
■ 菜の花を求めて、娘と南房総へ自転車でGO! ■
この春高校を卒業する娘は進路が決まり、学校も休みの期間に入っているので家でゴロゴロする日々。さすがに体重が気になり出したのか、「お父さん、明日自転車に付き合ってあげてもいいよ。」と言い出した。
小学校の頃は1日100Km位は自転車で追走していた娘ですが、最近は30Kmも乗ると音を上げます。
そこで娘の体と精神を鍛え直すためにスペシャルなルートを設定します。
1) 君津までは電車で輪行
2) 鹿野山ヒルクライム
3) 君鴨トンネルまで登り直し
4) 和田町まで再び山道
5) 鴨川に海沿いを走る
だいたい70kmのコースでしょう。今頃の南房総は菜の花の時期。最後は鴨川の「菜の花ロード2015」で締めたいいと思います。
■ 人生初ヒルクライム ■

「お父さん、鹿野山って何メートル?」
「350mくらい。東京タワーと同じだから、丘だよ、丘」
こうそそのかされて人生初ヒルクライムに挑んだ娘ですが、宝竜口手前の登りで、「もう無理、マジ、キツイ!!」って既に音を上げました。
「ゆっくり登ればそんなに疲れないから、軽いペダルをクルクル回せばいいんだよ」とアドバイスして、娘の先を登ります。「足を付いたら心が折れるから、足を付かない事だけを考えて登ればすぐに頂上だよ」
本日、娘の自転車はフロントショートサスのミニベロ。アルミですが車重は11kg程度。私はMTBのラレー君。フロントシングル、リア8速ですが、ハンデーを付けて軽い方のギア3枚は本日は封印。
いつもは浦安から75Kmを爆走した後に取り付く鹿野山の登りですが、本日は最寄駅まで電車なので、私の足はフレッシュそのもの。13KgのMTBでも20分を切れそうな感じですが、娘のペースに合わせてゆっくりと登ります。娘は7%程度の斜度でも時速10km/hは維持しているので、初めてにしては上出来でしょう。
カーブの度に視界から消える娘の心が折れない様にペダルの回し方のコツなどを教えながら、とうとう最後の斜度10%超えに到達しました。ここからは根性あるのみ!!。「もうダメ」と弱音を吐く娘を叱咤激励しながらようやく鹿野山山頂のバス停に到着。
31分30秒・・・・足付き無し・・・・よくやった娘よ!!
娘も満足感を味わっている様で、「もう、二度とお父さんと自転車で出かけないから!!」と宣言・・・。
■ 鹿野山神野寺は、スポーツと健脚にご利益があるらしい ■

鹿野山山頂に在る「神野寺」。「聖徳太子が開いたと伝わる関東屈指の古刹」とホームペイジには在ります。室町時代の永正年間(1504年~1521年)に真言宗の僧弘範により中興され現在に至ります。本尊は薬師如来と軍荼利明王。成田山や川崎大師と同じ、真言宗知山派に属し、境内は東京ドーム3つ分で、往時は大寺院でした。
いつもは先を急ぐので素通りしますが、本日はゆっくりサイクリングなので、小学校の林間学校以来、境内に立ち入ってみます。
実は「鹿野山神野寺」、全国区で有名なお寺です。「トラ」と言えばお分かりの方もいらっしゃるのでは?
何故か昭和50年代に神野寺では2頭のトラが飼われていました。これが昭和54年8月に2頭とも逃げ出したのでさあ大変。全国のハンター達がトラ狩りに鹿野山に集まりました。1頭は2日後に射殺されましたが、もう一頭は犬などを襲いながら1ヶ月も山中を逃走。周囲は外出禁止になるなど、全国ニュースを連日賑わしました。
そんな喧騒とは今は無縁の神野寺。現在は門前もひっそりとして、訪れる観光客もまばらです。

