさせるべきとの意見もある。

ビールにおいても、癌予防のホップの成分と言われるキサントフモールを通常の十倍から三十倍も含有するビールが一年ぐらい前から市場に出ている。「二千種類の薬草から最も効果のあった成分である」と、ハイデルベルクのドイツ癌センターのカリッサー・ゲルホイザー女史は語る。やはりホップの成分オステオポローゼが心臓に、またマラリアに効くなど歴史の中で育まれたビールの効用は証明されてきている。オレゴン大学の研究によると、この物質を投与後四日間以内で大腸癌・卵巣癌・乳癌が実験では征圧されていると言う。

伝統的な方法で凝縮されてヴァイスビーアとして発売されているものは、八割がた高価と言う。この物質の過剰摂取により危険は無いと言うので、さらに凝縮度の増すビールの製法が研究されているようだ。



参照:ライヴカメラを覗いてみる [ 暦 ] / 2006-06-13
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空虚な文化行政の体験

2006-06-06 | 文化一般
常連席でサッカー談義に花を咲かせた折、その一人が当日フンデルトヴァッサーの展覧会に行ってきたと話をしていた。ちょうどそのスクェアーの中にある、青年劇場で日本のユネスコ世界遺産の写真展が開かれていて、そこにいた話をした時の事である。知っていたら、寄っていたのに残念だったと言っていた。

フンデルトヴァッサーの展覧会の事は知っていて、そのチラシなどを見て、オーストリアにはテーマパークなどがあることを知った。こちらもそこにいる用件があり、恐らく有料であろう展覧会に行くのは諦めた。それで、そのトラックの運転手で、未婚と言う彼が何に惹かれてフンデルトヴァッサーなのかと興味を引かれたが、酔いが回っていて聞きそびれた。

職種やそのあり得るべき教育のレヴェルで、その人を測る事は出来ないが、トラックの運転手と言うとどうしても一般的に荒っぽいイメージを持つことが多いかもしれない。実際は様々で、どちらかと言えば列車やバスの運転手よりも自由な時間を愛する趣味人が多いのだろう。

一方フンデルトヴァッサーと言えば勿論絵画もあるが、それがカレンダーとなっていていつも安売りの日まで売れ残っているとの印象が強い。毎年のように売れ残っていると言うのは、カンディンスキーのカレンダーと同様に人気と知名度が高い証拠でもあるのだろう。建築の数々は比較的知られているようであるが、いまだ嘗て実物を確かめてはいない。この芸術家に関しては、もしかすると中等教育課程で扱われることも多いのかも知れない。

しかし、展覧会を訪ねる重要な動機は、そうした教養主義と言うようなものではなくて、見てやろう、認知してやろうと言う意識であったのは、そのドライヴァーと話をしていて良く分かった。それも、けっして力の入った様子も無く、乾いた体に水がしみこむような風情が良かった。

さて、当方が係わっていたのは、ジャパン・ファンデーションがケルンの日本館を通じて日本文化を紹介している催し物であった。文化広報活動の一環として、英国ならブリティッシュ・カウンシル、ドイツならゲーテ・インスティテューションが担当するような文化事業であろう。特に後者の文化ポリティックは多少なりとも知っている。

今回は、各地の独日協会へと回されて来た行事のようで、領事や市長なども出席して開催された。相当する各地の文化財の写真が広いホールの六十枚ほど並べられた。白神山地や屋久島の自然や神社仏閣に、姫路城に二条城、原爆ドームの写真が網羅されていた。

殆どの写真がその依頼に則って撮影されていて、それを取り巻く環境を写すではなく、即物的に対象に迫るでもなく、美学的な何かを訴える事も無い。絵葉書と変わらない出来なのである。

例えば、原爆ドームの写真も被爆者が水を求めた太田川に足を入れて写しているのは分かり、内部の保存のための補強の鋼材も写されて入るのだが、敢えて折衷的な立場で何も訴えないように撮影されている。

その他の自然や建造物もこのような客観主義で撮影されることも珍しい。つまらないからいけないとは言わないが、あまりにも不気味なのである。文化行政のあり方を反映しているのだろう。

先のトラックドライヴァーに戻れば、彼がこれを見たら初めのうちの物珍さを過ぎて必要な情報を得た後、なにか空虚な世界観に襲われるような気がする。求めるべき世界観が伝わらないからである。そこには、原生林の神々しさも、神社仏閣の静謐も、それを取り囲む森の深遠も切り取られていない。

偶々、望む事も無く、日本の文化行政を覗いたようにも感じたが、途轍もなく空虚で気分の悪い体験であった。
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オッズやウェブカムを覗く

