人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

もうカッコ良過ぎて気絶しそうだ!!・・・ティム・バーン

2015-03-14 17:40:00 | 音楽
  

[[youtube:YO9g9yXsm-o]]

本日の動画は大音量で聴くか、それとも音を消すかはあなた次第。



人は音楽を何故聴くのか・・・。
多くの人が「楽しいから」とか「気持ちが良いから」と答えるハズ。

ただ、世の中には正反対の嗜好を持った人も少なからず居る訳で、
私などは「ノイズの波で溺れ死にたい・・」と思う人種です。

ノイズミュージックと言うとほとんどの方が「ウルサイ音楽」と思われるでしょう。
しかし、ノイズにも様々な種類が有って、私が好きなノイズは「物語の有るノイズ」。

所謂フリージャズ系の油ぎったノイズは嫌いです。
パンクやフリー系のノイズも体育会系で嫌いです。

私の好きなノイズは、見通しの良いノイズ。
見通しが良いからと言ってスカスカな訳では無く、
ノイズの構成がしっかりとしている系統のノイズが好きえす。

・・・全く理解不能かと思いますが、
要は上で紹介したアルトサックス奏者のティム・バーンの作り出すノイズが大好きです。

この人の音楽って構成がしっかりしていて、芯が硬質。
この硬質といる所が大変重要で、いわゆるフリージャズ系の軟体動物的な世界の対極。
「結晶化されたノイズ」と言ったら良いのでしょうか。

ミクロに見ると緻密な構造をしているのですが、
それが全体では複雑に絡み合っていて
さらに大きな視点で見ると巨大構造物を構築している。

・・・・意味不明ですね。



共演はドラムがジム・ブラック
現代最重要ドラマーでしょう。
パワフルかつ変幻自在。
もう変拍子と言うよりも時間軸がウネウネを歪んでいる様なドラミングです。


ギターはロックバンドのWILCOのギタリスト、ネルス・クラインですね。
WILCOは元々はオルタナティブ・カントリーとしてスタートしていますが、
私が知ったのはヴェンダースの映画だったか・・・覚えていないや・・。
2枚組のCDを持っていますが、あまり聴いてないな。

ティム・バーンのバンドには、その時代の最高のドラムとギターが揃っています。

以前はドラムはジョーイ・バイロンでした。
そしてギターはビル・フリーゼル、その後がマルク・デュクレと変わって来ました。

ティム・バーン独特のロングトーンを、
ジム・ブラックのドラムが時間軸を歪ませる事で「ゆらぎ」を作り出し、
そしてギターの鋭い音がカットアップして行きます。

ギタリストには一瞬で場の雰囲気を変える能力が要求されます。
とにかく「強い」フレーズというか音を出せるプレイヤーが必要。

デビュー当時から方法論はあまり変わっていませんが、
JMTレーベル時代のある種の喧騒感は次第に後退し、
現在は、氷付く様な結晶化したノイズに進化しています。

Youtubeの映像は1/5~5/5まで有りますが、
フリーフォームの1/5に始まり、ロック色の濃い2/5、
端正なジャズを聴かせる3/5、実験音楽的な4/5など
トリオとは思えない様々な演奏を繰り広げています。

3人とも普通の楽器の演奏の仕方はしていません。
特にドラムとギターのトリッキーな事といったら・・・
CDを聴いただけでは、どうやってそういう音が出るのか想像すら出来ないでしょう。

これが現代最高のノイズミュージックであると私は確信しています。
そして、もし、この時代にレニー・トリスターノが生きていたならば、
彼はティム・バーンと行動を共にしていたであろうと妄想してしまいます。



リー・コーニッツとウォーン・マーシュとの六重奏による1949年の録音だと思いますが、この時代に彼は既にフリー・フォームの演奏をしています。クール・ジャズなどという括りで語られがちなレニー・トリスターノですが『鬼才トリスターノ』では遅いテンポで録音したものを2倍速で再生したものをレコードにするなど(音質が硬質化する為?)、とにかく実験的なミュージッシャンでした。リズム隊には徹底してリズムキープに徹する事を求めた様ですが、「身体的なジャズ=グルーブ」を否定しながらも、一方で「構造的なグルーブ」を追及したかたのでは無いかと思います。

こういうクール(カッコイイ)なフリージャズは、オーネット・コールマンに受け継がれ、現代のフリージャズシーンが有るのかもしれません。



オーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」。この人、黒人ですが感性は白人。
情感に溺れる事の無いジャズがクール(カッコイイ)。


本日は、完全に独り善がりの記事。
でも、たまに、こういう記事に反応される方がいらっしゃるので・・・・。




このティム・バーンの映像に対抗出来るのは・・・
ビル・ラズエルの「Last Exit」くらいしか思い浮かびません。

ギター       ソニー・シャーロック
ドラム       ロナルド・シャノン・ジャクソン
テナー・サックス  ピーター・ブロッツマン
ベース       ビル・ラズエル

[[youtube:66MJ-KOFBFQ]]


こちらのコアはやはりビル・ラズエルですね。
彼のベースがある種のルールで猛獣たちを操っています。

ただ、こうやって改めて聴き比べてみると、音楽の方法輪が全く異なります。
Last Exitはオーソドックスなジャズの方法論に近く、
それぞれのメンバーのソロという見せ場があって、
集団演奏とソロの関係性は希薄です。


一方、ティム・バーンのトリオの演奏は、ソロとい概念が無い。
たとえソロ的なパートでも、他の二人は決してバッキングには成りません。
昔の大編成のバンドでは分かり易いのですが、
7人編成の場合は、ソロ、デユオ、トリオなど様々なパートが現れては消え、
それぞれが絶えず緊密の連携して、音楽の姿がシームレスに変化して行きます。

ティムのバンド演奏はスコアーがきちんと書かれていて、
フリーに聞こえる部分でも、スコアーを見て演奏されている場合が多いようです。



こちらは彼の現在ノレギュラーグループの「SNAKE OIL」の演奏。
ECM盤の評判が高い様です。

景気の指標では無くなった株価・・・景況感は悪化しているのに株価上昇?!

