人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

柔らかさと硬さの加減・・・イエレン議長

2015-03-06 11:32:00 | 時事/金融危機
 




記者A  「おい、議長が食事に出るぞ。」

記者B  「フィッシャー副議長と一緒の様だな」

記者A  「跡をつけるか、何かネタが拾えるかも知れない。」




記者A  「どうだ、聞こえるか?」

記者B  「この小型のマイクロフォンじゃ限界が有るが、何とかやってみよう・・」

記者A  「何と言っている?」

記者B  「・・・基本的には堅い・・・・しっかりとした・・・」

記者A  「ふむふむ・・」

記者B  「・・・忍耐が大切・・・待つことも重要・・・・・」

記者A  「どっちなんだよ!!」

記者B  「それが、良く聞き取れなくて・・・」



記者B  「・・・そろそろ頃合いかしら・・・」

記者A 「おい、これはスクープだ!!急いで社に戻ろう!!」






イエレン   「フィッシャー、ここのパスタはお勧めよ。」

フィッシャー 「それは楽しみだ。ところで君はパスタの茹で加減の好みは?」

イエレン   「基本的には硬いのが好きね。しっかりとしたコシが大事だわ」

フィッシャー 「しかし、なかなかパスタが来ないな、この店は・・・」

イエレン   「あら、美味しいものを食べる時には忍耐も大切よ。」
       「待つことも重要なスパイスよ。」

フィシャー  「そうだな。お!やって来たぞ」

イエレン   「あまり硬すぎるアルデンテは好きじゃないわ、少し待って・・・」
       「・・・そろそろ頃合いかしら? ポルチーニの良い香り」

フィッシャー 「これは美味しい。良い店を教えてくれてありがとう」



イエレン   「あら、記者さん達、慌てて出て行ったわ。食事も残して・・・」

フィッシャー 「邪魔者が居なくなった所で、利上げの時期についてだが・・・・。」




世界中の投資家達が「どっちなんだよ、はっきりしろよ!!」と思っていっらっしゃるかと思いますが、ご老人お二人にノラリ、クラリとはぐらかされてばかり・・・。





低金利の罠・・・ゴミ箱と化す投資信託

2015-03-04 03:42:00 | 時事/金融危機
 


■ なかなか頑張っている『妖精物語』 ■




私が経済ブログもどきを書く切っ掛けとなったのは、リーマンショックの直後、母親が保有していた毎月分配型投資ファンド『妖精物語』(GS)を売却しようか、それとも持ち続けた方が得か相談してきた事でした。

当時、リーマンショックの直後で円高が進行し、さらに債権価格が総崩れ状態でしたので、「損切」と判断して売らせました。

しかし、このファンド、意外のしぶとく、基準価格もその後持ち直して来ました。「あの時売らなければ・・・」と後悔する母親の愚痴に一念発起して、少し経済の事を勉強しようとブログの経済ネタを書き始めました。

『妖精物語』の月例報告書を見ると、基準価格なるものが乗っています。赤線が「基準価格」で、青線が「分配金込み基準価格」です。分配金とは、ファンドが投資して得た利益をファンドの保有者に分配するお金です。毎月お小遣い程度の分配金は老人には嬉しいのもですが、ファンドが儲かっていれば利益がから分配金が払われ、ファンドが儲かっていなければ元本を削って分配金が払われます。悲惨なファンドでは分配金の支払いが停止します。

『妖精物語』では、分配金込みの基準価格がリーマンショックで一旦減りますが、その後順調に伸びているので、このファンドに投資した方は「儲かった」と感じています。

一方、リーマンショック後の底値で売却した母は、今でもタマに恨み言を言います。


■ 低金利の環境下で金利収益を上げる為にリスクが拡大している ■


ゴールドマンサックス 毎月分配型投資ファンド 2011.12月末



ゴールドマンサックス 毎月分配型投資ファンド 2015.01月末



実は投資の世界で毎月分配型投資ファンド程、投資効率の低い商品は有りません。それは、投資利益を再投資せずにファンドの保有者に分配しているので、投資総額が増えず、当然投資収益が頭打ちになるからです。

