■ 崩壊が始まった金融システム ■
3月10日、資産規模で全米16位の米シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻しました。12日もニューヨーク州を拠点とするシグニチャーバンクで取り付け騒ぎが起こり、破綻に追い込まれた。
シリコンバレーバンクはベンチャー企業に融資して業績を伸ばしていましたが、ベンチャーキャピタルファンドから流入する資金を、融資だけでは運用し切れずに、資産の6割を国債やMBS(住宅担保証券)などの長期債券で運用していましたが、FRBの利上げによって長期債の価格が下落(金利は上昇)したので、巨額な含み損を抱えてしまった。
米国政府は迅速に「預金は全額保護される」と発表して、預金引き出しによる破綻が連鎖する事を防ごうとしましたが、暗号通貨関連企業との取引が多いニューヨーク州のシグネチャーバンクが2日後に「取りつけ騒ぎ」を起こして破綻しました。
■ 「取り付け騒ぎ = 預金流出」で銀行は破綻する ■
先日の記事のコメント欄で「現代はネットで預金を下せるのだから、取り付け騒ぎは起こらない」とのご意見を頂いましたが、日本よりもネット決済が進んでいるアメリカの銀行でも「取り付け騒ぎ」が実際に発生しました。多分、「取り付け騒ぎ」を上の写真の様な、「銀行窓口に人が殺到する」ことと狭義に捉えられたのかも知れません。実際に中国では銀行破綻の噂が広がると、銀行の前に預金者が長蛇の列を成します。
銀行はどんな場合でも、預金者の引出し要求に応じなければなりません。預金は預金者の債権で銀行にとっては債務なので、預金引き出しに応じない事は「債務不履行」となり「銀行破綻」と同義になります。
今回は市場の悪化を嫌った投資マネーが引き上げられる事での「取り付け騒ぎ=預金流出」となりました。リーマンショック以降の金融緩和バブルで生まれた巨大な過剰流動性は、ファンドなどを通してハイテク企業に流れ込んでいましたが、金利上昇でこの流れが逆転しています。
■ 発動しなかったベイルイン(ペイオフ) ■
米国政府は「シリコンバレー銀行とシグニチャー銀行の全預金を保護する」と発表しました。FRBは2行から債権を簿価で買い取り資金を供給すると発表しています。
銀行の破綻に際して、預金を全額保護するというのは「ルール違反」です。世界の決まりは「ペイオフ」で預金は一定額しか保護されません。これは「預金者は銀行に投資している」という考え方に基づいており「投資家は投資に対して責任を負う」という「ベイルイン」というルールが現在の金融界の基本となっているからです。
今回のシリコンバレー銀行は、預金者の多くはファンドです。ファンドがより高い利回りを求めて、ハイテク企業に融資するこれらの銀行に資金を預けていました。まさに「投資」です。ルールに則れば、米国政府はこれらの銀行の破綻を見守り、ペイオフ分の預金だけが預金保険機構から預金者に戻されるはず。しかし、米国政府もFRBも銀行と預金者を救済しました。
預金者救済が悪い事かと言えば、一概には悪いとは言えません。もし仮に、今回破綻した銀行と預金者を政府が見殺しにしたら、「銀行不安」が起り、大銀行ですら預金流出を起こす可能性が高いからです。米国政府はルールを破っても、預金引きだしの流れを断ち切る必要があった。
■ Too big to fail=大きくて潰せない 銀行に集まる預金 ■
銀行破綻を受けてアメリカでは巨大銀行に預金が流入しています。これは、これらの巨大銀行が破綻すると金融システムに甚大な影響を与える為に、政府がこれらの銀行を必ず救済するという「期待」による行動です。預金者と言うと個人の様に思われますが、投資ファンドや投資家が、リスク性の資産を手仕舞いして現金を取り合えず巨大銀行に預けているというのが実態でしょう。多分、ファンドのポートフォリオの「現金」の項目が増えているハズです。
■ リーマンショックと似た状況 ■
現在の状況はサブプライムショックからリーマンショックの過程に良く似ています。リーマンショックの流れを復習しましょう
1)金利上昇で、サブプライム層がローンの返済が出来なくった。
2)ローンを払えなくなった人達が住宅を売却した
3)中古住宅が供給過剰となり、住宅バブルが崩壊した
4)住宅価格の下落で、住宅の担保価値が下がり、さらにローンを払えない人が増えた
5)アメリカでは住宅ローンはノンリコリースなので、家を売却すればローンの返済義務が無くなる
6)住宅ローンを元にファニーメイやフレディーマックが組成したMBS(不動産担保証券)が暴落した
7)MBSは様々な金融商品に加工されていたので、それらも暴落した
8)債権市場、デリバティブ市場が恐慌状態になった
9)ヘッジファンドなどに多額の融資を行っていたベアスターンズやリーマンブラザーズなど投資銀行が経営破綻した
10)米政府はベア・スタンズは救済したが、リーマンブラザーズを見殺しにした
11)銀行破綻が現実化して、多くの銀行が解約や引出しに対応する為に手持ちのドルをコール市場に流さなくなった
12)コール市場で資金調達出来なくなった多くの銀行が経営破綻した(ゴールドマンサックスを除く全ての投資銀行と商業銀行)
13)アメリカ政府は議会で1票差で銀行救済を決めた。(TARP=資金注入)
14)投資銀行は救済対象外だったので、GS以外の全ての投資銀行を商業銀行に合併させてまとめて救済した
15)FRBは紙屑になったMBSやその他の債権を買い入れ、銀行に大量の資金を供給した
今回は住宅バブルでは無く「ハイテクバブルの崩壊」が原因となっている様に見えますが、根本的な原因は金利上昇による保有債権の含み損の拡大です。バブルは一番膨らんでいる所から弾けて、その他の場所に崩壊は一気に進んで行きます。
■ リーマンブラザーズが生贄になった ■
リーマンショックの何を教訓にすべきか・・・?それは「ベア・スタンズを救済して、リーマンブラザーズを見殺しにした」点です。
1)ベアー・スタンズは当時アメリカ第五位の投資銀行
2)経営破綻したベアー・スタンズを政府が救済した事で、市場に若干の安堵感が漂った
3)一方で、アメリカ人の多くが、「強欲な銀行を救済する事は無い」とも考えていた。
4)ベアー・スタンズの他の投資銀行もほぼ同じ経営状態に陥っていました
5)債券市場やデリバティブ市場の下落は続いていたので、何れ全ての投資銀行や商業銀行が経営破綻する可能性が十分なあった
6)世論が「銀行救済」に同意する為には危機の演出が必要だった
7)リーマンブラザーズを破綻させる事で、「金融崩壊」の危機感を国民に共有させた
今回のシリコンバレーバンクやシグニチャーバンクはベアー・スタンズの役割を担っているのでしょう。しかし、このままズルズルと潰れそうになった銀行を救済し続けても、預金者の不安は収まりません。銀行が大量の含み損を抱えている事も、調達金利が上昇している事も解決しないからです。何れは破綻の連鎖にストップが掛からなくなります。
今、市場では「今回のリーマンはどこか?」と戦々恐々となっているでしょう。クレディ―スイスの名前がチラホラ出ています。破綻説の常連のドイチェバンクも気になります。多くの銀行が大量の債券や、それを元にしたデリバティブ商品を保有していますが、金利上昇によって評価損は膨らみ続けているでしょう。
シリコンバレーバンクの破綻は、ハイテク企業の預金引き出しなどが原因になっています。ハイテクバブルが崩れた事で資金繰りが厳しくなった企業や、解雇社員の退職金を預金引き出しで行う企業が増えた事で「預金流出」が発生しました。シリコンバレーバンクはコレに対応する為に手元債権を売却しましたが、コレで含み損が損失として確定して債務超過に陥った。増資で解消しようと試みますが株価が急落。ヤバいと思った投資家やファンドが更なる預金解約を行なった事で、破綻が確定しました
現在、多くの銀行が巨大な含み損を抱えていますが、含み損を抱えた債券やその他の資産を売却しない限り損失は確定しません。要はどこも似たり寄ったりで、危機が本格的に意識されて預金者が資金を安全と思われる巨大銀行に移し始めると、ジワジワと損失が実際の数字となって現れて来ます。
■ ソフトバンクは破綻するだろう ■
あまり海外の話ばかりをしても実感が持てないと思いますので、国内でどこが危ないか・・。まあ、ハイテクバブルに全振りしていたソフトバンクなんて最有力でしょう。
携帯事業で赤字を垂れ流す楽天もかなりレッドゾーンに近いかも知れません。先日の巨額横領事件で、財務のルーズさも露呈しています。
■ リシコンバレー銀行は、ゆうちょ銀行の姿に重なる ■
シリコンバレー銀行は、預金の運用に困って資産の6割を長期債中心で運用していました。日本にも似た金融機関があります。ゆうちょ銀行です。ゆうちょ銀行は融資という普通の銀行業務が禁じられています。以前は財政投融資で国に投資して金利を稼いでいました。その後は、国債中心の運用でした。
しかし、国債金利がゼロになってしまったので、現在のゆうちょ銀行は、長期債を中心いリスク運用の比率を高めています。巨大ファンドだと考えた方が適切です。当然、金利上昇で巨大な含み損が発生しているはずですが、ドル高でそれが見えなくなっています。為替差益で損失が消えた状態。
しかし、危機が本格化すると、円安は円高に反転します。これは円が調達通貨になっていた為で、信用収縮の過程で借りていた円を返す為にドル売り円買いが必ず起こる。勢いが着いた為替市場はオーバーアクションするので、1ドル80円などという水準も充分に起こりうる。ドルの信用が揺らいでいれば、さらに円高になる可能性も有ります。
これで、日本の海外投資は巨大な為替差損を発生させます。米国債投資ですら安全ではありません。実際にバーナンキショックの際に日本の金融機関は慌てて米国債投資を縮小しました。