2015-03-13 09:13:00 | 分類なし
 



■ 広告が消えて行く・・・ ■

景気が悪い時に企業が先ず節約するのが宣伝広告費でしょう。
街中を歩くと駅前のロータリーですら、ビルの屋上広告が空白になっています。

交通機関の広告はバスからだんだんと消え始めました。バスの広告荷主は地元の企業が多いので地域経済の衰退の影響をモロに受ける為です。

上の写真は少し前の地下鉄東西線の社内広告の状況です。2月19日に撮った写真ですが、車内両側の広告がほとんど有りません。この場所の広告は掲載期間が吊り広告よりも長めで、学校関係や薬、アルコール飲料、消費者金融などの広告が貼られている事が多いのですが、現在の都内を走る地下鉄の状況はご覧の通りです。

■ 日経平均株価2万円も視野に入って来た ■

企業の1-3月の景況感が発表になっています。

大企業    +1.9(10-12月期 +5.0)
中小企業   -14.8(10-12月期 -10.1)

概ね実感に近い数字です。中小企業の置かれた状況はあまり良く有りません。大企業も円安の恩恵を受ける輸出企業で底上げされた数字とも言えます。

一方で、日経平均株価は利上げ観測で調整に入ったダウを後目に力強く上昇しています。既に個人が買い上がるには少々怖い相場になっていますが、日銀とGPIFそして「ゆうちょ」が買いに回っているので、ダウの下落など無視して上昇しています。19000円越えは確実ですが、2万円も射程内と言えます。

本来、景気のバロメータ、或いは景気の先行指標であるはずの株式市場ですが、現在は完全に「官制相場」となっています。

「官制相場には逆らうな」「日銀と財務省には逆らうな」と言われる様に、現在の日本の株式市場や不動産REIT市場は公的資金の協力なバックアップがあるので、ちょっとやそっとじゃ相場が崩れません。

この流れに乗って一儲けという人も多いと思われますが、インデクスを買えば猿でも儲かる状況がいつまで続くのか・・・。

■ 外資は売り抜けは出来ても売り崩す事は出来ない ■

ヘッジファンドなどは今が利確の時期とばかりに上手に売り抜けを図っている事でしょう。日銀、GPIF、ゆうちょの資金をハゲタカが静かについばんでいます。

ただ、彼らとて現在に日本株を売り崩すのは難しいでしょう。空売りを仕掛けても、公的資金が埋めてしまいますから・・・。

■ 将来的インフレが確定したのかも知れません ■

日本国債投資からはほとんど利益の出ない状況で、GPIFやゆうちょが少しでも金利が稼げる株式市場で資金運用をする事は戦略としては間違っては居ません。もし、仮に今後、日本円の信用が揺らいで円安や悪性のインフレが加速する場合でも、株や不動産は長期的にはインフレに強い資産ですから、日本国債の利率を考えれば、将来的には悪い投資では無いのかも知れません。

モラルハザード云々を議論する時期は実は過ぎていて、財務省を中心に「インフレ前提」の国家運営を始めているのかも知れません。

公的資金の運用を見ていると、将来的に日本国債を巡る環境が激変するのではないか?という妄想が膨らんでしまいます。


実は中長期的には株式よりもリスクが高いのは日本国債なのかも知れません。

ババばかりのババ抜き・・・金融相場をカジノに例えると

2015-03-12 03:22:00 | 時事/金融危機
 

■ 変化した中央銀行制度 ■

昨日の記事で1929年の世界恐慌に際して、FRBを始めとした各国中央銀行が利上げで通貨価値を守ろうとした事を書きました。

当時の通貨システムは金本位制を基本としており、各国中央銀行は完全なる民営銀行でした。通貨の発行者は「紙の通貨」を発行するだけで金利収益を得られたので、中央銀行は紙切れから莫大な利益を得る事が可能でした。

当時の中央銀行制度は、銀行家達の最大の収入源であった訳で、その商品である所の通貨の価値を守る事が中央銀行の使命でした。ですから金本位制によって通貨が単なる紙切れで無い事を人々に信じさせる事が重要だったのです。

中央銀行が歴史的にインフレを嫌って来たのも、庶民の生活を守る事もさることながら、インフレは通貨価値の下落を意味するという側面も無視は出来ません。

現在の感覚で言えば、信用収縮が発生する金融恐慌の最中に中央銀行が利上げでマネタリーベースを絞るというのは信じられない政策ですが、当時としては銀行が次々と破綻する状況で「人々が通貨を紙切れだと気付く」事の方が問題だったのでしょう。

一方、現在の中央銀行の多くは政府との関係性が強化され、日銀の株式の53%は日本政府が保有しています。日銀の利益は国庫に納められているので、日銀の株主が日本円を発行する事で利益を得る様な事は有りません。FRBは現在でも完全なる民間の銀行ですが、利益の多くをアメリカの国庫に納めています。2014年、FRBは国庫に987億ドルを収めていますが、QEで取得した債権などの金利収益が利益の元となっている様です。

ニクソンショックで金兌換制が終了した事で、通貨の価値は経済の血液としての利便性によって支えられています。「通貨を沢山持っていた方が何かと有利」という経済のツールとしての価値が現代の通貨の価値を支えていると言っても過言では有りません。

■ マネーゲームのディーラーとしての中央銀行 ■

金融市場においては既に通貨はゲームのスコアーの様な物となっており、中央銀行はゲームの進行のディーラーの様な役割を担っています。ゲームがシラケテきたら通貨を大量に供給して参加者達の射幸心を刺激しているのです。

