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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ファイナルカウントダウン・・・国債バブルはいつ弾けるのか?

2010-08-09 10:59:00 | 時事/金融危機




■ 私達のお金が買い支える日本国債 ■

「日本国債は日本人が所有しているから安全」であると言われます。しかし、私の家にも、皆さんの家にも日本国債などありません。それでは誰が日本国債を所有しているのでしょうか?

上のグラフは日本の金融機関の日本国債保有残高です。(2009年12月)

日銀    50兆円
ゆう貯  170兆円
銀行   124兆円 (三菱・33兆円 /みずほ・27兆円/ 三井住友・16兆円 他)
生保   136兆円
公的年金  79兆円
年金基金  30兆円
海外    35兆円
家計    35兆円

ゆう貯や銀行の原資は我々の預金です。年金や生命保険も我々の積立金です。そうして考えれば、日本国債を買い支えているのが、日本国民のお金である事がよく分かります。

■ 金融機関が日本国債を手放す時 ■

金融機関が日本国債を手放さなければ、日本国債の暴落は起こらないとも言えます。それでは金融機関が日本国債を手放す事態とはどの様な時でしょう。

① 海外発の壊滅的金融危機の余波で日本の金融機関が破綻した時
  アメリカのデフォルトや、ドルの暴落

② 海外勢の日本国債の売り浴びせ
  中国など日本国債の保有額を増やしている勢力による売り浴びせ

③ 国債金利低下による資金流出
  金利が極端の低下して金融機関のポートフォーリオを圧迫する

①に関しては日本一国でどうこう出来る問題ではありません。

②に関しては、最近の中国の兆円規模(一説には5兆円規模)の国債買い付けによって政治的リスクは高まっていますが、中国にとって日本の崩壊は現状何のメリットもありません。ドル崩壊時に日本だけが生き残る事をい防ぐ手段と取るべきでしょうか・・?

③に関しては、「国債バブルが国債離れを促す」という皮肉な関係です。
ドルやユーロを回避する海外のマネーが日本に流入する程、日本の国債金利が低下します。日本の金融機関が日本国債の低金利に何処まで耐えられるかにもよりますが、限界を超えて彼らのポートフォーリオが圧迫される時、やむを得ない形での国内金融機関の国債売りが発生します。その規模によっては国債価格が暴落するかもしれません。

国債価格の暴落は、国債金利を跳ね上げ、日本の財政を一気に圧迫します。国債発行残高がGDPの200%迫るという日本の弱点が一気に噴出す瞬間です。

国債市場の安定化を望む国内金融機関も、事ここに至っては、日本国債を大量に保有する勇気を失います。

■ アメリカ回避が助長する円高 ■

アメリカの財政状態は危機的です。アメリカの1日の財政赤字は40億ドル(3500億円)です。景気の二番底が確実になったアメリカが、現在のように国債を発行し続ける事は不可能です。

既に資金はアメリカから逃避してドル安の勢いが止まりません。ドル/円は84円を軽々と突破して、80円を切る事も視野に入ってきます。米国で運用されていた日本人のお金も80円を切る様な円高では損失が確定しますから、一気に国内の還流してきます。

ドル安のフィードバックが一旦発動すれば、ドルペックを続ける中国もたまらず「円への逃避」の速度を速め、一気に円高が進行します。

日本に流れ込む世界のマネーは、日本国債に流れ込み、国債金利は限りなくゼロに近づいていくでしょう。

■ ドルを支える日本 ■

一方、ドルが減価する過程で、一時的に日本の資金がアメリカに流出する事も予想されます。「強い円による米国資産買占め」に見せかけた日本の資産流出です。

既に長期国債の入札が不調な米国債の金利は、FRBの直接大量買付が行われても上昇し始めるでしょう。

日本国債の低金利から日本国債を運用上切り離さざるを得なくなった日本の金融機関のマネーは、金利を求めて「米国債買い」に動く可能性が大です。

本来日本国債の受け皿であった、ゆう貯資金や年金資金が米国債に流れる瞬間です。
見かけは、アメリカの資産が安く手に入り、さらには円高も是正されるので、日本にとって不利益は無い様に思えまますが、ここに大きな罠が待ち受けています。

