大林さんは、時に自分の映画が、バランスを崩してしまうことも厭わない。その結果、この映画はギリギリのところで失敗している。本作は、伊勢正三のヒット曲からイメージした第2弾である。前作『なごり雪』がよかっただけに、これはとても残念な出来だ。
貧乏だからといって、今時「わたしと援交しませんか」なんて、言う女子高校生ですらない、20歳過ぎの女の子なんていない、と思う。まずこの設定に退く。なのにそこを . . . 本文を読む
2時間以上の上演時間を使ってこんなにも単純な話を、取り留めもなく見せてしまうのは、ちょっとあんまりではないか。エンタメ芝居として絢爛豪華な世界を、自分たちにできる範囲でやろうとしている気持ちはわかるが、まず必要なのは、台本自体の面白さではないか。そして、魅力的な役者たちのキャラが生かされること。その2点に尽きる。
全く意味を為さない回り舞台とかはいらない。花魁たちの衣装はなかなか煌びやかで悪 . . . 本文を読む