■ これからの時代は現物が強い ■
現在はインフレによおてお金の価値が失われています。今後は信用不安によって悪性のインフレが加速する可能性もあります。お金の価値がどんどん下がる。
この様な時代の資産保全はどうすべきか・・。或いは、将来的な失業危機に備えるにはどうすべきか。私は住宅ローンを払ってしまえる人は、今の内に繰り上げ返済する事をお勧めします。特に変動金利の方にはお勧めします。不動産はインフレに強い資産です。一時的な価格の下落があったとしても、時間が経てばインフレ率に応じて値上がりします。一方、現金や預金はインフレ率に応じて価値を失います。
尤も、日本においても住宅市場は既にバブルですから、今、新たに不動産を購入する事は有りません。バブルが弾けて安くなったら買えば良い。その為にも、流動性の低い資産は手仕舞いして、とりあえず現金(預金)で下落を待てば良いかと。
株もインフレに強い資産ですが、企業が倒産しては紙切れです。株価もバブルが崩壊すれば、半分程に下がる可能性があるいので、これも今買う事はありません。
■ 一番怖い失業 ■
私達現役世代に一番怖いのは失業です。リーマンショックの時は、日本の銀行は経営が健全でしたが、今は相当なリスクを取っています。当然、金融機関では大リストラが行われるでしょうし、銀行の貸し渋りによって、経営破綻する企業も出て来るでしょう。
私などもリーマンショックで国内の全ての仕事が一瞬で蒸発しました。東南アジアと中国がすぐに成長フェーズに入ったので、そちらの仕事を手伝って凌いだ経験がありますが、今回は世界同時不況が長引くので、それも期待できません。
「もし失業したらどうするか」・・・このシミュレーションを多くの人がする必要があるかと私は考えています。少なくとも借金は圧縮しておくべきかと・・・。高値掴みしたタワーマンションのローンが返済できずに売却しようとしても暴落していて借金だけが残る。バブル崩壊アルアルです。
2023年3月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34960
インフレ危機が世界経済を襲っている。アメリカでは銀行危機にもかかわらず利上げが続行され、深刻な景気後退が懸念されている。
世界最大のヘッジファンド、銀行危機の株価暴落と金融緩和への発展を予想
だが逆にインフレにもかかわらず利上げを渋る経済圏にはもっと酷い地獄が待っている。例えばヨーロッパ経済である。
欧米の物価高騰
未曾有の物価高騰を受けてアメリカは利上げを断行した。アメリカの政策金利は4.75%まで上がっている。
3月FOMC会合結果、パウエル議長に2018年世界同時株安の影が見え始める
だがそのお陰もあり、9%台だったアメリカのインフレ率は現在6.0%まで下がっている。
2月の米インフレ率はサービスの加速示す、利上げで抑えればハードランディングへ
一方、ヨーロッパではインフレ率はアメリカより高く、8.5%まで上がっている。
それでも原油価格が下がっているため、ユーロ圏のインフレ率もピーク時の10.6%からは下がってはいる。原油価格のチャートは次のように推移している。
だが今後のインフレ見通しに関しては、アメリカとヨーロッパでまったく異なると言って良いだろう。
欧米の利上げ速度の差
その理由は中央銀行の態度の違いである。
アメリカでは比較的急速に利上げを行なった一方、ヨーロッパではECB(欧州中央銀行)が利上げを渋っている。ECBは8.5%のインフレ率に対して3.5%までしか政策金利を上げていない。アメリカよりインフレが酷いにもかかわらず、アメリカより金利が低いのである。
その結果は食品とエネルギーを除くコアインフレ率に現れている。アメリカのコアインフレ率は、前月比年率で見れば以下のように多少なりとも5%程度に向けて収束の兆しを見せている。
だがユーロ圏のコアインフレ率は前月比年率で次のようになっている。
2023年2月: 5.6%
2023年1月: 5.3%
2022年12月: 5.2%
2022年11月: 5.0%
2022年10月: 5.0%
2022年9月: 4.8%
2022年8月: 4.3%
2022年7月: 4.0%
2022年6月: 3.7%
着実に上がっている。
これは海外情勢に大きく影響されるエネルギーや食品の価格を除いたインフレ率なので、完全にユーロ圏内部の問題である。
ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
何故利上げ出来ないのか?
ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は利上げに対する否定的な姿勢からマダム・インフレーションと揶揄されているが、彼女はまさにその名前にふさわしい行動を取っている。
3.5%の政策金利では8.5%のインフレは絶対に抑えられない。このままではユーロ圏の物価は雪だるま式に上がってゆくだろう。
何故ECBが利上げ出来ないかと言えば、ユーロ圏が2010年のユーロ圏債務危機の頃からの問題を抱えたままだからである。
その問題とは、文化や経済がまったく違う多くの国がユーロという同じ通貨を使っているという問題である。
共通通貨の世界では加盟国すべてが同じ為替レートで貿易を行うことになる。ユーロの為替レートは経済大国ドイツから小国ギリシャまでの国々がそれぞれ本来持っていた為替レートの平均のようなものになると解釈できる。
したがってユーロの為替レートはギリシャにとっては高過ぎるが、ドイツにとっては低過ぎるため、ギリシャは多額の貿易赤字に苦しむ一方、ドイツには巨額の貿易黒字が舞い込んだ。当時の記事で説明している。
ユーロ圏がドイツの植民地だと一目で分かる各加盟国の貿易収支比較 (2017/1/29)
それがギリシャなどの南欧諸国の財政を悪化させ、2010年のユーロ圏債務危機を引き起こした。
ユーロの欠陥と物価高騰
そしてその構造は今も何ら変わっていない。明らかな欠陥があるにもかかわらず、共通通貨ユーロは何も改善されて来なかった。
何故彼らがそこまでヨーロッパ統一にこだわるかと言えば、ヨーロッパ人の言い分では「国々が分裂していると戦争が起きるから」らしい。
だが長年小国が集まっている世界の他の地域はヨーロッパ人たちほど絶え間なく戦争をしていたわけではないという事実を彼らは見逃している。戦争は単にヨーロッパ人の趣味であり、彼ら特有の問題である。
そしてその共通通貨の問題がユーロ圏を再び襲っている。ユーロ加盟国のインフレ率の一覧を見てもらいたい。
エストニア: 17.6%
クロアチア: 11.9%
オーストリア: 10.9%
アイスランド: 10.2%
イタリア: 9.1%
ドイツ: 8.7%
ユーロ圏: 8.5%
ポルトガル: 8.2%
オランダ: 8.0%
フランス: 6.4%
ギリシャ: 6.1%
スペイン: 6.0%
ルクセンブルク: 4.3%
すべての加盟国を抜き出したわけではないが、このようにユーロ圏内でインフレ率が完全にまばらとなっている。
だからルクセンブルクに適切なように金利を低く設定するとエストニアはハイパーインフレになり、エストニアに適切な高い金利水準にするとルクセンブルクは大不況になる。
ユーロ債務危機とまったく同じ問題が今回のインフレ危機にも生じている。
ヨーロッパ経済は崩壊へ
この問題については以前も言及したが、最新のデータを共有しておく。何より重要なのは、低い政策金利のためにコアインフレ率が何のためらいもなく上がり続けているということである。
ECBは完全に詰んでいる。その度合いはアメリカの比ではない。ユーロ圏においては適切な政策金利の水準というものがそもそも存在しない。どの金利水準にしても一定数の国にとっては酷い金融政策となる。
このユーロ圏の政策金利の問題は何処へ行くのか。筆者の予想では、ECBはユーロ圏全体のインフレ率に近づく水準には金利を上げられないだろう。つまり、ユーロ圏全体を見た場合に必要な政策金利よりも低い水準に政策金利を保ち続ける。
金利を高くすると、不況になった加盟国が怨嗟の声を上げ始める。そしてヨーロッパ人にとってはそれは許容できない。何故ならば、彼らの言い分では、ヨーロッパ人はユーロ圏が崩壊すると互いに戦争を始めるからである。
結論
ヨーロッパ人とは大変面白い人々ではないか。ちなみにそういう馬鹿げた騒ぎにユーロ圏の真ん中に居ながら参加していない国がある。スイスである。
スイスのインフレ率は-0.5%と何とデフレである。コアインフレ率は上がってはいるものの2.4%と他国と比べればかなり低い水準に抑えられている。
借金と紙幣印刷で無節操に支出をする風潮を嘆いたレイ・ダリオ氏が聞いていたではないか。
世界最大のヘッジファンド、インフレから身を守るために何に投資すべきか語る
収入以上に支出しておらず、負債以上の資産を持っており、国民間の対立が少ない国は何処か?
スイスは相対的にそこに近い国である。だからユーロ圏はこれから不可避のインフレ加速で死んでいく一方で、スイス経済はヨーロッパにおける相対的な優位を保ち続けるだろう。
その長期トレンドを如実に体現しているチャートが、ユーロスイスフランのチャートである。下方向がユーロ安スイスフラン高となっている。
ヨーロッパ人がこれからも愚かであり続ける限り、このチャートは長期的に下がり続けるだろう。その理由については以下の記事を読んでもらいたい。
移民危機からウクライナまで: 西洋文明は自殺しようとしている
いちおう予想としては、2025年にはインフレ率は4.8%迄下がるのでは?と見込みを書いているところ多いです。えっ~まだ二年近くもあるんだけど(笑)インフレが4%迄下がると金利も少しは下がるか?