この様にあまり儲からない「毎月分配型投資ファンド」ですが、お年寄り達が分配金が支払われる事で「儲かっている」と錯覚します。

さて、それではファンドの中身を見てみましょう。

投資ファンドのホームページには、上の図の様なポートフォーリオが掲載されています。そのファンドが何に投資しており、資産の内訳が凡そ分かる様になっています。

上の図は2011年12月末の『妖精物語』、下の図は最新の2015年1月末の資料です。

ここで注目すべきは「格付別比率」という円グラフです。

2011年12月は、AAA格が59.3%、BBB格は8.3%、平均格付けはAAでした。

2015年1月は、AAA格が36.2、BBBが28%、平均格付けはAA-となっています。

平均格付けだけ見ると、AAとAA-でひとランクしか違いませんが、その運用内容たるや、最早現在はゴミ箱の様になっています。


国債を始めとした債権市場は各国の緩和マネーの流入で金利が異常に低下しています。安全資産の国債で金利を稼ぐ事が難しくなっています。そこで、運用利益を確保する為には危険を承知で多少リスクの高い債権にも投資せざるを得ないのです。

■ ジャンク債のリスクはまともに金利に反映されていない ■

ジャンク債とはデフォルトの可能性の有る社債などです。本来はこの様な会社は高い金利で資金調達しなければなりません。しかし、緩和マネージャブジャブの債権市場は、少しでも高い金利を求めてジャンク債に資金がどんどん流入しました。

その結果、ジャンク債の金利が5%を切るなど、リスクに見合った金利が得られなくなっています。

ジャンク債市場はFRBの利上げで真先に崩壊が予測されている市場です。そんなジャンク債を28%も抱えたファンドが安全資産のハズが有りません。

このファンドの分配金程度ではリスクに見合わないのです。

これが『ハイイールド債(ジャンク債)ファンド』であれば買う方もある程度は覚悟します。その分、リターンが多いからです。しかし、老人達は「この投資ファンドは安全な各国国債や格付けのしっかりした社債で構成されているのでリスクはほとんど有りません。平均格付けもAA-ですから、日本国債よりも安全です」などと唆されて、この様なリスクの塊の様なファンドを買わされてしまうのです。

■ このファンドと親会社のゴールドマンサックスとの間で韓国ウォンのやり取りがあった ■

このファンドの最新のホームページに見慣れないお知らせが有りました。

「利害関係人との取引」に関する通知で、その内要は9/1にファンドの資金15,606 千米ドル分のウォンが親会社のGSに売られ、9/12日に28,916 千米ドル分のウォンが買い戻されています。

これは親会社であるゴールドマンサックスがこのファンドからウォンを調達して為替の売買を行った事を示唆していると思われます。

どうやら、日本の投資ファンドはアメリカの旧投資銀行のポケットの様な使われ方をしているのかも知れません。

まあ、上の取引報告からすると2倍近く儲かっている訳ですから、文句は言えませんが・・。


いずれにしても、金利が極限まで低下した状況は、ちょっとの金利を確保する為に過大なリスクを払わなければなりません。金融抑圧政策はこの様に、リスクと金利の正当なバランスを壊す事で、将来的リスクを積み上げて行くのでしょう。

陰謀論的に「4月に円高・日本株暴落・5月に日銀超次元緩和突入」を予測する

2015-03-03 09:43:00 | 時事/金融危機
 




■ 陰謀論から見る米国債 ■


本日は陰謀論的ホラ話です。

陰謀論を否定しない(むしろ大好物)の私は、日本政府や日銀の政策をアメリカの利益という尺度で見る傾向が有ります。むしろ、日本の国内事情などはどうでも良いと思っています。

世界経済を予測する時、何に注目すべきはは単純で、「米国債の需給の安定」だけを意識していれば良いとすら思っています。

基軸通貨であるドルの信用は為替市場でのドルの価格によって表現されていますが、根源的な所では、ドルは米国債の発行額に応じて増え続けています。現在の世界経済は、資金供給が拡大し続ける事を前提にしか維持不可能なのす。