■ オバマショックの発動 ■

日本マネーが十分のアメリカに流れた時点で、「オバマショック」が発動されるかも知れません。オバマがアメリカ国債のデフォルトを宣言する瞬間です。

11月の中間選挙で大敗した民主党・オバマ政権は国民の支持を失い、政権運営に困難をきたすでしょう。クリスマスの買いものすら満足に出来ないアメリカ人の不満は、12月中旬頃ピークに達し、オバマ退陣の声が高まります。

万策尽きたオバマが最後に取る手段が、「デフォルト」です。12月末にデフォルト宣言しても、世界の国々は対応出来ません。「ニクソンショック」が8月のバカンスシーズンならば、悪魔の子=バラクの「オバマショック」には、クリスマスが似合っています。
オバマは世界の呪詛の声を一身に浴び、”Yes, I can default ”と言い残して去っていく事でしょう。

■ 「2012年危機説」こそが陰謀? ■

ベンジャミン・フルフォード氏や副島隆彦氏ら、イルミナティーの陰謀説を喧伝する方達は「2012年こそが崩壊の年」とかねてから言っています。

しかし、私は「2012年」を疑っています。2012年の崩壊が来ないのでは無く、2012年よりも先に崩壊が来るのではないかという予感がしてなりません。

これまでの所、世界は「陰謀論者」の予測の通りに動いています。しかしこれは裏返せば、「陰謀論者が陰謀に取り込まれている」証拠でもあります。彼らに情報を流す者が善意の者ならば、問題ありません。

しかし、彼らに情報を流す者、あるいは彼ら自身が「悪意の者」であった場合、「真実の中の重大な嘘」が混じっている可能性は高くなります。信頼を得た後の最大の裏切りり・・・・。

現時点では2012年がやって来ない事よりも、2012年がそれより早く到来する事の方が、人々の被る被害は大きくなります。「まだ大丈夫」と思っていたら全部持って行かれた・・・・。シャレにならない事態です。

私はイルミナティーについて、世間に知らせながらも「身の安全が保障されている」ベンジャミン氏や副島氏は、イルミナティーにとって都合の良い存在なのだと思います。

■ とりあえず現金化が一番 ■

危機が発動すれば、その進行は誰にも止められないでしょう。年末年始では預金を下ろす事も出来ぬまま、預金封鎖の憂き目にあうかもしれません。

どうせ金利など付かない普通預金は現金化してタンスの置くにしまっておくのが一番安全です。

定期預金や、個人年金など5年10年後に銀行や生命保険が生き残っている保障がどれだけあるでしょうか?

月々一定額が振り込まれる事で人気急上昇の、確定拠出型の投資信託なぞ、外債運用でドル建てですから、あっという間に紙切れ同然です。こんな者は、円が85円に踏み止まっているうちに、とっとと解約して現金をタンスに仕舞いましょう。

■ 暴落する株・土地・不動産 ■

世界経済がメルトダウンすれば、株価も土地も不動産も暴落します。この時こそタンス預金が威力を発揮する時です。

預金封鎖で現金を皆持たない時に、有望企業(ロスチャ系)や安くなった不動産を購入しましょう。10年後には高インフレの影響も伴って、大化けするかもしれません。

戦後のドサクサで財を成した人達は、きっとこんな風に立ち回ったのかもしれません。
世の中、結局お金です。ペーパーマネーと言えども、最後の一花は咲かせてくれるかも知れません。


本日はちょっと過激に暴走する人力でした。

「最終兵器=GOLD」ではあるけれど

2010-08-02 13:10:00 | 時事/金融危機



■ 金価格が下がっている ■

上のグラフは田中貴金属のページから拝借した、ここ1ヶ月の日本国内の金価格です。7月以降、金価格は確実に下がっています。

資産保全の為に金に投資されている方は、WHY?と首をひねっている事でしょう。国内の金価格の下落の理由は二つあります。

一つは為替です。最近の円高傾向で、金価格は相対的に下落します。



上のグラフは1978年以降の国内外の金価格の比較です。プラザ合意のあった1985年以前は、海外と国内の金価格は連動して変動していますが、プラザ合意で円高傾向が高まった後は、国内の金価格は抑制されています。