本来投資とは実体経済を反映させたものでした。資本家達は企業やビジネスに投資をして、中長期的にその発展から配当や株式売却益としての利益を得ていまいた。

しかし、株式市場が初期の目的から逸脱し、株式の売買によって利益を得る場所に変わりました。債権市場も「証券化」という発明によって債権自体が投資の対照となる様になりました。80年代の金融革命以降、金融市場は実体経済から独立して相場を形成する傾向が強まります。

マネーゲームの参加者たちは、ディーラーである中央銀行に金利を払ってゲームの資金を借り、中央銀行が管理する市場で遊ぶ博徒となったのです。この場合、ゲームを支配するのは中央銀行の決める金利です。金利が下がればゲームは盛り上がります。しかし、ゲームが過熱すると中央銀行が金利を引き上げてクールダウンするので、そのタイミングが勝負の仕掛け所となります。

ゲームの参加者は、中央銀行の視線や言動、さらには指先の些細な動きにまでピリピリと神経を尖らせます。

■ 失業率上昇という経済の好結果で売られる米国株 ■

米国株が値を下げていますが、その原因は米国景気の回復速度が速まった事(失業率の低下)。本来であれば市場に好感されるであろう材料ですが、FRBの利上げ観測が早まったとして株式市場は一気に売られました。

この事からも分かる様に、現在の市場は実体経済では無く、中央銀行の金利動向によって動かされています。そして、リーマンショック以降、短期金利はゼロに張り付いていましたから、それが少しでも上がれば市場は大きく反応します。

■ 手元には金利に低いジャンク・カードしか無い ■

何故、市場参加者がFRBの利上げにこれ程までに怯えるかと言えば、リーマンショック以降、ゲームの参加者建ちの冷え切ったアニマルスピリットを喚起する為に、FRBを始めとした中央銀行がタダでゲーム資金を提供していたからです。

始めは恐る恐るテーブルを囲んでいた人達も、タダの資金で金儲けができるとあれば盛り上がって来ます。気付ば、リーマンショック以前よりも多くのお金がテーブルの上の載っていました。

しかし、そろそろディーラーであるFRBがタダで資金を提供する事を止めると言い出しました。ゲームの参加者達はそろそろ利益を確定してテーブルを離れようと腰を浮かしはじめています。しかし、彼らは定職も無い博徒なので、ゲームを止めれば仕事は有りません。ギリギリまでゲームで粘って少しでも利益を拡大したい・・・。

しかし、ふと手元を見るとロクなカードが無い・・・。ジャンクだ・・・。

低金利で浮かれて安いカードに手を出し過ぎたのです。金利の低いカードは、金利が上昇し始めれば誰も見向きもしなくなります。どこかで手元のカードを現金化してテーブルを離れなければなりません。

しかし、今テーブルに残っている人達の手元には、どれも似た様な雑魚カードしか残っていません。ババばかりのカードでババ抜きをしている気持ちになってきます・・・。

参加者は皆、ディーラーであるFRBの表情を脂汗を滲ませながら凝視しています。

■ 隣のテーブルのディラーがタダの資金を配り始めた ■

気づけば先程から隣のテーブルが何やら騒がしい・・・。隣のテーブルのディーラーは日銀ですが、どうやら日銀はジャンジャンとタダの資金を配り始めた様です。ただ、隣のテーブルの花札は人気が無いのでゲーム自体は盛り上がっていません。とうとうディーラーとその子分のGPIFまでゲームに参加して捨て札を拾っては、盛り上げに必死です。

ところが、日銀のゲームの参加者は、FRBのテーブルに資金を貸し始めました。花札よりこちらのポーカーの方が儲かると見ているのでしょう。

どうもECBのテーブルも何やら騒がしい様です。あちらのテーブルは老人ばかりでバカラをプレーしていますが、ギリシャというカードが出てから皆及び腰になっています。盛り上がらないのでディラーがタダで資金を配り始めました。

ECBのテーブルからも資金を調達していうヤツが現れFRBのテーブルの緊張感は徐々に下がり始めました。

■ そろそろゲームを抜けたいのだけれど・・・ ■

新たな資金が供給され緊張感が和らいだ今がゲームを抜けるチャンスのはず・・・。だけど先程からFRBがじっと睨んでいます。せっかく盛り上がって来たのだから、水を差すなと言いたげな表情です。

他のヤツラも席を立ち難いのでしょう・・・。誰かが席を立たないかヒヤヒヤしながらも自分が率先して席を離れる勇気が無い様です。



こんなゲーム、続けるだけ損だとは分かっていながらも止められない・・・。これが金融相場というヤツなのか・・・。

好景気が招くリスク・・・将来的リスクを拡大する量的緩和

2015-03-11 05:48:00 | 時事/金融危機
 

■ 第二次世界大戦前夜に似ている現在の世界 ■

第二次世界大戦の原因は1929年の世界恐慌と言われています。1920年代、急速に拡大したアメリカの経済は、第一次世界大戦で疲弊したヨーロッパ諸国とは対象的でした。この時期、アメリカでは金利が低かった事も有り(イギリスの金本位制復帰を支援する為に低利でイングランド銀行に資金を融資していた)、多くのアメリカの銀行がヨーロッパの銀行に資金を貸し出しています。同時にアメリカ国内で株式投資が過熱しバブルが発生しました。

ところが、FRBが金利を引き上げた為、株式投資の短期融資であるコールローンで資金の逆転が発生します。ローンの返済を迫られた投資家達が株式を売却して資金を手当てした事で、バブル状態だったNY株式市場が暴落します。世界恐慌の発生です。

NY市場で発生した暴落で、人々は一気にバブルの夢がら醒めます。投資資金を回収する動きが加速します。ヨーロッパからも一世にアメリカへ資金が引き上げられました。こうして、信用収縮が加速しました。