1) 投資資金が拡大し続ける事でしか金融市場は維持出来ない
2) ドルは増え続けなければならい
3) ドルを発行する為には米国債が増え続け成ればならない
4) 米国債の需要が無ければ、米国債を増やす事が出来ない

要は、世界の誰かが米国債を買い支えなければ、世界経済は維持出来ないのです。

■ 2月に入って下がり過ぎた金利の調整が始まった ■

第二次ギリシャショックによってヨーロッパでリスクオフのムードが高まり、ドイツ国債などがマイナス金利となりました。それに吊られる様な形で日本国債や米国債の金利も低下しました。

しかし、国債金利が低いという事は裏を返せば国債価格が高騰している事を意味します。ある商品の価格が高くなり過ぎれば、当然価格の調整が起こります。先日の日銀の10年債金利の上昇や、2月以降の米国債の金利上昇は、市場が「国債価格は高すぎる」と判断した結果と思われます。

■ 利上げに伴って金利上昇圧力が掛かる米国債 ■

FRBの利上げは6月以降が有力視されていますが、利上げが実施されれば将来的に金利予測は当然上昇します。現在の様に金利の下がり過ぎてしまった米国債を保有していれば、将来的に含み損を発生する事は予想に難くありません。

そこで、利上げに前後して、米国債を売る動きが強まるでしょう。これは米国債金利の上昇として観測されます。

■ 利上げで米国債価格は値下がりする■

現在の米国10年債の金利は2%程度です。これは日本国債の金利に比べれば十分魅力的ですが、為替変動リスクなどを考慮した場合、実質金利差が4%を超えた辺りから対米投資(円キャリートレード)が活発化する様です。従って、日本の資金を米国債投資に誘導する為には米国債金利が不足しているとも言えます。

では米国債金利が単純に上昇すれば良いのかと言えば、金利が上昇すれば利払い費の財政負担が増加してしまいます。ここら辺の事情は、リーマンショックで国債発行残高を急拡大したアメリカは日本程では有りませんが、国債金利の上昇にナーバスにならざるを得ません。

さらに、低金利の米国債を保有する投資家達も米国債金利の急上昇で損をしますので、誰かが売られる国債を買い支える必要が有ります。

■ 価格が下がる米国債が魅力的に見える為には・・・ ■

誰が値下がりする事を承知で米国債を購入するでしょうか?答えは日本の投資家や金融機関でしょう。

値下がりする米国債でも実質金利を確保する為には、為替が大きく円安ドル高に振れる必要があるかと思われます。

要は米国債の需給に圧力が掛かり金利が上昇する局面で円安が大きく進めば日本の資金は米国債に流れ易くなります。

この時、日本国内の景気が冷え込んでいればモアベターです。日本国内に有効な投資先が無いなら、とりあえず米国債で利益を確保しようと考えるのは自然な流れです。

■ 為替相場が円高に振れ、日本売りが仕掛けられる ■

現在、日経平均株価は20000円に向け、かなり不自然な上昇を見せています。日銀やGPIFの買い支えもさる事ながら、決算をお化粧したい企業や、日本株を吊り上げたい外資の資金も相当流れ込んでいます。

2013年4月頃と良く似た相場展開となっていますが、この相場はどこかで必ず崩れます。日経平均が崩れる時、円安だと外資は為替差損を発生させてしまいます。そこで、必ずや「円高」が仕掛けられ、それを合図とする様に、日本株の暴落が始まるかも知れません。

■ 日銀が超次元緩和に突入して、円安が進行し、日本の資金は米国債へ・・・ ■

ここで日銀の出番となります。

「異次元緩和の効果を実現する為には、今踏んばらなければならない」と黒田総裁が力強く宣言して、日銀はさらなる追加緩和を実施するでしょう。そして、もの凄い勢いで市場で日本国債を買い入れ、大量の資金を供給します。

