「FRB 利上げ」でググったら自分の記事がトップに来てしまった・・・。
なんだか、本日書こうとした事が既に書いてあって・・・結局<再録>します。
2014.10.16 「人力でGO」
■ 市場は来年の利上げ予測でどうしてこんなに動揺するのか? ■
世界の市場の混乱はしばらく続きそうです。
アメリカの経済指標が好ましく無かったことを受け、ドル安が進行し、ダウ平均も一時400ドル以上値下がりをしました。そこから押し目買いが入ったのか、最終的には173ドル安に留まっています。

ソロスのファンドのプットポジション 8月15日の情報
ジョージ・ソロスのファンドなどが今回の株価下落の仕掛け人と思われますが、彼のファンドは6月時点でプットを6倍に増やしています。8月頃には、ソロスを始めとしたヘッジファンドの動きは報道されていましたから、市場の下落はある程度予測されていた事だと思います。
1) ヘッジファンドを中心にプットが積み上がっているという情報を流布する
2) FRBの利上げ予測をクローズアップした情報を流す
3) そろそろ株価の調整が入ると市場参加者が身構える
4) ヘッジファンドの売り仕掛けで、市場が一気に売りに転じる
今回の米株の下落は、だいたいこんなストーリーで進行していると思われます。
来年の利上げが現状の市場に影響を与えているというよりは、利上げ予測を利用して荒稼ぎしている連中が居ると言った方が正確ではな無いでしょうか。
そうは言うものの、FRBの利上げに市場はどうして神経質になるのでしょう?2007年のサブプライムローン危機のその答えを見る事が出来ます。
■ 金利上昇で破綻したサブプライムローン ■

アメリカのFF金利
1) 2000年のITバブル崩壊、2001年の同時多発テロ、2002年のエンロン事件で
アメリカの景気が大幅に後退
2) FRBが金利を1%台まで下げる
3) 低金利を背景に住宅の需要が活性化する
4) 同時期、住宅担保証券(MBS)を元にした債務担保証券(CDO)が大量に組成される
5) 世界的な金融ブームによりMBSやCDOが不足する
6) 米国の銀行は、MBSを組成する為に支払能力の無いサブプライム層に高利の住宅ローン
を貸し出す。
7) 2004年6月頃よりFRBは金利を緩やかに上昇させ始める
9) サブプライム層の金利借り換えコストが上昇し破綻する人が出始める
10) 手放された住宅が中古市場でダブ付き、住宅価格が頭打ちになる
11) 担保価値が上がらない事で、サブプライム層以外にもローン破綻が広がる
12) サブプライム層のローンが不良債権化し、MBSの信用が毀損し、それがCDOやCDSに波及。
13) 金融商品全体への信用喪失と繋がり、リーマンショックへと進む
サブプライム層の住宅ローンは、数年ごとに金利が上層し、最初の金利が低い事で、むしろ最終的な負債が拡大するという、始めから破綻する様な設計でした。この様なローンを規制すべきとの意見はアメリカでは早い時期から有りました。
しかし、拡大し続ける金融市場はMBSやCDOの元になる住宅ローンを欲していたので、結果的にサブプライム層の住宅ローンは野放しの状態が続きました。
アメリカは2004年から金利が上昇し始めていますが、2006年7月までは日銀が大規模な金融緩和を行っていたので、円キャリートレードを通して潤沢な資金が金融市場に流れ込み、MBSの需要を生み出していたとも言えます。
この様に、サブプライムショックはITバブル崩壊に端を発するFRBの低金利政策と、日銀の大規模な金融緩和政策が生み出した合成の危機であったとも言えます。
大規模な金融緩和は、リスクを過少評価した市場を生み出し、金利上昇局面でその様な市場は必ず破綻をきたします。得に、リーマンショック以降、FRBも日銀もECBの大量の資金を市場に提供し続けていますから、金利上昇の影響はサブプライム危機よりも深刻ではないかと思われます。
ジャンク債市場、新興国市場、株式市場、コモディティー市場など、あらゆる市場でリスクが軽視されてきたので、FRBの利上げによる影響を市場関係者は読み切れないというのが、昨今のパニックの原因でしょう。
■ 危機対応も進んでいるが・・・ ■
実際にはリーマンショックの様に、極端なレバレッジを効かせるヘッジファンドは存在しませんし、銀行も自己資金を厚くして危機の対応力を強化しています。
しかし金利上昇で損失が発生する商品や市場では、下手をすれば暴落が発生する可能性は低くは有りません。