金利が高いと住宅ローンも厳しいですよね。
違う話だけどダルビッシュのSan Diegoの豪邸は5億円で買ったそうですけど・・・日本で買うとしたらならもっと高いわ。中古住宅か?写真で見た限りは素晴らしい家。彼が契約を5年伸ばした理由が解るような(笑)
世界中大変な思いをして居るけど、WBCのあの場所はなんか違う世界だったわ。
日本のバブル崩壊、彼らはファンドの資金で株と日本国債を購入して、先ずは日本国債を売り浴びせた。国債金利の上昇に株価が反応して下落する局面で株を売り浴びせた。相当念入りに計画された事が分かります。
リーマンショック後、一時期、債券と株は相補的な動きをしていましが、その関係はしばらく前から崩れています。債権価格の下落で生じた損失を、株の売却で埋めたり、その逆だったりするのでしょう。要は、利益を生み出す市場が存在しない。これはバブル末期の特徴的な症状。信用収縮はこれから本格化して、どこかの時点で大崩壊が起る。
楽天的な投資家は、「銀行救済=金融緩和」と考えている様ですが、インフレにさらなる油を注ぐだけ。債権金利の上昇(価格の下落)速度が上れば、危機は一気に進行するでしょう。
アメリカでは、ファースト・リパブリック銀行が破綻しかけて、米国大手の11の銀行が、ファースト・リパブリック銀行に預金をして救済しています。経営体質の弱い銀行から預金流出が起き、それが大銀行に流れ込んでいる。そこで、大銀行が危ない銀行に預金をして、流入した資金を還元する・・・何だかな・・・。これ、金融システムとしては既に終わっています。
政府も金融当局もメディアも「危機は限定的」と繰り返していますが、これは「銀行が危ない」という噂が「自己実現」してしまう事を恐れているからです。シリコンバレー銀行は一部のファンドが破綻懸念を預金者に吹き込んで、SNSでそれが拡散して預金流出を起こしたと書かれている記事もありますが、これは破綻時期を少し早めただけで、ハイテク企業の業績悪化に伴って預金流出は確実に進んでいました。一方、手持ち債権の含み損は拡大していた。
今回の銀行危機は対岸の火事では無く、シリコンバレー銀行と日本の銀行はポートフォリオが似ていると思います。シリコンバレー銀行は預金を持て余して米国債やMBSを購入していた。米国債はリスク0資産ですし、MBSも住宅バブルが弾ける様な事が起きなければリスクは高くありません。要は低リスクの運用をしていたのに破綻した。預金引き出しが直接的な原因の様に言われていますが、インフレが進めば債権価格が低下するので、遅かれ速かれ破綻していたでしょう。
低リスク運用という意味において、日本の銀行なども似たり寄ったりです。米国債を大量に保有しています。欧米の銀行が値下がりする米国債を売っているのに対して、円安を背景に日本の銀行、生保、年金は大量の米国債を購入して米国債を支えていました。しかし、為替ヘッジコストの上昇で米国債で利益が出し難くなったので、最近は売りに転じています。当然、米国債には金利上昇(価格下落)圧力が掛かり、益々、海外勢も日本勢も米国債を売る・・・。
これに対して政府の後手政策は、次から次へと傷口を広げ、日本の資産とマネーの急速な収縮は、今日に見る不景気と連動し始めることになります。
昇り詰めたものは、いずれ落ちる。これは物事の道理です。この道理に随(したが)い、ソロモン・ブラザーズは、次のプロセスへと準備にかかります。
ソロモン・ブラザーズの真の目的は、ただ単に、日経平均株価を下落させて大儲けすることだけではなかったのです。彼等の真の目的は、日本人の個人金融資産の1300兆円にも上る郵貯(郵便局で取り扱う国営の貯金事業で、元金・利子の支払いは国によって保証される)の食い潰しでした。日本のエコノミスト達は、この事すらも見抜けなかったのです。
ソロモン・ブラザーズが研究の末に計画した事は、こうした下落が生じた時、政治家はもとより、財界人を始めとして、証券会社等が「これを何とかしろ」と、政府に詰め寄り、殺到することを計算に入れていたのでした。これこそ彼等の真の目的であり、ここに「日本発世界大恐慌」を画策した真の狙いが、ここにあったのです。
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その昔、日本は国民総ででバブルに踊った時代がありますたね。
バブルを起こして潰す。奴らの詐欺手口の最たるものですた。
バブルがはじけて今では失われた10年と言われていますが、今だに日本経済はその後遺症を引きずっています。自殺者はバブル崩壊から毎年3万人。今だにその数は変わっていません。
その手口を見れば分かるのですがいつもワンパターンです。
最初は甘い話でカモを釣る。こうやれば儲かりますよ。おいしい話でカモを誘います。
そしてころ合いを見計らって真っ逆さまに突き落とす。詐欺師の典型的なパターンです。
最初に奴らはバカスカ札束を刷って、バブルを引き起こす。銀行は貸して貸して貸しまくる。株に投資すれば儲かるよ。土地を買えば儲かるよ。そしてカモが罠にかかったころ合いで急に蛇口を閉める。貸し渋りをやるわけです。
これをやられたら投資家はいきなり資金難に陥ります。そして、資金難に陥ったカモ達から担保として株、土地、あらゆる資産を奪い取るのです。昔からやっていることは同じです。
いい加減気付いたらどうかと思うのですが、今だに引っ掛かっている人がいます。
その当時の日銀総裁であった澄田智(すみださとし)と言う方をご存じでしょうか。日銀退官後は日本ユニセフ協会の会長などをやっていた方です。
澄田さんがバブル潰しの張本人と言われています。
プラザ合意以降、5%だった金利を2.5%に下げ、銀行は貸して貸して貸しまくった。その当時は、黙ってても銀行が頭を下げて貸しに来たという話は誰でも覚えているはずです。そういうジャブジャブ溢れた資金が株や不動産に流れ込んだ。借金しても金利は安いし土地や株を買えば値上がりするしで猛烈なバブルが起きたのですた。
そしてバブルが膨らみきったころ合いを図って、澄田さんはいきなり公定歩合を8%、長期金利は 10%まで引き揚げた。蛇口を閉めたのですた。借金すると金利が高い。値下がりリスクのある株や不動産よりも安全な銀行預金の方が良いということで投資家は一斉に株と不動産から資金を引き上げた。土地や株は一気に値下がり=バブル崩壊と言われています。
バカスカ金を貸し出して狂乱状態を作ってからブルを破裂させる。
その後には膨大な焼け野原、不良債権の山だけが残る。
それを二束三文で奴らが買い叩く。
昔からの手口。ばればれの三文シナリオだったのですた。
さて、それにしても、そのバブル潰しの張本人澄田さんはどのような経歴の持ち主だったのでしょうか。
澄田さんと言えばフランスに留学した留学組で、その後ベルギー大使館、フランス大使館の一等書記官からキャリアをスタートしたエリート官僚ですた。
そしてその後は、順調に大蔵省で出世して日銀総裁になっています。
澄田さんとフランス財界のつながりはお父様の代から囁かれていますた。
澄田智さんは、日銀総裁を辞めた後、ロス茶イルドフランスの旗艦、投資銀行ラザール・不レールに最高顧問として天下りしています。
ちっとはカモフラージュでもして隠せと思うのですが、親子二代に渡って奴らの充実な部下だったという、そのまんまの経歴の持ち主ですた。
http://goldentamatama.blog84.fc2.com/
>リ―マンショックの前夜と言うより、日本のバブル崩壊の方が今回は似ているのでは?
1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。そして、あれから60年後、今度は日本を叩き潰す為に、1990年2月、巨大な経済の逆回転が始まり、平成バブル経済が崩壊しました。
平成バブルが崩壊するバブル・ピーク時、CIA(Central Intelligence Agency/アメリカ大統領直属の中央情報局)は、ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦後の次の敵は、日本だと考え始めていました。
事実、1989年秋から始まった、アメリカ系証券会社の株価動向は不気味な動きをし始めました。バブルと、その崩壊に携わったのは、ユダヤ系の金融機関であるソロモン・ブラザーズ(現在のソロモン・スミスバーニー)という証券会社でした。
ソロモン・ブラザーズは資本主義の歴史に詳しく、また日本の昭和初期の経済にも精通していて、1989年11月、ニューヨークで「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という『プット・ワラント』のデリバティブ商品を機関投資家や大口投資家に大量に売り始めたのでした。それ以来、ソロモン・ブラザーズが中心になって、債券、為替、株価のトリプル安が始まります。これがバブル崩壊の裏側に隠れたメカニズムだったのです。
バブル崩壊のシナリオは、どのようにして仕組まれたのか、その筋書きを追ってみましましょう。
バブル絶頂期は、1989年にそのピークを迎え、株価は天井でした。この時、多くの日本人は、株価の高騰(こうとう)並びに地下の高騰に、湧きに湧き、怕(こわ)いもの知らずで、日本の投機家達は今迄になく傲慢(ごうまん)になっていました。そしてこの頃、事実CIAは、アメリカの敵は日本であると考え始めていました。
CIA経済部門のスペシャリスト達は、アメリカ系証券会社のソロモン・ブラザーズ(現在はソロモン・スミスバーニー)と手を組み、日本経済の崩壊作戦に向けて本格的に動き出しました。これが今日の不況を長引かせる要因を作ったのです。これが日本株式市場に於ける下落のシナリオ「バブル崩壊作戦」でした。
ソロモン・ブラザーズは、1989年当時の沸き立つような好景気も、60年前のアメリカ・ニューヨーク.ウォール街での大恐慌と同一のものであると、そのバブル崩壊を予測したのです。
かつて、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。ソロモン・ブラザーズはこれに因(ちな)み、バブル崩壊を企てる研究に取りかかったのです。
「どうしたら一儲けできるか」からはじまり、「どうしたら日本経済を徹底的に叩く事が出来るか」という結論を導き出し、日本経済崩壊に向けて模索し始めたのです。
60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのですが、今日とは情況が違うことに気付きます。この難題に、しばらく苦慮しますが、ついに糸口を掴んだのです。
その糸口とは、「何が株価を暴落させる要因になるか」と言うものでした。つまり株価が暴落する切っ掛けを作ればよいのです。そして、「下落によって、下がった株で大儲けできる商品を持っていればよい」ということに行き当たったのです。それが「デリバティブ」でした。
デリバティブとは、金融派生商品(通貨・金利・債券・株式・株価指数などの金融商品を対象とした先物取引)のことで、「先物取引」という意味合いを持っています。
次の研究課題は「どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか」という研究に取りかかったのです。
人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。
大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