2006-06-05 | ワールドカップ06・10・14
偶々行き当たったトトカルチョのサイトを見ると、予想以上に人々の願いや思惑が見える。

流石に、ドイツがグループ総当りで敗退するとするのは、七倍の倍率であまり予想されていないが、優勝すると云う予想の八倍に近い。反面、決勝で負ける可能性の方が十倍で、決勝に出れば負けないと思っている人が多い。他の掛け率を見ると、ブラジルに当たって勝つと思う人はあまりいない。番狂わせをかすかに予想している。一番予想が高いのは16決初戦で敗退らしい。

日本チームについては、E組敗退に1.31倍であるから、通過する事は殆ど予想されていない。オーストラリアが1.31倍、クロアチアが2.25倍、ブラジル9.15倍と一位二位の通過はこの二カ国となる。

因みに日本代表チーム情報:

宿泊:
ホテルヒルトン・ボン (Berliner Freiheit 2, 53111 Bonn)
開催中は試合前に現地に乗り込み同地で宿泊

トレーニング:
Sportpark Nord (Koelnstrasse 250, 53117 Bonn)
無料で公開

ライヴカメラ:
マルタ戦開催のデュセルドルフ LTU ARENA
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TOB期間を引き続き延長

2006-06-04 | 生活
会社吸収のためのTAKEOVER OFFERをシェーリング社が四月十九日の株主総会で了承した。バイエル社からこの申し出を受けた直後の金曜日、市場で株価は一挙に€89まで跳ね上がったが、その後はオファー価格の€86前後で売買された。TOB第一期の終わる五月末で全株式数の四分の一が集まり、四分の三の買い付けを目指して、更に二週間の延長が決められた。

総会の翌日を以って一株あたり€1,20の配当が支払われたので、また売り買いが盛んになった。機関投資家やキャピタルゲインを求める投資家にとっては、一刻も早く資金を回収して、再投資する事が必要があるから当然の動きであったのだろう。

世界市場、特に米市場でホルモン剤の販売を好調に伸ばし、避妊薬などでも業績好調なベルリンの会社はこうしてアスピリン錠で有名なレファークーゼンの大手化学会社に吸収合併される。その前の三月には、メルク社によって一株辺り€77のオファーが出たがこれを受けず、その強気の対応から市場では€66へと株価は約十五パーセント跳ね上がった。更に翌週の初めには二十パーセント増しの€82へと躍進。このときに米国系の会社でダルムシュタットのファミリー会社の親族が、この時期シャーリング株を売り抜けている。この事からインサイダー取引として調査命令が出されている。結局、この価格を不足としてシャーリング社は、正式にメルク社の申し出を断った。同時にバイエル社は、全ての株主から€86の現金でシャーリング株を100%買い付けるとオファーを出して、今回の吸収合併への道筋が決まった。五月二十四日には、EUの合併への許可も下りた。

実は、ここ二年ほどはドイツ銀行などが売りの指示を出しており、客筋にも売りを勧めていた。その結果、ここ一二年は一株あたり€50を割っていたのだが、今回の買収への動きで六割以上株価が上昇した。分割後上昇中の数年前からしても三割以上上昇している。€89で売り抜けた投資家は、配当を捨てて、手数料の掛からないバイエルからの€86のオファーも受け取らずに次の投資へと、こうしてこのイナゴの大群は去っていく。資産株としてシェーリング株を保持していた一般投資家は、一年以上株を保持していることでキャピタルゲイン税も掛からないので、一応満足ではないだろうか。

そのバイエル社へと資金援助する小さな一角にドイツ銀行も見え隠れすることを考えれば、如何に大銀行といえどもその商いは自らのファンドDWS同様にヤクザな業界というのが良く分かる。勿論の事そのファンドに入っている一般投資家にはそうした甘い汁は吸わせない。二年ほど前にドイツ銀行などが売りに出たのは事実であろうが、今回の吸収合併までの伏線であったのかどうかは分からない。少なくとも、一般投資家の財産を上手く動かして、この件では損切りまでさせて株価を操作するのが機関投資家の腕の見せ所なのであろう。今回、大株主であったドレスナー銀行を抱えるアリアンツグループの株価が上昇しているのも見逃せない。

こうした現実を見ると、株式市場を主とした資本主義経済の構造よりも、それをつかさどる金融や証券、株式市場の構造が実感できる。商業活動の自由化は当然のこととしても、投資活動のあり方が十分に監視されるようなシステムが強化されるべきであろう。金融の自由化は、そのまま魅力ある金融商品の増加に繋がるとは限らない。
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四半世紀ぶりの買い替え

2006-06-03 | テクニック

四半世紀ぶりにカラビナなどと云ったワッカを購入した。名称は、HMSカラビナと云い、ハルブマストヴルフ・ジッヒャールング・カラビナのドイツ語の省略としている。山登りに使うものであるが、工事作業関係のものとそれほど変わらない。最も大きな違いは軽量化されていて、目的にあった強度だけが確保されていることだろうか。