日銀が超次元緩和に突入する事で、1ドル105円程度まで進んだ円高が一気に巻き戻り、勢い余って1ドル125円~130円に突入するかも知れません。

日銀が供給した資金が山積みになった金融機関は、刻々と進む円安ドル高を見て、とりあえず資金をドル(米国債)で運用して利益を確保しに行くはずです。


こうして、6月の米利上げの前に日本の資金が米国債金利を抑え込む地均しがされ、FRBは悠々と利上げに踏み切るのでしょう。


ヘッジファンドはこんな筋書きを予測して、円高を待望しながらほとんど利益の出ない日本国債の保有を増やしているのでは無いか・・・円高を仕掛けるタイミングで日本国債と日本株を売り抜ける・・・。



本日は、米利上げで円安ドル高の前に、「円高・株売り・日本国債売り」が仕掛けられるという妄想に耽ってみました。


まあ、当たらない事で有名な人力予測ですが、4月中旬にイベント発生で、5月上旬に日銀の超次元緩和実施・・・なんて言ってみたりして・・・。

<再録>何故、世界はFRBの利上げに怯えるのか・・・サブプライム危機を振り返る

2015-03-02 15:38:00 | 分類なし
 

「FRB 利上げ」でググったら自分の記事がトップに来てしまった・・・。
なんだか、本日書こうとした事が既に書いてあって・・・結局<再録>します。




2014.10.16 「人力でGO」
 


■ 市場は来年の利上げ予測でどうしてこんなに動揺するのか? ■

世界の市場の混乱はしばらく続きそうです。

アメリカの経済指標が好ましく無かったことを受け、ドル安が進行し、ダウ平均も一時400ドル以上値下がりをしました。そこから押し目買いが入ったのか、最終的には173ドル安に留まっています。


ソロスのファンドのプットポジション 8月15日の情報

ジョージ・ソロスのファンドなどが今回の株価下落の仕掛け人と思われますが、彼のファンドは6月時点でプットを6倍に増やしています。8月頃には、ソロスを始めとしたヘッジファンドの動きは報道されていましたから、市場の下落はある程度予測されていた事だと思います。

1) ヘッジファンドを中心にプットが積み上がっているという情報を流布する
2) FRBの利上げ予測をクローズアップした情報を流す
3) そろそろ株価の調整が入ると市場参加者が身構える
4) ヘッジファンドの売り仕掛けで、市場が一気に売りに転じる

今回の米株の下落は、だいたいこんなストーリーで進行していると思われます。
来年の利上げが現状の市場に影響を与えているというよりは、利上げ予測を利用して荒稼ぎしている連中が居ると言った方が正確ではな無いでしょうか。

そうは言うものの、FRBの利上げに市場はどうして神経質になるのでしょう?2007年のサブプライムローン危機のその答えを見る事が出来ます。

■ 金利上昇で破綻したサブプライムローン ■



アメリカのFF金利

1) 2000年のITバブル崩壊、2001年の同時多発テロ、2002年のエンロン事件で
   アメリカの景気が大幅に後退
2) FRBが金利を1%台まで下げる
3) 低金利を背景に住宅の需要が活性化する
4) 同時期、住宅担保証券(MBS)を元にした債務担保証券(CDO)が大量に組成される
5) 世界的な金融ブームによりMBSやCDOが不足する
6) 米国の銀行は、MBSを組成する為に支払能力の無いサブプライム層に高利の住宅ローン
   を貸し出す。

7) 2004年6月頃よりFRBは金利を緩やかに上昇させ始める
9) サブプライム層の金利借り換えコストが上昇し破綻する人が出始める
10) 手放された住宅が中古市場でダブ付き、住宅価格が頭打ちになる
11) 担保価値が上がらない事で、サブプライム層以外にもローン破綻が広がる

12)  サブプライム層のローンが不良債権化し、MBSの信用が毀損し、それがCDOやCDSに波及。
13) 金融商品全体への信用喪失と繋がり、リーマンショックへと進む

サブプライム層の住宅ローンは、数年ごとに金利が上層し、最初の金利が低い事で、むしろ最終的な負債が拡大するという、始めから破綻する様な設計でした。この様なローンを規制すべきとの意見はアメリカでは早い時期から有りました。