しかし、それでは巨額な資金が必要であり、当時と違って、それほど経済構造は単純なものではなくなっていました。研究に研究を重ねた結果、巧妙(こうみょう)な手口を考え出します。
それは、「膨らんだ風船を、更に膨らませる手口」だったのです。
風船は、空気を送り込んで膨らませれば、それだけ膨らみますが、その実体は「バブル」です。膨らむものは、いつか破裂して、大爆発を起こす物理的法則に制約されます。経済とて、この法則下に制約されているのです。彼等はこれに気付いたのでした。
彼等はそのシナリオを、綿密なストーリーで組み立てました。徐々に膨らみを見せる風船に、意図的に、頃合いを見計らって、更に膨らませ、次に急激に膨らませるという巧妙なストーリーを演出したのです。風船は、今まで徐々に、周囲の状態に馴染みながら膨らんでいたのですが、これに急激な吹圧を掛け、パンパンの膨張状態を作っておいて、一挙に破裂させるという巧妙な演出を画策したのでした。
彼等は、この原理を東京株式市場に応用して、バブル崩壊を目論んだのです。
そして彼等は「デリバティブ」という、風船を一突きにする「針」を手に入れ、膨張し過ぎて破裂状態になったところで、一突きにする演出を手がけたのでした。
1989年当時、日本人エコノミスト達は「デリバティブ」という「先物」の実体を知りませんでした。経済や金融の専門家でも、この実体が何なのか、未だに分からず仕舞いでした。またこの事が、バブル崩壊の悲劇を大きくし、当時の日本経済界は全く無防備であったと言えます。
ソロモン・ブラザーズは裁定取引を使って、意図的に、無防備な日本経済に先制攻撃を仕掛けたのです。「梃子(てこ)の原理」(レバレッジ)を利用して、なるべく少ない資金で、効果的にバブル崩壊に導く人工爆発の状態を作り上げる研究をしたのです。次に、バブル崩壊に導く為に、彼等は日経平均の株価操作の研究に没頭しました。
彼等は、この二つの研究から面白い現象に気付きます。それは日経平均株価(日本経済新聞社が、東京証券取引所一部上場の代表的な225銘柄について算出し、発表しているダウ式平均株価)が単純平均(相加平均のことで、算術平均ともいわれ、n個の数を加えた和をnで除して得る平均値のこと)で作られた「指数」から出来ている事と、もう一つはこれらの指数の分析から、品薄な銘柄を意図的に買うと、少ない資金で日経平均株価を持ち上げることができるという経済現象に気付いたのです。
こうして研究の成果を、実行に移した時期が1989年の秋から冬に掛けての事でした。日経平均株価は瞬(またた)く間に膨らみ、バブルは天井へと向かっていました。
その頃、日本の話題はベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦構造が終焉(しゅうえん)を迎えれば、世界市場に進出できる等と、日本人経営者の多くが高を括(くく)っていた頃で、日本人の思い上がりの裏側では、こうした巧妙な仕掛けが、水面下で仕掛けられていたのです。
大蔵官僚も、エコノミストも、この仕掛けには全く気付いていなかったのです。
ソロモン・ブラザーズの真の狙い
当時の多くの日本人投資家は、「日経平均株価は10万円に到達する」と信じて疑わない人が多くいました。誰もが強気で、今こそ、この好景気に乗って、買いに転じる時機(とき)だと確信していたのです。その結果、バブルは急速な加速度をつけて、瞬く間に膨らみ始めました。
この時、ソロモン・ブラザーズは信じられない事をニューヨーク・ウォール街で展開していました。
1989年11月、彼等は「東京株式大暴落の図式」に則り、『プット・ワラント』という金融派生商品を売り始めていたのです。
『プット・ワラント』とは、「日経平均株価が大暴落したら大儲け」という新商品であり、この商品をアメリカの大口機関投資家に大量売り込みを図っていたのです。また、これには大口投資家も飛びついたのです。
彼等の新商品に対するキャッチ・フレーズは「年末から年始に掛けて、日本の株式は大暴落するから、60年前の《1929年10月24日の暗黒の木曜日》の時と同じくらいの大儲けが出来ますよ」でした。
1990年1月2日、ニューヨーク・ウォール街では、日本とは逆に、信じられない現象が起こっていました。突然、為替が円安へと向かったのです。この円安はソロモン・ブラザーズが『プット・ワラント』販売に因(ちな)み、債券や為替や株価の「トリプル安」を企てたものでした。
そして1月が過ぎ、2月に入り、その月は既に中旬に入っていました。この頃、日経株価はジリ安でしたが、大暴落の兆しは現われていませんでした。
日本人はまだ、この時にも何も気付いていなかったのです。そして日本経済が、瀕死(ひんし)の重傷に陥っている自覚症状すら、エコノミスト達は感じ取ることが出来なかったのです。
当時の政治背景としては、自民党の政治家は2月中旬の衆議院選挙で大勝したことに祝杯を上げていた頃で、政界も財界も危機管理意識はなく、全く無防備でした。
日本人は、まさに「ライオンに、餌を差し出す為に手を伸す呑気(のんき)な兎」でした。腕ごと食いちぎられるか、体ごと丸呑みされるかの、こうした危険すら感じる事もなく、呑気な行動をとっていたのです。
日本人投資家が、株を買いに奔走している頃、アメリカの金融の裏側ではソロモン・ブラザーズの売り攻勢が激化を極め、これまでジリ安で状態であった株価は、一挙に大暴落へと転じました。バブル崩壊の引き金はこの時に引かれたのです。
ついに1990年2月末には、膨らむだけ膨らんだバブルは、日経平均15,000円台を大幅に割れ込みました。一挙に大暴落が起こったのです。
ソロモン・ブラザーズの秘密兵器はデリバティブでした。
デリバティブは説明の通り、現物と先物との価格差を狙った「サヤ取り」であり、「裁定取引」と「オプション」で、日本の株価は下落したら大儲けという派生商品です。この派生商品を、至る処に仕掛けておいて、株価を自由に操ったのです。バブル崩壊の大暴落は証券会社のみならず、大蔵省までを翻弄(ほんろう)の渦に巻き込んだのです。
この巧妙な仕掛けでソロモン・ブラザーズは、僅か三年の研究とその実行で、一兆円にも昇る莫大な利益を手にしたのです。
そしてこの後、日本では更に悲惨な状態が続くことになります。
日経平均株価の大暴落は、株式市場の株価下落だけに止まらず、不動産の分野にも悪影響が及びます。この悪影響は、政府が不動産融資へのマネー供給を停止するという事から始まり、今まで高騰(こうとう)を見せていた大都市の不動産の資産価値が急速に下落したことでした。
この現象は大都会だけに止まらず、地方にまで波及していきます。不動産の資産価値が下落するとは、それを担保にしていた金融機関の担保価値も大幅に減少したということになります。こうして不良債権の波及が表面化するのです。
これに対して政府の後手政策は、次から次へと傷口を広げ、日本の資産とマネーの急速な収縮は、今日に見る不景気と連動し始めることになります。
昇り詰めたものは、いずれ落ちる。これ...
WBCのお陰で宮崎市も一息ついて、東京ドームは満席(一説には外野でも食事付きで12万円、嘘かほんとかは知りません)、渋谷で騒いでもお店は儲からないけどね。
スポーツ新聞も久し振りに景気よさげ(笑)テレビはTBSがご丁寧に再放送しましたが、私は又夜も見てしまいました(笑)紙面を作るのも番組作るのも楽やな~。
かと思えば岸田さんはウクライナに行っちゃうし、こちらもテレビの番組作り楽やな~。不景気ってロックダウンからもたらされたものも多かったと再認識しました。
リ―マンの時は金融工学成る手法で普通の人が債権を購入していたために、銀行が困ると言うより、私達が困った。今回は銀行がそして投資家と言う方々が困っている、
>2022年12月にニューヨークの大手銀行へ、スタートアップ企業創業者から口座を開設したいという申し込みが増え、彼らは皆SVB銀行からの乗り換えだった
>銀行が事情を利くと創業者らはベンチャーキャピタル(投資ファンド)から「シリコンバレー銀行が経営破綻し預金を引き出せなくなる」という警告を受けていた
誰かが「家事だぞ」と振り向いたら未だ煙がでていなかったけど、取りあえずそこから離れた方が良いか?と判断した。
ので口座からお金を引き出して、他の銀行に変えた・・ドヒャ~ン
クレディ・スイスとシリコンバレーは理由が全く違いますよね。クレディ・スイスはもっと前に何とかしておかなくちゃ行けない銀行でした。
だけど火事を起こそうとしている人にはなんの理由でも良かった。木を揺すって実を落とす下に落ちた実を拾う。意外と今回は揺すった割に広がりは無さそうにわたしには見えるんですけど?
勿論倒産すれば顧客も煽りを受けて困るんですけどね。日本人でも例の大騒ぎして離婚した船越英一郎の元妻もシグネチャーに口座を持っていて(口座開設は5億円以上からだそうです)彼女のお金が保証されるか?魔だ不明だそうです。
だけど私の知ったことでは有りません。
ガンドラック氏、無価値になったクレディスイス債券の保有者におむつ卒業を薦める
2023年3月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34835
DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がPension & Investmentsのインタビューで、シリコンバレー銀行やクレディスイスなどの銀行危機について語っている。
事前に分かったはずのシリコンバレー銀行破綻
まずシリコンバレー銀行についてだが、破綻した経緯を決算書を見ながら解説した記事で、破綻前には次のような状態だったことを説明した。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
この数字を見れば、預金者が預金の1割でも引き出そうとすれば、シリコンバレー銀行はたちまち現金不足に陥るということが分かる。
更に、シリコンバレー銀行破綻のもう1つの原因は保有していた債券がアメリカの金融引き締めで下落したことだが、ガンドラック氏は次のようにコメントしている。
シリコンバレー銀行は米国債やモーゲージ債を買っていた。国債は、テレビを付けて国債金利がどうなっているかを見れば何かを推測する必要もなく価格が分かる。単純なことだ。モーゲージ債も同じだ。価格がどうなっているかを知ることは非常に簡単だ。
だからシリコンバレー銀行のこうしたポートフォリオに何故誰も注意を払っていなかったのかまったく分からない。
これも決算書を読んで多少の計算をすればすぐに分かる話だ。だがシリコンバレー銀行の株式や債券を持っていた人々はそれをやらなかった。シリコンバレー銀行内部の人間さえそれをやらなかった。ガンドラック氏は皮肉まじりに次のようにそれを批判している。
シリコンバレー銀行でリスク管理とやらを担当していた人間は希望的観測と呼ばれるリスク管理の手法を使っていたようだ。
希望的観測によれば預金の取り付け騒ぎは起こらず、下落している債券の価格は希望的観測によればもうすぐ再上昇する。
誰もエクセルを持っていなかったようだ。
愉快な話だが、エクセルを持っている投資家がどれだけいるだろうか。自分の保有している株式や債券について必要な計算をしている投資家がどれだけ居るだろうか。
それをしていない人は、知らずの内にシリコンバレー銀行の株式を抱えているかもしれない。
ガンドラック氏はこう続ける。