結局、危機対応がどんなに進んでいても、「損失が発生する」という恐怖に人々は容易には勝てません。結果的に売りが売りを呼ぶ形で、大幅な値下がりが発生する事は、今回の下落相場でも証明されています。(暴落とまでは言えませんが)
■ 利上げのストレステスト ■
今回の市場の混乱は、利上げのストレステストの様なものかも知れません。多分、バーナンキショックも同じ様な意味合いを持っていたのでしょう。ヘッジファンドが仕掛けをしている点から、彼らは「一味」と見る事も出来ます。
今回の様なストレステストを実施する事で、実際の利上げ前に、リスクを低減しておき、利上げ時のパニックを抑え込む事が目的なのかも知れません。
そう言った意味においては、今回の市場の混乱は、利上げの準備運動みたいなものかも知れません。
■ FRBはどの様に利上げに踏み切るのか興味深い ■
もし、ヘッジファンドが金融当局と繋がっているのなら、FRBの利上げ時に彼らが仕掛けなければ、市場は平静を保つかも知れません。現にFRBのテーパリングの開始時に大きな混乱は起きていません。
多分、本当の利上げ前に、利上げの影響を過大に宣伝し、利上げに向けて沈静化させて行く作戦かと思われます。利上げの始めの一歩をスムースに踏み出せば、市場の疑心暗鬼は徐々に解消して行きます。FRBの利上げ速度は最初はかなり緩やかなものになり、市場は金利上層のリハビリをして行くのでしょう。
ポジティブに考えるならば、テーパリングと同様にFRBの金利正常化は成功するかも知れません。
・・・ただ、そんなにスンナリ行くはずが無いと、心の片隅で囁く声がします。
<追記>
利上げ予測で昨年末より進んでいた「リスクオフ」は、今年に入ってからは「リスクオン」に転じています。
ダウは史上最高値を更新し、日経平均株価も今世紀最高値を付けています。これをして、「利上げ予測が遠のいた」と見るべきなのか、或いは市場が「利上げを織り込んだ」とみるべきなのかは意見が分かれる所でしょう。
FRBは例によって議長は玉虫色の発言を繰り返しています。「失業率は低下したが、実質所得が伸びていない」・・・これは日本なども同様ですが、労働の質の低下を理由に利上げを先のばせる様にしています。
日本国債市場にヘッジファンドの資金が流入していますが、金利が下がり過ぎた日本国債で利益を上げるには円高ドル安に為替市場が振れる必要があるかと思います。ここだけに注目すれば、利上げが先延ばしになって、ドル安が進行する事態が起きるかも知れません。
FRBが利上げに踏み切るかどうかは、米国債の金利をコントロールできるかどうかという問題が大きく影響します。中国の米国債保有が伸び悩む中、日本が再び中国を抜いて米国債保有世界一の座に帰り咲こうとしています。
ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式公開が今年の秋だとすると、FRBの利上げはその後になるのかも知れません。
強気に上昇しているダウや日経平均ですが、そろそろ調整が入りそうな気配。日経平均は19000円が視野に入って来て、そろそろ皆さん売る準備でしょうか?
外国人投資家としては円高局面で利確して利益を拡大した所でしょう。
全くのシロウトなので・・何とも・・・。
ただ、この政策は「危険な空家を減税対象から外す」事
を目的にしていたと思います。
私などは自転車で郊外や田舎を走り回る事が多いので、
今にも崩れそうな空家を沢山目にします。山間の集落だ
けでなく、外房線の線路脇や、国道脇などにも、屋根を
ブルーシートで覆った半ば廃屋が点在しており、地震な
どで倒壊すれば、人命に関わる事故にもなり兼ねません
。
住宅地の中にも相続税対策の空家が点在していますが、
庭は草が伸び放題となり、ガラスが割られたり、スプレ
ーで落書きされていたりします。
不良達のたまり場になっている所もあるでしょうし、子
供達の秘密基地化している所もあるでしょう。その様な
空家は火事などの原因にもなり易いので、社会問題化し
ています。
私は日本の法律の個人の権利は時として強過ぎると感じ
ています。相続制対策という個人の利益が、地域の安全
と美観の保全に勝るとは考えません。
ですから、危険な空家に対する課税強化は遅きに失した
政策変更だと思っています。
・・・そういった空家を保有されている方にとっては、
解体費も掛かるので結構重大な問題ですが・・・。
国の政策で空き家に対する税金が6倍になるようですが、
専門家としてどのような見解をお持ちでしょうか?
ある意味スクラップアンドビルドの促進と土地利用の効率化に繋がるように思いますが、結構ショックがあるのではないでしょうか?