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『鬼滅の刃』より
■ 『鬼滅の刃』は腐女子マンガだよね ■
『鬼滅の刃』を評論して欲しいというコメントや拍手コメント(非表示)を頂いているのですが、「オニメツノハ」だと思い込んでいた私如きが、はたして評論して良いのか・・・。
私、本屋さんに並ぶ原作単行本にも、アニメにも、全く食指が動きませんでした・・・。だって、これ「腐女子マンガ」だよね。原作者は絶対に女性。
原作者の「吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)」の性別は明らかにされてはいませんが、文春が編集者から「女性」だと聞き出した様です。
「弱い主人公が努力と仲間と力を合わせてで強大な敵と戦う」というジャンプ的ビルドゥング・ロマン(自己形成の物語)は、物語の骨格が強いので、様々なアレンジが可能です。典型が『ジョジョの奇妙な冒険』。『鬼滅の刃』も週刊少年ジャンプらしい、王道ビルドゥング・ロマンです。
一方、この作品が『ジャンプ』の作品群の中では特異なのは、「優しさ」や「弱さ」が前面に押し出されている事。主人公の竈門炭治郎(かまど たんじろう)のは決して「俺様最強」って感じのキャラでは有りません。むしろ、弱くて腐女子達の「保護欲」を刺激するタイプ。
これは炭治郎の仲間の我妻善逸(あがつま ぜんいつ)も、嘴平伊之助(はしびら いのすけ)も同様で、3人ソロって頼りない。だけど、腐女子的には「そこがカワイイ」。この3人をどう絡めよううか(腐女子的な妄想)、色々とムフフしちゃう訳です。
善逸は弱気キャラだけど、やれば出来る子だし、伊之助は痩せマッチョの上半身むき出しでイノシシの仮面の下は美形男子・・・・もう、これ、狙ってやってるとしか思えません。
さらに、ヒロインの竈門禰󠄀豆子(かまど ねずこ)が炭治郎の実の妹だから、主人公をヒロインに奪われる事は有りません。腐女子の皆さまは、安心してこの作品を堪能する事が出来ます。そして、主人公に大事に守られているネズコちゃんに自分を投影して主人公の愛を独占する事も可能!!
今の時代、『週刊少年ジャンプ』の読者に占める女性の割合は高い。そして『ジョジョ』や『銀魂』は一定数の腐女子ファンを生み出して来ました。だから『鬼滅の刃』に最初に飛び付いたのは、そんな腐女子の方々だったと私は妄想しています。
■ 「正しさ」や「努力」が評価されない時代だからこそ ■
仮に腐女子の熱烈な支持がヒットの下地を作ったとして(連載中止を阻止出来ます)、国民的作品になる程の魅力が、この物語の何処にあるのでしょう?
実は私はヘソ曲がりなので、この作品が苦手です・・。アニメ版の後半は観るのも辛い。何故ならば、主人公達が「真っすぐ」過ぎて、眩しくて見ていられない・・・。
「能力主義」の現代の時代、マンガやアニメの主人公も「チート・キャラ」が幅を利かせています。「俺 tueee」的キャラに代表される様に、絶対的なスペックが元々高いキャラクターが多い。
生まれながらに金銭的に余裕があって、幼少の頃から塾に通って、市立の小学校から大学まで進んで、そこそこの成績で一流企業に就職。これが現代の「勝組」。多くの若者達は、この様な勝ち組を嫌いながらも、フィクション(夢)の中では、「勝組の立場」に同調してしまいます。そう、夢の中ぐらいは「無双」したいのです。
これに対して『鬼滅』の主人公の炭治郎は、「弱く」「普通」で「貧乏」。ただ、彼はあくまでも「真っすぐ」でネズコちゃんの為なら「努力」を惜しまない。(父との関係から隠れた才能は有りそうですが)。これ、本来、少年漫画の主人公が持っていた「属性」ですが、いつの頃からか「インスタントな高スペック」キャラに主役の座を奪われていた。
『鬼滅』が腐女子のみならず、普通の男子、そして今では多くの国民に支持されるのは、「普通の人の努力がキチンと報われる物語」だから、そして「正しい事を、正しい事だと真っすぐに語る物語」
だからだと私は妄想しています。
本当は評価されたい「普通の人」が、この物語の最大の支持者なのでしょう。
■ 理解出来る敵と、根本的な悪 ■
炭治郎達が倒すのは「鬼」です。元は人ですが「鬼」にされてしまった存在。
非情な鬼も多いのですが、複雑な事情を抱えた鬼も居る。「鬼には鬼の事情」がきちんと有るのです。「敵の事情」をきちんと書き込む事は日本の漫画の基本なので、特筆すべき事では有りませんが、炭治郎はそんな鬼たちに「優しい」。