それぐらいやるべきだ。金などかからないだろうに。
クレディスイスの破綻と買収
さて、最近危機に陥ったもう1つの銀行がある。スイスの銀行大手のクレディスイスである。
こちらは破綻の前にライバルであるUBSに買収された。スイス当局が関わった上でのディールである。
ガンドラック氏はこちらについては次のようにコメントしている。
クレディスイスは別の銀行危機の前触れではない。クレディスイスは元々まぬけな銀行だった。リーマンショックからほとんど立ち直ったことさえなかった。ドイツ銀行の株価がクレディスイスのように推移すればもっと心配するだろうが。
クレディスイスがこれまでUBSに吸収合併されていなかったことの方がむしろ驚きだ。
クレディスイスは潰れて当然との見方である。筆者も同意する。
クレディスイスの債券無価値化
だがこのクレディスイス救済には特異な点が1つある。こうした救済劇では誰かが損失の責任を負って犠牲とならなければならないが、通常その責任を負うのは株主である。通常は株式が無価値になってから買収が行われる。
しかし今回のクレディスイス救済では債券が無価値になった。クレディスイスに貸していたお金が返ってこなくなったということである。
普通は株価が無価値になるのに、今回は何故債券だったのか? 理由は単純だ。無価値となったクレディスイスの債券には、クレディスイスが危機に陥った時にはスイス当局が減損できるという条項が含まれていたからだ。
それで他の銀行の債券も暴落している。大多数の銀行の債券にはこうした条項はないのだが。
スイス当局としてはこの条項発動はやりたくなかっただろうが、それをやって借金がチャラになったクレディスイスでなければUBSは買収しないと言ったのだろう。
だが条項が存在する以上、その条項は使われる可能性がある。しかし市場には減損できる債券が減損されて怒っている投資家がたくさんいる。ガンドラック氏はそれについて次のように述べている。
Bloombergによれば、減損条項付きのクレディスイスの債券を愚かにも持ち続けていたトレーダーたちが、減損されたと言って怒っているようだ。
マジで? おむつを卒業してから鏡の前に立ってみろよ。罵るべき相手はそこにいるだろう。リスク管理を勉強することだ。
すべての投資家は是非ともエクセルを確保すべきだろう。そうすればおむつを卒業することができる。ポートフォリオを確認してみるべきだ。他人のふり見てわがふり直せである。
日経平均は上昇開始目前か/有川和幸さん【キラメキの発想 3月20日】
https://www.youtube.com/watch?v=7fcPkXgBbB0&list=PLbeeewhOVN3ZOHGCnxY0IlcCNaWFxs2rI&index=2
日本エリオット波動研究所 有川和幸さんの動画 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLbeeewhOVN3ZOHGCnxY0IlcCNaWFxs2rI
日本エリオット波動研究所の相場予測は凄い、 宮田直彦のエリオット波動分析はデタラメ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14081932
2023年3月20日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34804
シリコンバレー銀行の破綻が世界的な銀行危機へと発展しているが、今日は世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏のブログから、株価と金融政策の予想を書いた部分を紹介したい。
世界的な銀行危機に
シリコンバレー銀行とシグニチャー銀行の破綻に続き、アメリカではファーストリパブリック銀行、ヨーロッパではクレディスイスの危機が話題になっている。
一気に金融危機の様相である。何故こうなったのか? 以下の記事でも説明したが、まず第一の理由は、インフレ対策の金融引き締めの目的そのものが世界に存在する預金の量を減らすことにあるからである。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
もう何度も説明したことだが、現在の物価高騰の本当の原因はコロナ後の現金給付であり、ウクライナ情勢ではない。
世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
お金をばら撒いてインフレになったのだから、それを解決するにはばら撒いたお金を金融引き締めで回収するしかない。だがそうすれば経済全体に存在する預金の総量(より正確にはマネーサプライ)が減ってゆく。そして銀行は資金不足に陥る。
債券暴落が銀行株暴落に繋がっている
だが銀行の問題はそれだけではない。彼らは預かった預金で債券などの資産を買っている。そして去年には金融引き締めで債券価格は大きく下がった。
ダリオ氏は次のように説明している。
銀行のような金融の仲介者たちは崩壊しつつある資産バブルに対してもっとも大きく信用買いしているので、現在の状況に特に影響されやすい。
信用買い、つまり人から借りたお金で資産を買っていることが問題となる。そしてそれは銀行のビジネスそのものである。
金融引き締めは資金の借り手に大きな影響を及ぼす。買っている資産が暴落する一方で、借りている借金には大きな金利が付いてしまうからである。こう書けば今銀行が危機に瀕している理由が分かるだろう。
だから筆者もずっと言い続けているように、アメリカの歴史上2番目の規模の銀行破綻となったシリコンバレー銀行の破綻は氷山の一角に過ぎない。ダリオ氏も次のように言っている。
現在はまだ経済縮小トレンドの序盤なので、世界中で信用買いされている資産の量を考えると、シリコンバレー銀行の破綻の後に多くの問題が続く可能性が高い。
まだ序盤なのである。問題は始まったばかりであり、何も終わっていないし、何もほとんど始まってすらいない。にもかかわらず巷では大騒ぎになっている。
暴落相場の始まり
これからどうなるか。財政不安に陥ったシリコンバレー銀行のような企業はどういう行動を強いられるか。彼らは保有資産を売って現金を確保することになる。実際、シリコンバレー銀行はそうしたが、現金は結局足りなかった。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
だがここで考えなければならないのは、こうした瀕死の企業が資産をどんどん売れば、資産価格は更に下落するということである。
この問題がどういう結末を迎えるについて、ダリオ氏はいくつか箇条書きにしている。彼は次のように続ける。
多くの経済主体が資産を非常に低い価格で売ることを強いられ、多くの損失が報告され、資金の貸し出しの更なる縮小に繋がる。
この意味で、この暴落トレンドは「自己強化的」なのである。資産価格が下落するほど銀行や企業が窮地に陥り、銀行や企業が窮地に陥るほど資産は更に売られてゆく。
そして株式投資家に重要なのは次の部分だろうか。
株価の価値低下。例えば株価が将来のキャッシュフローの現在価値を保守的に評価した価格よりもかなり低い値段で売られる。
米国株の動向
現在、米国株は次のように推移している。
筆者の計算では、この株価にはまだ現在の高金利どころかこれまでの低金利による底上げ分が乗ったままである。
リーマンショックから10年以上続いた低金利相場では、株価は「保守的な評価」からかなり底上げされた形で取引されてきた。だがダリオ氏は株価が今度は保守的な評価よりもかなり低い値段で売られると言っている。
他のファンドマネージャーの従来からの見方と同じである。
ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
中央銀行はどう動くか
こうした状況に対してFed(連邦準備制度)はどう動くだろうか。インフレ打倒のためにこれまで続けてきた金融引き締めはどうなるのか?
ダリオ氏は次のように結論している。
問題がシステム全体を脅かし、Fedは緩和、銀行規制当局は資金と信用と保証を余儀なくされる。
これまでは金融緩和よりも金融引き締めが適切のように見えた。だがこれから問題が持ち上がり、Fedと銀行規制当局が救済に動かなければならなくなるまでそれほどかからない可能性がある。
ダリオ氏の結論は緩和である。シリコンバレー銀行の預金者の預金を保護したことが既に緩和になっているというジェフリー・ガンドラック氏の議論もある。
ガンドラック氏、シリコンバレー銀行破綻でインフレ悪化予想
Fedはこの件でGDP1%分の貸付を行なっており、 それだけでも結構な額なのだが、それはまだ局所的な緩和である。
それは利下げと量的緩和という本格的な金融緩和に発展し、例えばジョン・ポールソン氏の言うような金価格高騰へと繋がってゆくのだろうか。
ポールソン氏: ドルからの離脱が今のトレンド、資金逃避で金価格上昇へ
ダリオ氏は次のように纏めている。
経済縮小の今の段階ではFedが緩和するには早いが、システム全体への脅威と救済の副作用のトレードオフが難しくなるにつれて彼らがどうするかを注視しよう。
インフレ退治を断行し、かつ銀行問題を解決するような選択肢は存在しない。
サマーズ氏、シリコンバレー銀行破綻後も利上げ継続を訴える
2023年3月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34785
アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がBloombergのインタビューで、シリコンバレー銀行の破綻とアメリカの金融政策について語っている。
シリコンバレー銀行破綻と利上げ
長らく続く物価高騰を抑制するため、Fed(連邦準備制度)による金融引き締めが続いており、それがシリコンバレー銀行破綻の原因になったことを以下の記事で説明した。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
米国時間22日にはFedは次の利上げに関する決定を下すが、シリコンバレー銀行破綻の後、今後の利上げ動向についての市場の見解は大きく揺れている。
市場は元々前回の倍の利上げ幅となる0.5%利上げの可能性も織り込んでいたのだが、シリコンバレー銀行破綻後にはまずその可能性が消えて利上げなしの可能性まで織り込まれ始めた。
しかしその後ECB(欧州中央銀行)のクリスティーヌ・ラガルド総裁がクレディスイス問題など欧州内の銀行危機にもかかわらず0.5%利上げを決定すると、アメリカでも利上げなしの織り込みが少なくなり、現在では62%の確率で0.25%の利上げ、38%の確率で利上げなしとの織り込みになっている。
サマーズ氏はまずラガルド氏の利上げ断行について次のように述べている。
ラガルド女史は素晴らしかった。
彼女は金融システムに問題がある時にでも必要なインフレ抑制政策を遂行できることを示した。
また、インフレと金融システムの安定という2つの問題に対しては別々の方法で対応でき、インフレの問題を犠牲にしなくて済むということを示した。
そしてサマーズ氏のこの見解は当然ながらアメリカの利上げについても同じである。サマーズ氏は次のように続ける。
多くの意味でこれがFedの手本になることを願う。
次の会合ではFedが0.25%利上げを出来れば良いと思う。
利上げは銀行問題を加速しないのか?