アメリカでは銀行が次々と倒産し始めます。これに対してFRBは金利を引き上げて通貨の信用を保とうとしました。この時代の中央銀行は完全に民営であり、「通貨の価値」こそが彼らが利益を生み出す源泉だったのです。そして通貨の価値は金本本位性で支えられていました。各国中央銀行は自国通貨が安くなると金の流出に繋がるので、金利を上げてをれを阻止しようとしました。これによってマネタリーベースが縮小し景気はさらに悪化します。

日本も例外では無く、金本位制に復帰した事で経済はダメージを受けました。ここで登場したのが高橋是清です。彼は日銀に国債を引き受けさせる事で財政を安定させようとします。ただ、同時に銀行に対して国債の売りオペを行っていたので、マネタリーベースを拡大したとは言えません。あくまでも、国家財政の緊急避難として財政ファイナンスを行ったに過ぎません。その後、高橋是清は「出口戦略」に転じようとしますが、予算拡大を要求する陸軍の過激分子によって226事件で暗殺され、日本は本格的な財政ファイナンスによって戦争の準備を進める事になります。

この当時、日本が中国に進出する大きな理由は「市場の確保」でした。世界恐慌に始まる不景気を打破するには、市場を拡大するのが最も有効な手段です。これは日本に限った事では無く、アメリカも中国市場を狙っていました。ヨロッパの列強も、それぞれの植民地をブロック経済化して、他国に資源と市場を奪われる事を阻止します。

ブロック経済によって自由な交易が抑止されると、世界の各国はブロックの拡大によって経済規模を拡大しようとし始めます。特に後進工業国であったドイツやイタリアなどは、ブロクの拡大は切実な問題となります。そこで、経済ブロックの争奪戦としての第二次世界大戦がはじまります。言わば、この戦争は「市場獲得戦争」だったのです。

■ TPPの動きは自由化か、ブロック化か ■

現在の世界の状況は世界恐慌後の世界に似ています。ただ、前回の恐慌の教訓から、各国中央銀行はマネタリーベースを拡大する事で、世界経済に急ブレーキが掛かる事を防ぎ、協調する事で、アメリカは出口戦略まで辿り付きました。

企業も経済もグローバル化しているので、現代の世界でブロック化は意味を持ちません。むしろモノ・ヒト・カネの動きを加速させる事で、経済危機を乗り切ろうとしている様に見えます。この観点からはTPPは保護的になろうとする各国経済に適度なブレーキを掛けているとも言えます。

TPPは一見、中国を締め出している様に見えます。中露とアメリカの対立の深まりが一層TPP参加国と中露の壁を演出しています。

しかし、アメリカのグロバル企業は中国無くしては成り立ちません。Appleも中国生産無くしてはビジネスモデルを維持出来ません。製造品目が重複する日本に比べ、既に国内の製造業が衰退したアメリカでは中国やその他に新興国と対立する輸出品が存在しません(車位でしょうか)。アメリカのグローバル企業に中国依存を見る限りは、中国とアメリカの関係は、当分はウィン・ウィンの関係に見えます。

■ アメリカの勝ち逃げは決まらない? ■

アメリカは早ければ6月にも利上げに踏み切るという予測が出ています。利上げに成功すれば世界のマネーはアメリカに集まります。特に日銀のECBが量的緩和に踏み切っている事で、日本やヨーロッパの金利に抑制が働いた状況では、アメリカは一人勝ち状態とも言えます。

日本やEU諸国から資金流出が発生しても、これらの国の経済は回復していないので金利を正常化する出口戦略は取れません。金利を上げれば、世界恐慌後の世界と同様、日本やEU諸国の経済が崩壊してしまいます。

一見、アメリカの一人勝ちの様な状況になっていますが、それとて長くは続きません。FRBが利上げしても、円とユーロが低金利の資金を供給する限り、アメリカの市場はバブル化して行くからです。

元々、リーマンショック以降の低金利で支えられた金融市場や株式市場は金利上昇に脆弱です。日銀やECBが出口戦略を匂わせる度に市場は動揺するでしょう。

■ 第二の世界恐慌はやって来るのか? ■

リーマンショック後に懸念された世界経済の崩壊は、各国中央銀行の大規模な緩和政策で乗り切る事が出来ました。しかし、その結果、シャドーバンキングと呼ばれる債権金融システムはリーマンショック前よりも規模を拡大しています。

ジャンク債は明らかにバブル相場ですし、金利がマイナスになっている国債市場も危険な状態です。これらに市場は金利上昇に敏感になっています。

利上げでアメリカに流入したマネーは、これらの既にバブル化している市場のバブルをさらに膨らめる事になります。永遠に続くバブルはあり得無ので、2017年当たりにバブル崩壊のシグナルが現れるかも知れません・・・。

■ リフレ政策を取っても世界恐慌は防げない? ■

イングランド銀行のカーニー総裁は、「原油安に合わせて追加緩和すれば、緩和の効果は遅れて発生するので、(原油高に転じた時の)将来的リスクを拡大するだろう」と語っています。

これ、「緩和政策を長期化させると、どこかで景気拡大が発生した時の将来的リスクを拡大するだろう」と言い換える事が出来ます。


・・・はてさて、アメリカが利上げで「勝ち組」になった時、新たな金融危機のゴングが密かに鳴っているのかも知れません・・・。

子宮頸がんワクチンの後遺症・・・マクロファージ性筋膜炎(MMF)の可能性

2015-03-08 02:53:00 | 危険なワクチン
 

■ 実は厚生労働省も2013年の国会で子宮頸がんワクチンに大した効果が無い事は認めていた ■

実はこのブログで一番力を入れているのは「ワクチンの危険性」の警告と、「放射線の安全性の布教」です。最近、少し疎かになっていたので、子宮頸がんワクチンの話題で気になった事を取り上げます。