主な使い道は、支点にザイルを引っ掛けて行く時の支点との連結、ザイルと安全ベルトの間を繋ぐ下降器の装着、ザイルで同行者を確保する時の支点としてである。最も力が加わるのが一番目の場合で、粗30KNの強度が必要となる。二番目の場合は、殆ど強度は必要ないが振られたりして岩角に当たったりするので安全のためにスナップが開かないようにネジ錠がついている。三番目の場合は、強度と安全のための開閉の錠の双方が必要になる。

今回は、三番目の目的のために新規購入しなければならなかった。古いものは、四半世紀間の金属疲労の不安もあるが、それ以上に昔の形のカラビナでは用を成さないことが判明したからである。以前はその形状から呼ばれる変形D型のカラビナが一般的で、またその昔は鉄製のO型のものが一般的であった。現在は、その強度だけでなく確かその実際の力の掛かり方から有利に働く形状に変わっている。これを下膨れのD型と云うのだろうか。そうした物理的な評価は、雑誌等で十五年以上前から認知していたが、特別に買い換える必要もなかったのでそのままとしていた。

何よりも新たな機能が新たな形状を求める背景として、確保の仕方のここ15年ほどの技術の変遷が存在する。同行者確保のための墜落時のザイルを制御する方法がその間に大きく変わった。

以前は簡易な確保用具などを用いて、大きな墜落の場合は確保システムの支点や滑落者の身体へのエネルギーをザイルを走らせる事で最小のダメージに抑えるダイナミック確保と云う理論体系が存在した。実際それをするために手袋をはめてザイルを故意に流す練習をしたものである。こうして流すことで、致命的な衝撃を転落者の身体や支点に掛けないのみならず、鋭角でザイルが切れるような井上靖作「氷壁」のような事件を避ける理由もあった。その後、こうした経験と練習に頼るような芸当ではなく、ザイルの伸びとエネルギーの吸収を最大限使った確保の体系が完成して、簡単にカラビナに絡めた方法でザイルを制御する方法が常識となる。その絡め方を半マスト結びと云い、船乗りが舫を固定するときのマスト結びを半分崩した方法が一般的となる。ドイツ語では、これをハルブマスト・クノーテンとなる。

さて、理論的にはどのような形状のカラビナでもこの結び方で絡める事が出来る。実際以前からこの方法もしばしば使われていた。しかし、最近はこれ以外の方法を使うことが無くなりかつフリークライミング化で一本の太いザイルを主に使うようになって来たため、従来の形状のカラビナでは扱いきれない現象が確認される。

その都度、同行者のHMSを拝借して誤魔化して来たのだが、流石に「これを持たない奴とは行かん」と云われ渋々購入を決断した。価格は高級ワインより安いかもしれないが、こうして新旧の用具を比べてしまうと、如何せん古い用具に不安を感じるようになる。それを知っていたから躊躇していたのである。それどころか商品保障が何ヶ月から数年までとなっているとどうしようもない。なすすべがない。金属疲労がないことにして、古いものを使い続けるにも無用な勇気が要る。
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天井の閉じたアレーナ

2006-06-02 | ワールドカップ06・10・14
屈辱の日本戦が、巷で話題である。昨晩も魚料理屋の常連席では、サッカー談義に花を咲かせていた。こちらは、川の小魚の揚げ物にかぶりついていたのだが、昨年の七月に食べた時とは、魚の大きさも身の付き方も幾分違った。鍵となる、胸骨の身の離れが悪い。大きめであったが油が乗っているというより寧ろ微かな泥臭さがあった。しかしこれはこれで面白い。

そこで聞こえてくるのが、日本戦での「成果」を鑑みて、過去の大会でのドイツチームの変遷と他の強豪との力比べ予想であった。こちらは先ずは落ち着いて、エクスポート・ビールに南ワイン街道からのピノグリを半リッターほど飲んだ。勘定をしにこちらからカウンターへと出向く。勘定をしながら常連席の様子を背後に伺って、サッカー談義にアウェーでの参戦となった。

その内容よりも先ずは本日付けの新聞記事を短く纏めてみよう。監督のクリンツマンは、最終宣告をしたようで「順調に行かなければ直ぐに辞める。」と先制攻撃をかけた。この手法は、氏のチーム作りの「反応するよりも能動的に動け」に対応していて、「自らに支持が集まらなければいつでも投げ出すぞ」という脅しにもなっている。上げた剣はそのまま敵を切りつけて「一体、ギュンター・ネッツァーやフランツ・ベッケンバウワーやローター・マテウスの誰一人として一度も我々のトレーニングを観ていない。批判しているだけで、何一つ仕事を見ていないんだから。」と振りぬいて、「コンデションの問題やスピードや戦力の問題があると、幾らかの人が分かるようになるのにどれほど長い期間が必要か、私自身過小評価し過ぎていたよ。」と遠まわしながら敗北を語っているようである。