だが考えてほしい。そもそもこの銀行問題を引き起こしたのはインフレ退治のための利上げであり、もっと詳しく言えば以下の記事で説明したようにマネーサプライの減少という金融引き締めの目的自体が銀行の預金を干上がらせている。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
だから利上げをすることはインフレを抑えると同時に銀行危機を悪化させることであり、利下げをすることはインフレを悪化させると同時に銀行問題を和らげることである。
しかしそれでもサマーズ氏は利上げを推奨する。そして利上げをしなければ物価と銀行システム両方にとって悪い結果になると主張する。彼は次のように述べている。
もしFedが怖気づけば、人々も怖気づくことになるだろう。だから利上げをしなければインフレ期待を悪化させ、かつ経済を弱体化させる可能性がある。
だがこの理屈は厳しいだろう。この理屈では経済がどんな悪い状況にあっても「利上げを止めればFedが怖気づいたことになるから利上げを止めるべきではない」ということになる。
インフレか銀行問題か、どちらかは犠牲になる
結局のところ、インフレ退治を断行し、かつ銀行問題を解決するような選択肢は存在しないのだ。
だがサマーズ氏はそれでも利上げすべきだと言う。それはサマーズ氏の過去の発言と一貫している。彼は去年次のように述べていた。
サマーズ氏: 金融危機が起こっても利上げを継続せよ (2022/10/11)
金融市場の安定に関する懸念を口実に、インフレが長期化することを避けるために必要な金融政策を止めるよう主張するのは間違っている。
サマーズ氏は去年から利上げが経済に大きな問題を引き起こす可能性に言及していた。そしてまさにその状況が起こったわけだ。
だが実際に起こってしまった今、銀行危機など無視して利上げすべきだと言うと過激になる。だから言い方を変えているだけだ。サマーズ氏は銀行問題よりインフレ退治を取るべきだと言っているのだ。
何故ならば、インフレを悪化させると後で更に酷い問題になって帰ってくるからだ。1970年代の物価高騰時代には、インフレ退治を10年も後回しにし続けたために最終的には金利を20%まで上げる羽目になった。
ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
インフレは今退治して酷い目に遭うか、後で退治してもっと酷い目に遭うか、どちらかである。
もう何度も言っているが、アメリカ経済は詰んでいる。インフレ政策でインフレになった時点で詰んでいるのである。
ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
銀行を助けて物価高騰かインフレを退治して株価暴落か、どちらかしかないだろう。
2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
リーマンショックの時、爺さんはまだサラリーマンじゃった。日本社会は右肩上がりの時代は終わり、平行から下降へ向かう時代じゃった。米国発の金融危機が、あっと言う間に日本に伝わり大打撃を受けたんじゃ。そのお陰で会社業績が悪化し、早期退職勧告をを受けたんじゃ。爺さんは会社に見切りをつけて退職し、割り増し退職金を手にし米ドル投資を開始したんじゃ。
リーマン前2007年7月 日経平均18,200円ダウ13,900$ 1ドル123円
リーマン時2009年3月 日経平均7,173円 ダウ6626$ 1ドル98円
爺さんは2000年から資産運用を開始して、毎月コツコツ積立投資をしてたんじゃ。リーマンショックは爺さんはとっては千載一遇のチャンスじゃった。
これからは米国の時代が来る、98円の円高、この後75円まで円高が来るんじゃ。ドルを買ってVTIに投資したんじゃ。
2009年末 政府債務残高 983兆 GDP比 198% 日銀当座 162兆
2015年末 政府債務残高 1228兆 GDP比 228% 日銀当座 254兆
2022年末 政府債務残高 1457兆 GDP比 263% 日銀当座 500兆
爺さんは、もう円高は来ないと見ておるんじゃ。「円」の価値は、リーマンショック時2009年から見れば、見るも無惨に劣化しておる。世界はインフレ対応に利上げを行い、溜まった膿を出そうと必死になっておる。我が日本銀行は、ヘッジファンドの餌食で、YCCを必死に護り国債を買入れておる異常な状況じゃ。リーマンショックの再来があれば日本は打つ手が無いんじゃ。金融危機に対応する余力は残されておらんのじゃ。
2023.03.19
SVB破綻で利益を得る人間はツイッターを舞台に危機を煽った
ツイッターで繰り広げられた策謀
2023年3月10日に経営破綻したシリコンバレーバンクは潜在的な資金不足に陥っていたがすぐに経営破綻するほど困窮しておらず、むしろ破綻を煽る人々が扇動したのが分かってきた
シリコンバレー銀行の場合はSVBの破綻を望み煽った連中が居て、ライバル企業が危機を宣伝したのが判明している
2022年12月にニューヨークの大手銀行へ、スタートアップ企業創業者から口座を開設したいという申し込みが増え、彼らは皆SVB銀行からの乗り換えだった
銀行が事情を利くと創業者らはベンチャーキャピタル(投資ファンド)から「シリコンバレー銀行が経営破綻し預金を引き出せなくなる」という警告を受けていた
大手のVCや競合他社はツイッターを舞台にシリコンバレー銀行を潰そうとし、噂を広める事で取り付け騒ぎを起こして実際に経営破綻させた
アップフロント・ベンチャーズのマーク・サスターは次のような言葉で騒動を煽った連中が居たのを非難している
「映画館で火がついていないのに”火事だ”と騒いで自分が真っ先に脱出し、家で祝杯を挙げている」そういう連中が居ると指摘した
やはりVCプライマリーのブラッド・シュルガは「過去48時間にわたってSVBの取り付け騒ぎを起こし金融機関を転覆させた」「この惨事はVCがSNS上でヒステリックに喚いた事で引き起こされた」と発言した
シリコンバレー銀行の破綻を望んだVCの中には破綻すれば利益を得られる手法で投資していた者が居て、最も熱心に破綻するよう仕向けたと想像できる
シリコンバレー銀行は確かに投資環境悪化や米金利上昇で打撃を受けては居たが、経営破綻するほとの緊急事態ではなかった
SVBは山一證券や長銀ではなくゴルフ会員券担保の乱脈融資やバブル投資していた訳では無かった
破綻を望み煽った連中が居た
シリコンバレー銀行は日本の銀行のように単に融資するだけはなく起業家のスポンサーで教師で支援者も兼ねた『親のような存在』と言われていた
例えば個人で起業する時大きな負担になるビジネスやIT系ソフトウェアは1本数万円以上するが、SVBは自社で契約して無償で提供してくれた
創業者はもうWindowsもオフィスもアドビもCADも何もかも無料で使い放題になり、企業が成長すればお金の心配なく活動できた
日本の銀行は審査に数週間かけて結局ノーと言うがSVBは担保なしで即決融資、こうした文化が米巨大IT企業を次々に生み出した
SVBは40年前資金繰りに苦労していた学生起業家の為に教授が創設した銀行で、学生や創業者を「王様のように持てなした」と言われてきた
大手銀行に相手にされないような貧乏学生をSVBは一人前の起業家のように扱い融資や指導し、無料の旅行にも招待して成功するまで導いた
SVBはそうしたスタートアップ企業の新規上場株(IPO)で儲けていたが2017年頃からIPOは下火になり替わりに米国債に投資した
だがインフレ対策でFRBは急激な利上げを行い、利上げすると国債が値下がりするのでSVBは損失を被った
破綻するほどではなかったがSVBの破綻に賭けた連中はツイッターで「明日破綻してお前の預金はなくなるぞ!」と触れ回り回収騒ぎを起こした
そして実際に経営破綻してしまったというのが真相でした
https://www.thutmosev.com/archives/2537169.html
2023年3月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34751#more-34751
引き続きDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCによるインタビューである。今回はFed(連邦準備制度)の金融政策について語っている部分を紹介したい。
中央銀行によるシリコンバレー銀行救済
シリコンバレー銀行の破綻はアメリカの歴史上2番目の規模の銀行破綻となった。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
上記の記事で説明したように、シリコンバレー銀行は端的に言えば預金者に預金を返せなくなったわけだが、バイデン大統領はほとんど躊躇なく預金者を救済すると決定した。
失くなった金はもうないのだが、中央銀行がどうにかするということである。
だがここで矛盾が生じる。これまでに何度も説明した通り、アメリカ経済はウクライナ情勢ではなくコロナ後の現金給付のお陰で物価が高騰している。
世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
だから今度はFedはばら撒かれた紙幣を回収するために去年から金融引き締め政策を行なってきた。それが去年からの株安を引き起こしている。
米国の量的引き締め、今月から2018年世界同時株安の時の2倍の規模に拡大 (2022/9/2)
しかし市場から資金を回収していたはずのFedが、シリコンバレー銀行の破綻でいつの間にか金を出す羽目になっているではないか。ガンドラック氏は次のように言っている。
インフレ政策が戻ってきている。Fedは資金の貸出制度を通じて銀行システムに資金を注入している。去年の8月か9月からのパウエル議長のインフレ打倒の決意はもう何処かへ行ってしまったようだ。
ちなみにFedは1週間で3,000億ドルを貸し出したようだ。その内1,430億ドルはシリコンバレー銀行とその後続いて破綻したシグニチャー銀行に行ったようだが、残りが何処に行ったのかFedは公開していない。だが他にも資金を必要とした銀行があった(しかも破綻した2行が必要とした金額より多い)ことは確からしい。
ちなみにアメリカのGDPは26兆ドルなので、3,000億ドルは1%強にあたる。GDPの1%以上の資金が1週間で注ぎ込まれたわけである。
ガンドラック氏はバイデン政権のこの対応について次のように述べている。
これはインフレ政策だ。そしてそれはもしかすると短期的にリスク資産にプラスかもしれない。リスク資産はインフレ政策と中央銀行のバランスシート拡大が大好きだからだ。後者はもう長い間選択肢になかったものだ。
インフレ政策がもう帰ってきた
バイデン氏が預金者を保護すると躊躇なく言った時、嫌な予感がしたのは筆者だけではないはずだ。
何故ならば、政治家と中央銀行家が本当にインフレ退治をやるのかということがずっと筆者や著名投資家の疑問として残っていたからだ。経済学者ラリー・サマーズ氏や投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏はそれを疑っていた。
ドラッケンミラー氏: 経済が強い時に引き締めを続けるのは簡単だが
サマーズ氏: パウエル議長のインフレ退治が本気かどうか疑う理由
インフレ退治は対価を伴う。1970年代の物価高騰では、当時のボルカー議長がインフレ退治のために高金利を徹底して継続した結果、経済は落ち込み巷には失業者が溢れた。
ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
それこそがインフレを引き起こしてはならない理由である。紙幣ばら撒きで一時的に利益を得たような気分になることに対して後で払う代償が大きすぎる。その代償とは物価高騰と大量失業である。
パウエル議長は言葉の上では「どんな代償を払ってもインフレ退治をやる」と繰り返してきた。だが銀行が1つ潰れただけでFedの行動は既に彼の言葉の反対に行っている。
しかし以下の記事で解説したように、シリコンバレー銀行は氷山の一角に過ぎない。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
これから同じようなことがいくらでも起きるが、パウエル氏はどうするのか。
Fedは緩和に転じるのか
この状況は、あわよくば利上げをしてもソフトランディングになるのではないかと希望的観測をしてきたパウエル議長に打撃となっているはずだ。ガンドラック氏は次のように言う。
この状況はパウエル議長の計画をかなり狂わせている。インフレ打倒は一時停止となっている。
何度も言うように、金融引き締めを舐めてはならない。インフレを退治して経済を殺すか、退治せずに物価が青天井を突き抜けるか、どちらかである。
2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