これは言うなれば、ドルの減価が著しいのに対して、円は比較的、金に対して価値を保っている事の表れです。ですからリーマンショック以降、世界の資産家達が金を買い集めているのに対して、日本の投資家は金に食指が動きません。

■ 金は非兌換通貨の敵 ■

金とドルの関係を眺めていると、面白い事が分かってきます。

1980年にソ連のアフガン侵攻やイランイラク戦争が勃発して金価格が急騰し、700ドルに迫りますが、その後金価格は伸び悩みます。

その後、湾岸戦争など有事が発生しますが、1980年の様な高騰は発生していません。一見、世界経済が安定して「金の需要が減った」様に見える現象です。

実際にはこの間、FRBをはじめ世界の中央銀行は手持ちの金を売却して、金価格の上昇を抑えていたと言われています。さらに、手持ちの金を低金利で銀行に貸し出し、銀行に「金売り」で利益を上げさせる一報で、金価格を抑制したとも言われています。

金と非兌換通貨は敵対する関係にあります。金価格の上昇は、ドルを始めとするペーパーマネーの信用が低下した事と同義です。ですから各国中央銀行は金価格を不当に低く抑制していたというのです。


■ 売る為の金が不足した・・・ ■

「金売り」によって各国中央銀行の金は減少していき、金が不不足し始めた時、「金ETF」の制度がスタートします。

「現物金」では無く「ペーパー金」の売買を始めたのです。「ペーパー」ですから、いくらでも刷る事が出来ます。一説には現物の100倍の「ペーパー金」が市場に出回っていると言われています。

JPモルガンを始め、金融機関は金の先物市場で大量の「ペーパー金」を空売りして、金価格を不当に抑制すると同時に、利益を上げています。

この辺の事情は、田中宇氏のブログに詳しく記載されています。

■ 金価格が不自然に下落する時が問題 ■

7月以降、金価格が不自然に下落しています。大量の金の先物売りが発生しているのです。世界経済の現状を鑑みれば、金価格は1500ドル/1トロイオンスを超えていても不思議ではありません。しかし、実際には金価格が下落しています。

これは、「金が高騰しては困る」事情があるからです。

国債金融資本家達が必死に守っているのは「ドル」です。ギリシア危機を煽って、ユーロから資金回避を起こさせ、金を空売りしてドルを防衛しています。これは、まだ暫くはドルに延命してもらわなければ困るというシグナルでしょう。

■ 金の行き先 ■

「ペーパー金」の空売りで値段が上がらない金は、「不当な安値」で買われて行きます。個人投資家も勿論いるでしょううが、中国やロシアも金を買い込んでいます。そして当然、国債金融資本家達は、一方で「ペーパー金」を売り浴びせながら、もう一方では「現物金」を溜め込んでいる事でしょう。

一説にはイルミナティーはスイスに金を集めているそうです。

■ 金こそが永遠の価値 ■

インチキ金融商品で荒稼ぎしたマネーで金を買い、資本注入された税金を利用して金を買う事で、世界の金の相当分がイルミナティーの手元に集まっている事でしょう。

これこそが、「世界統一」の為の軍資金なのでしょう。

今年後半から明らかになった景気後退で、第二の金融危機が迫ってきています。第二の崩壊は始まった時、「金」が「ペーパーマネー」に向かって牙を剥きます。

金価格は3000ドルを超えるかもしれません。しかしこれは、金の価値が高まったのでは無く、ドルの価値が下がっただけです。時ここに及んで、人々は金こそが永遠の価値を持っている事に気付きます。

ドル崩壊で一時値上がりする円も、結局は世界的なペーパーマネー不信の前では生き延びる事は出来ません。日本の回避不能な財政崩壊をきっかけに、円の下落も始まり、金
は対円においても高騰する事でしょう。

■ 最後の勝者は誰? ■

しかし個人がいつまで「金」を保有出来るかは、予測不能です。

金は通貨防衛の為、国家に安く接収されてしまうかも知れません。管理が厳しくなって、自由市場が閉鎖されるかも知れません。

結局最後の勝者は、いつでもルールを作る者達です。

金は高騰しますが、はたして個人が金で資産保全が出来るかと言えば、それは、神のみぞ知るのでしょう。