しかし、拡大し続ける金融市場はMBSやCDOの元になる住宅ローンを欲していたので、結果的にサブプライム層の住宅ローンは野放しの状態が続きました。

アメリカは2004年から金利が上昇し始めていますが、2006年7月までは日銀が大規模な金融緩和を行っていたので、円キャリートレードを通して潤沢な資金が金融市場に流れ込み、MBSの需要を生み出していたとも言えます。

この様に、サブプライムショックはITバブル崩壊に端を発するFRBの低金利政策と、日銀の大規模な金融緩和政策が生み出した合成の危機であったとも言えます。

大規模な金融緩和は、リスクを過少評価した市場を生み出し、金利上昇局面でその様な市場は必ず破綻をきたします。得に、リーマンショック以降、FRBも日銀もECBの大量の資金を市場に提供し続けていますから、金利上昇の影響はサブプライム危機よりも深刻ではないかと思われます。

ジャンク債市場、新興国市場、株式市場、コモディティー市場など、あらゆる市場でリスクが軽視されてきたので、FRBの利上げによる影響を市場関係者は読み切れないというのが、昨今のパニックの原因でしょう。

■ 危機対応も進んでいるが・・・ ■

実際にはリーマンショックの様に、極端なレバレッジを効かせるヘッジファンドは存在しませんし、銀行も自己資金を厚くして危機の対応力を強化しています。

しかし金利上昇で損失が発生する商品や市場では、下手をすれば暴落が発生する可能性は低くは有りません。

結局、危機対応がどんなに進んでいても、「損失が発生する」という恐怖に人々は容易には勝てません。結果的に売りが売りを呼ぶ形で、大幅な値下がりが発生する事は、今回の下落相場でも証明されています。(暴落とまでは言えませんが)


■ 利上げのストレステスト ■

今回の市場の混乱は、利上げのストレステストの様なものかも知れません。多分、バーナンキショックも同じ様な意味合いを持っていたのでしょう。ヘッジファンドが仕掛けをしている点から、彼らは「一味」と見る事も出来ます。

今回の様なストレステストを実施する事で、実際の利上げ前に、リスクを低減しておき、利上げ時のパニックを抑え込む事が目的なのかも知れません。

そう言った意味においては、今回の市場の混乱は、利上げの準備運動みたいなものかも知れません。

■ FRBはどの様に利上げに踏み切るのか興味深い ■

もし、ヘッジファンドが金融当局と繋がっているのなら、FRBの利上げ時に彼らが仕掛けなければ、市場は平静を保つかも知れません。現にFRBのテーパリングの開始時に大きな混乱は起きていません。

多分、本当の利上げ前に、利上げの影響を過大に宣伝し、利上げに向けて沈静化させて行く作戦かと思われます。利上げの始めの一歩をスムースに踏み出せば、市場の疑心暗鬼は徐々に解消して行きます。FRBの利上げ速度は最初はかなり緩やかなものになり、市場は金利上層のリハビリをして行くのでしょう。

ポジティブに考えるならば、テーパリングと同様にFRBの金利正常化は成功するかも知れません。


・・・ただ、そんなにスンナリ行くはずが無いと、心の片隅で囁く声がします。


<追記>

利上げ予測で昨年末より進んでいた「リスクオフ」は、今年に入ってからは「リスクオン」に転じています。

ダウは史上最高値を更新し、日経平均株価も今世紀最高値を付けています。これをして、「利上げ予測が遠のいた」と見るべきなのか、或いは市場が「利上げを織り込んだ」とみるべきなのかは意見が分かれる所でしょう。

FRBは例によって議長は玉虫色の発言を繰り返しています。「失業率は低下したが、実質所得が伸びていない」・・・これは日本なども同様ですが、労働の質の低下を理由に利上げを先のばせる様にしています。

日本国債市場にヘッジファンドの資金が流入していますが、金利が下がり過ぎた日本国債で利益を上げるには円高ドル安に為替市場が振れる必要があるかと思います。ここだけに注目すれば、利上げが先延ばしになって、ドル安が進行する事態が起きるかも知れません。

FRBが利上げに踏み切るかどうかは、米国債の金利をコントロールできるかどうかという問題が大きく影響します。中国の米国債保有が伸び悩む中、日本が再び中国を抜いて米国債保有世界一の座に帰り咲こうとしています。

ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式公開が今年の秋だとすると、FRBの利上げはその後になるのかも知れません。

強気に上昇しているダウや日経平均ですが、そろそろ調整が入りそうな気配。日経平均は19000円が視野に入って来て、そろそろ皆さん売る準備でしょうか?