だからシリコンバレー銀行の破綻くらいで一々救済しなければならないようでは、完全に先が思いやられる。以下の記事で説明した通り、2023年の倒産の連鎖は始まったばかりだからである。
ポールソン氏の2023年株価予想: 倒産が急増し株価は下落する
結論
少し前まで投資家は、経済が弱まってもパウエル氏がインフレ退治をやり切るのか疑問に思っていた。だが今回の件で半ば答えは出たのではないか。ガンドラック氏は次のように言っている。
景気後退に逆らって緩和をしたいが金がない場合、インフレ政策を行うしかない。
何も倒産させないインフレ政策は政治的に一番簡単な解決策だ。
だがリーマンショック以降、経済救済のために必要な金はどんどん増えており、しかも紙幣印刷の副作用は増え続けている。遂にインフレが起こった。次はどうなるのか。
ガンドラック氏は次のように続ける。
これまで景気後退の度にあらゆる救済を行なってきた。2008年には銀行システム全体を救済する必要があった。今回は中央銀行を救済する必要があるかもしれない。
2023年のアメリカ経済は景気後退に陥る。そうして政府と中央銀行はまた金をばら撒くのだろうか。だが金をばら撒いたから今のインフレ危機が起きているのではないのか。
ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
こうして問題は経済危機を経る度に雪だるま式に肥大化し、人々は最初から分かりきっているインフレの地獄に自分から入ってゆく。
よほど居心地が良いのだろう。入りたい人は入って行けば良い。インフレを願う人にはインフレが降ってくるのである。良かったではないか。
ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.youtube.com/watch?v=wWlV4YdZkAg
2023年3月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34713
筆者の他に金利低下を予想し続け、シリコンバレー銀行の破綻に伴う金利急落で利益を得た人物がいる。DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏である。
CNBCのインタビューからシリコンバレー銀行破綻に対する彼の反応を紹介しよう。
シリコンバレー銀行破綻
以下の記事で説明した通りだが、シリコンバレー銀行は顧客であったシリコンバレーのスタートアップたちがFed(連邦準備制度)の金融引き締めで窮地に追い込まれたことによって破綻した。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
それで少し前までソフトランディング期待まで出ていたアメリカ経済に途端に暗雲が立ち込めている。筆者やガンドラック氏は市場がどうなろうが景気後退に賭けてきたが、市場の方は喜んだり悲しんだり忙しそうである。
ガンドラック氏: 景気後退入りは保証されている
2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
誰かが言っていたが、市場で勝つためには誰もが酔っ払っている時にしらふでいることである。
長短金利逆転が示唆する景気後退
さて、では実際アメリカ経済はどうなるのだろうか。シリコンバレー銀行破綻を経て見通しは何か変わっただろうか。
解説記事に書いたように、シリコンバレー銀行の破綻自体は、Fedによる未曾有の金融引き締めで既に経済に起こっていた大規模な損失の一部分に過ぎない。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
だがこのイベントを受けて金融市場では様々な動きがあった。そしてガンドラック氏はその中で長短金利差に注目している。
長短金利差とは、10年物国債の金利から2年物国債の金利を引いたものである。
通常は期間が長いほど金利が高いので長短金利差はプラスだが、2年物国債は今後2年の政策金利を織り込む一方、10年物国債は金利とより長期の経済動向に左右されるので、中央銀行が無理に利上げをしてそれが景気後退をもたらすと市場が予想する場合、2年物国債の金利が上がる一方で10年物国債の金利はそれほど上がらず、長短金利が逆転することがある。
そして長短金利が逆転するとき、つまり市場が利上げのやり過ぎを警告するとき、ここ数十年ではほぼ間違いなくアメリカ経済は景気後退に陥ってきた。
以下は長短金利差のチャートである。グレーの部分が景気後退であり、長短金利差がマイナスになってからグレーの部分が現れていることに注目したい。
2022年には筆者は物価高騰がこの状態を引き起こすことを予想し、長短金利の逆転に賭けるトレードを行なって利益を上げたことは読者も知っての通りである。
長短金利逆転を予測できた理由と今後の不況と株価暴落について (2022/4/4)
シリコンバレー銀行破綻で長短金利差に異変
その長短金利差はその後もマイナス幅の拡大を続けたが、シリコンバレー銀行の破綻を受けてこの動きが少し変わっている。
ガンドラック氏は次のように説明している。
長期国債は今、2年物国債よりも価格上昇が小さい。だからイールドカーブは大きく急勾配になったというか、逆イールドの度合いが大きく減った。これはまさに景気後退の最後の兆しで、景気後退が比較的早く来ることを意味している。
過去何十年にわたるすべての景気後退では、長短金利差の逆転が縮小してから数ヶ月で経済は景気後退に陥っている。
長短金利の逆転は、利上げが行き過ぎているというサインである。だが2年物国債の金利が高い水準にある限り、市場はその高い短期金利が持続可能だと考えているということになる。
それはいずれ景気後退をもたらすが、当面は金利は高くなることを意味している。
だが長短金利差のチャートの最近の部分を見ると次のようになっている。
シリコンバレー銀行の破綻を受けて長短金利逆転が急激に戻している。
長短金利逆転が解消するとき
これは何を意味するのだろうか。長短金利が大きく逆転していたときは、2年物国債の金利は政策金利が当面高く保たれることを意味していた。だがシリコンバレー銀行の破綻で2年物国債の金利が大きく下がり、長短金利の逆転は緩和された。
つまり、長短金利差のチャートは元々「政策金利がこれから高くなり過ぎるので長期的には経済が沈む」ことを予想していたが、今や「政策金利を高く保てないほど景気後退が差し迫っている」ことを予想していることになる。
したがってガンドラック氏はシリコンバレー銀行の破綻によって景気後退がいよいよ近くなったと言いたいのである。彼は次のように述べている。
長短金利逆転がピークに達していた先週には、4ヶ月から6ヶ月以内に景気後退が起こる可能性は低かった。
だが逆転が解消され始めている今、4ヶ月から6ヶ月以内の景気後退が妥当に思えてくる。
インフレ政策の結末もいよいよ大詰めである。少し前までソフトランディング期待が囁かれていたことを考えると急展開ではないか。だが経済危機における相場とはそういうものである。短期的な市場の動きに惑わされないよう頑張ってもらいたい。
ガンドラック氏の景気後退予想: 現金給付のツケを払うことになる
ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
2022年9月20日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/28426
ジョージ・ソロス氏のクォンタムファンドを率いたことで有名なスタンレー・ドラッケンミラー氏が、Palantirによるインタビューでインフレと株価について語っている。
金融緩和のない世界
長らく低金利と紙幣印刷によって押し上げられてきた株式市場が窮地に立たされている。アメリカで行われたコロナ後の莫大な現金給付が遂に2021年からインフレを引き起こし、金融緩和が出来なくなったからである。
マイナード氏: 株価が暴落しても中央銀行はもう助けに来られない
だがこの金融緩和がいつから始まったか、知っている投資家が(もしそれを知らずに投資家と呼べるのであればだが)どれだけ居るだろうか。
ドラッケンミラー氏は次のように述べる。
1982年から始まった金融市場の上げ相場は、特に直近の10年においてブーストされたが、それを生み出したすべての要因は、無くなっただけではなく、逆流している。
2021年まで続いていた金融緩和の時代は、1982年に始まった。それから約40年間、緩和はアメリカの金利を下げ続け、米国株の上げ相場を支えてきた。アメリカの長期金利のチャートは次のようになっている。
リーマンショック以降は政策金利がゼロになってしまったので、紙幣印刷に移行して株価は更に押し上げられた。そしてコロナ後の現金給付がとどめとなり、物価が高騰し始めたのである。
世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか
ドラッケンミラー氏は次のように述べている。
リーマンショック後の低インフレに対応するために行われたゼロ金利と大量の紙幣印刷、つまり量的緩和政策は、ほとんどすべての資産価格をバブルにした。
インフレと金融引き締め
だがインフレが起これば40年間株価を支えてきた金融緩和はもはや出来なくなる。緩和を続ければインフレが更に酷くなるからである。
それどころか、中央銀行は今や利下げと量的緩和の逆をやっている。利上げと量的引き締めである。
米国の量的引き締め、今月から2018年世界同時株安の時の2倍の規模に拡大
中央銀行は緩和を止めただけではない。これまで下げてきた金利を上げ、ばら撒いてきた紙幣を吸収しているのである。
ドラッケンミラー氏は次のように言っている。
今や中央銀行は禁煙した喫煙者のようだ。ポルシェを時速300キロで運転していて、アクセルから足を離すだけではなく急ブレーキを踏んだらどうなるか。
わたしの意見では、1966年から82年のように、最高でも10年間横ばいになる可能性が高い。
「最高でも横ばい」というのは上がる見込みがまったく無いと言いたいのである。彼は今年、株価の下落に賭けて利益を得ている。
ドラッケンミラー氏、株式と債券を大量空売りに成功 株安は続く
1966年から82年の米国株がどうなったかと言えば、次のようになっている。
数字の上では米国株が長らくほぼ横ばいとなった16年間である。その中には株価がほぼ半値落ちとなった1974年の暴落を含んでいる。
横ばいと言うにはジェットコースターな株価の推移だが、実際にはこの期間、米国株は長期で見ても横ばいであったわけではない。
何故ならば、1970年代は物価高騰の時代であり、ドルの実質的価値が暴落した期間だからである。
途中で株価が半分になるような暴落に耐えた結果、最終的には投資した当初と同じ量のドルを何とか確保したとしても、1966年のドルと1982年のドルではまったく価値が違う。紙幣の価値が下がるのがインフレだからである。100ドルで買えたものが100ドルでは買えなくなっている。
では、ドルの価値はこの期間どうなったのか? CPI(消費者物価指数)を使って1966年1月のドルの価値を1とすると、その後のドルの価値は以下のように変化している。
1982年12月までにドルの価値は67%減価している。つまり、株価が横ばいでも実質的にはその価値は1/3になったということである。
現在のインフレは当時よりも酷い
だがアメリカ経済は1970年代の物価高騰からその後復活したではないかという主張もあるかもしれない。しかしドラッケンミラー氏によれば、当時のような幸運はもはやないかもしれない。彼は次のように言う。
当時幸運だったのは、そのような環境でも成功できた会社があったということだ。Apple Computerなども当時創業された。
1970年代のインフレの時代に続く1980年代と言えば、AppleやMicrosoftなどが新商品を出していったIT革命の初期であり、その後もアメリカはIT分野において革新を行ない続けた。
だが今はどうか。Appleを含むスマートフォンメーカーは、毎年バージョン番号だけは変わったが中身は大して変わっていない新商品を出し続けている。
そもそも何故アメリカ経済は紙幣印刷に頼らなければならなくなっているのか。少なくとも当時と同じような産業革命は起こりそうにない。
脱グローバル化による物価上昇
更に、ドラッケンミラー氏は物価を抑えてきたもう1つの要因を語る。
当時はグローバル化の初期段階だった。グローバル化はその後世界を1つにし、生産性を向上させ低インフレをもたらした。
Appleなどが栄えた1980年代は、グローバル化社会の黎明期でもあった。Appleなどは中国や台湾の工場で生産することで安価なスマートフォンを提供している。