火災で焼失した後、宝永5年(1708)に再建された本堂は県の重要文化財に指定されています。

本堂の裏には奥の院があります。

巨大な天狗の下駄が奉納されていますが、これに触ると、健脚のご利益があるそうです。これはサイクリストにとっては魅力的なご利益です。お賽銭をして本日の安全を祈願します。
娘は「恋愛成就」にご利益があると書かれていた「愛染明王」を必死に拝んでいました・・・。
■ ひと山も、ふた山も越えたら娘が不機嫌になった・・・・ ■

鹿野山展望台で一休みした後は、秋元口に下って、清和ロマンンの森経由で鴨川を目指します。途中、「夢の丘牧場」でソフトクリームで補給。昨年生まれた子ヤギの「アナ」と「ユキ」も少し大きくなって、人になついてきました。
ここからは、蛇行しまくる小糸川を道が渡る度に上り下りを繰り返します。君鴨トンネルまでは登り基調なので、ジワジワと足にきます。ペースはゆっくりですが、娘は元気に付いてきていうます。
これなら鴨川までもう少し山道を楽しんでも良いかも・・・そう思い、長狭街道を左折せずに直進。ここから南房総市との市境までは登りが続きます。
先程、左折したら鴨川という看板をチラリと見た娘が、コースを怪しみ始めました。さらに、登りが始まったので、急に不機嫌になります。「お父さん、後10Kmで鴨川って言ったじゃん。これ登ってない、何で山道走ってるの?」
「長狭街道は車通りが多いから、こっちを迂回する方がいいんだよ」と言い訳する私達の脇を、結構な数の自動車が抜いて行きます・・・。

坂道は結構急で、自転車を押して歩き出した娘は、峠の頂上で「南房総市」という標識を見てマジ切れ。「これ、鴨川出ちゃうじゃん。マジ、嘘つき!!」
もうその後は真っ赤な顔をして後ろから睨んで来ます。心が折れると足に来るので、自転車のスピードも一気に遅くなります。それでも、山の中からは、山道を走らないと抜けられないのが世の理。
和田町方向に進路を取りますが、登りが続きます。娘は天狗の様な真っ赤な顔で睨んでいます。

小向ダムの勇壮な姿も娘の心を捉える事は有りません。

今が盛りと黄金色に輝く菜の花も、娘の心をハッピーにしません。
そんなこんなで、冷たい視線に刺されながら、和田町で外房の海沿いの道に出ます。
■ スイーツの威力は偉大だ!! ■

やや逆風の外房の海辺を走る鬼の様な形相の娘・・・。コワイ。
そんな娘の心を開かせたのは・・・・

海鮮漬け丼では無く、クリーム餡蜜。これで機嫌がコロっと代わりました。スイーツの力は偉大と言うか・・・これ、単なるハンガーノックですね。

私は捕鯨の町、和田の特産のクジラ丼を堪能します。
■ 菜の花ロードの菜の花は3月15日まで ■

ご飯を食べて元気と機嫌の直った娘を連れて、鴨川まで最後のひと走り。
本日のメインの目的である「菜の花ロード2015」に向います。市役所の先にある水田3haに一面菜の花が植えられいます。
昨年見逃したので、今年は何が何でも見たいと思っていましたが、菜の花は終わりかけていました。見頃は2月中旬なのでしょう。
それでも、周囲の田んぼ一面が菜の花の黄色に染まる様は見事です。
ちょっと肌寒くなって着ました。お土産屋を覗いてから、特急電車で輪行して本日の娘とのプチ自転車旅行は終了。
娘曰く、「もうお父さんとは2度と自転車に乗らないからね!!」
78Kmm8時間の自転車の旅でした・・・。
獲得標高は1126m・・・確かに怒る訳だ・・・。
娘よ、頼むから、また一緒に走ってよ。
でも、就職は、農業系、では、無いのでしょうね。
ありがとうございます。
娘は農業系には進みませんでした。かくなる上は目指せ農
家の嫁!!!