外国人投資家としては円高局面で利確して利益を拡大した所でしょう。


菜の花を求めて・・・早春の南房総を娘と二人旅

2015-03-01 05:52:00 | 自転車/マラソン
 







■ 菜の花を求めて、娘と南房総へ自転車でGO! ■


この春高校を卒業する娘は進路が決まり、学校も休みの期間に入っているので家でゴロゴロする日々。さすがに体重が気になり出したのか、「お父さん、明日自転車に付き合ってあげてもいいよ。」と言い出した。

小学校の頃は1日100Km位は自転車で追走していた娘ですが、最近は30Kmも乗ると音を上げます。

そこで娘の体と精神を鍛え直すためにスペシャルなルートを設定します。

1) 君津までは電車で輪行
2) 鹿野山ヒルクライム
3) 君鴨トンネルまで登り直し
4) 和田町まで再び山道
5) 鴨川に海沿いを走る


だいたい70kmのコースでしょう。今頃の南房総は菜の花の時期。最後は鴨川の「菜の花ロード2015」で締めたいいと思います。

■ 人生初ヒルクライム ■



「お父さん、鹿野山って何メートル?」
「350mくらい。東京タワーと同じだから、丘だよ、丘」

こうそそのかされて人生初ヒルクライムに挑んだ娘ですが、宝竜口手前の登りで、「もう無理、マジ、キツイ!!」って既に音を上げました。

「ゆっくり登ればそんなに疲れないから、軽いペダルをクルクル回せばいいんだよ」とアドバイスして、娘の先を登ります。「足を付いたら心が折れるから、足を付かない事だけを考えて登ればすぐに頂上だよ」

本日、娘の自転車はフロントショートサスのミニベロ。アルミですが車重は11kg程度。私はMTBのラレー君。フロントシングル、リア8速ですが、ハンデーを付けて軽い方のギア3枚は本日は封印。

いつもは浦安から75Kmを爆走した後に取り付く鹿野山の登りですが、本日は最寄駅まで電車なので、私の足はフレッシュそのもの。13KgのMTBでも20分を切れそうな感じですが、娘のペースに合わせてゆっくりと登ります。娘は7%程度の斜度でも時速10km/hは維持しているので、初めてにしては上出来でしょう。

カーブの度に視界から消える娘の心が折れない様にペダルの回し方のコツなどを教えながら、とうとう最後の斜度10%超えに到達しました。ここからは根性あるのみ!!。「もうダメ」と弱音を吐く娘を叱咤激励しながらようやく鹿野山山頂のバス停に到着。

31分30秒・・・・足付き無し・・・・よくやった娘よ!!

娘も満足感を味わっている様で、「もう、二度とお父さんと自転車で出かけないから!!」と宣言・・・。

■ 鹿野山神野寺は、スポーツと健脚にご利益があるらしい ■



鹿野山山頂に在る「神野寺」。「聖徳太子が開いたと伝わる関東屈指の古刹」とホームペイジには在ります。室町時代の永正年間(1504年~1521年)に真言宗の僧弘範により中興され現在に至ります。本尊は薬師如来と軍荼利明王。成田山や川崎大師と同じ、真言宗知山派に属し、境内は東京ドーム3つ分で、往時は大寺院でした。

いつもは先を急ぐので素通りしますが、本日はゆっくりサイクリングなので、小学校の林間学校以来、境内に立ち入ってみます。

実は「鹿野山神野寺」、全国区で有名なお寺です。「トラ」と言えばお分かりの方もいらっしゃるのでは?