先ずはこの動画をご覧いただきたいと思います。

サーバリックスやガーダシルが感染を予防すると言われる高リスクの人パピローナウィルスの日本人女性の保有率は何と合わせて1.0%だそうです。要は、16型、18型の予防効果しかないサーバリックスに居たっては、日本において子宮頸がん予防にほとんど効果が無い事を厚生労働省は2013年に認めています。

さらに、感染しても90%は3年以内に自然に体外に排出され、慢性的な感染が継続して初期のガン形成に至る確率も高くは有りません。さらに、早期治療でほぼ100%ガンが治癒するのですから、検診さえ定期的に受けていれば子宮頸がんはほとんど撲滅できるのです。
ただ、検診受診率が20%と言う点が問題なだけ。子宮頸がんワクチンの議論は、このワクチンが日本においてどーでも良い程度の効果しか発揮しない事を先ず頭に入れてから行われるべきなのですが・・・専門医の方々はこの点を知ってか知らずかワクチンの効果ばかりを主張されます。


[[youtube:yUZEm5JRvjM#t=622]]


この答弁で出されている数字は、「子宮頸がんの征圧をめざす専門家会議」(多分製薬メーカー主催では)の資料と大きな隔たりが有ります。

http://www.cczeropro.jp/qa/368/378.html より引用



尤も、サーバリックスの国内臨床試験時の調査でも、健康な女性の感染率は16型、18型合わせて10%程度です。



上の図は子宮頸がん患者における16型、18型HPVウイルスの検出率で、合わせて70%程度となる様です。


日本の女性の16型、18型保菌者  10%
そのうち慢性化する人は 10%
全女性のうち、16型、17型の慢性感染者  1%

この1%の方は放置しておけばいずれガン化する可能性が有りますので、子宮頸がんワクチンはこの1%の発生を抑える事が目的にワクチンだという事がメーカーの資料でもい分かります。


ちなみに私が間違った見方をしているのか、グラフのタイトルから色々探した所、現役の医師の方も次の様な見方をされていたので安心しました。



「さとう内科循環器科医院」さんのホームページ。

http://satouclk.jp/cat11/







■ 新型ワクチンビジネスに不可欠なアジュバント ■


本日は「赤の女王とお茶」さんのブログを参考、引用させて頂きます。(詳しくをそちらをご覧になって下さい)

http://d.hatena.ne.jp/sivad/20140201/p1


新型ワクチン医療は次世代医療として製薬会社や医療機関が多大な期待を寄せています。その技術の根幹を担うのが「アジュバント」と呼ばれる抗原性補強材です。

ワクチンは本来「弱毒化したウイルス=抗原」を投与する事で抗体を作る作用を利用しています。ところが、ウィルスの種類によっては抗体が十分に出来なかったり持続性が無かったりします。

そこで、抗原抗体反応を高める為に「抗原性補強材(アジュバント)」が開発されました。

1)抗原を不溶化することで組織に長くとどめ、抗原を徐々に長期間遊離させること。

2)投与局所に炎症を起こし、マクロファージが集まり抗原が貪食(食作用)されやすくなり、抗原提示が効果的に行われる。

3)投与局所や所属するリンパ節の、T細胞やB細胞の活性化を強める。

(wikipediaより)


アジュバンドを加える事で、本来継続的な免疫を獲得出来ない抗原でもワクチンを開発出来る様になりました。

子宮頸がんワクチンは、人パピローナウィルス(HPV)をのものを抗原とすると感染が発生してしまう為、ウイルスの外殻を遺伝子操作で作り出し、それを抗原として利用しています。中身が無いので感染のリスクが無いのです。

一方、ウイルスの外殻だけでは増殖は起こりません。増殖が起きなければ強い免疫反応を喚起する事は難しく、当然充分な免疫を獲得する事も出来ません。

そこでアジュバントを利用して、ウイルスの外殻を長時間投与箇所に保持します。さらに、アジュバンドは投与箇所に局所的な炎症反応を引きお越しマクロファージ(白血球の一種)をおびき寄せる働きをします。

1) マクロファージが異物である抗原を食べる(貪食)
2) マクロファージ内で異物を分解する
3) 分解した異物の断片をマクロファージ内のMHCクラスII分子と結合させ体表に提示
4) ヘルパーT細胞(リンパ球の一種)が提示された抗原を受け取る
5) 抗原と型に一致する受容体タンパク質を持つヘルパーT細胞だけが活性化する
6) 活性化したヘルパーT細胞は、自分の受容体と同じ抗原を認識するB細胞を活性化
7) 活性化されたB細胞が増殖し、抗原に対する抗体を放出する
8) 抗体は抗原と結合して「抗体-抗原複合体」を作る
9) マクロファージが「抗原-抗体複合体」に引き付けられる

■ アジュバントとして利用される水酸化アルミミュウムの副作用 ■

アジュバントには様々なタイプの物が有りますが、その作用機構が不明なものも在るようです。

沈降性アジュバント(抗原が吸着する無機物の懸濁剤)

水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム(アラム、Alum)、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、ミョウバン、ペペス、カルボキシビニルポリマーなど。
病原体やある抗原を吸着し、接種局所病原体を固定する利点もあるが、その性質の為、接種部位が硬結しやすい。

油性アジュバント(抗原水溶液を鉱油で包みミセルをつくり乳化する油乳剤)

流動パラフィン、ラノリン、フロイントなど。
乳濁液にするため粘性の高い液体になり、接種時に疼痛が起きる。体内に散りにくく、そのまま接種部位に残る性質も持ち合わせ、硬結する事がある。

不完全フロイントアジュバント(Incomplete Freund’s adjuvant, IFA。パラフィンとアラセルの混合物)、完全フロイントアジュバント(Complete Freund’s adjuvant,CFA。IFAに死滅したミコバクテリアまたは結核菌の死菌を加え、抗原性をさらに増強させたもの)がある

(wikipediaより)