また、ドイツが実際に求めていたサッカーが、スピード感に溢れてコンビネーションの生きた、ジーコが日本に植えつけた南米風のサッカーだったと、いつの間にかロスト・トランスレーションとなった現在のナショナルチームの「成果」を嘆いている。その事は、二年かけて成長する筈が、今のチームの形はまるで若者の万歳スタイルで、昨年のコンフェデの前より酷くなっているとする。一か八かの勝負で、日本チームの攻撃を八回もキーパーのレーマンが一人で迎えなければいけなかった事から、前回のワールドカップのような守護神に祈るしかないとしている。

このようなチームが気に食わないと、絶えず思い続けていた感想を昨晩語ったので、これらの記事を読んで溜飲が下がる。優勝した時のチームは全く違った。

完璧な守備を謳うことは早々に諦めて、何人かの選手交代でミドルフィールドとディフェンスの繋がりを修正しなければいけないと言うが、この時点で「優勝などは宝くじに当たるようだと、新聞は敗北宣言をしている。」。守備に関して、「とにかくミスを少なくする事で、流れを綿密にするように努力する。」と同様な見解を監督も示している。ベッケンバウワー氏は、「ディフェンスは、その名の通りでなければいけない。護りであって穴では無いぞ。」と語る。

英国のレポーターの質問に答えてアーセナルのキーパー・レーマンは、「期待されていないからびっくりするよ。」と言うが、過去のチームにおいては何時も頭上には青天井が開いていた。しかし今回は、これでドームアレーナの天井は閉じられてしまった。つまり少なくとも日本との決勝戦がある筈がなく、全てにおいて日本より実力の勝るあるチームが存在するという仮定において、数学的空間が閉じられるように前提が定められたのが、対日本戦の意味であった。

解説のネッツァー氏が試合前に語ったように、「どんなチームでも優勝するというようなことを発言するんだよな。」に、これで少なくともドイツチームはもう含まれない。昨夜のおやじ達には、「ジーコは、優勝なんて言ってませんよ。」とハッキリと申し上げておいた。



参照:寿司ボンバーの二丁 [ 暦 ] / 2006-05-31
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羊と鶏にベーアラウフ

2006-06-01 | アウトドーア・環境
熊が出た話。イタリアのチロルで鳥の檻を荒らしたのが、五月四日。そこから北へと移り、ザンクトガーレンキルヒで羊が襲われたの同月十日。翌日にはガルゲレンでやはり一頭が襲われる。十四日には、あのスキーのメッカ、ザンクトアントンに現われて、また一頭。成る程この時期の世界のスキーリゾートは閑散期である。

更に北上して十八日には、フッセンから国境を越えた町ロイッテで発見される。ついに十九日には越境してエッットタールのグラスヴァングで三頭の羊を餌食とする。そこから山沿いにガルミッシュキルヘンの方へと移動。レッヒ渓谷のファルハントに二十一日、二十二日にはオバーグライナウでそれぞれ四頭の獲物をせしめ、鳥の檻を襲う。そこから東へインタールの方へと、一路高速道路を目指し、ローファン山地で発見されたのが先月二十五日である。

一日略30キロメートルの行程である。オーストリアには現在三十頭ほどの野生の熊が確認されているということで、これも初耳であった。既に隅々まで人の手の入っている西欧からは絶滅していると思っていたからである。

しかし今回の不良熊に大変興味がもたれている。、家畜を襲うなどして不良な素行が身に付いたので、野生としての更正は難しいらしい。こうした問題熊は、1972年以降オーストリアでは三頭目であるという。僅か二歳ぐらいのオスとしては珍しい事のようである。専門家の間では、合法的な罠か麻酔銃での生け捕りが試みられている。捕まえた場所によって、そこがオーストリア領地ならばヴィーンのシェーンブルン動物園、ドイツ領ならばミュンヘンへと収監が決るらしい。

時期柄、ベアーラウフと羊の生肉に時々鶏肉で美味そうで結構とは思うが、既に被害届けが出ていて、種の保存のためのつがいを求めた行動と看做されない場合、合法的に射殺される可能性もあるので、WWFの専門家は心配している。



参照:
熊が出没!? [ 生活・暦 ] / 2005-04-01
尻を捲くり立ち留まる [ 歴史・時事 ] / 2005-10-29
衣替えの季節 [ 生活 ] / 2006-04-22
コメント (2)
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