この「優しさ」も、現代を生きる私達が飢えている感情では無いか。不本意な人生を歩み、日々、誰かや自分を騙す様にして生活のお金を稼ぐ私達は「鬼」に身をやつしているとも言えます。そんな私達が求めているのは「君はそのままで良いんだよ」という「優しさ」では無いか。
一方で本当の敵は読者の対峙する「社会」に相当する。理由など無く、ただ自分や廻りの人々を苦しめる存在。圧倒的な力で、自分の存在を否定するモノ。
少年漫画の構造では「普通」ですが、この作品はキチンとそれを踏襲しています。
■ 「変なキャラクター」 ■
ここまで書いて来て、私には『鬼滅の刃』の魅力の本質がまだ掴めていません。何故なら、同様の傾向の作品は、現代の少年マンガには少なくないからです。では何故『鬼滅の刃』はこれ程までに支持されるのか・・・。
それはキャラクターが「変」だからでは無いか・・・・。
この作品のキャラ、「頭身が変」だよね・・・。頭が大きい。そういえば造形も丸味を帯びています。・・・これ、「縫いぐるみ」的な造形。だから「キャラがカワイイ」。
少年漫画ではこの様なデザインのキャラは受けない。だから、私は本屋で最初に表紙を見た時に「女子作家」だな・・・と確信した。
さらに、「鬼殺隊」の多くの隊員も「変なキャラ」が多い。これ「キャラ立ちが強い」と言うよりも、どこか「ズレている」。
『ONE PIECE』などもオフビート感の有るキャラが多いが、むしろ『銀魂』的な「残念感」の強いキャラに近い。こういうのって腐女子って好きだよね。
『鬼滅の刃』が多くの人に支持されるのは、キャラクターの「残念感」が作り出す「安心感」では無いのか。「圧倒的な力を誇る鬼殺隊の剣士も実は残念なヤツだった」・・・これで読者とキャラの距離は一気に縮まります。
「私〇〇のこういう所好き~」という「残念ポイント」が各キャラにそれぞれ準備されている。この一種に「緩さ」が、『鬼滅の刃』の最大の魅力なのかも知れません。
今回は、私自身は全くハマっていな『鬼滅の刃』の評論に挑戦してみました。「全然違うだろう!!」という御叱りはコメント欄まで!!
女性作家&腐女子を即座に見破るとは流石です。
確かにワンピースは途中に修業はあるものの最初から強いですね。ワンパンマンも主人公が強い際たる例でしょうか。
人力様の意見を伺いたかったのは、映画を拝見して「全く流行る理由が分からなかった」からです。少し敵の心情も加味したハリウッドという印象でした。それもそのはず、これは子供と大人女子のための作品なのですね。だから自分に響くわけないんです。
煉獄さんに致命傷を与えた鬼が日の出を避けるため逃げ出した時の主人公の言葉です。
「逃げるァ!!!いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ!!生身の人間がだ!!傷だって簡単には塞がらない!!失った手足が戻ることもない!!逃げるな馬鹿野郎!!馬鹿野郎!!卑怯者!!
お前なんかより 煉獄さんの方がずっと凄いんだ!!強いんだ!!煉獄さんは負けてい!!誰も死なせなかった!!戦い抜いた!!守り抜いた!!お前の負けだ!!煉獄さんの勝ちだ!!」
この台詞には二つの側面があります。1つはターミノロジーで、回復能力を「チート」と言っていることです。特殊能力戦の中で、回復能力だけチート扱いは他の作品では見られない。
もう1つは内容で「使命の遂行をもって勝ち負けを決めている」事です。「命<使命」。これはオジサン世代には懐かしいのですが「自分が好きで何が悪い?」というのが当たり前な若い世代には新鮮かも知れません。
また話は変わりますが、この作品が売れ始めたのはアニメが出てからです。マンガは子供一人で読みますが、アニメは何とはなしに一緒に母親も見たかも知れない。すると隠れ腐女子志向の母親達に爆発的に支持されるようになり、一気にメジャーになった、というのはあり得るストーリーかも知れません。
(きっとヒロインが妹で、ハーレム展開しないのが最大の欠点と思われます。笑)
おまけにねづ子ちゃん、喋らんし。萌え要素がなくなってしまう(涙)
同じ女性作家・原作のVエヴァガーデンは、涙ポロポロだったんですけど……。
ただこっちも、少佐のキャラ立てが今ひとつピンとこない。
お兄さんのほうはなかなか良かったですが。
あと、その前に「テネット」も見ましたが、やはりわかりませんでした。
DVDが出たら答え合わせしないと。
「テネット」に関してはお客さんも、「主人公の名前すら憶えていない」
と言ってました(笑)
私は原作を読んでいないので、TVアニメ放映後の展開は
知りません。新人作家は『化け」ますから、その後、内