■ フランスで問題となっているマクロファージ性筋膜炎(MMF) ■


フランスで近年A型B型肝炎ワクチンによる副作用が問題となっています。

この症状は英語ではMacrophagic myofasciitis(MMF)と呼ばれています。公式に報告されたのは比較的最近で、1993年にフランスで見つかったのが最初だといわれています。全身または四肢の筋痛、関節痛、発熱、強い疲労感などが特徴的な症状として知られています。生検の結果、筋膜にマクロファージそれに随伴してリンパ球が集積していることがわかり、このように呼ばれるようになりましたが、近年では運動遅滞、成長障害、認知障害、筋緊張低下症など、中枢神経系への影響も報告されています。

(引用)


MMFの症状が有る患者を調べると、水酸化アルミニュウムをアジュバントに使用したワクチンの接種を受けているという共通点が見つかりました。そこで、MMF患者の筋肉組織を顕微鏡で調べると、筋膜の間にマクロファージが蓄積している事が判明しました。



そして、そのマクロファージの中に黒い斑点が確認されます。これをX線解析に掛けた所、アルミニウムの強いピークが現れました。



これは、マクロファージが筋膜の間でアルミニウムを貪食した事を意味しています。人間の体内には40mg程の微量のアルミニウムが保有されており、肺臓、ついで骨、脳に多く存在しています。食品や水などに含まれるアルミニウムは普通蓄積されず、体外に排出され、体内のアルミニウムは平衡状態を保つと言われています。

MMFの症状の見られる患者のアルミニウムがどうして筋膜内に存在するのか?フランスのMMF患者の統計では水酸化アルミニウム・アジュバントを含むワクチンを長期間に渡り平均5.2回の摂取を受けていた様です。このアルミニウムが筋肉に蓄積したとするならば、どうしてMMF患者だけにそれが起きるのかメカニズムの解明は必要でしょう。

同様に、マウスの実験では、水酸化アルミニウム・アジュバントが含まれたワクチン接種後に脳内のアルミ濃度が上昇する例も見られたようですが、脳の関門がマウスよりも高度化した人で同じ事が起こるかは検証が必要です。

一方で、水酸化アルミニウム・アジュバントによって免疫系がこの物質を攻撃対象と指標したならば、体内に水酸化アルミニュウムが存在すれば、マクロファージはそれを含む組織を貪食し、炎症反応を引きお越します。

■ MMFに良く似た子宮頸がんワクチンの後遺症 ■

実際に30名以上の副作用患者を診察した国立精神・神経医療研究センター病院小児神経科の佐々木征行医師は、子宮頸がんワクチンの副作用の症状がMMFに似ている事を指摘しています。

そして、グラクソ・スムス・クライン社の子宮頸がんワクチンの「サーバリックス」と、メルク社の「ガーダシル」にはアジュバントとして水酸化アルミニュウムが使用されています。

■ 疑いは在るが、結論は出ていない・・・ ■

厚生労働省のホームページにこの問題を討議したものが残されています。

2014年2月26日 子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会 議事録

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000048228.html

ここでも、MMFが話題になていますが、フランスでしか症例が無い事や、ラットを使った実験の正当性などが否定派によって指摘されています。

しかし、もし仮に水酸化アルミニュウムアジュバントによって、マクロファージが水酸化アルミニュウム、或いはアルミニュウムをターゲットとして貪食する免疫を獲得しているならば、体内のアルミニュウムを含む組織をマクロファージが攻撃するという自己免疫障害が発生する可能性はゼロでは有りません。これは、過剰免疫反応の一種でアレルギーの様なものとも考えられます。


■ アルミを多く含む菓子パンやドーナツの過剰摂取は厚生労働省が警告している ■

一時期、アルツハイマー病の原因としてアルミニウムが疑われましたが(立証されていません)、何れにしてもアルミニウムの過剰摂取に対してはWHOも暫定基準を設けて警戒している様です(1週間に体重1キログラム当たりで2ミリグラム)。

食品の中で問題とされているのが、菓子パンなどを膨らめる時に用いられるベーキングパウダーに含まれるミョウバン(硫酸アルミニウム)です。その他にタコやウニなどの形質安定剤、シソやナスの漬物の色止め剤、野菜の煮物の品質安定剤にアルミが使われています。

この様に、現代人の食生活は必要以上のアルミニウムを摂取する可能性も有り、例えばアルミの代謝に問題を抱える先天的な資質がある人が居たとすれば、組織内のアルミニウムの蓄積が通常よりも多く、それをアジュバントで獲得されて免疫が攻撃するという事も起こるのかも知れません。

■ 作用機構の不明確なアジュバントに頼る新型ワクチン ■

油性アジュバントであるスクワレンの副作用も同じ様な経緯で発生する可能性も考えられます。もし、仮に免疫系がスクワレンを攻撃する性質を獲得したならば、体内の至る所にスクワレンは存在するので、全身の様々な症状が発生する事も考えられます。

湾岸戦争に従軍した兵士に原因不明の様々な身体的・心的症状が発生しており、「湾岸戦争シンドローム」と命名されています。その原因は心的ストレスから、劣化ウラン弾の絵影響まで様々な議論がされていますが、兵士達が従軍前に摂取した炭疽菌ワクチンにスクワレンアジュバントが含まれていた事も原因の一つと疑われています。湾岸戦争シンドロームの兵士からスクワレンの抗体が見つかっているからです。

現在、様々なアジュバントが実用されていますが、実はその作用機構が全て解明されている訳では有りません。むしろ、手当り次第に様々な物質を実験した結果、ある種の物資で免疫強化効果が認められ、それが実用化されているというのが実態に近いのかも知れません。

今後発展が期待される分野に、癌の遺伝子を免疫にマーキングさせるオーダーメイド・ワクチン治療などが有りますが、元々免疫系をすり抜ける癌をマーキングするには、アジュバントの利用は避けて通れなません。