経済学者ならば誰もが同意するだろうが、グローバル化は物価を押し下げた。先進国の高給な労働者が作っていた商品は途上国の安価な労働力で作られるようになり、パソコンや自動車など多くの製品の価格が下がった。
それは貿易が自由に出来たからだ。だが今や、ヨーロッパやアメリカや日本は無意味にロシアからの輸入を止めている。
制裁で安くなったロシア産原油、欧米に転売される
ロシア、西側の制裁でルーブルが上がりすぎて困り始める
それはグローバル化がもたらしてきた物価下落の逆回しを意味する。特にロシア産のエネルギー資源や食品に依存していたヨーロッパは日本人には想像できないようなエネルギー・食糧危機に見舞われている。
ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨
EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨
「だがそれはロシアだけではないか」と人は言うかもしれない。だがレイ・ダリオ氏によれば、ウクライナ問題は東西対立の序章に過ぎないようだ。
世界最大のヘッジファンド: ウクライナは世界秩序をめぐる戦争の始まりに過ぎない
彼の見方が正しければ、脱グローバル化によるインフレはこれから加速することになる。そうなれば当然、インフレ率は上昇し、株価を押し下げている金融引き締めも更に強くなってゆく。これは40年前のインフレにはなかったことである。
結論
要するにこういうことである。1970年代と同じ規模の景気後退と株価暴落は不可避であり、他の条件を考慮すれば、恐らくそれよりも酷い状況がこれから長く続く。
資産運用を仕事にしたことさえない金融庁の話はよく聞くにもかかわらず、ドラッケンミラー氏のような資産運用業界で最高の頭脳の話は聞かない人々は、きっと素晴らしいリターンを市場から得るだろう。金融市場とは本当に素晴らしい場所であると筆者は心から考えている。
「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
ドラッケンミラー氏、個人投資家の投資スタイルを酷評
私、マンションの理事長の時にペイオフ対策として修繕積立金を決済性預金に移しました。10年前にも同じ対策をしようとした事が有りますが、この時は理事会を登記して事業者にしなければ不可能なので断念しました。それが、いつの間にか個人の口座も決済性預金にする事が可能になっていた。
これ、銀行は殆どアナウンスしておらず、管理会社も知りませんでした。多分、1000万円単位で口座を分散される事を嫌った銀行が金融庁に掛け合って、決済性口座の基準を緩和したと思われますが、一部の富裕層にこっそりと教えていたペイオフ対策の手法だったのでしょう。
シリコンバレー銀行の状況を見るに、預金保護がされた時点で預金封鎖が行われ、預金流出を防ぐ処置が取られます。多分、決済性預金と言えども、1日、或いは1か月の引出し限度額が設定されると思います。
これはペイオフの範囲内の1000万円も同様で、保護はされるが自由に引き出せる訳では無い。戦後日本の預金封鎖も同様でした。新券切り替えで銀行預金に現金を入れさせた後に引出し制限を掛けた。
自体がどこまで進むかは未知数ですが、新券発行を来年に控え、疑心暗鬼になりますよね。
経済系メディアも、投資関係のYoutuberも、FRBの利上げペースが緩まれば金融危機は起こらない、或いは当分先の話的な結論に落ち着いています。
クレディースイスの報道を受けてBNPパリバやソシエテゼネラルなど欧州の銀行株が10%を超える下落となっていますが、内部事情を知る人達にすれば、経営状況は似たり寄ったりなのかも知れません。先日記事中で書いて直ぐに削除しましたが、BNPパリバなどは、アメリカのリテール部門を売却したり香港のオフィスを移転するなど、必死でリストラを進めているので何か裏がある様に勘ぐってしまいます。
シリコンバレー銀行は、米国債など本来は安全資産とされる債権の下落と、預金流出が組み合わさった、ある意味、見え易い危機でしたが、クレディースイスなどは危機の本質が見え難い。業績が悪いから危ないのでは無いかという感じでしょう。
リーマンショック以降の金利の消えて行く世界で、金利を稼ぐ為には、危険な融資や投資も当然行われていますが、私はむしろ「米国長期債の様な安全資産が安全でない資産に化ける」事が今後の危機の本質になると思います。現在は「含み損」ですが、パニックが起きると湖の水位が低下して、そこかしこからグレーの白鳥が首を出し始める。
「広く浅い危機が広がっている」と以前より書いていますが、リーマンショックの様な高いレバレッジを掛けた信用取引のリスクでは無く、今回は「低金利環境に慣れ過ぎた金融システムが金利上昇で干からびた湖の底に放置される」危機だと思います。
解決は簡単で、各中央銀行が金利を下げるか、或いはジャブジャブ流動性を供給して湖の水位を上げれば良いのですが、同時にインフレ率が上るというジレンマに陥ります。各国国債市場がどう反応するかですが、インフレ率に応じtえ国債金利は上昇するハズ(価格は下落)なので、結局振り出しに戻って灰色の白鳥の首が水面から出てしまう。
2023年3月16日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34648
世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、自身のブログにおいてシリコンバレー銀行の破綻について不吉なことを語っているので紹介したい。
シリコンバレー銀行の破綻
主にアメリカのシリコンバレーで営業していたシリコンバレー銀行が破綻した。アメリカの歴史上第2位の規模の銀行破綻ということで話題になっている。
この銀行が何故、どのように破綻したのかについては、筆者が説明した記事を参照してほしい。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
ダリオ氏は主にこの破綻の意味とその後の経済全体への影響について語っている。
まず、ダリオ氏は筆者と同じくこのイベントを起こって当然のものと見なしているようだ。彼は次のように述べている。
これは通常7年(プラスマイナス3年程度)続く短期の債務サイクルにおける非常に典型的なバブル崩壊時に起こる非常に典型的なイベントだ。
彼の言う7年ほどの短期の債務サイクルとは何か。中央銀行や政府が緩和を行ない、最初にはそれで経済が活性化されたように見えるが、それで調子に乗った政府と有権者はますます緩和に入れ込み、そして経済が過熱し始める。そして政府と中央銀行は過熱を冷却するために引き締めを強いられ、バブルは崩壊する。
それまでに大体7年ほどかかる。2000年のドットコムバブル崩壊のあとに始まった低金利政策は、アメリカの不動産バブルを経て2008年のリーマンショックで崩壊した。その後に始まった量的緩和バブルは2018年の金融引き締めによる世界同時株安で終了した。
世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
そして2020年に始まったコロナ緩和は、緩和の規模がこれまでのものより大きい分、派手に崩壊することになるだろう。
ガンドラック氏の景気後退予想: 現金給付のツケを払うことになる
繰り返されるバブル崩壊
そもそも緩和を止めておけば良いのに、政府と有権者は馬鹿げたバブルの生成と崩壊を繰り返し、その度に不必要に資産を失ってゆく。
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
インフレの人為的な醸成は、インフレを抑える段階において本来必要ではなかったはずのコストを経済にもたらす。以下の記事を熟読してみると良い。
ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
だがバブルは繰り返す。人間の知性は7年では変わらないからである。しかしサイクルは毎回まったく同じわけではない。ダリオ氏は次のように説明している。
毎回のサイクルでバブルになるセクターは異なっている。例えば2008年のリーマンショックではバブルは住宅用不動産に偏っていた。
そして今はキャッシュフローがマイナスになっているようなベンチャー企業や非上場企業、そして商用不動産会社などの、高金利と金融引き締めが受け入れられないような企業だ。しかし自己強化的な債務縮小トレンドは同じである。
以下の記事で説明したように、シリコンバレー銀行の破綻は顧客であるシリコンバレーのスタートアップたちが金融引き締めで金欠になったことが原因である。
シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
シリコンバレーにはユーザはいるが収益は上がっていない自転車操業的な企業が大量にある。中央銀行が経済から資金を吸い上げるとき、そういう企業が真っ先に資金難に陥る。
そしてその窮状はその企業の取引先に波及する。シリコンバレー銀行はそうしたスタートアップが金に困り預金を引き出したことで潰れた。
ダリオ氏は次のように述べている。
この事態へのわたしの理解と、これまでの出来事に基づけば、今回のシリコンバレー銀行の破綻は炭鉱のカナリアであり、この初期のイベントはドミノ倒しになってベンチャー業界とその外にまで波紋を広げるだろう。
波及する金融引き締め
このように金融引き締めは波及してゆく。潰れた企業の取引先がまた潰れる。
そしてそれは何処まで続くのか? ダリオ氏は次のように予想する。
金融引き締めが信用の伸びを抑え、インフレは自己強化的な負債と信用の縮小に移行し、それはドミノ倒しのように伝染していって中央銀行が緩和に転じるまで続く。
それは去年から筆者が予想していたシナリオである。
アメリカは2年以内に利下げする、2年物国債の買い開始 (2022/12/17)
そして今回のシリコンバレー銀行の破綻によって市場はそれを織り込み始めた。
シリコンバレー銀行破綻で年内の利下げを予想し始めた金利先物市場
すべて予想通りである。そしてまだ何も終わっていない。まだ始まってさえいない。
ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
結論
もう何年も言い続けているが、金融引き締めを舐めてはならない。パウエル議長が前回金融引き締めを行なった2018年にも筆者は同じことを言ったのだが、今回も誰も学んでいないようだ。
世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
今回の金融引き締めは2018年の2倍なのである。
米国の量的引き締め、今月から2018年世界同時株安の時の2倍の規模に拡大 (2022/9/2)
そもそも張本人のパウエル議長自身が金融引き締めの威力を再び舐めているのだから、もうどうしようもない。政府や中央銀行は紙幣印刷が経済に何を及ぼすのかも理解していなければ、引き締めを行う時にも結果がどうなるのかを理解していない。
現金給付も金融引き締めも同じである。子供に核兵器のボタンを預けてはならない。政治家に経済を任せているとはそういうことなのだが、いまだに誰も理解しないようだ。
ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
つばめ投資顧問 2023/03/16
https://www.youtube.com/watch?v=Gv5C0_DPyk8
クレディ・スイスの経営危機が囁かれています。その本質はどこにあるのでしょうか?過去のアルケゴス・キャピタルの例も参照しながら、今後の動向について解説します。
https://www.youtube.com/watch?v=xtIKvgK_EBM
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14093815
ついに始まる世界金融恐慌
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009793
アメリカの政策金利はこれから 5%以上に上がって世界恐慌を引き起こす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009793
40年続いた米国株強気相場が崩壊する、米国株は30年上がらない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007513
日経平均1年間のカウントの振り返りとナスダック100とS&P500の進行想定/有川和幸さん 2022/12/19 にライブ配信
https://www.youtube.com/watch?v=MGFhLQnPOf4
日本エリオット波動研究所の相場予測は凄い、 宮田直彦のエリオット波動分析はデタラメ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14081932