容が大きく深化したかも・・・。
私は狭いオタクの間でDVDの売り上げだけで「今期の覇
権アニメ」が決まる現在の状況に問題を感じていまし
た。ですから『鬼滅の刃』が多くの層に支持されてヒッ
トした事は「素晴らしい事」だと思っています。
「萌えキャラを沢山出してフワフワとした世界を描けば
ある程度ヒットする」という成功の方程式を壊した功績
は大きい。
ただ、女子達にとっては炭治郎達は萌えの対象の様な気
もしますが…特にTVアニメ後半はその傾向が強い。
私の本棚、ほとんど女性作家の漫画ばかりなのですが、
私の好きな女性作家は「鋭敏」なセンスを持っている。
概念的に事象を認識する男性と違い、女性は感覚的に世
界を把握する。マンガというジャンルは、そういう感覚
的な表現にマッチしたジャンルだと私は考えています。
例えば「くらもちふさこ」などは『天然コケッコー』の
ある一話で、セリフの全く無い話を展開しています。こ
ういう実験精神は女性作家の方が強い傾向がある。
セリフの選択のセンスも女性作家の方が抜群に優れてい
ます。『鬼滅の刃』の編集担当は、「吾峠呼世晴(ごと
うげ こよはる)」の独特のセリフのセンスを評価して
いた様です。
実は私はネヅコちゃんは好きなキャラです。凛としてい
て気持ちが良い。
です。
話は川原泉一押しです。 絵は皇なつき! 藤田あつ子
も外せない! メルヘンものなら萩岩睦美! ギャグの
センスはいでまゆみ。
なんで女の人って映画は駄目、舞台も駄目なのに漫画だ
けは優れた作家が多いのか不思議です。 漫画家の脳み
そって特別なんでしょうか?
男性作家はマンガの「アクション」に惹かれる様です
が、女性作家は「絵」に惹かれるの傾向が有る様にも感
じています。美しい人物を描きたい・・・そういう執念
を感じます。
ただ私は線の細さが気になって、少女漫画のど真ん中は
ちょっとキツイ。
最近は田島列島にハマっています。このフワンとした世
界観は男性作家では決して描けない。ストーリーの外の
世界で人と人、人と世界が繋がっている感じは、論理的
に説明しろと言っても不可能。
観ました・・・けど、なんなんすか!コレ? えっ興行成績一位...うっそぉ~。
全編ほぼバトル!。人物の掘り下げがどうとか鬼には鬼の事情もあってとかストーリーが深い(?)とか色々言われてますが、原作もTV版アニメも見てなきゃ人物像も相関関係も世界観・背景もなぁ~んもわからん!!。
拳を合わせたらもうマブダチみたいな、バトりながら何やかやとくっちゃべってジャンプかよ(あっジャンプか^^;)。正直、めっちゃ眠かった。
最後まで気になったのが、”無限列車”という意味。普通の乗客が乗っている普通の路線汽車なのに、なんで”無限”なんて意味深な名前なのか?...。どっかでそれっぽい話が出るかと思ってたのに、けっきょく最後までわからなかった...いったい何が”無限”なの?(そもそも、”鬼”に何度も襲われてるなら運休しろよ)。
鬼滅のラスト間際のシーン。ぜんぜん活躍しない主人公(もう名前さえどうでもいい...)が逃げていく鬼に対し、「自分たちはお前らの領分である夜に戦って”やってる”るんだから、お前らも正々堂々と陽光の元に出てきて(いや、それだけで鬼は死ぬんでしょ?^^;)戦え!」・・・って叫ぶ・・・いやぁ日本人だなぁっと。
あぁ~もう~モヤモヤするけど、ぜったいTV版は見てやらないんだから!。
千と千尋がそりゃ名作かってっとご意見もありましょうが、少なくともコレよかずっと面白かったです!。こんなのに負けたんじゃ、ハヤオッチもマコトッチも噴飯もんでしょうねぇ。
”箱入り妹”は可愛かった^^)。
私、映画は未だ観ていません・・・というか観ないでし
ょう。
映画だけ観ても全然理解出来ない作品だと思いますよ。
やはり原作なり、TVシリーズなりで予習しないと。T
Vシリーズは前半だけ観れば充分でしょう。クモの家族
まで。後半は腐女子がホルホルする為の内容です。
何故、この作品が「国民的アニメ」になってしまったの
か私は全く理解出来ませんが、高齢者なども孫と一緒に
観てハマっている事などから、「分かり易い」のでは無
いか。それと和装だと「オッパイぼよよーんん」と言っ
たアニメ的な表現が抑制されるので、性的な匂いが抑制
されてお子様から高齢者まで安心して観れるのでは無い
か。(実際には性的な指向は男性キャラ側に直感じるの
ですが・・腐女子的な・・)
私はネズコちゃんがカワイイので、この作品をあえて否
定はしません。だって、動くネズコちゃんをもっと観た
いですから。