「新型ワクチン治療」とはアジュバントの使用無くしては成り立たないのです。

一方で厚生労働省もアメリカ食品医薬品局もアジュバントを正式に認可していなかったと思います。ある種のワクチンにのみ特例的に認めている状況です。

この「ある種の」というのがクセ者です。例えば、新型インフルエンザの輸入ワクチンには「アジュバント」が使用されていました。厚生労働省はインフルエンザの蔓延を防ぐ為に、特例的にこのアジュバント入りのワクチンをスピード認可しましたが、実際に接種されたワクチンは極わずかです。

厚生労働省はカナダで発生した小規模な副反応の調査委に時間を割いて、輸入ワクチンの接種開始を遅らせ、結果的にワクチンは使われる事無くインフルエンザは春が来て自然に収束しました。その頃には「弱毒性のインフルエンザ」である事が確認されていました。

私はこれは厚生労働省の大金星だったと思います。データをチェックしていればWHOが大宣伝した様な危険なインフルエンザでは無い事をかなり早期に判断出来たはずで、厚生労働省の幹部たちは、新型インフルエンザの脅威よりも得体の知れないアジュバント入りのワクチンの危険性の方が高いと判断したのでしょう。

■ 極めて不自然な子宮頸がんワクチンの認可と接種 ■

一方でアジュバント入りの輸入ワクチンである子宮頸がんワクチンのサーバリックスとガーダシルの認可には不自然さが付きまといます。

これらのワクチンはアメリカを始め海外で先に実用化が進み、アメリカなどでは公費で強制的に学童に接種されます。テキサス州などでは男子にまで接種が義務化されました。

接種が進む内に、日本国内同様の副作用や後遺症が報告され始め、イギリスでは少女の死亡例も報告されました。日本同様、ワクチンとの因果関係は確認出来ないという見解でワクチン接種は継続されました。

厚生労働省がこれら二つの輸入ワクチンを認可した頃には、海外の副作用や後遺症のニュースもチラホラと入っていましたが、私の様な一部の「陰謀論者」だけがワクチンの危険性を指摘しただけで、マスコミも行政も「癌を克服するワクチンを子供に打たせるのは親の義務」といった様な一大キャンペーンを繰り広げます。

多くの自治体で高額なワクチンの接種費用を一部、或いは全額負担する形で子宮頸がんワクチンの接種が推奨され、その結果、少なからぬ少女達が様々な後遺症に苦しむ結果となりました。

国家もマスコミもWHOも一切信用していない「陰謀論者」の私などからは、「起こるべくして起きた医療事故」にしか見えません。

■ 未だにホームページで接種を呼びかけている医師の誠意を疑う・・ ■

最近ではニュースで後遺症の話題が取り上げられ、厚生労働省も積極的な推奨を取りやめたので、このワクチンを接種する為に子供を産婦人科医に連れて行く親はほとんど居ません。

しかし、未だにホームページで子宮頸がんワクチンの接種を呼びかけている医療機関が多く、彼らの危機管理能力に疑問を持たざるを得ません。

ワクチン接種は自費で費用も1回1万5千円、これを3回受ける必要が有るので、一人当たり4万5千円となります。確かに医療機関にとっては魅力的です。

ただ、血友病患者の薬害エイズ問題の様に、厚生労働省の認可が絶対ではありません。薬害認定となれば保障は国が行う事になりますが、危険性が指摘されているワクチンを積極的に推奨する医療機関のモラルは如何なものか・・・。

■ 国民の意思に委ねた厚生労働省 ■

重篤な副反応の発生頻度を比較してみます。(1000万回接種に対する発生回数)


子宮頸がんワクチン(サーバリックス)  43.4
子宮頸がんワクチン(ガーダシル )  33.2
ビブワクチン             22.4
小児用肺炎球菌ワクチン        27.5
不活化ポリオワクチン          5.3
4種混合ワクチン            3.6
日本脳炎ワクチン           25.7
インフルエンザワクチン         2.3

日本で使用されるインフルエンザワクチンにはアジュバントは含まれていません。4種混合ワクチンや不活化ポリオワクチンにはアジュバントが含まれています。アジュバントの有無が重篤な反応の発生率と直接関係しているとは言えないデータです。

ワクチンが公衆衛生と国民の健康維持に十分に効果的であるならば、ワクチン接種は推奨されるべきでしょう。例えば、子宮頸がんが握手やクシャミで感染し、その死亡率が高いならば、強制的にワクチン接種が行われなければなりません。

しかし、子宮頸がんは検診で容易に発見できる癌で、早期発見によって死亡率も十分に低下させる事の出来る「穏やかな癌」です。さらに、ヒトパピローマウィルス(HPV)が子宮頸がんの原因の全てでは無く、又、感染したとしても90%の人は自然治癒して癌になる事は有りあません。

要は、ワクチンを打とうが打つまいが子宮頸がんの検診は必要で、むしろワクチンを接種したから検診をしなくても大丈夫と考える事が危険なのです。(早期検診で子宮頸がんの死亡率は70%も減少します)

では、はっきり言って接種してもしなくてもどうでも良いワクチンが、何故これ程までに世界でもてはやされるかと言えば・・・それは多分、「人類史上初めてワクチンで発生が減少させられる事が出来た癌」というプレミアム感による所が大きいのでは無いでしょうか。「毎年日本でも3000人程が亡くなる子宮頸がんの発生率を60%減らせる・・・」という宣伝効果はインパクトが有ります。

まあ、公衆衛生上も人々の健康上もどうでも良いワクチンなので、厚生労働省も副反応に世間が過敏に反応し始めたら「積極的な接種の推奨」をすんなりと止めてしまいました。だって、打たなくても問題なんて無いのですから・・・。


