■ 空き地や駐車場にマンションが建ち始めた ■
最近、我が家の近所ではマンションの建設ラッシュです。
長らく、空き地や駐車場になっていた土地にマンションが建ち始めました。
古い民家やアパートが取り壊されて、木造3階建ての住宅が急ピッチで建設されています。
これらの動きは、来年4月の消費税増税前の駆け込み需要を見込んだものでしょう。
■ ほとんど売れていない・・・ ■
先月くらいから、一戸建て住宅が完成し始めました。
毎日、炎天下、不動産会社の若い女性が、受付のテーブルを新築物件の庭先に出していますが、客が来た所を見た事がありません。
今年春に竣工したマンションも、未だに半分以上が空き室のままで、建物に大きな「絶賛販売中」の垂れ幕が掛かっています。
■ 優良物件はそこそこ売れている ■
一方で、私の実家がある津田沼の大型マンション「奏の杜」は、売れ行きが良い様です。
交通の便の良い、JR津田沼駅に徒歩圏であり、近郊で最後の駅近の市街化調整区域の大規模再開発という事もあって、注目度も高い物権です。
一方で、既に未入居の転売物件も発生しており、購入した個人個人では色々な変化がある事を伺わせます。
都内の優良物件も、今年の春くらいまでには、ほとんど売れてしまっており、今は交通の便の悪い物件が売れ残っています。
■ 異次元緩和にも関わらず、景気は減速気味 ■
異次元緩和の発動以来、景気回復かと期待が高まりましたが、株価が腰折れした事もあり、長期金利も落ち着いています。
むしろ、輸出企業の業績改善の原因が為替効果による円ベースの売り上げ高の水増しに過ぎず、輸出量は円安にも関わらず増えていない事が明確になってきました。
さらには、円高の悪影響による輸入価格の上昇が、国内経済のクビを緩やかに締めはじめています。
大手輸出企業の夏のボーナスが改善しているので。小売業は少し息をつける状況ですが、今後景気回復期待が剥げ落ちると、小売業は一気に業績が悪化するはずです。
既に「株で儲けた」人達は、「株で損をした」人達に変わりつつあり、百貨店を始め、高級品の売り上げは激減するでしょう。
■ マンション在庫の一掃セールを狙うべき ■
長期金利に関しては不安定要素も多いので、やはり金利の低い今の内にマンションや住宅を買っておきたいという人も多いかと思います。消費税増税前に買った方が得と考えるのも当然です。
しかし、マンションや住宅の消費税は建物にしか掛かりません。
4000万円のファミリータイプのマンションで、建物部分の価格が2000万円だとすると、消費税率の3%アップによる値上がりは60万円程度です。
一方、現在の供給過剰気味のマンションや一戸建て住宅ならば、きっと在庫が多く残りますから、それらを上手く狙えば、100万、200万の値引き交渉も充分可能です。特に郊外のファミリータイプは現在でも供給過剰で余り気味ですから、消費税引き上げ後には投売り常態になります。
新築後1年経てば中古扱いですから、今年の春頃販売された物件は狙い目です。
■ 無理な返済に気をつけて・・・ ■
いずれにしても一生の買い物である住宅取得。
無理は返済計画にならない様にだけは気をつけたいものです。
20年、30年と払い続ける場合は、固定金利の方が断然安心です。
目先の低金利で、変動を選ばれる場合は、やはり景気の動向には注意する必要があります。特に、景気回復による金利上昇では無く、経済の急激な変動による悪い金利の上昇は、予測が難しいだけに、注意が必要です。
リストラにも注意が必要です。
自分の会社は大丈夫、自分だけは大丈夫・・・そういう過信は禁物です。
失業しても1年くらいの返済が出来る蓄えは手元に残しておきたいものです。
いたし方無く売却する場合でも、夜逃げの様な引越しは避けたいものです。
■ 家を買うと、身軽さが失われる ■
もう一つ、家を買う事による不利益は、身軽さを失う事です。
例えば、転職を考えて、魅力的な職場が見つかっても、家から遠いので諦めるケースも出て来ます。賃貸なら住み替えで対応出来ます。
家の売却も考えられますが、現在は不動産は買った瞬間から値下がりして行きます。供給が過剰気味なので、家を売却しても借金が手元に残るケースが多いはずです。
こういった事を考えると、30代前半の住宅の取得は慎重に越した事はありません。
確かに、賃貸の支払いで家が持てると考えてしまいますが、火災保険や団体信用保険、固定資産税や管理費を含めれば、賃貸の方が安いかも知れません。
最近は定期借家の賃貸も増えていますから、上手く契約すれば10年間更新料無しなどという物件も見つけられます。これ、途中で解約しても、全然問題はありません。ただ、10年後に貸主が出て行けと言った時には契約更新が出来ないだけ。だいたい、契約更新できますが・・・。
不動産業者から背中から刺されそうな内容ですが、デベロッパーさんと話していても、「あまり売れないね」というのが現状です。
住宅なんて、物件を物色している時が一番楽しいのですから、楽しみを長引かせるのも現代風の選択かも知れません。
最近では新築マンションは、物件毎の掲示板というかコミニティー板が立ち上げられている場合が多く、竣工物件では、購入者の生の声を知る事が出来ます。契約前に、一度、マンション名で検索を掛けてみるのも、情報を知る上では有効です。
本日は、何だか不動産販売会社のパンフレットの記事みたいになってしまいました。尤も内容はネガティブですが・・・。