何故か昭和50年代に神野寺では2頭のトラが飼われていました。これが昭和54年8月に2頭とも逃げ出したのでさあ大変。全国のハンター達がトラ狩りに鹿野山に集まりました。1頭は2日後に射殺されましたが、もう一頭は犬などを襲いながら1ヶ月も山中を逃走。周囲は外出禁止になるなど、全国ニュースを連日賑わしました。

そんな喧騒とは今は無縁の神野寺。現在は門前もひっそりとして、訪れる観光客もまばらです。




火災で焼失した後、宝永5年(1708)に再建された本堂は県の重要文化財に指定されています。




本堂の裏には奥の院があります。



巨大な天狗の下駄が奉納されていますが、これに触ると、健脚のご利益があるそうです。これはサイクリストにとっては魅力的なご利益です。お賽銭をして本日の安全を祈願します。

娘は「恋愛成就」にご利益があると書かれていた「愛染明王」を必死に拝んでいました・・・。


■ ひと山も、ふた山も越えたら娘が不機嫌になった・・・・ ■




鹿野山展望台で一休みした後は、秋元口に下って、清和ロマンンの森経由で鴨川を目指します。途中、「夢の丘牧場」でソフトクリームで補給。昨年生まれた子ヤギの「アナ」と「ユキ」も少し大きくなって、人になついてきました。

ここからは、蛇行しまくる小糸川を道が渡る度に上り下りを繰り返します。君鴨トンネルまでは登り基調なので、ジワジワと足にきます。ペースはゆっくりですが、娘は元気に付いてきていうます。

これなら鴨川までもう少し山道を楽しんでも良いかも・・・そう思い、長狭街道を左折せずに直進。ここから南房総市との市境までは登りが続きます。

先程、左折したら鴨川という看板をチラリと見た娘が、コースを怪しみ始めました。さらに、登りが始まったので、急に不機嫌になります。「お父さん、後10Kmで鴨川って言ったじゃん。これ登ってない、何で山道走ってるの?」

「長狭街道は車通りが多いから、こっちを迂回する方がいいんだよ」と言い訳する私達の脇を、結構な数の自動車が抜いて行きます・・・。




坂道は結構急で、自転車を押して歩き出した娘は、峠の頂上で「南房総市」という標識を見てマジ切れ。「これ、鴨川出ちゃうじゃん。マジ、嘘つき!!」

もうその後は真っ赤な顔をして後ろから睨んで来ます。心が折れると足に来るので、自転車のスピードも一気に遅くなります。それでも、山の中からは、山道を走らないと抜けられないのが世の理。

和田町方向に進路を取りますが、登りが続きます。娘は天狗の様な真っ赤な顔で睨んでいます。



小向ダムの勇壮な姿も娘の心を捉える事は有りません。



今が盛りと黄金色に輝く菜の花も、娘の心をハッピーにしません。

そんなこんなで、冷たい視線に刺されながら、和田町で外房の海沿いの道に出ます。

■ スイーツの威力は偉大だ!! ■



やや逆風の外房の海辺を走る鬼の様な形相の娘・・・。コワイ。

そんな娘の心を開かせたのは・・・・



海鮮漬け丼では無く、クリーム餡蜜。これで機嫌がコロっと代わりました。スイーツの力は偉大と言うか・・・これ、単なるハンガーノックですね。



私は捕鯨の町、和田の特産のクジラ丼を堪能します。



■ 菜の花ロードの菜の花は3月15日まで ■




ご飯を食べて元気と機嫌の直った娘を連れて、鴨川まで最後のひと走り。

本日のメインの目的である「菜の花ロード2015」に向います。市役所の先にある水田3haに一面菜の花が植えられいます。

昨年見逃したので、今年は何が何でも見たいと思っていましたが、菜の花は終わりかけていました。見頃は2月中旬なのでしょう。

それでも、周囲の田んぼ一面が菜の花の黄色に染まる様は見事です。

ちょっと肌寒くなって着ました。お土産屋を覗いてから、特急電車で輪行して本日の娘とのプチ自転車旅行は終了。

娘曰く、「もうお父さんとは2度と自転車に乗らないからね!!」



78Kmm8時間の自転車の旅でした・・・。
獲得標高は1126m・・・確かに怒る訳だ・・・。

娘よ、頼むから、また一緒に走ってよ。