しかし、問題は接種の判断を個人と医師に委ねてしまった事です。これでは1回、あるいは2回接種を終えられたお母さん達がどうして良いのか判断出来ません。医療機関は副反応の発生率は一般ワクチンと同じである事を理由に、接種を勧めている所も沢山あります。

しかし、実際に病院に子供を連れて行く親はピタリと居なくなりました・・・。


私は意外にマスコミの副反応や後遺症の報道をさせているのは厚生労働省では無いかと疑っています。彼らは前例主義なので、「接種中止」とはなかなか言えませんが、やはり「怪しい」ワクチンで将来的な訴訟対象者が増える事は好ましくありません。

ですから、このブームがフェードアウトする事を密かに願っているのかも知れません。


■ あまり不安になる事も無いのでは・・・ ■

既にお子様にこのワクチンを接種されてお母様の中には、将来、何か後遺症が出るのではと不安に思われていらっしゃる方も居るかも知れません。

ただ、接種が開始されからだいぶ時間も経過していますし、これから後遺症が発生する確率は極めて低いかと思います。

ただ、気を付けるべきは、フランスのMMFの例を見ると、水酸化アルミニウムアジュバント入りのワクチンの接種階数が増えるとMMFのリスクは高まる様です。

ですから、今後、お子さんにワクチンを接種される場合は、アジュバント入りかどうかのチェックは必要かと思います。

ある程度大きくなられたお子様が接種する機会の有るのはインフルエンザワクチン程度かと思います。これは国産ワクチンが使用されていますのでアジュバントは添加されていません。しかし、ワクチンである以上、一定の確立で副反応は発生します。完全に安全なワクチンなど存在しません。


■ 何だかインフルエンザに掛かると肩身が狭い・・・ ■

ところで、一般的になったインフルエンザワクチンの自費接種ですが、その効果は実は限定的です。呼吸器系の感染症であるインフルエンザに有効なのは粘膜免疫ですが、皮下注射によって獲得される免疫は血清中抗体です。ですから、インフルエンザ・ワクチンの効果は限定的で持続期間も5カ月程です。

本来なら、何年かに一度インフルエンザにしっかり掛かって、自然の免疫をしっかり付ける方が健康には良さそうですが、昨今はインフルエンザに掛かると社会の目が冷たい・・・。

会社などでインフルエンザが流行ると、誰が最初に掛かったかなどと犯人捜しが始まります。先日など、電車で前に立っていた40代のサラリーマンが「○○の野郎絶対許せねえ!!あいつ、インフルエンザで会社来てたんだぜ。もう、しばらく口きかねえ」って大声で同僚と話をしていました。

うわぁ、マジかよ・・・ってドン引きしてしまいましたが、確かに大事な商談を抱えていらっしゃる方には切実な問題かも知れません。「予防できるのに予防しないのは罪」という公衆道徳が広がっている様です。



もし、子宮頸がんワクチンの接種が問題無く進んでいたならば、「ねえ、あの子、ワクチン打ってないんだってよ・・・」なんて差別が起きていても不思議では有りません。


・・・・何とも生きにくい世の中になって来ました。



ちおなみに平成24年のインフルエンザワクチンの副反応報告書を見つけたのでリンクします。

http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/306-1.pdf

死亡例5(4)ですが、直接の因果関係は無い様です。

ギラン・バレー症候群,急性散在性脳脊髄炎の可能性があるものとして報告された副反応症例は36例。ギラン・バレー症候群は歩行障害や手足の筋力低下、顔面の筋力低下などが見られます。急性散在性脳脊髄炎では頭痛・発熱・嘔吐からはじまり,意識障害を伴うことが多く,悪ければ昏睡に至ります。この様な重篤な症状は1000万かいに1~3.5人。後遺症を残さない経度な症状も含めると10万人に1人程度の発症となります。

ワクチンのリスクを考えるとやはりインフルエンザワクチンは任意接種が適当だと思われます。学校で集団接種を実施した日本の経験上、集団ワクチン接種でも流行は抑止出来ないという苦い実績が有ります。


<追記>

厚生労働省の資料がアジュバントについて非常に良くまとまっていますので紹介させて頂きます。


「第9回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会」

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000072822.pdf


注目すいべきは16ページのアジュバントのメリットとデメリットを現した図表です。

デメリットとして自然免疫による細胞死が疑われ「組織障害」が発生する可能性が書かれています。獲得免疫による障害では「慢性炎症」と「自己免疫疾患」が挙げられています。

アジュバントによるこれらの副作用の疑いは、研究者の中では一般的となっているのかと思われますが、それに勝るメリットが強調されている様です。



私も知らなかったのですが、厚生労働省が認可したアジュバント入りワクチンは、新型インフルエンザと子宮頸ガンワクチンだけでは無い様です。

1) 破傷風
2) ジフテリア
3) ジフテリア・百日咳混合ワクチン
4) B型肝炎
5) 肺炎球菌

これらのアジュバント入りワクチンが認可され、国内の製薬会社が製造・販売しています。

破傷風、ジフテリア、百日咳・・・これDTPは世間で三種混合ワクチンと呼ばれるやつですね。接種後にしこりが出来るのは水酸化アルミニウムの炎症反応だったのですね。


何気に赤ちゃんに接種されているワクチンにアジュバントが含まれている事はちょっとショックでした。仮に赤ちゃんに接種後に運動障害や知能障害が発生しても、先天的な障害と区別が難しいのでは無いでしょうか?

ただ、破傷風やジフテリア、百日咳は死亡率の高い感染症で、ジフテリアや百日咳は空気感染するので、その予防に多少のリスクが有ってもワクチンを利用する事は「有効」と判断すべきなのでしょう。公衆の健康の為のリスクは国が責任を持って対処する・・・これは国家として正しい姿勢です。



問題は、やはり子宮頸ガンワクチンですね。公衆の衛生上全く必要性を感じないのですが・・・。